今年もツバメが早くからやって来た。
3月末のまだ寒い時だが、「去年のこと」があるから、卵を産む前に吹き付け壁にポリプロピレンの版を貼り付けた。
慌てて行ったDIYショップに、薄いツルツル板はポリプロピレン、しかもオレンジしかない。
どうかなあと思ったが、とにかく急いでいたので、それを買って帰って急いで貼り付けた。
ヘビ除けに、反り返りの裾も付けたので、ツバメも嫌がって来ないかも知れないが、それならそれで気楽で良いと思った。
しかし、まったく気にする様子もなく、その夜も泊まり込んでいる。
やがて、4月初め頃、二羽で夜を過ごし始めた。
『いよいよ、卵を産むのかな』と思っていると、翌日からいなくなった。
一週間ほどして、また、二羽いる。
二日ほどいたが、またいなくなった。
今度はメス?一羽だけいたが、これもいなくなった。
どうも、「お泊まり」をしてもらっても、気に入られないらしい。
そりゃ、そうだろう、
こんな、オレンジ板で囲まれていたのでは、落ち着かない。
ツバメがどれぐらい識別力や好みがあるか知らないが、色のせいかもしれないし、パネルの張り方のせいかもしれない。
それにしても、確か、去年ふ化しなかった卵が一個残っていたはずなのにどうしたんだろう。不思議だったが、のぞきもしなかった。
とうとう、5月中頃からまったく姿を見かけなくなった。
あきらめたなと、妙にホットして、気楽な毎日を過ごしていたのだが、6月になって、また巣のチェックに来ているのを発見。
一羽なのに、巣に来て、
チー、ジュジュジュジュ、チー
と、求愛鳴きをしている。
もてない君、とうとう狂ったか、
可愛そうでもあり、申し訳なくもあり、
でも、順調でヘビにやられるよりは良いだろうとも思う。
6月の末、巣の中のものが全部掻き出されて、去年の卵も一つ落ちていた。
『なんだ、あのバカ、一度も巣の整備をしていなかったんだ!』
いや、バカは行ってしまって、遅ればせに来た切れ者かも知れない。
去年、ヘビにやられた気配のまま、卵まで残っているのに、メスを勧誘していたバカさ加減と、図々しさにあきれてしまった。
それにしても、周辺のツバメはみな巣立って、あちこちで幼稚園みたいな、おぼつかないツバメ集団が飛んでいる時だ。
今更遅いだろう・・・かわいそうに
そう思っていた、7月初め。夜、一羽が巣にいる。卵を産んだらこれまでは、二羽ともいたのに、一羽だけだから、わけがわからない。
翌日、留守中に、棒の先に付けたミニ鏡でのぞいてみると、卵が五個並んでいる!
その後、三羽が孵った段階で、エサやりを始めたのだが、どうにも不可解なことだらけだ???
遅い季節だから、三羽に集中したのはわかるとしても、
卵を温めている間、一羽だけで、オス?は夜来なかった。
三羽が孵った後も、一晩、二晩は親が一羽いて、残った卵を温めようとしたが、ヒナに邪魔され、とうとうあきらめたらしく、まだ目もあかないヒナを残して、夜、親は来なくなった。
普通にあることなのかも知れないが、不思議で心配だ。
それでも、昼間は、二羽でエサをやり続け、8月2日ちゃんと巣立った。
今夜もまだ、三兄弟が帰ってきている。
(webカメラ。下がオレンジの裾板)
オスは夜、追い出されているし、ヒナは、子供部屋に置き去りだし・・・
どうも、雌も雄も、子育て一年生なのか、それとも、ツバメも現代風なのだろうか、おんぶに抱っこで育てる執着は、無いらしい。
でも、虐待はしていない。
P.S.12日の夜まで帰ってきたが、13日から帰らなくなった。
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