転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



・1月のこの時期、私は何しろ神社の正月の奉仕でヨタっているので、
新型コロナやインフルが各地で広がっている最中に、
わざわざ大阪や名古屋に旅をしたくはなかったのだが、
ポゴ氏の演奏会があるので、さすがにそちらが優先であった。
KF94をがっつり着用して出かけたが、行ってみると、
ポゴ氏本人も終始マスク姿で、なかなかの警戒ぶりであった。
演奏会本番もマスク着用のままステージに登場し、
ピアノの前に座ってからマスクを外して胸元に仕舞う、
という段取りで、弾き終わったらまた即座にマスク着用、
カーテンコールもすべてマスク姿であった。
このマスクがまた、不織布らしかったが暗めの柿色みたいな色合いで、
本番の蝶ネクタイや、演奏会後の私服の外套の色などと、
なんとなくコーディネートされていて、不思議な味わいであった(^_^;。

・大阪公演では、開演の1時間前に開場され、入ってみると、
予想どおりポゴ氏が、十年一日のごとき普段着姿で舞台上にいて、
リハーサルというか、楽器の確認みたいな演奏を、していた。
靴を脱いで、ソックスでペダルを踏んでいた。
足裏でペダルを掴むみたいな感触は、おそらく繊細なコントロールができて
良いものだろうなと想像した。
リハーサルのときは、上記のように完全にマスク姿で、
弾いていたのは、シューマンやショパンの部分的なパッセージとか、
同じ音型で上下するような指慣らし的なものであったが、
やはり、なかなかに美しい響きで、客席も概ね静かに聴き入っていた。
マネジャーの方なのか、スタッフさんが時間を告げに現れ、
ポゴ氏は弾くのをやめて、楽譜を揃えて布製トートバッグに入れ、
靴をはき、床においていたペットボトルを持って、退場した。

・このリハーサルも、本番も、休憩中も、照明は全然変化しなかった。
一般的な音楽会では、時間が来ると客席の灯りがしぼられ、
入れ替わりに舞台上がカっと明るくなって、
いよいよ始まるのだ、と感じられるものだが、今回のポゴ氏に関しては、
大阪・豊田ともそういう区切り的なものは一切なかった。
昔のポゴレリチは「コンタクトレンズが乾く」という理由で、
かなり舞台上を暗くして演奏していたと思うのだが、
今、明るいまま弾いているのは老眼だからだろうか(殴)。
なお、さすがに本番では彼は演奏用の靴をはいているので、
舞台袖のほうから靴音が聞こえて来ると、我々は
「ああ、来たな」とわかり、拍手を始めるのであった。

・大阪はサイン会が楽屋口で行われた。
私はたまたま並んだのが後ろのほうだったので、
自分の番が終わると、間なしにサイン会自体が終了し、
期せずして、ポゴ氏の楽屋出を見送るかたちになった。
出口付近にいた大勢のファンが拍手する中で、
ポゴ氏はマスクを外すと、細い葉巻(シガリロというのか?)を
胸元から取り出し、早速火をつけた。
厳格なマスク着用については、私は、
「ヨーロッパの人なのに、これほどマスク着用の習慣を取り入れるとは」
と感銘を受けていたのだが、この歩き煙草に関しては、
「そこはちょっと違うわ(^_^;」
と思った。

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