ときに、『Happy Birthday to you』については、ちょっと面白い話がありまして。 このインタビューの中でポゴレリチはこんなことを言っているのだ。
(とあるパーティーで、いわゆる名士であった主催者の男性の誕生日が祝われることになり)
There was also a piano in the room and all of a sudden someone pointed to the piano with an inviting gesture, where it became clear that I was expected to accompany the “Happy Birthday to you” tune. I was mortified as I realized that I had never played the tune. So I bravely stood up and said “I am sorry but I do not have this piece in my repertoire”.
部屋の中にはピアノもあって、突然誰かがそれを指してこちらを手招きしたので、明らかに、私が『Happy Birthday to you』の伴奏を期待されているという状況になった。しかし恥ずかしながら私はそれを弾いたことがなかった。それで勇気を出して立ち上がって言った。「申し訳ないのですが、この曲は私のレパートリーの中にありませんので」。
この真面目にズレた何かが漂うあたり、いかにもポゴ氏らしい逸話なのだが、
このあとの文章によると、その場にいた人たちは誰も、
ポゴレリチが本当に『Happy Birthday to you』が弾けないとは思いもせず、
彼の言葉を洒落た返しだと考え、全員でもう一度拍手喝采したそうだ(^_^;。