魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

循環社会

2012年05月31日 | 日記・エッセイ・コラム

子供の頃、親戚の農家に行くと、裏山を横堀して貯蔵庫にしてあった。
跡継ぎの長男が掘ったもので、夏は涼しいから、ここで昼寝をすると言うので、夏に行って寝てみると、本当に涼しかった。
終戦後は、防空壕の跡など、どこでも、穴が掘られていた。竜巻や落雷が多い近頃の気候変動には、役に立つかも知れない。

省エネ技術として、海岸地帯の都市で、海水から冷暖房を得る話を聞いた時、例の横穴を思い出して、地下はどうなんだろうと思った。
すると、先日、「クローズアップ現代」の、排熱利用の話の中で、地熱を冷暖房に利用する話があった。

『あ、やっぱり使えるんだ』と納得する一方、日本の新エネルギー技術の高さや、豊富さに改めて感動した。
これだけの技術がありながら、原発既得権でがんじがらめの日本は、ほぼ全く無視してきた。

せめて10年前からでも、原発や石油に頼らない技術の実用化に向かっていれば、今ごろは・・・と、悔しさや怒りがこみ上げる。
「資源の少ない日本は原発に頼るしか無いのです」と、まことしやかに国民をたぶらかしていた陰で、これだけの技術が葬られていた。

ワットの蒸気機関以来、250年目の大転換は、消費から循環であり、これもまた、島国精神が役に立つ。
今からでも遅くない。次の250年。人類統合の第三幕は始まったばかりだ。目先の利を捨て30年を見据え、脱燃焼、脱消費の循環社会を目指し、狭くなる世界に、循環技術を発信するクリーンのメッカになろう。
クール・ジャパンより、クリーン・ジャパンだ。

その気になれば
今も、原発を押し通そうとする既得権勢力が、徐々に勢いを盛り返しつつある。
原発再稼働はやむを得ないとしても、あくまで緊急避難であり、時間を区切った全廃約束と引き替えにすべきであり、同時に、新エネルギー推進のための、あらゆる施策が必要だ。

その際、原発既得権勢力にも、気持ちよく更生して貰うため、新産業への転換には優遇すべきだ。金さえ儲かれば文句は無いだろう。
原発技術が何に転換できるのか、具体的にはよく解らないが、軍需技術を民生用に転換した例は限りなくある。小水力発電や海流発電など、すぐ転換できそうな気がするのだが。