転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 




Look ..Why Competitions ..Trailer ..
(YouTube)
愉快そうに語る、マエストロ・ポゴレリチの話というのが。
 They envy me because I am very preserved.
 Look...... I have no wrinkles.
 So it means something.
 I must have lived well for that, no ?


「人は羨ましがる。私がいつまでも若いから。
ほら、シワなんか全然ない。
つまりこういうことですよ。
私が御蔭でうまい具合に暮らして来たに違いない、と。
でしょ?」

………ここだけ観たら、TVショッピングの美顔器CMですな。
今なら百合油6本お付けして、お値段なんと9800円!!

実は、これはまだ日本には来ていない映画の一場面だ。
Why competitions - Official trailer(YouTube)
各種解説や紹介文を読んでわかることは、この作品が、
ショパン・コンクールを題材に、歴代の優勝者・出場者を取材し、
コンクールとは何かを問うた、2010年制作ポーランド映画だということだ。
2011年秋までに、ポーランドやアメリカでは映画祭を中心に上映され、
今年の5月には第8回ニューヨーク「ポーランド映画祭」にも参加した。
8the Annual New York Polish Film Festival May 4-8
明日はドイツのブレーメンでもプレミア上映されることになっている。
Filmbüro Bremen e.V. Kulturelle Filmförderung

ショパン・コンクールの歴史を追うこの映画は、いくつかの章に分けられるが、
1980年の『ポゴレリチ事件』は、ひとつの中心的なエピソードとなっている。
若きポゴレリチが、第10回コンクールにおいて予選落ちとなったとき、
この結果を不服として、審査員のひとりマルタ・アルゲリッチが抗議の辞任をし、
その騒動で彼は一夜にして世界の寵児となった、……という一件だ。

それで、現在の(おそらくは2010年当時の)ポゴレリチに取材したのが、
冒頭の映像部分となるのだが、僅か12秒でも隅々まで全く無駄にせず、
全部セルフ・プロデュースに使うのが、相変わらず彼らしいところだ(爆)。
……例によって、ただの無神経なのか、
聞いたヒトがどん引きするのを承知で楽しんでいるのか、判断に困る。
だいたいどうしてこういう話になったのか。
ポゴ氏のお肌がテカっていることなんか(←提供:某氏)、
全然コンクールと関係ないじゃないか(爆)。
まあ、最大限に想像で補ってみるならば、
『コンクールは私を予選で排除しようとしたつもりだろうが、
こちらは何も失わなかった、ご覧の通り成功してうまくやってきた』
……ということが言いたいのだろうかなと思うのだが。
ったく、こういうヒトと一緒にいたら、飽きることがないだろうな。
呆れることは多いだろうけど(逃)。

しかしポゴレリチの真意がどこにあろうと、
Why Competitons ?(タイトルでは「?」は付かないが)と問われるならば、
Why not Competitions ? と応えるしかないのが、彼のピアニスト人生だろう。
あの「事件」が無ければ、今日のポゴレリチも無かった。
少なくとも、日本の一ファンに過ぎない私にとっては、そうだった。

この作品、日本でも上映、あるいはDVD化をして貰えないものだろうか(笑)。

Trackback ( 0 )