ポゴレリチの12月4日の名古屋公演に行くかどうか、
私はここ三日ほど悶々と考えたのだが、見送ることにした。
今回の彼の来日公演は、4日(名古屋)・6日(川崎)・8日(東京)と一日おきで、
いずれも広島から見ると東方面であり、日帰り不可能な距離・公演時間なので、
全部を聴くなら、私は家を五泊六日も空けることになってしまうのだ。
それはいくらなんでも、長い(汗)。
結果論だが、名古屋のしらかわホールは本当は外したくなかった。
ここだけが700席という、規模の小さい会場だからだ。
オーケストラなど大編成の音楽ならともかくも、
ピアノやヴァイオリンのリサイタルの場合、私は、
2000席もあるホールで聴きたいとは、積極的には思わない。
極めて荒っぽい例えになってしまうが、私にとっては、
2000席のホールで聴くと、音楽のうち私が受け取る分量は2000分の1だが、
700席の会場で聴けば、私の取り分は700分の1に増える、
という感じに近いのだ。
小さい会場で聴くほど、私は労せずして多くの音を手に入れることができる。
ポゴレリチはピアニストの中でも際だって音のデカい(笑)弾き手で、
彼はいかにも、現代の大ホールで弾くタイプの演奏家なのだが、
それでも私はやはり、中規模以下の会場で聴けるほうが有り難いと思っている。
実際、去年5月にしらかわホールでポゴレリチの演奏を聴いて、
全く我が意を得たりの心境になったものだった。
今更言ってもせんないことなのだが、もしできるなら、
4日名古屋・6日川崎、あるいは4日名古屋・8日東京、
というふうに二公演を組み合わせて聴きたかった。
もしも名古屋公演決定の発表があれほど遅くならなかったら、
私は迷わずそうしていたと思う。
しかし、名古屋が発表されるまでに、私は相当量の予定を
川崎・東京公演の前後に入れ、関係の各方面とも約束をしてしまっていたし、
川崎と東京が先に同時に発売になったから、既に券を買ってしまってもいた。
せめて、名古屋が前回のように休日昼公演なら、
無茶をしても聴きに行ったと思うのだが、今回は夜公演だし。
ああ、すべては、名古屋公演の発表が遅すぎたことが原因だよ(T_T)。
どんなオトナの事情があったかなかったか知らないが……。
だが勿論、私は贅沢を言うべきではない、とわかってもいる。
既に川崎と東京を聴くことは決まっているのだ。
ショパン・リストのプログラムも、オール・ベートーヴェンも、
私は両方とも聴ける予定になっているではないか。
『足るを知る』とは、こういうときのためにある言葉だよと
オノレに言い聞かせて、ここは我慢することにしよう(^_^;。
Trackback ( 0 )
|