goo blog サービス終了のお知らせ 
転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



『華岡青洲の妻』千秋楽。

市川春猿改め河合雪之丞の加恵が本当に良かった。
私はこの芝居四幕の間、河合雪之丞の造型した「加恵」という女性に
強く惹きつけられ、役者のことも作品の背景のことも忘れて見入った。

きょう何を観るかで、実は結構迷っていたのだが
これは観ておいて良かったと思っている。
新派を観たのは二十数年ぶりだったと思うが
やはり良い女形が出ると新派ならではの
舞台空間の広がりと華やぎが生まれるものだなと感じ入った。

ちなみに、機織りや糸繰り、つづらや蓑・傘など
当時の道具や風俗を舞台で丁寧に見せて貰えたことも、大変興味深かった。
於継が着物を着替えるところや、髪を手直しするところなども、
時間をかけた演出になっていて、リアリティがあった。
新派そのものはまさに虚構の上に成り立っている舞台芸術であるのに。

Trackback ( 0 )