魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

世間づきあい(2)

2009年03月28日 | 動物

玄関の軒先に、毎年ツバメがやってくる。
しかし、うまく巣立ったことは滅多にない。
ある朝、出てみると、卵からかえったばかりのヒナが、みな落ちて死んでいる。
『何者!』と絶句したが後の祭り。親鳥の姿はなく、初夏の陽差しが照らしていた。

その翌年は、来なかったが、2年後にはやって来て、せわしく巣の手入れを始めた。卵も産んだようで、つきっきりで温めている。
そんな朝、出てみると、巣が完全に破壊されて、卵も親鳥の姿も無い。
今度は、犯人がすぐ判った。カラスだ。
巣を破壊したパワーだけではない。黒い大きな羽根が落ちていた。

その翌年。今年はどうだろうと思っていたら、少し遅めだったが、またやってきたので、あわてて、カラス避け対策をした。
カラスが飛びかかる40センチほど手前に、針金を一本張ってみた。
その年は、4羽のヒナがかえり、無事、巣立っていった。
その翌年は、5羽が巣立った。
カラス除けの針金が効いている♪

その翌年となる昨年は、土砂降りの冷たい雨の中、いきなり、二羽でやって来ると、早速、卵を温め始めた。ヒナは順調に育ち、親鳥はひっきりなしにエサを運んでいる。
実は、この年、様子を観察しようと、冬の間に暗視WEBカメラをセットしていたので、毎晩、のぞくのが楽しみになった。
巣の下を通る時は、見ないようにそっと通り過ぎ、家に入ってからPCで観る。
もう、親鳥と同じくらい大きくなって、あと3~4日で巣立ちだ。
帰ってくると、親鳥が巣から出て離れたところに留まっている。もう、大きくなったから巣に入れないんだなと思いながら、そっと家に入って子供達の様子を見ようとPCの電源を入れた。

一瞬、どうなっているのか良くわからない絵だった。
巣からヒモがぶら下がっている・・・

ヘビだ !!!

巣の中で胴体をうごめかしながら、ヒナの頭を飲み込んだまま、上半身がぶら下がっている。

あわてて電気を付けて飛び出すと、巣の下に3羽のヒナが転がり、なすすべもない親鳥の前で、小型のヘビがダラリとぶら下がり、ヒナを飲み込もうとヒクヒクと動いている。

「こいつめ~ッ!」
高枝バサミを取り出して、ヘビと格闘になった。
子供の頃から、虫も殺さぬ軟弱者で、ヘビなどさわったことも、まして、殺したことなど無かった。
しかし、『まだ生きているヒナがいるかも知れない』
その思いと、しぶとくヒナを放さない執念深さに頭に来て、夜の闇の中、一心不乱に地面に叩き付けた。そのうち死んだヒナが転がったが、ヘビは、死にもしなければ切れもしない。執拗にハサミに絡みついてくる。マムシではなさそうだが、とにかくもう、「殺る」しかない。
挟んだまま、片手で紙に火を付けて焼き殺した。初体験だった。

親鳥のいなくなった巣をのぞいてみると、やはり、もう一羽の死骸があった。5羽、全滅だ。

ここで初めて、6年前の犯人が判かった。ヘビだ。
それも、ヒナを飲み込むこともできないような若いヘビが、飲み込もうとして失敗し、下に落として行ったのだ。

そして、今年。
あんなことがあった翌年でも、また来るんだろうか。
もう、来なければいいのに・・・。でも、来たらどうしよう。
小型のヘビが巣までたどり着いたのは、壁が「吹きつけ」でザラザラだからに違いない。何とかツルツルにしなければ・・・。
来ないかも知れないけれど、来るのなら、プラスチック板でも張っておこうか・・・
あれこれ、気をもんでいるうちに、とうとう、来てしまった。
今年は、さすがに、一羽で来たが、いきなりまた寒さがぶり返している。大丈夫だろうか・・・?

頼んで来てもらったわけでもない、何のギリもない、放っておけばいいのに、いつの間にか気をもまされ、手間を焼かされている。
いまやすっかり、「ご主人様」だ。

九星のなせるワザ
家相は中国の気学九星に基づく。近頃では風水として知られている。
方角を自然の摂理で考え、現象事象に当てはめる。

例えば、東南は辰巳の方角として、春から初夏の陽気、人が活発に動き始める季節で、人の出入りや商売盛んなところ。そこを玄関にすれば人の出入りが多くなり、家が栄えるとされる。
中国の大地で考えると長江流域や沿岸部に当たり、人の出入り商売盛んなイメージがある。

逆に、早春のいわゆる丑寅「鬼門」と言われる東北は、中国から見れば疫病神、騎馬民族の本拠地で、鬼がやって来るところだ。
関わると録なことがない。北朝鮮もここに属する。
実際、朝鮮戦争は中国にとっては、何の足しにもならない災難だった。

晩秋の戌亥、北西は収穫の後の祭を表し、天の神様や先祖の霊をまつる所で、「主人」を表す。家の中で一番偉い人の場所になる。
したがって、神棚や仏壇を置く。
こういう重要なところは、決して人に貸してはいけない。
「軒を貸して母屋を取られる」という言葉通りになってしまう。
逆に北西から見れば、こちらが東南で商売。鴨ネギの場になるからだ。

北西からは「主人」がやって来るのだが、
ツバメのいる我が家の玄関は北西にある。いつの間にか「ご主人様」の、ご機嫌を気にしなければならなくなってしまった。

ところで、日本の北西の国って、どこだっケ?