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企業が最高益で何故実質賃金が下がるのか。

2024-05-31 04:01:20 | Peace Cafe


 企業は最高益だと報道されている。しかし、物価上昇に、賃上げが追いつかず賃金の実質目減りは24ヶ月続いているという。消費が低迷しGNPは下がっている。自営業者、商店経営、農業者、はなおさら苦しい状況と言うことになっている。

 何故、こんな不公平が起きているかと言えば、自民党が企業献金への依存体質から抜け出せないためだ。今度の政治資金裏金継続法を見ればよく分る。何とかごまかして、企業献金を続けようと言うことだ。反省などみじんもない。自民党議員は議員の役得に固執している連中だ。

 自民党政府は、法人税率の引き下げや労働規制の緩和をつづけてきた。小選挙区制により、与党執行部の権力の集中が起きている。ピンポイントに効率よく企業の献金が有効にできるようになった。企業が良くなれば、経済がよくなるというウソを吹聴することによって、企業が負担する法人税率はどんどん引き下げられてきた。

 その間、国民が負担する消費税が「直間比率の是正」を理由に新設され、繰返し値上げがされてきた。その分、法人税の税率もどんどん引き下げられていった。因果関係はともかく、結果的に実質賃金は1997年以降、右肩下がりで、特に直近では24ヵ月連続で下がっている。

 企業は最高益の更新が相次ぎ、両者の真逆な動きは見事なまでのことだ。政府はあらゆる場面で、世界で戦える企業にしようと努力をした。しかし、そのことは新規企業の出現を促進すると言うよりも、既成の企業の既得権を守ると言う方向に進むばかりだった。

 自民党の議員が、企業からパー券キックバック方式で裏金を貰い活動するという形が出来上がったのだ。その裏金が政治活動に必要と自民党や維新の議員は主張しているが、金を出す企業の利権を無視できるとは思えない。無視すればもう出さないのだ。出したパー券購入費に見返りがなければ、企業は株主に対して申し訳が立たない。

 企業が過去最高の利益を上げながらも、どこの社長の発言も危機発言ばかりだ。企業は危機を目の前にしていると、相変わらず厳しいことを主張している。そうした現状認識であれば、当然内部留保を高め、賃金は抑えることになる。そこへ円安が進むのだから、生活は激しく厳しくなる。

 それでもまだ企業労働者は良い方で、その他の労働者は急速に生活に追われるようになって余裕を失っている。それでも、政府の目は企業の献金の方向に向いていている。その理由は政治にはお金が必要だからと言うことらしい。お金がなければ政治が出来ないので、企業献金に依存して、お金を出してくれる方向に政策を向ける。

 政府は確かに賃上げを企業にお願いをしている。賃上げをお願いしながら、一方で法人税を下げたままにしておきますので、この見返りでどうかと言うことなのだろう。これは財政的には矛盾している。法人税を上げて、その分で消費税を下げれば、良いだけのことなのだ。

 それでも消費税は必要だと思う。消費税の廃止の主張があるが、聞こえは良いが無理である。税金は福祉重視の国家にはかなり必要なものだ。あらゆる形で多様に税は集めるほかない。防衛費を下げればと言うが、ミサイルはいらないが、防衛の高度化はAT化は必要だ。

 法人税を下げるために、消費税を安易に上げすぎたのだ。生活苦が広がる中での、行き過ぎは良くない。法人税の値上げ分だけ消費税を下げることがバランスが良い。最終的には、ベーシックインカムの制度を取り入れることを考えるべきだと思う。

 ベーシックインカム制度とは、生活保護費を止めて、無条件に国民に一定額の金銭を与えることである。財源問題が当然課題なのだが、そのことは後にかくことにして、消費税を残しても、ベイシックインカムを導入することは合理性がある。

 高額所得者にも同じくお金を与えるが、それ以上に所得税を取って、平準化を図る。それくらい日本の貧困率が高まっているのだ。このことが実感できないという人も居るが、社会の現状を見れないからに過ぎない。豊かな社会の貧困。よく見れば分ることだ。

 日本の相対的貧困率は15%前後。相対的貧困率とは、所得中央値を割り込んでいる人たちの割合のこと。無条件で支給されるベーシックインカムは高所得者層と相対的貧困に分類されている人の所得の格差を縮める方法の1つとして有効なものなのだ。

 生活は苦しいものの生活保護を受ける水準ではないとされている人にとって、ベーシックインカムは有効な制度になる。ベーシックインカムには所得の制限がなく、いわゆる”ワーキングプア”とよばれる働いていても生活が苦しい人の収入の底上げにつながるためだ。

 最低限の保障がされると無理に働かなくても生きていくことができる。そうなると働く意欲がなくなってしまう可能性がある。ベーシックインカムを実施すると、働かずに収入が得られるため、働かない人が増加するのではないかと懸念されるが、実際の社会実験ではそういうことでもない。人間は比率的に見れば、真面目な生き物だ。

 令和4年度を例にとると、一般会計の歳出総額約110兆円のうち、社会保障に充てられているのは全体の32.9%、金額にして36.3兆円です。ベーシックインカムを実施する際、社会保障費を全て充てたとしても不足すると考えられる。なぜなら、いままで支給されていない人も支給対象として加わるためだ。

 もし、日本人の人口を1億2千万人、国民1人あたりに10万円のベーシックインカムを支給するとなると1年で144兆円が必要になる。2024年度予算案で医療、年金、介護などをあわせた社会保障関係費は計37兆7200億円にのぼる 社会保障費全額では150兆円ぐらい。

 ベーシックインカムを導入するのであればこれまでの社会保障を見直し、ベーシックインカムに一本化する必要がある。これまでのサービスよりも全体的に低下しないためには、かなりの見直しが必要になる。これらの問題をクリアして財源や社会保障の一本化を実現できるか。

 その可能性となるものが、ATとロボットの革命である。ベーシックインカムはAT革命時代の社会の新しい仕組みなのだ。ATとロボットの登場で労働の質と種類が変るのだ。人間が行う労働はロボットやATが出来ない仕事中心に変る。人間らしい仕事を行うとも言えるだろう。だから、働くことは喜ばしいことになる。

 辛いがまんしてやるのものが仕事ではなくなるのだ。労働時間も自由に選択できるものになる。働く仕事もやりたい仕事を選べるようになる。私なら田んぼをやりたいだけやれる。収入とは関係なく田んぼが出来るのだから、そのお米は必要な人が食べるて貰うことが出来る。

 これは田んぼで働くことが自分の喜びでもある上に、食べる人の喜びにも成る。ATやロボットが良い方向に使われれば必ずそういう社会になるはずである。そうなれば、ベーシックインカムの時代が来る。つつましくボランティアに生きるという人が増えるのではないだろうか。
 
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