魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

熱中症か

2013年08月12日 | 日記・エッセイ・コラム

年々暑くなる。その一方で、年々老いていく。
だから、毎年、熱中症の危険が倍々に増えていく。

今年も暑い。
地下鉄を降りると、外の暑さを避けるために地下道を歩いて本屋に行った。目的の本が無かったので、そこからさらに1kmほど歩いて別の本屋に行ったが、ここにも無かった。

あきらめて、帰ることにしたが、来た道を引き返すより、ここからバスに乗る方が楽だろうと、バス停の時刻表を見た。
タイミング悪く、行ったばかりだ。

この陽ざしの下で待つより、地下道を歩いた方が無難だろうと、もう一度、地下に降りて、来た道を歩き始めた。
冷房も入っているので、地上よりはよほど涼しいが、歩いているうちに、意識が少し遠のいていくような感覚になって、景色がしっかり把握できなくなってきた。

『あ、まずい 熱中症にやられたかも知れない』
汗が身体全体から吹き出し始め、顔はビショビショで、視界がおぼつかない。
『いかん、こんなところで倒れてはまずいぞ。 気合いだ気合いだ気合いだ
そう、言い聞かせながら、歩いて行く。
地下道には、どこにも休むところが無い。ベンチ一つ置いてない。

行き交う人の、位置関係がよく解らなくなってくる。
景色が、にじんだ魚眼レンズのように収斂していく。地下道に響く人の話し声も遠く、何を話しているのかさえ理解できない。

とにかく、何処か座れるところにたどり着かなければ・・・
さらに足を速める。もう、一杯、一杯だ。
大きな声で話しながら、のんびり前を行く若者達に接近し、追い越そうとするが、もう、その話し声さえ理解できなくなっている。
『かなり、ヤバイぞ。 気合いだ気合いだ気合いだ

若者達の間を通り抜ける瞬間、耳元で大きな声が聞こえた。
中国語だった。

理解できないのは、体調のせいだけでもなかったのか。
そう、解ると、少し元気が出た。
ようやく、デパ地下の入口にたどり着いたので、そこから入って、喫茶に座った。 セーフ