昔、私は職場で、業者さんが入れてくれるお弁当をよく食べていた。
そんなものに頼らず、自分でつくってくれば良いとはわかっていたが、
一人暮らしの気楽さで、朝はぎりぎりまで寝ていたので、
手軽に買って済ませられる昼食は有り難かった。
しかし、値段が値段だったし、そのお弁当は、
たいてい、かなり、適当な内容だった。
材料切って並べたのと、あとは業務用冷食オンパレード、みたいな。
あるとき、同じ弁当を食べていた職場の男性が、
「食う気が起こらんなあ」
と言ったことがあった。
確かに、切ったカニかま、既に冷えてしっとりしたコロッケなど
真夏の食欲のないときに見せられても、嬉しくはなかった。
男「でも、勿体ないよね。食べ物は大事にしないとなあ」
私「そーですよ。それに、このお弁当が出来るまでには、
どれだけの人の手がかかっているかと考えたら、
やっぱり感謝して頂かないと、・・・・なんちってな」
すると、同じ部屋で、やはり同じ弁当を食べていた別の男性が、言った。
「この弁当が出来るまでには、一体、どれほどの人間が
手抜きをして来たか・・・・・・」
加工食品の品質の問題についてニュースで聞くたびに、
私は、どうも、この発言を思い出さずにいられない。
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