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海賊と呼ばれた男、映画

2017-01-24 16:53:16 | 映画

「海賊と呼ばれた男」は脚色は入っているだろうが、実録歴史小説みたいな映画です。

出光石油の創始者を描いたもの。

百田原作、山崎貴監督、岡田准一主演で映画化。

「永遠のゼロ」みたいな、ちょっぴり右翼チック(日本賛歌)な気がしないではない。

メジャー系の石油会社に翻弄された、民族系の石油会社の苦労話のようなものかな。

日本にある石油会社は整理されて少なくなったが、一時期は世界のメジャーがしのぎを削っていた。

私が知る石油元売り業は、、、

モービル、エッソ、シェル、日本石油、九州石油、ゼネラル、キグナス、コスモ、いろいろあったー。

撤退したり合併しているので、これらの名前では存在していない。

世界のメジャーが出光のような民族系に、世界の油田に販売させないように圧力をかけていた。

戦後のことですが、進退窮まった出光は、イギリスと対立して石油が売れなくて困っていたイランに、出光が所有していた日章丸を派遣した。

石油を輸出できずにいたイランは歓喜してタンカー日章丸を歓迎した。

私が物心ついて知ったころの日章丸は、10万トンあったから、おそらくこの時にイランに派遣された日章丸とは違うのだろう。

当時は、世界を西洋諸国、特に米国、イギリス、フランス、オランダなどが植民地を含めて牛耳っていたのだ。

第二次世界大戦ののち、世界の植民地が解放されたのはよく知られた通り。

イランもイギリスのメジャーに牛耳られていて、他の国はイギリスや米国怖さに、手が出したくも手が出なかった。

その閉塞したイラン周辺に、勇気をもって風穴を開けたのが出光だった。

出光とて、石油を売ってくれる油田を全部押さえられて、生きる望みは唯一イギリスの手前があって手が出せないイランの石油だけだった。

私の記憶では、、、それ以後しばらくの間、イランは日本をリスペクトしていた。

イランはイギリスに支配されていた政権を、革命で倒し独自の政権を打ち立てていた。この辺りが怪しいのだがイギリス系のメジャーに独占されているのが米国が気に入らなくて、米国系メジャーが革命を起こさせたともいわれている。

イギリスと米国は同盟国だが、裏では熾烈なことさえメジャーはするということです。

イランはパーレビ国王の時代になり20年ぐらい続いて、、、その後、イスラム革命がおこり、ホメイニの時代になった。

私はイスラム革命が起きた3年後に、イラン電力庁(タバニール)からの依頼で映画を作ることになった。

それから、5年間足げくイランに通い、結局5本の短編映画(今でいうプロモーションビデオ)を作りました。

当時、イランの国民は、日本人には極めて親近感を持っていました。

それはなぜかというと、第二次世界大戦までは西洋人(白人)に世界が支配されていて、イランを含め有色人種は白人に搾取されていた。

それに負けたとはいえ、日本が白人国家に脅威を与えて、アジア、南米、アフリカの国々の独立のきっかけと、それにもまして、有色人種でも白人に対抗できるんだという勇気を与えたからです。

それと、イギリス(西欧諸国)の封鎖を突破して石油を買いに来てくれた出光に感謝することが大きかったのだろう。

私がイランに行っていたころ、イランのTVで大人気だったのはNHKの「おしん}だった。

あんな、じめじめした忍耐話がイランのような殺伐とした国で喜ばれるか不思議だった。

イランはアジアの範疇にはいるんです。

それで、中東のイスラムの乾いた感情もあるけど、アジアの人情話もよくわかるのだそうです。

あまり知られていないが、イランとイラクでは全く違う人たちなんです。

日章丸のこともあったので、私が訪れた時でも、日本人にはイランの人たちは本当に親切でした。

日本の報道は米国経由で来るので、日本の大手マスコミも私の見かけとずいぶん違ったことを書いていた。

マスコミなんて、米国に尻の毛をしっかり握られていたのだろう、今も同じですよーーー。

出光には海賊の血が流れていて、独自の気概があったので民族系石油会社としてのこったのでしょう。

昨今の日本の電機メーカーに、出光の爪の赤でも煎じて飲んでほしいよーーー。

いい映画でした。

写真はネットから拝借しました。

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