庭木の後始末をしたり
倉庫に閉じ込められたりしているうちに
事態は私の知らないところで、どんどん深刻になりました。
夫とM先生の仲は、学校を始めさまざまな場所で
周知の事実となっていました。
2学期が始まる直前に、私は長男の担任に会いました。
「こういうことになっているので、ほかのことはいいから
子供が安心して過ごせるように配慮してほしい」
担任のY先生は、私より少し年下の独身女性で
とてもサバサバした人でした。
「ごめん!
この場面では、信じられない…と言うのが正しいんだろうけど
噂…あくまでも噂だけど、ちらっと聞いたことがあったのよね~」
「転校も考えたんだけど…」
「なに言ってんの!悪いのは向こうじゃん。
こっちが遠慮することないよ。
あたし、あいつ大嫌いなの。ははは」
Y先生は、笑い飛ばしました。
「とにかく私はマーくんを守るよ。母ちゃんも頑張って!」
後になって、二人は4月の早い段階から噂になっていたと
いろいろな人から聞くことになります。
最初はPTAの会議で、わざわざ一つの椅子に
二人で抱き合うように座っていたことから
どんどん広まったそうです。
隠す間柄ほど人目につきたがるといいますが、本当にそうです。
この習性がなかったら、写真週刊誌はやっていけません。
PTAの会合が楽しみになった人も、たくさんいたようです。
ある意味、社会貢献。
こういう時、人はとても親切になります。
「だまっておこうと思ったんだけどね…」
「こういうこと、言っていいのかどうかわからないんだけど…」
と一応は躊躇するふりを見せてから
「じゃあ言わなくていいよ」
と言われたらいけないので、内容だけは急いで話すのです。
こちらの表情の変化を期待しながら。
迷うふりまでして結局はしゃべるのなら
あんたの口座の暗証番号でも教えてもらいたいもんです。
夫が帰って来なくなったのは、そんな時でした。
すでに外泊がひんぱんになっていたので
いないことに気がつかないまま、二日経過。
義父が「会社に出てない」と言い出して、発覚しました。
「わかりませんよ。どこに行ったかなんて」
「嫁のお前がそんなだから、あいつは家に居着かないんだ!
探せ!迎えに行け!」
義母はおろおろして言いました。
「このまま帰って来なかったら…ライ○ンズが…ライ○ンズが…」
毛深い動物がシンボルの事業主の集まりです。
夫婦単位で行動するのが基本なので
本人はもとより、家庭の平和が大事なのです。
家族すらまとめられない者は、本来参加資格は無いのです。
義父は今、支部会長でした。
任期中に息子が消えたりしたら、非常に都合が悪いそうです。
私もさすがにそろそろはっきりしたかったので
夫の所へ会いに行くことにしました。
アパートの住所は、とうに知っていました。
個人情報なんて気にしていなかった昔は
毎年、教員の住所が配布されていました。
倉庫に閉じ込められたりしているうちに
事態は私の知らないところで、どんどん深刻になりました。
夫とM先生の仲は、学校を始めさまざまな場所で
周知の事実となっていました。
2学期が始まる直前に、私は長男の担任に会いました。
「こういうことになっているので、ほかのことはいいから
子供が安心して過ごせるように配慮してほしい」
担任のY先生は、私より少し年下の独身女性で
とてもサバサバした人でした。
「ごめん!
この場面では、信じられない…と言うのが正しいんだろうけど
噂…あくまでも噂だけど、ちらっと聞いたことがあったのよね~」
「転校も考えたんだけど…」
「なに言ってんの!悪いのは向こうじゃん。
こっちが遠慮することないよ。
あたし、あいつ大嫌いなの。ははは」
Y先生は、笑い飛ばしました。
「とにかく私はマーくんを守るよ。母ちゃんも頑張って!」
後になって、二人は4月の早い段階から噂になっていたと
いろいろな人から聞くことになります。
最初はPTAの会議で、わざわざ一つの椅子に
二人で抱き合うように座っていたことから
どんどん広まったそうです。
隠す間柄ほど人目につきたがるといいますが、本当にそうです。
この習性がなかったら、写真週刊誌はやっていけません。
PTAの会合が楽しみになった人も、たくさんいたようです。
ある意味、社会貢献。
こういう時、人はとても親切になります。
「だまっておこうと思ったんだけどね…」
「こういうこと、言っていいのかどうかわからないんだけど…」
と一応は躊躇するふりを見せてから
「じゃあ言わなくていいよ」
と言われたらいけないので、内容だけは急いで話すのです。
こちらの表情の変化を期待しながら。
迷うふりまでして結局はしゃべるのなら
あんたの口座の暗証番号でも教えてもらいたいもんです。
夫が帰って来なくなったのは、そんな時でした。
すでに外泊がひんぱんになっていたので
いないことに気がつかないまま、二日経過。
義父が「会社に出てない」と言い出して、発覚しました。
「わかりませんよ。どこに行ったかなんて」
「嫁のお前がそんなだから、あいつは家に居着かないんだ!
探せ!迎えに行け!」
義母はおろおろして言いました。
「このまま帰って来なかったら…ライ○ンズが…ライ○ンズが…」
毛深い動物がシンボルの事業主の集まりです。
夫婦単位で行動するのが基本なので
本人はもとより、家庭の平和が大事なのです。
家族すらまとめられない者は、本来参加資格は無いのです。
義父は今、支部会長でした。
任期中に息子が消えたりしたら、非常に都合が悪いそうです。
私もさすがにそろそろはっきりしたかったので
夫の所へ会いに行くことにしました。
アパートの住所は、とうに知っていました。
個人情報なんて気にしていなかった昔は
毎年、教員の住所が配布されていました。
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