転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



六月博多座大歌舞伎を観るか、どうか

6月は博多座で歌舞伎をやっている筈だな、
と昨夜、初めて検索してみたら、中村又五郎・歌昇の襲名披露だった。
そうか、もうそういう話になっていたんだったな、と感慨深く思いながら
演目と配役を観た、……ら。イイじゃないか、これは(爆)!!
六月博多座大歌舞伎
又五郎・歌昇の舞踊を楽しめるのに加えて、
吉右衛門の『幡随長兵衛』、仁左衛門の『馬盥の光秀』が花を添えている。

私にとっては、特に光秀は孝夫の役として忘れられないものだ。
仁左衛門がまだ孝夫だった92年(平成4年)の暮れ、私はこれを京都の南座で観たのだが、
孝夫だからと楽しみにして行った割には芝居のキレが悪くて、
長くて耐え難い舞台じゃないか・私のほうに見る目が無いということかな、
と観ながら困ったことを未だにはっきりと覚えている。
あんなに観るのがシンドかった芝居も、そうそう他に無かった。
あとでわかったことだが、実はそのとき、
孝夫はもう体調が最悪で、文字通り命が危ない状態だった。
無理に無理を重ねて舞台に立っていたのだ。
長くて耐え難い思いに耐え続けていたのは、他ならぬ孝夫本人だったことだろう。

孝夫はこの公演のあと本当に倒れて、翌年は病気休養を余儀なくされ、
復帰が叶ってから仁左衛門襲名の話が出始めるのだが、私の周囲の歌舞伎仲間は、
「人気あるのに体壊して、もう長くないから、有終の美を飾る襲名だって」
と言っていたものだった(『もう長くない』というのは実によくでる噂だな)。
あれから20年になるので、とりあえず友人の話はハズレだったと思うべきだろう。

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とうかさん

さきほど、近所の駐車場を、茶髪に浴衣という姿の男性が歩いていて、
入院患者が、外から来たみたいなのぅ
というじーちゃんの台詞を、私はチラと思い出したのだが、
よく考えたら、きょうから広島は「ゆかた祭り」なのだった。
広島三大祭り ゆかたの着始め とうかさん大祭

「とうかさん」とは「稲荷さん」を音読みした通称だ。
市内中区にある日蓮宗慈善院圓隆寺に稲荷大明神があって、
その例大祭として「とうかさん」は毎年6月第1金曜・土曜・日曜に行われる。
若い子たちにとっては、参拝以上に「浴衣を着ること」が大事なお祭りで、
露店もたくさん並び、イベントも多いので、この週末の広島市街地は
いつもよりずっと賑やかで、交通規制されている場所もあちこちある。

我が家では、主人は祭りのたぐいが嫌いで(爆)
「とうかさん」も「えべっさん」も「フラワーフェスティバル」も黙殺している。
娘は、浴衣も着物も興味がないので、装うほうの楽しみは持っていないが、
露店をひやかして鯛焼きを買うのは好きなので、
彼女は年中行事の祭り(と夜店)は逃さないほうだ。
私自身は田舎の出で、子供の頃、例祭と露店は大変な楽しみだったから、
今でも夜店というと当時のことを思い出し、なんとなく幸せな気分になれる。
だから今晩は市内をあてもなく歩いて、露店で何か買ったりして、
夜遅く家に帰って来るようなことをしたいのだが、
……私が晩ご飯を作らなかったらどうにもならないので、
そんな呑気なことをやっている場合ではないのだった。

追記:というようなことを書いていたら、まさに今、外にいる主人から、
『露店がいっぱいで大変(--#)。自転車とめれんじゃん(--#)(--#)』
とメールが来た。やはり彼は、とうかさんの賑わいを今後も許さないであろう。
っていうか、一体どこに自転車をとめようとしているワケ??

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