先週くらいから私は頭皮がひっぱられるような不快感に悩んでいた。
いや、まあ、あまり真剣に悩んでいたワケではなかったのだが、
気がつくと、いつも頭の上半分がぴりぴりと変な感じがしているので、
ラジオを聞きながら両手で頭の周囲を撫でてみたり、
肩凝りから来ているのかなと、首の横を押してみたりしながら、
なんとかこの気持ち悪さが軽減できないものかと考えていた。
違和感は左右のこめかみから頭頂部にかけてで、
感じとしては「お椀をかぶせられたみたいな」気分だった。
どんだけデカいお椀やねんと思いながらも、
できたらこれを脱ぎたいものだと、一日に何度も考え、
この年齢になって初めて、鉢担ぎ姫の不便さを思いやることができた。
ただ私の場合、親から被せられたのでないことだけは明白だった。
鍼灸で肩凝りをほぐしたら良いのではないかと思い当たったが、
今、運の悪いことにお馴染みの鍼の先生が連休に先がけて休診中で、
全然知らない新しいところで鍼を打って貰う気にもなれず、
昨日は、とうとう一大決心して近所の脳神経外科に行った。
自己診断ではこれは「緊張型頭痛」の範疇だと思われたのだが、
前々からの「目眩」の件もあるし、
もしや頭が変になっているのではないか(爆)、
とだんだん自信がなくなったのだ。
先生は、症状や病歴、血圧などに関する私の話を聞いたあと、
「それはね、自律神経がおかしいのですよ」
と簡単に仰った。
「目眩も最初は内耳が原因の頭位目眩だったんだろうけど、
今はむしろ、ストレスとか自律神経系から来てるんだと思いますよ」
私の場合、現在のストレスって何だろう。
老親の心配か?娘の学業成績不振?それとも自分の健康不安?
いや案外、ポゴレリチを聴きに行かねばらないことかも?(爆)
ってか私の年齢で「自律神経」と言ったら、結局「更年期」のことでは?
「では一応検査だけはしておきましょうか」
と先生は私に廊下に出るように仰った。
看護師さんに案内されて廊下の突き当たりまで行くと検査室があり、
入った瞬間、…………私は帰ろうかと思った。
なぜならそこにはMRIがあったからだ(汗)。
私は一般の開業医にはCTしかないだろうと思い込んでいたのだ。
シマッタ。来るんじゃなかった。
MRIなんかヘタに撮影して動脈瘤でも見つかったらどうすんねん。
しかし看護師さんに拉致されている私は、もう抵抗できなかった。
そのまま検査台に固定され、機械がコツコツ言い始めた。
2005年に初めて婦人科でMRIを受けたときは、
検査中、ヘッドフォンでかぐや姫の『神田川』を聞かせてくれて、
昨年、整形外科で腰のMRIを撮ったときには、検査室内に、
誰かのチャイコフスキー『ピアノ協奏曲第1番』が流れていたのに、
今回は、ヘッドフォンも音楽も全くなく、
ひたすらコンコン、ドッドッと鳴り続ける音を聞くしかなかった。
唯一の救いは、開放型MRIで、閉塞感がなかったことだった。
終わって診察室に戻ると、もう私の頭の画像が、
シャウカステンにずらりと並べられていた。
「何にも、ありません」
と先生は淡々と仰った。
「腫瘍も梗塞跡も無いし、血管も詰まってません。
ということは、目が回ってても、頭痛がしてても、死にませんので」
よよよよよかった(T.T)。
医師「ただ、ここ。蓄膿がありますね」
転妻「え」
先生は私の頭部輪切り画像の一枚を指された。
そこから続いて何枚かの写真に、どれも、
右の鼻のところに、白い水たまりのようなものが写っていた。
医師「鼻、右側だけ、蓄膿症ですね」
転妻「そうなんですか」
医師「左は、全く何も写ってないでしょ。右だけ」
転妻「……知りませんでした(..;)」
先生のお話によると、こういうのは結構よく見つかるということだった。
全く症状のない副鼻腔炎が、画像診断のときに偶然発見される、
というのは、鼻炎の自覚のない人でも割とあるのだそうだ。
私のようにアレルギー性鼻炎の既往があれば、
なおさら納得できることだと言われた。
ただ、今さしあたり痛みや発熱など急性症状がないのであれば、
画像で見る限り大した蓄膿ではないし、問題ないとのことだった。
頭を調べて貰ったら、鼻が蓄膿症だと判明してしまった。
うぅむ。そういや以前もこんなことがあったな、
耳鳴りがすると言って耳鼻科に行き、鼻の治療をされて帰ってきたという。
ちなみに、それらの画像の下の余白には私の姓名と年齢が印字されており、
さらに、なぜか「体重○キロ」という記載まであった。
その数字はかなりいい加減ではあったが、事実と懸け離れてもいなかった。
この医院に来てから私は一度も自分の体重を申告していないのに、
一体、どうしてわかったのだろう。
体型から見当をつけたのだろうか?んなバカな。
あのMRIは、検査台に寝た人間の重量を概算で算出するのか……。
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