大日本赤誠会愛知県本部ブログ版”一撃必中”

当ブログは金銭目的ではなく、飽くまでも個人的な主義主張(思想や言論の自由)を表現する場として開設しています。悪しからず!

茨城・那珂の量研機構 JT-60SA 2月末にも試験運転 核融合炉、実現へ一歩 プラズマ維持を実証

2023年02月03日 09時44分57秒 | 核融合 レーザー核融合 超高温プラズマ ヘリカル型 トカマク型 超電導 絶対零度

2月末にも試験運転を始めるJT-60SA。核融合発電の原型炉実現に向けた実験が行われる=那珂市向山

茨城県那珂市向山の量子科学技術研究開発機構(量研機構)那珂研究所で、核融合実験装置「JT-60SA」の試験運転が2月末にも始まる。本格実験では欧州と共同でプラズマを長時間維持できる技術を実証し、今世紀半ばごろとする原型炉建設に向けた研究開発を進める。世界的なエネルギー危機の中、同機構は「新たなプラズマ開発の扉を開く」として、「地上の太陽」と呼ばれる核融合発電の実現に意欲を示す。
★1億度超を制御
核融合発電は原子同士をぶつけて融合させ、その際に発生したエネルギーを電力に変換する。核分裂反応を利用する原発と異なり、高レベル放射性廃棄物は出さない。
一般的には海水から直接的、間接的に得た重水素と三重水素を炉内で加熱し、強力な磁場で高温・高密度のプラズマを閉じ込めて核融合反応を起こす。
入れた燃料の約10倍のエネルギー獲得を目指し、日米欧など7カ国・地域はフランスで国際熱核融合実験炉「ITER」の建設を進める。核融合の手法が複数ある中、「トカマク方式」を採用。2025年を目安にプラズマを発生させる予定だ。
JT-60SAも同方式の装置で、高さは約15・5メートルとITERの約半分。容器外側に28個の超伝導コイルを設置し、ドーナツ状の真空容器内にプラズマを閉じ込める。実験では1億度以上のプラズマを制御し、連続100秒の維持を目指すなど、側面からITERの課題解決を図る。

★小型化と経済性
量研機構は05年、試験装置「JT60」で高性能プラズマを当時、世界最長の28秒間維持に成功。JT-60SAとして大規模改修し、20年に試験運転を始める予定だった。だがプラズマを起こす前段で電気系統のトラブルが発生し、試験運転は中断した。
補修作業を終え、今月からは正常な作動を確認する統合試験がスタート。今年中ごろにはトカマクプラズマを発生させ、25年からの本格実験に向けて準備を加速させる。同研究所先進プラズマ研究部の井手俊介部長(62)は、稼働により「核融合に直接貢献するような実験が進められる」と話す。
ITERとは別に、小型化や経済性を追究した原型炉の実現に向けた高圧プラズマの生成や維持の実験も行う。プラズマは圧力が高まるほど不安定化する一方、エネルギー出力が高まる。このため量研機構はITERの約2倍の圧力でプラズマの維持を狙う。

★遅れた分を挽回
原型炉実現に向けた課題は多い。長期間運転を可能にするため、プラズマ電流が突然停止する現象を防ぐための原因究明や、発生した高熱を除去する「ダイバータ」と呼ばれる機器の性能向上などが求められている。JT-60SAでは不純物を混ぜて熱を逃がす方法などを模索する。
国内外の研究機関はさまざまな方式で開発にしのぎを削る。昨年末には米国の研究所がレーザー照射による手法で、燃料容器に投入した分を上回るエネルギーを得ることに成功した。井手部長は「SAとは異なる方法だが、同じ核融合を目指す中での成果に刺激を受けた」と話す。
核融合炉は基礎技術の開発途上。量研機構も「トラブルで実験開始が遅れた分を挽回したい」とする。地元の那珂市も、永岡桂子文部科学相に核融合の研究開発推進を要望するなど後押し。井手部長は「ITERや原型炉の使命を実現し、エネルギー問題(の改善)に取り組みたい」と意欲を示す。

参考:核融合をまったく知らない人の為に
核融合反応を起こすためには、重水素と三重水素を加熱し、 一億度以上の高温にすることが必要。で、その燃料は無限に存在する海水です。
原子核はどちらも+の電荷を帯びているので常温では反発して融合しない。プラズマの状態でぶつけると電荷に関係なく融合し、莫大なエネルギーを放射する。

@ここでは、地元贔屓で世界最大級の大型ヘリカル装置=LHDを運用する土岐の核融合科学研究所を中心に取り上げて応援してきましたが、残念ですが世界の潮流はITERに代表されるトカマク方式になりつつあります。
量研機構の実験装置、JT-60SAでのプラズマ長時間維持の目標が達成される事を祈ります。