魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

もろびと

2012年12月24日 | 日記・エッセイ・コラム

今日はクリスマスイブ
仏教の日本で、何でこんなに当たり前のように、クリスマスを祝うのか、未だに釈然としないのだが、最近では、ますます本格化して、街は静かな聖夜を祝うまでになっている。

高度成長期には、三角帽子のサラリーマンが、街を千鳥足で歩くのが、年の瀬風景だったが、
「クリスマス・イブ」や「クリスマスキャロルの頃には」が流れるバブル期には、一流ホテルが満室になっていた。

そんな、バブル時代から数年経った頃。
夜まで開けていた善哉屋に、学生風の二人の男の子が入って来た。
向かい合わせに座ると、一つのメニューを、二人で頭を合わせてのぞき込んでいる。

「へー、善哉にトッピングができるんだ・・・」
「クリスマスだから、生クリーム、トッピングしようかぁ」

二つとも、50円の生クリームを頼んで、
「あー、意外だあ、おいしいな」
と、嬉しそうにニコニコと、ゆっくり食べながら、閉店まで話をしていた。

イブにホテルを予約しておかなければ、恥ずかしい・・・そんな時代は、すでに去っていた。

あの、男の子たちは、どうしているのだろう。もう、30代半ばになっているはずだ。

近頃は、クリスマスイブに一人で過ごすことを「クリぼっち」と言うそうだ。
バブリー族が聞けば「かわいそうに」と思うかも知れないが、誰にも気兼ねなく、金も見栄も要らない「静夜」は、それなりに幸せだ。

あなたの心が満たされた夜でありますように

メリークリスマス