日米両政府が、航空自衛隊が米空軍の無人偵察機「グローバルホーク」を導入すれば、空自と米空軍の同機が収集した情報を共有する方向で調整していることが1日、分かった。国内で機体を整備する基盤も共有し、拠点として三沢基地(青森県)を想定。広域を長時間飛行できる特徴を生かし、東シナ海での「防空識別圏」設定で示威行動を強める中国の航空機と艦艇への監視能力を高める。防衛省は平成26年度予算案概算要求で同機を念頭に2億円の調査費を計上、27年度にも導入する。
中国は東シナ海に加え、南シナ海でも高圧的な海洋進出を拡大し防空識別圏を設定することも示唆。これを受け日米両政府は同機で東シナ海と南シナ海の海・空域を常に監視し、いつ挑発が起きても瞬時に把握できる態勢を敷くには、情報共有を確約しておくことが不可欠だと判断した。米空軍は同機を運用するにあたり操縦用と情報伝達用で複数の衛星を使い分けている。事前に設定したプログラムに沿って飛行するが、マニュアルに切り替える場合があり、その際は衛星を通じ操縦信号を送信。収集した情報を米国内の地上局に伝える際には操縦用とは別の衛星を介している。
地上局には大量の情報が集積されデータを処理・分析するには高度な専門性が必要で、機器の機密性も高い。空自は当面、衛星やデータ処理・分析を米側に依存するため、空自の情報も米側の地上局に集約され把握されることになり、公平性の観点からも米側が収集した情報の提供を求める。米空軍はグアムのアンダーセン空軍基地に常駐している3機のうち1機を26年春にも三沢基地に暫定配備する方針で、主に尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺など東シナ海で情報収集にあたる。
@今更コメントする事もありません。一日も早い導入が待たれます。
参考:グローバルホーク 最大飛行高度2万メートルで滞空時間は30時間。偵察衛星と同じ合成開口レーダーや高性能センサーを搭載し、弾道ミサイルの発射探知や離島侵攻での敵部隊の把握にも有効とされる。東日本大震災では東電福島第1原発の状況把握にあたった。