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2024年のぼたん農園稲刈り進行中

2024-06-01 04:07:20 | 楽観農園


 のぼたん農園では一期作の稲刈りが進んでいる。梅雨時の稲刈りで、田んぼには水がたまった状態になっている。お米の乾燥が進まず、稲刈りの適期が難しかった。田んぼが水が抜けない状態なのだ。水が抜けないまま、稲刈りをして、いくらか乾かして、コンバインに運んで脱穀をした。

 大変な稲刈りではあったが、全力で出来た思いの籠った楽しい稲刈りになった。イネ作りを今になって楽しいと思うようになった。40年近くイネ作りをしてきて、少しもわかっていない気がした。イネを満作に作りたい。その品種の持っている力をすべて発揮して作りたい。

 作物を満作に作ることは、作物に対する礼儀なような気がしている。食べさせていただくのに、いい加減な心無い作り方では申訳がない。補助金が貰えるので、適当な作物を適当に植えて、収穫もどうでもいいというようなことでは、作る人間が壊れてゆく。補助金が百姓魂を壊してゆく。

 石垣でイネ作りをするのであれば、石垣でその性能を十二分に発揮できる品種を見つけて、作ってみたい。台光はそんな品種になる可能性はあるが、ばらばらに穂をつける欠点がある。穂が揃わないのはどうも性質のようだ。台中65号はどうかと思い、現在作って見ている。あと10年は作りたいので、それまでに石垣の気候に適した良い品種を見つけたいと思う。

 乾いていない青い藁だから、コンバインが詰まってしまった。稲刈りをしてから、半日でも日に当てて置きたい。そうすれば、何とかコンバインは詰まらないようだ。来年は梅雨時の稲刈りにならないように、時期をずらすことを考えなければ成らない。

 昔の与那国や西表や石垣の田植えを12月始めだったと言う理由がしみじみと分った。5月の連休が例年の梅雨入り直前と考えて良いだろう。梅雨入り前半は連続的に雨がちである。5月5日から月末までの4週間は稲刈りを避けなければならない。5月始めまでに稲刈りをするのであれば、11月始めが種まきになる。

 冬の育苗と言っても、石垣島に冬はない。12月でも小田原の5月より暖かい。5葉期に育てるには小田原とだいたい同じくらいの時間が必要だった。時間がかかるのは日照時間の問題なのだと思う。さすがに石垣の12月は小田原の5月よりも日が短い。1月の田植え後の生育もゆっくり気味であった。

 それは稲の生育には悪い事ではないが、適した品種でなければ、おかしな生育になる。ひとめぼれやミルキーサマーではやはり13枚しか葉が出ないで満作にはならない。40㎝角植の土壌の深かった部分が唯一15枚葉が出てがっちりした株になった。

 その点では台光は石垣の気候に適合している。台湾から来たものだというから生育が良いのだ。何とかすれば出穂をそろえることはできるのだろうか。そもそもできない品種なのだろうか。西表に台光を作っている人がいるらしいから聞いてみたい。

 梅雨の雨を避けるためには遅くとも連休中に稲刈りが出来るようにと考えると、12月中には田植えをやりたい。苗作りは11月に始めなければならない。来年は11月の苗作りで稲がどうなるかを、試してみたいものだが、どんな品種なら可能なのだろうか。

 またもう一つの方法として、梅雨明け後に稲刈りをするように時期をずらすこととなると、6月半ば過ぎとなる。2月後半から3月始めの田植えになる。2月後半の田植えであれば、1月後半の種まき苗代と言うことになるだろう。この場合、今までの経験では稲が十分生育しないうちに穂が出てしまう可能性がある。

 また石垣では稲の病気が出やすい。その点では有機農法では難しいことだと思うが、良い土壌の田んぼで稲を満作で元気よく育てる。肥料が十分で育つと、早く穂が出てしまう可能性が下がるようだ。有機栽培で行う場合、肥料の速効性がないから、追肥をどうすればいいまだわからない。多めに細かく追肥をして行けばいいのか、方法を考え無ければ成らない。

 来年はこの2つの方法をやってみたいと思っている。稲刈りを梅雨時を外す。これが今年の稲作の勉強だった。また、3番、4番田んぼでは不稔が起きてしまった。原因は特定できないが、水が足りなかったことが一番の原因に感じられる。1,2,3月の降水量が過去最低だったのだ。

 風が強かったこともある。花が咲くころ大風が吹き付けた。これで不稔になった可能性がある。イネの茎が細く弱く、風に弱いイネだったように思う。土壌がまだ新しく肥料不十分だったことも、良くなかったのだろう。複合的な原因があると思われる。

 今回40㎝角植、30㎝角植、30×40㎝角植、60㎝角植とさまざま比較栽培したが、一番良かったのは40㎝角であった。「ゆがふもち」という糯米であった。鹿児島県作出のお米だ。鹿児島での栽培とほぼ同じような稲に育った。土壌がまだ十分でないので、40㎝角でないと稲が満作にはならないという事のようだ。

 現在、ひこばえの実験栽培に入っている。ミルキーサマーは満作にならなかった。ひこばえも弱いものになっている。40㎝角植だと植え付け株数はかなり少なくなる。収量も満作でも5俵ぐらいではないか。それでもひこばえもそれだけ取れれば、自給農業としては、10俵の畝取りになる。3回の収穫なら15俵になる。

 ひこばえ農法を考えると40㎝角が今のところ一番良いように見える。これからひこばえの研究を進めながら、植え付け密度の比較を進めたい。 幸い今のところは雑草の問題は少ない。コロガシぐらいで抑えられている。田んぼだった歴史がないから雑草がまだ少ないと思われる。

 田んぼの植え付けは田んぼの周囲を大きく開けたい。水を早く乾かすために溝堀が必要になる。鳥よけのネットがあるので、周囲からの草の侵入を防ぐには幅広に空けておく必要がある。イネのないところがあれば、畔の草刈りもしやすい。無駄に見えるが、良い管理を行い満作に作るには必要なことだ。

 アカウキクサ農法で分かったことは、よみがえり牛糞堆肥でアカウキクサは増えることが分かった。堆肥の窒素分をアカウキクサが吸収しているという事もある。その分も考えて、2畝に1回45キロぐらいは入れるようにしたい。1期目は1回30キロだった。

 土壌の消耗が激しい。これは亜熱帯の気候の為もあるのかもしれない。のぼたん農園の土壌がまだ良くない為という事も考えられる。土壌を豊かにするために腐植を増やすひつようがある。堆肥やアカウキクサを土壌に漉き込んでゆく。藁も出来るだけ戻す。分解の為に窒素を使うだろうから、その分も考えてたい肥を増やす。今のところは、こんな方針である

 小田原では田植えの日に、のぼたん農園のことを書いた。何か不思議な気がする。一年中田んぼをやれるのだから、こんなに面白いことはない。様々な疑問が、何度もやることで分かってくるのが早い。今回小田原でも30×40㎝田植えをやることになった。どういう結果が出るだろうか。

 
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