「朴槿恵・崔順実ゲート」関連、労働新聞論評員の記事(全文)
「特大型政治スキャンダル事件を通じて露呈した朴槿恵政権の醜悪な実像を評する」
南朝鮮では今、史上例を見ない特大型権力腐敗事件である「朴槿恵、崔順実スキャンダル事件」が発覚し、社会全体が衝撃と驚愕に包まれている。
「維新」独裁者として悪名を轟かした朴正煕が側近に銃殺されてから37年になる時に起きたこの超大型スキャンダルは朴槿恵政権の醜悪な実像を白日の下にさらしており、青瓦台を壊す恐ろしい政治的台風となっている。
いわゆる「崔順実核爆弾」と呼ばれるこのような特大型政治スキャンダルは偶然に、突然起こったのではない。歴史の必然であり、起こるべくして起こったのである。
「朴槿恵、崔順実スキャンダル事件」は現代社会ではとても見ることのできない最も奇形的で、最も非正常的で、最も愚かな朴槿恵政権の実体に対する明白な論証である。
朴槿恵の身も心も支配してきた巫女
世間を驚かせた奇怪な今回の政治スキャンダル事件の中心には、朴槿恵と崔順実がいる。
朴槿恵のための崔順実なのか、崔順実のための朴槿恵なのかは未だに明らかになってはいないが、事態の主人公は明らかに崔順実であり、朴槿恵は脇役にすぎないということが世間の評価である。
南朝鮮のある政治家が評価したように、事件が起こるや否やあわただしく崔順実を海外へと逃して、「対国民謝罪」をするとして行った記者会見でまで彼女を庇護することに汲々とする朴槿恵の前例のない醜態を見ればそれも当然である。
そもそも大統領である朴槿恵の全ての思考と行動を完全に掌握、支配し、裏から操ってきた崔順実は事実上、何の公式な肩書きも持っていない。そのために今回の事件が内外にいっそう大きな衝撃を与えているのである。
「夜の大統領」「朴槿恵の五臓六腑」「朴槿恵の魂を支配する巫女」など奇怪な名が多くつく「奇妙千万な女」崔順実とは果たして誰なのか。
崔順実は、朴槿恵が神のように戴き、身も心も捧げてきたインチキ牧師・崔太敏の娘であるということは広く知られた事実である。
崔太敏は、日帝占領時、巡査として働いた親日分子であり、解放後にあちこちをさすらい、1970年代初頭に仏教とキリスト教、天道教を混ぜた「永世教」というインチキ宗教を作り出し、「太子」、「造物主が送った勅使」と自称し、「呪文を唱えれば病気が治る。悪が消え去る」という嘘を広め、妻を6回も替え、名前は7回も変えた稀代の好色狂、詐欺の親玉であった。
崔太敏が朴槿恵を「最大の詐欺対象」として狙いをつけて近づいたのは、朴槿恵の母親である陸英修が射殺された時点であった。
これに対して1977年米議会下院で発刊された報告書は、死んだ陸英修が夢に現れ、娘を助けてほしいと言ったという崔太敏の手紙をもらい、朴槿恵が彼を青瓦台まで呼んだが、自分の母親の霊が乗り移ったように表情や声がそのまま再現されるのを見て神聖な存在だと思うようになり、それをきっかけに崔太敏が朴槿恵を精神的に支配するようになったと明らかにしている。
南朝鮮駐在米国大使が2007年に本国宛てに送ったある秘密文書には「崔太敏が朴槿恵の身体と心を完璧にコントロールしており、その子女たちは途方もない富を蓄積した」としながら、彼が現代版「ラスプーチン(皇太子の病気を祈祷で治すといって宮廷に介入し、ツァーリロシアを滅亡させたインチキ宗教人)」を彷彿とさせるという内容が記録されている。
自分と年齢差が40年にもなり、単なる詐欺師にすぎなかった崔太敏にどれだけ夢中になったのか、当時周辺の人々は朴槿恵に対し、「崔太敏が何かの話をしただけで理性を失うほど反応を見せる」と後ろ指をさしたという。甚だしくも朴槿恵が自分の父親が引き止めたにもかかわらず、彼と共にさまざまな不正をすべて行ったばかりでなく、汚らわしい痴情関係まで結び、生まれた息子が今も日本に住んでいるというウワサも出回っている。
朴正煕を射殺した元中央情報部長・金載圭も法廷で、自身の行動理由の内の一つが「朴槿恵が崔太敏を抱え数多くの不正を働き、国民の恨みを買い国を危うくしたことにある」と自白しながら、崔氏一家をそのままにすれば今後大きな問題が起きるであろうと予言したことがある。
それを実証するかのように父・朴正煕の死後、きょうだいとも訣別し、崔太敏に完全に溺れていた朴槿恵は、崔太敏の死後、いわゆる「霊的能力」を受け継いだと自認する崔順実を「精神的支柱」「謀士」としながら全面的に依存してきた。
崔太敏の5番目の娘である崔順実は、朴槿恵と「姉妹」関係を結び、彼女を手中に収めるために手段と方法をいとわず、はては朴槿恵に自分の夫まで捧げた。
このように父親に劣らないあらゆる詐欺と卑劣な方法で朴槿恵を精神・肉体的に完全に掌握した崔順実は、本格的に「朴槿恵女王作り」に着手し、彼女を裏で操る「秘線実勢」(陰の実力者)としてこれまで暗躍してきた。朴槿恵は飯も崔の手で食べ、服も崔のいいなりに着て、言行も崔が書いたものに従い行う操り人形にすぎなかった。どれだけ度が過ぎれば、「選挙」遊説中、目にちりが入ると一時間も車に乗り崔順実のもとに駆けつけ、自分の目を見てくれとしがみついて周囲の人々を唖然とさせただろうか。
このように朴槿恵にとって崔順実は、普通の「親友」や「友人」ではなく、絶対的な「神」であったし、彼女の忠告や助言は即ち至上命令となるしかなかった。
結局2012年の大統領選挙において実際に当選したのは朴槿恵ではなく崔順実であったと見るべきであるし、その時から崔順実が南朝鮮の実際的統治者として君臨してきたといえる。
現在、内外では朴槿恵の全ての発言と行動を見ると、人間・崔順実に執着するのではなく、インチキ宗教人、未熟な巫女・崔順実に完全にコントロールされているようであると評している。
それが事実なら南朝鮮は現代社会では到底見ることのできない原始宗教、すなわち巫女が祈れば何であろうと成就されると信じる信仰に支配される「巫女統治国」と言うべきであろう。
崔順実が2013年2月、朴槿恵の大統領就任式なるものを総指揮しながら、「五方嚢」(陰陽五行の原理に従い五つの色の布で作った巾着)がすずなりにぶらさがった「希望が開かれる木」と「五方嚢」大型造形物を設置し、その前で朴槿恵が発言するようにしたかと思えば、はてはイベント会場である崇礼門全体を大型の五色布で覆おうとするなど、奇怪な迷信的発想をして、人々を戸惑わせたのはその実例である。
南朝鮮人民は今に至るまで一介のインチキ宗教人、未熟な巫女にすぎない崔順実が自分たちを実質的に統治し、朴槿恵は彼女を崇める単なる愚かな信者にすぎなかったとしながら羞恥と侮蔑感に身震いしている。
「垂簾聴政」で動く操り人形
今回朴槿恵が米国という大きな怪物によって操られる手先であるばかりでなく、一人の「江南女」が操る糸によっても動く二重三重の操り人形であったというあきれた事実が明らかになった。
朴槿恵「政権」では「国政」に関する全ての決定が青瓦台ではなく、まさしく崔順実の「秘密執務室」で行われたというが、これこそ現代版垂簾聴政であることは間違いない。
大統領報告用として作られる青瓦台の各種書類が毎日のように「第1附属室長」をはじめとする「宦官」によってこの「秘密執務室」にまず提出され、そこで崔順実が最終検討すれば朴槿恵に渡り、青瓦台の公式文書として採択され大統領である朴槿恵は、それをすらすらと口にしながら各種会議を「指導」する、何かを「訓示」するなどと振る舞った。
青瓦台が単独で決定することのできる問題など何一つなく、官職任命から主要政策に至るまですべてに対して、論峴洞(ソウル・江南)にある崔順実の「秘密執務室」で下した結論に従って執行してきたのが朴槿恵政治の真相である。
崔順実は「現代版西太后」「秘密大統領」であり、朴槿恵は彼女が糸を引くまま手足が動くカカシであると南朝鮮メディアが揶揄嘲笑している。
崔順実は、青瓦台の奥深くに自らの腹心を送り込み、政府の長官、次官の座は言うまでもなく、青瓦台秘書官、行政官の任命まで自分の思うがままに操りながら最高権力者として君臨してきた。
常識的に見れば首が飛んでも数回は飛んだ青瓦台民政首席秘書官・禹柄宇が、連続して明らかになるあらゆる不正事件にもかかわらずぬけぬけと持ちこたえている理由も、社会各界で禹柄宇の辞退を求める声があがっているにもかかわらず朴槿恵が不動の姿勢で庇護している原因も、彼が他でもなく崔順実の「派遣員」だからである。
崔順実が政界、財界などで活躍する女と有名人士たちの妻、あるいは「親しい女」たちからなる秘密の集まりである「八仙女」なるものを運営してきたが、世に知られなかったこの私的組織の実権が、事実上青瓦台の特権をはるかに陵駕していたというから、崔が巣くっていた「論峴洞秘密執務室」こそが青瓦台の「司令塔」であることが明らかになった。
崔順実の「秘密執務室」では、各界の専門家が集まり大統領諮問会議を彷彿とさせる会合を毎日のように繰り広げ、朴槿恵が公開席上で行う演説と各種行事の計画は言うまでもなく、外交安保政策をはじめ重大機密まで論議、決定したという。
北南軍事当局者間秘密接触の内容のような最大極秘資料も、「論峴洞秘密執務室」のテーブルに上がったし、北南関係を極端な方向に追いやった「対北心理戦放送」再開と開城工業地区の稼動中断も崔順実の「指令」に従ったもので、「統一ボロ儲け」だの「ドレスデン宣言」だのというものも、すべて崔順実の頭で考案され、批准された作品であるという。狂った未熟な巫女が「2年以内に北が崩壊する」などとしながらとんでもない呪文を唱えれば、それを「神霊の啓示」として受け入れ、「北急変事態」と「北体制崩壊」を念仏のように唱えた朴槿恵によって朝鮮半島情勢が最悪の局面へと陥ったことこそが、実に惨憺たる現実であることは間違いない。
崔順実の垂簾聴政は、外交分野においても例外ではなかった。
「李明博との政権引継ぎ、引受け面談資料」「中国特使団推薦議員名簿」「安倍総理特使団面談資料」「オーストラリア総理通話参考資料」など、執権初期の各種の外交関係文書から始まり朴槿恵の絶え間ない海外行脚にも崔順実が関与したことは疑いようもない事実だ。
「安倍特使団との面談において日本側が独島問題について言及しても返答せず、微笑だけで対応すること」「慰安婦問題は言及せず大きな枠組みで歴史認識が両国関係発展の基本であると言及すること」「5・18光州精神は言及せずに抜いた方が良い」…
このように細部の内容についてまで一つひとつ指示しながら朴槿恵を操ったのだから崔順実の指揮棒に従って「韓日慰安婦合意」のような恥ずかしく、屈辱的な事件が連続して起こらざるを得なかったのである。
現れた事実は氷山の一角にすぎない。
軽薄な民間女性が政治の場を遊び場のようにして繰り広げた幼稚ないたずらによって南朝鮮の政治が世界の笑いものになり、経済と民生が破壊され、北南関係が修復できない破局に至ったのは実に痛嘆する事態であることは間違いない。
現在、内外のメディアが、南朝鮮は「崔順実の言葉一つで戦争も起こりうる危険極まりない所」であり、「崔順実国政介入事件」のような稀代の政治的詐欺行為が幅をきかせる、最も原始的な国ではない「国」であると揶揄嘲笑しているのは当然のことである。
腐りきった汚物政権
執権期間、一族郎党まで網羅した族閥腐敗政治で悪名を轟かした歴代統治者と違い、独身の朴槿恵は、比較的「清潔な政治家」としてとどまるのではないのかというのが南朝鮮人民の抱いてきた一つの思い込みであった。
だが朴槿恵は世人が想像もできなかった奇怪な手法で不正腐敗の「新しい境地」を開拓したといえる。
振り返れば朴槿恵と崔順実の特別な関係は早くも朴正煕政権の時から絡み合った権力とカネ、陰謀の汚い歴史を抜きにして考えられない。権力を悪用して詐欺と投機、脱税と謀利行為を日常茶飯事としながらブラックマネーで腹を肥やしてきた朴槿恵と崔順実の不正腐敗行為は、朴槿恵が青瓦台に入ってから最高潮に達した。
朴槿恵と崔順実は、権力も財産も共有して、共に蓄財に勤しみながら徹底的な共生関係を維持してきた。
その代表的実例の一つが「赤い財布」に関する話だ。
すきさえあれば口実を作ってでも海外を外遊し、カメレオンのように一日に何回も着替える朴槿恵の服の布地を選び、裁断して完成する全過程を青瓦台関係者でもない崔順実が直接、総括したという。大統領就任式の時に着た数千ドルものチマ・チョゴリから朴槿恵を着飾るために使った高価なブランドバッグと靴、ブローチとネックレスなどあらゆる奢侈品の購入費用は崔順実の持ち歩いた「赤い財布」から出たものだ。
ならば彼女が果たして朴槿恵のために自分の財布を開けて惜しむことなく金をはたいたというのだろうか。
決してそうではない。崔順実は大統領の衣裳製作費の名目として毎年数百万ドルずつ青瓦台の金をはたいてきたし、その10分の1も使用せず、残りは自分が着服していたという資料が公開された。
これくらいは何でもない。貪欲な崔順実の金庫は底の抜けた巨大なつぼのようで、財界はもちろん、スポーツ、文化をはじめ社会各界から金を吸い上げた。
崔順実は、朴槿恵の演説文を修正するとして、自分の金庫を増やすために必要な文句を挿入し、朴槿恵の海外訪問の行列に財閥を参入させる対価として彼らから莫大な金を受け取った。
朴槿恵-崔順実合作品として広く知られた「ミル財団」「Kスポーツ財団」と「ザ・ブルーK」という企業の不正腐敗事件はその代表的実例である。
自分の退任後の生活のために朴槿恵は、崔順実のような詐欺師を推して48時間内に軍事作戦を実行するかのように財団を設立し、サムスンとロッテをはじめとする大企業から数千万ドルに達する巨額のカネを強制的に収奪した。朴槿恵は朴槿恵の思い通りに、崔順実は崔順実の意のままに誰も口出しできない強大な権力を振りかざして、検察捜査を実施するだの威嚇・恐喝を加えるだの、あらゆる手段と方法を尽くして財布をふくらますことに血眼になった。崔順実が2億ドルの資金がかかるといういわゆる「文化隆盛プロジェクト」を直接考案し、朴槿恵は文化体育観光部を総動員して優先的な投資特恵を与えるようにし、その金もそっくり朴槿恵・崔順実の金庫に積まれた。
金をかき集める面白さに味をしめた朴槿恵は、大統領という体面さえ捨て、崔順実一派が開発したいわゆる「国民体操」を喧伝する模範出演に率先して自ら出演した。
このように不正に畜財したカネで、崔順実は数年間でソウル・江南の建物と江原道の土地、ドイツの豪華ホテルをはじめ多くのマンションまで所有する大金持ちになった。また娘と共に奢侈な生活のために莫大な資金を惜しむことなくつぎ込んだ。
朴槿恵の庇護のもと、梨花女子大学校に不正入学した崔順実の娘は、カネをばらまいて「すぐれた成績」で進学し物議をかもしただけでなく、「カネも実力」だといって20歳にもなる前に父親がはっきりしない子どもまで産んであらゆる非難の的になっている。 崔順実と娘は外国へ赴いてまで数百万ドルもの乗馬用の馬と乗用車一台の値段以上もする世界的に一番高いペット犬、猫を10匹以上も買い、使用人として数十人を雇って威張り散らし、現地の人々から「やくざの群れを彷彿させる」と怪しまれた。 外国におよそ14もの幽霊会社を登記し、東奔西走した崔順実は、当該国の検察の調査対象となっていた。
もちろんカネ万能社会の南朝鮮で不正腐敗は絶対に直せない持病であり、特権層の不正で悪名を轟かした人々も少なくない。
だが朴槿恵、崔順実の不正腐敗の手並みは、やり手の詐欺師たちも舌をまくほどである。朴槿恵が執権後、口癖のように「創造経済」だの「文化隆盛」だのと唱えて、それを実践するとしながらあちこちに現れて嬌態をとったが、実像は崔順実と自分の財布に大金を押し込むための欺瞞劇にすぎなかったことが今日になってより明白になった。
崔順実と朴槿恵が権力を振りかざして汚した南朝鮮は、不正腐敗の蔓延する悪臭を放つ巨大な汚物場と化した。
与党は、代表をはじめとする指導部が先頭に立って朴槿恵の不正腐敗を包み隠し、彼女に同調する集団に転落し、青瓦台は秘書官たちが先を争って私腹を肥やし、女色に狂う悪臭漂うごみ箱になった。
このような腐敗の親玉が権力の頂点に居座っているため、南朝鮮の至るところであらゆる大小の不正腐敗行為が連続して引き起こされ、富益富、貧益貧の社会両極化現象が極大化し、庶民は日ごとに貧しさにさいなまれ、不幸と苦痛に悩まされているのである。
沈没する「クネ・スンシル」号
すでに世論は朴槿恵と崔順実が南朝鮮全体を自分の私的所有物のように思いながら勝手に政治を操っており、人民の涙の海に浮いている「クネ・スンシル」号が遠くない将来、沈没するだろうと警告してきた。
朴槿恵は、聞く耳も持たずに崔順実一味を庇護し、かばうことに熱中したが、ついに致命的な「崔順実核爆弾」によって吹き飛ばされる末路を迎えることになった。
今まで崔順実の国政介入を全面否定してきた青瓦台は、史上初の政治スキャンダルと関連して「集団辞職」しなければならない状況に至った。朴槿恵は「呼吸するミイラ」と何ら変わらぬ悲惨な立場となった。
社会各界から「朴槿恵・崔順実ゲート」に対する特検と弾劾、内閣総辞職の要求が激しく起こる中で行政府のすべての機能が麻痺し、南朝鮮は事実上、「権力が一瞬で蒸発した状態」、前例のない「政治的恐慌状態」に直面した。
朴槿恵の「宦官集団」「私設政党」と呼ばれていた「セヌリ党」の連中は日々しかめっ面をしてあちこちで密談を繰り広げ、親朴と非朴に割れて内輪揉めをするかと思えば、「朴槿恵脱党」だの「党指導部辞職」、「崔順実特検」を推進する方法で生き残る道を探してみようとあわてふためいている。
一方で野党は、「朴槿恵捜査」と「崔順実検挙」、「青瓦台家宅捜索」などを優先的に推進し、「朴槿恵、崔順実ゲート」の根を取り除いて厳しく処罰することを強く主張しているし、広範な社会界が「朴槿恵弾劾推進委員会」「朴槿恵弾劾のための汎国民運動本部」などを組織し、全面的な大衆闘争に突入した。梨花女子大学校を先頭にソウル大学校、高麗大学校、西江大学校をはじめとするほぼ全ての大学で連日、時局宣言が発表されている。
南朝鮮のインターネットには、「朴槿恵はスンシル共和国の大統領」「崔順実の夢を成すために存在してきた大韓民国国民であることが恥ずかしい」「是日也大声哭(1905年の乙巳保護条約締結を報じる皇城新聞記事のタイトル)すべき事件」「崔順実の護衛武士である朴槿恵は席藁待罪(むしろの上に伏して処罰を待つ)して辞任しろ!」など激怒した民心の声が溢れ、進歩、保守を問わずすべてのメディアが先を争って「朴槿恵、崔順実スキャンダル事件」の内幕を暴こうとしている。
外信も南朝鮮で「昼の大統領は朴槿恵、夜の大統領は崔順実」という前代未聞の事態の全貌が続々と明らかになることに驚愕をおさえることができず、連日、朴槿恵を揶揄嘲笑し、その腐った政治を酷評している。
世界政治史を振り返れば一つの国、一つの政権を倒した政治テロと軍事政変、暗殺と不正腐敗など重大事態が数多く記録されている。
だが朴槿恵政権のように、何も知らない巷の一人の無知な知人女性が大統領の背後で権力を独占し、政治、経済、文化、外交、国防など全ての領域を好き勝手に動かし、一日でまるごと崩れさせた例はなかなかない。
内外が今回の「崔順実国政篭絡事件」をもって国際政治史で前例のない特大型スキャンダル、朴槿恵政権の終末を早めた重大事件として注目する理由がまさにここにある。
南朝鮮に押し寄せた今日の悲劇的事態は、歴史の必然であり、植民地下手人である朴槿恵政権の避けられない運命である。
朴槿恵は、決して政治的能力が優れているとか手腕が格別だからという理由で大統領になったのではない。
2000年代に入り6・15時代の力強い流れに乗って反米自主、連北統一の熱が高まりながら南朝鮮で親米保守勢力は急激に弱体化し、米国の植民地体制も大きな脅威に直面した。
民心から見捨てられ、没落する保守勢力内で、適当な人物を選ぶことができず南朝鮮の一部住民の中に残っている朴正煕に対する盲目的崇拝心を動かして民心を操ろうという卑劣な目的で推された人物が他でもない朴槿恵である。南朝鮮メディアは2012年の「大統領選挙」結果をもって朴槿恵を当選させた要因のうち、99%は米国の操縦と父・朴正煕の「七光」であり、本人の能力は1%程度しかないと嘲弄した。
このようにもっとも非正常な方法で身の丈に合わない「大統領」の冠をやっとかぶってみたが、その愚鈍な頭では何もすることができず、そうかといって乏しい実力を誰にも発揮することもできない朴槿恵としては権力維持のための非常手段として崔順実のような巫女の「神通力」にしがみつくしかなかったのであろう。
今日の事態こそ、長い間権力を独占し、あらゆる専横をためらわず、ひたすら同族対決に突き進んできた南朝鮮の親米保守勢力の崩壊そのものだ。
南朝鮮の現政治情勢は、将来を予測しがたい重大岐路に置かれており、混乱は日ごとに深まるばかりである。
狡猾であつかましい朴槿恵は、今からでも見かけは悪魔の嘘笑いをしながら、何事もなかったように振る舞っているが、裏では余命を維持するために最後のあがきをしており、米国と親米保守勢力を後ろ盾にして何か恐ろしい陰謀を再びでっち上げようとしている。
今、大勢の流れは歴史の主人である南朝鮮人民がいかに自らの責任と役割を尽くすかによって左右されることになる。
南朝鮮の各階層の人民は、4・19の喊声で李承晩を倒したように、反ファッショ民主化の力強い叫び声で朴正煕に悲惨な最期を遂げさせたように、5・18と6月民主抗争に民主の新しい春をもたらしたように、反人民的悪政と同族対決、親米事大に狂って同胞にあらゆる災難をもたらそうとする朴槿恵一派に最後の審判を下すことになるだろう。
(朝鮮新報)