ランシモ

ランニングからツチノコカメラや時事まで興味あるすべて

湾生回家(台湾生まれの日本人)、映画

2016-11-17 11:20:47 | 映画

湾生回家、台湾の映画です。

第二次世界大戦ののち、敗戦した日本は台湾から撤退しました。

台湾統治が50年と長かったので、日本から台湾に行ったものの中には現地で子供を産んだ人がいた。

生まれ故郷が台湾の日本人がその時にでき湾生と呼ばれていた。

戦後、台湾から日本本土へ引き上者50万人のうち、湾生は20万人もいらした。

平日の映画館だったので私より若干上の高齢者ばかりだった。

もしかして、海外からの引揚者もいらっしゃったのかも。

湾生たちのお話では台湾生活はバラ色だったそうだ。

戦前の日本も景気が悪い時期があったから、ブラジルや、ハワイ、台湾への移住が奨励された。

海外の新天地でひと旗あげようという方が後を絶たなかった。

私の祖父も「馬賊」になろうと満州に渡った。

しかし、まともな仕事じゃなく、、、なんで追いはぎやヤクザみたいな「馬賊」になろうと思ったかは、聞きそびれた。祖父は終戦で無事日本に戻ってきたが、失意のまま交通事故で無くなった。

祖父は学のある方と聞いたが、一念発起が馬賊=盗人とは子供ながらに仰天だった。

もしかして、本当の仕事は別にあったのかもと考えたかった。満州に極秘潜入した諜報員だったらかっこ良かったのに、、、と子供ながらにガッカリしたものです。

もうひとりの伯父は中国の南方部隊で大変な状況に置かれていた。無事帰還したが戦後の進駐軍が仕切る軍事裁判で、有罪になり死刑になるのではとひやひやしていた。映画で「私は貝になりたい」とういうフランキー堺が主演だったと思うが、その映画のストーリーは伯父そのものだった。死刑を免れ親戚は大喜びだった。

私のオヤジは日本国内にいてのほほんとしていた。広島の辺鄙な村一番の優秀な学生と自慢していたが、体が小さくて目も悪かったので、兵隊さんの甲種合格などほど遠く、丙種でも受からなくて、戦況が悪化して「あんなちび」でも兵隊さんになれた。そんなわけで最前線に行けるわけもなく、のほほんと国内にいた。

村一番の秀才と言うわけで、口は達者で上官をやりこめていてばかりで、それで毎日のごとく往復びんたを食らっていたそうだ。嫌な部下だったんだろう~~~。

あー脱線しちゃいました、、、。

この映画は、まったくのドキュメンタリーです。

何人もの生き残った湾生たちの回顧録と現在の生活をオムニバスのように描いている。

最後のクライマックスは、1人の老婆に焦点を当てていた。

台湾に残った湾生の老婆は、ベットに横たわって鼻から管で酸素を送り込まれて、口もきけない状態だった。

その彼女の母は日本から台湾に移住してきて、台湾でその彼女を生んだ。子供を産んでから父親が戦死して、台湾で子供3人を育てるのが大変で、台湾家族に彼女は養子に出された。

その彼女は幼い時のことだったので母の顔も何も知らなかった。

生活苦で養子に出された、親に捨てられたという意識をずっと持っていた、、、。

年月が経ち、養子に出された女性は、現地で結婚もし子供にも恵まれて、今では孫、ひ孫までいっぱいできた。

年老いて寝たきりになり、寿命もあとわずかと言うことで、大家族の最長老の彼女を喜ばせようと、日本に帰ったであろうその母を探し始めた。子供や孫やたちがわずか1編の戸籍謄本をもとに、親戚一同で来日して母のお墓を調べたが、結局わからず失意のまま台湾へ戻った。

月日がたち、この映画のプロデューサーが探したところ、ようやく母のお墓が見つかった。さらに区役所に行ったところ、古い古い戸籍謄本が残っていて、そこに母の名前と、その下に子供としてその彼女の名前が記録されていた。

捨てられたと思っていた彼女は、その母が戦後日本に引き揚げてきてから、戸籍に書き入れられたようだ。

決して戦後に帰国した母は、彼女のことを忘れてはいなかった。

後半はその母の足跡をたどるドキュメントだった。

年月が経ってほとんどの方が亡くなっていて、追跡は難しかった。

エンディングは病院のベットに横たわる彼女=老婆に、日本で撮って来たその母の写真と、区役所がとっておいた戸籍謄本を見せて、母が決して彼女を忘れたわけじゃないと言うことを、耳に口を近づけて告げるシーンです。言葉がかすかに理解できたのか、口もきけない彼女の目は涙ぐんでいた。

彼女が生きているうちに、母があなたのことを思っていたと告げられることができて、、、奮闘した孫たちも自慢げであった。孫たちは最近台湾の少女ドラマーがユーチューブで拡散しているが、そんな感じの可愛らしい女性だった。

平日は高齢者ばかりだよ~~~!

淡々とした映画ですが、いいものです。

2019年7月 天気の子、新海監督アニメ

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/5685b1b79fa0e8705ae25a538d42f227

2018年11月 万引き家族

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/fcc056e531a6daf8e06c97334948c2a6

2018年10月 カメラを止めるな

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/77e3df90890be3921c12ccdd60160292

2018年5月 コスタリカの奇跡

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/678fee15719f71929bb4c1a00db65ea6

2018年3月 シェイブオブウオーター、アカデミー受賞

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/df65b405417b214116972485477b12d2

2018年2月 スリービルボード

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/5133ea89931a4b362a6a702210ecc39e

2017年12月 オリエント急行殺人事件

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/0e95ea094223f41489e6ce6f5d33be25

2017年11月 ブレードランナー2049

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/67fb5004864e2fe621cc135af9eefacd

2017年7月 忍びの国

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/597da5163453c1f070b440582bb9a68f

2017年5月 低開発の記録、星の記憶

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/c468ab40189550ae7bade5012886a78f

2017年1月 海賊と呼ばれた男、出光石油の話

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/47127e6bde8b0c887181c09e2b361089

2016年11月 湾生回家、台湾生まれの日本人

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/bce9059d2941cf69dd680e12a11e02dd

2016年10月 君の名は、新海監督アニメ

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/249335630d0fce72b6e559487efd18fa

2016年9月 帰ってきたヒットラー

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/28ded9edf6c75f2f171890815fb04a02

2015年5月 図書館戦争

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/baec55689a0ccf6cfde4a09f27885a90

2014年10月 バンフーマウンテイン映画祭

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/4d31b48f444015fd1b5a678b11f9becf

2014年1月 永遠のゼロ

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/9c2acd1979c600a54f0d675a9b81eb05

2013年10月 終戦のエンペラー

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/5c9121e9cb7a7ec7c8f25ef16bfbce9c

2011年8月 大鹿村騒動

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/f76c3c6fcbd8a294585b37602b08cbdd

2010年5月 第9地区

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/50871496bfbc37299c0c9bbdfe311cb7

2010年3月 アバター

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/f48f5b1b2870d1bbd1037b954f034824

2009年12月 泣きながら生きて

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/665f991435e822c9137dafa291d822ee

2009年6月 剣岳点の記

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/419cda4270609856d3b173b93afb3caf

2209年5月 天使と悪魔

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/88270d35b7c299565a8a6b9fd59a646f

2209年3月 おくりびと

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/c1a0455d293f62d41ba8560e7496cbf4


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 小松菜が大きくなりすぎ | トップ | GOODYEARのVector 4Seasonsは... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
観たくなりました (KIM)
2016-11-27 10:24:39
shimoさん

ドキュメンタリー、私も好きなので、喧騒から離れた映画館で観たいです
返信する
Unknown (shimo)
2016-11-27 14:12:28
人の数だけドラマがあると言うことです。
返信する

コメントを投稿

映画」カテゴリの最新記事