転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
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HN「転勤族の妻よしこ」、筆名「山田亜葵」。家族は、転夫まーくん(またの名を「ツアコンころもん」)、転娘みーちゃん(1995年生まれ。首都圏在住。会社員)。
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ヤコブチッチ ヴァイオリン・リサイタル
クラシック音楽
/
2005年03月28日 21時15分49秒
ゾラン・ヤコブチッチ
というヴァイオリニストが、
エリザベト音楽大学
ザビエル・ホールで演奏会をするというので、
夜7時から聴きに行った。
余談だが、エリザベト音大と世界平和記念聖堂と幟中学は、
私にとって、幾度も行っているのに行くたびに道に迷うという、
いわば、魔のトライアングル、広島のバミューダだ。
きょうも聖母幼稚園の脇まで来ながら途方にくれてしまった。
と、そこに、花束を持った男性が通りかかったので、
『おお!!!こいつは客だ!!違いない!!』
と色めき立って尾行したのだが(違)、その人は、
同じエリザベト音大でもセシリア・ホールのほうに行く人で、
私は彼に従ったせいで一旦、違う会場に入ってしまった(--#)。
さて名前からわかる通り、ヤコブチッチはクロアチア出身だ
(クロアチアのクは100メートル先からでも聞き逃さない私(嘘))。
だが東欧出身でも、この人はシンシナティ大学で学んだ後、
ジュリアードでドロシー・ディレイの薫陶を受けたという、
ほとんどアメリカの演奏家に等しい経歴を持っている。
果たして、ステージに現れた彼は、いかにもアメリカ人!
という雰囲気の演奏家だった。
プログラムは、
ベートーヴェンのソナタ第5番『春』
と、
バッハ『無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番』
、
それに
ブラームスのソナタ第1番『雨の歌』
。
ピアノは桐朋出身の米田栄子氏(彼女がまたとても良かった。
室内楽のプロフェッショナル、という味わいの演奏で余裕があり、
ソリストとの呼吸の合わせ方や駆け引きも素晴らしかった)。
ヤコブチッチのヴァイオリンは、艶やかな音色で、
そのうえどこか溌剌とした陽気さがあって、
特にベートーヴェンでそれがよく活かされていたと思う。
バッハはシャコンヌだけでなく全曲版で、まさに入魂の演奏。
この二曲のあと、休憩を挟んでブラームスだったのだが、
この順に並べられると、実に多彩で、
聴き応えのある構成だなと、実際に聴いてみてよくわかった。
そしてアンコールは
クライスラー『美しきロスマリン』
。
小品ながらこれもなかなかに良かった。
昔、十代だった頃のヴァディム・レーピンが、
この曲をあまりにも敏捷に軽々と弾いてしまったことがあって、
私は、その演奏を見事だと思いながらも物足りなかった。
きょうのヤコブチッチはその点、大人のクライスラーだった。
良い意味での勿体つけた演奏で、充分に旋律を歌わせていて、
その味わいがとても私好みで嬉しかった。
素晴らしい演奏内容と意欲的な曲目に比して、
客層のほうは、結構、初心者が多かったようだった。
ベートーヴェンの一楽章が終わったところで拍手が起き、
私は内心、『あちゃ~(^^ゞ』と思ったが、
ヤコブチッチは余裕の微笑でそれをかわして二楽章に移った。
さすがに12歳からプロで弾いている人は違うのだった(^_^;)。
あと、演奏とは関係ないが会場が暑かったのには閉口した。
とくにザビエル・ホールの客席は講堂のように段差のないつくりで、
人と人に挟まれた席にいると、熱気で死にそうだった。
それで私は休憩時に席を立ち(自由席だったので)、
後ろのほうで空いた席を探して移動したのだが、
I列から後ろが一段高くなっていて、
I列の通路沿いは視界が遮られず空気が綺麗で(^_^;)、
このあたりがベストの席だったかと初めて知った。
次回からこの教訓を生かそう。
っていうか、次回があったら今度こそ道に迷わず早く来なければ。
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