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1978年にわずか16億8000万ドルだった中独貿易額は、今や1681億ドルにまで増えている。改革開放初期の100倍

2018-05-28 | 世界情勢を知ろう
世界に協力・ウィンウィンの見本を示す中独

人民網日本語版 2018年05月25日15:23

ドイツのメルケル首相が24日、11回目の訪中を行った。世界第2のエコノミーと第4のエコノミーの再度の握手に全世界の視線が集まった。(人民日報「鐘声」国際論評)

「世界の自由貿易の推進、保護主義との闘い、気候変動対策、多国間活動規則の策定において、独中両政府は基本的に立場が一致している。また、両国間で意見が一致する分野はこれらにとどまらない」とドイツのメディアは指摘する。

これが現在の緊密な中独協力の真実の姿だ。特に2014年に包括的・戦略的パートナーシップを構築して以来、両国関係は目覚ましい発展を遂げ、協力の幅と深さは空前の水準に達した。まさに習近平国家主席がメルケル首相との会談時に強調したように、中独両国は協力・ウィンウィンの模範者、中国EU関係の先導者、新型の国際関係の推進者、イデオロギーの違いを超えた協力者である必要がある。国交樹立後の46年、中独協力は実り多く、国際社会の模範といえる。

訪中を前にメルケル首相は「中国との緊密な協力」をテーマにビデオ談話を発表し、訪中への期待を表明。これまで訪中の度に中国の省・市を訪問し、中国の発展の活力と幅の広さを感じてきたことを特に強調した。そして今回訪問することになる深セン市はそんな中国とドイツの協力の証ともいえる都市となっている。

1978年にわずか16億8000万ドルだった中独貿易額は、今や1681億ドルにまで増えている。これは改革開放初期の100倍だ。中国にとってドイツはEU最大の貿易相手国であり、対EU貿易全体の3割近くを占める。ドイツにとって中国はすでに2年続けて世界最大の貿易相手国となっている。深センは在中ドイツ企業に最も人気の都市の1つでもあり、多くのドイツ企業が根を下ろし、中国のイノベーション企業と連携し、多くの場で戦略的連携・協力を実現している。

改革開放後の40年、多くのドイツ企業が中国企業と共に発展し、発展途上の大国の成長の奇跡を目撃してきたといえる。そして「一帯一路」建設の推進、及び一層の改革深化・開放拡大に伴い、急速に発展する中国は、両国の協力・ウィンウィンに一層の機会をもたらす。

中独両国のウィンウィンの経験は、開かれた自由貿易の維持、多国間主義制度の提唱が、現代のグローバル・ガバナンスにとって重要な意義を持つことを物語ってもいる。とりわけ経済グローバル化が逆流に遭い、保護主義が台頭する中、中独両国はなおさらに責任感を示し、多国間の枠組でグローバル・ガバナンスを推進し、国際秩序と経済ガバナンス体制を共同で維持・整備する。中国は欧州統合プロセスを断固として支持し、EU側と共に明確で予測可能かつ自信を強めるメッセージを国際社会により多く発信し、国際情勢の安定した、各国にプラスの方向への発展を後押しもする。

中独両国の協力・ウィンウィンの分野とチャンスは、溝と摩擦を遥かに上回る。両国は対戦相手ではなくパートナーであり、平等と相互尊重を堅持し、互いの核心的利益と重大な懸念を理解し、これに配慮し、協力に焦点を合わせ続け、溝を適切に管理・コントロール・処理しさえすれば、中独関係は長期安定的に発展する。(編集NA)

「人民網日本語版」2018年5月25日

北朝鮮の観客たちは熱い反応で応え、南側芸術団も感動を隠せなかった。

2018-04-05 | 世界情勢を知ろう
ペク・ジヨン歌唱法に金正恩委員長も「関心」…韓国歌謡に“開かれた”北朝鮮
登録:2018-04-05 08:46 修正:2018-04-05 10:53


ー南側芸術団の訪朝公演決算ー 
16年ぶりの平壌舞台、「和気あいあい」 
「銃で撃たれたように」などに客席が呼応 
 
選曲と公演時間も南側に配慮 
北側の歌は2曲だけだったが理解しめす 
 
官僚でない芸術家たちが直接相談 
公演の専門性を以前よりはるかに高めた

                    
北朝鮮での公演を終えて帰ってきた南側芸術団が4日早朝、仁川空港に到着し記念写真を撮っている=仁川空港/平壌公演・写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 2002年の「文化放送(MBC)平壌特別公演」以降16年ぶりに平壌(ピョンヤン)を訪れた南側芸術団と北朝鮮の三池淵管弦楽団との合同公演が成功裏に終了した。今月1日と3日に続けて二回行われた公演に、北朝鮮の観客たちは熱い反応で応え、南側芸術団も感動を隠せなかった。公演を終えて4日早朝に帰国したユン・サン南側芸術団音楽監督は、仁川国際空港で取材陣に「みんなこれが現実とは信じられないほど感動し、仁川に到着してやっと自分がどんな公演をしてきたのか実感できたようだ」と感想を伝えた。

 二回の公演ともに司会を務めたソヒョンは、取材陣との書面インタビューで「北朝鮮の歌『青い柳』を歌うとき、喉の調子が良くなくて申し訳なく悔しかったが、平壌市民たちが熱い拍手を送ってくれて最後まで歌うことができた。私の方が感動をもらった舞台だった」とし、「ヒョン・ソンウォル三池淵管弦楽団長が公演の間中、私の健康状態を心配して温かい激励をしてくれて、公演が終わった後、本当にありがとうという話をされた」と伝えた。

 北朝鮮公演芸術の専門家らは今回の平壌公演を見て、以前とは違い韓国の大衆歌謡に対する北朝鮮の開かれた姿勢を読みとれると評した。脱北者ピアニストのキム・チョルン氏は「観客の反応を見て、北朝鮮の世代の違いを感じることができた」とし、「以前にユン・ドヒョン、ピンクル、ベイビーボックスが行った時にはよくわからないという雰囲気だったが、今は『銃で撃たれたように』をよく知っているという反応を見せた様子から、金正日(キム・ジョンイル)時代とは異なり、(北朝鮮が)現代化された感じを受けた」と話した。イ・チョルジュ南北文化企画者も「北朝鮮の観客たちに耳慣れた歌を主に選曲したりもしたが、それでも過去に比べて、観客の歓呼と反応がはるかに良くなった」とし、「1万席を超える大規模な劇場を観客でいっぱいにし、放送までするのは、北朝鮮が韓国の歌謡に対する開かれた姿勢を示している」と話した。

 特に、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長がペク・ジヨンの歌に興味を示したことについては「音楽政治の現代化」に対する北朝鮮の苦心が読みとれるという意見も出た。キム・チョルン氏は「北朝鮮が音楽の現代化をどのようにしていくかについて悩む中、ペク・ジヨンさんが地声で出せる音を裏声で処するのを見て、金委員長が印象深く思ったようだ」と話した。

 選曲や公演時間で韓国に十分に配慮する北朝鮮側の態度の変化も読みとれる。パク・ヨンジョン韓国文化観光研究院芸術基盤政策研究室長は「北朝鮮の立場では、北朝鮮の歌を多く歌ってくれることを望んでいたのに、韓国が現実的に歌いにくいという点を理解する様子から、実務的な意思疎通がきちんと行われたことを知ることができた」と話した。実際、2月に韓国へ来た三池淵管弦楽団は「男は船、女は港」「愛の迷路」など韓国歌謡を10曲もメドレーで聴かせたが、南側芸術団は3日、合同公演でも固定レパートリーである「また会いましょう」を除けば、北朝鮮の歌は「青い柳」(ソヒョン独唱)と「白頭と漢拏はわが祖国」(南北の女性歌手合唱)の2曲を歌うにとどまった。1日、政府支援団関係者は平壌で記者団に「北側が合同公演で自分たちの公演時間を減らし、南側のレパートリーをたくさんするように提案した」と伝えた。

 チョン・ヨンソン建国大学統一人文学研究団の教授は「今回の平壌公演で特に注目するのは、統一部主導の公演から脱し、南北の芸術家間(ユン・サン音楽監督とヒョン・ソンウォル三池淵管弦楽団長)の接触ラインをつくり、公演の専門性を高めたこと」だとし、「ト・ジョンファン文化体育観光部長官が復元事業として希望した満月台の発掘作業をはじめ、各種の議題で分野別専門家たちが乗り出すなど、南北実務会談の実質的な変化が実現するものとみられる」と話した。1日に行われた韓国芸術団の公演は5日午後7時55分、地上波3社を通じて録画中継される。
キム・ミヨン、パク・ジュニョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

陸上自衛隊は、軍国主義に対する反省と警戒のためにこれまで一つにまとめることはできなかったが、北朝鮮の脅威を理由に組織統合に乗り出した。

2018-03-25 | 世界情勢を知ろう
軍国主義を主導した日本陸軍、
北朝鮮の脅威を理由に「陸上総隊」新設で一つに

登録:2018-03-24 08:25 修正:2018-03-24 08:55


旧日本軍の暴走のため、約60年間なかったが、 
北朝鮮の脅威を名分に陸上自衛隊「陸上総隊」創設 
日本版海兵隊の水陸機動団も新設

                    
昨年8月、日本の陸上自衛隊の戦車が富士山麓の御殿場の演習場で実弾を使用した訓練を行っている/AP聯合ニュース

 日本の陸上自衛隊が総司令部にあたる「陸上総隊」を新設し、創立以来最大の変化を図る。陸上自衛隊は、軍国主義に対する反省と警戒のためにこれまで一つにまとめることはできなかったが、北朝鮮の脅威を理由に組織統合に乗り出した。

 陸上自衛隊は22日、地方別に分散した部隊である方面隊をすべてまとめて管轄する陸上総隊を27日に新設すると明らかにした。陸上自衛隊の山崎幸二幕僚長は「即時機動できる陸上防衛力を柱とする体制に整備する。一元的運営が可能になり、全国で発生する事態に対し柔軟で迅速な防衛態勢を構築することができる」と話した。陸上総隊本部は、東京都練馬区にある朝霞駐屯地に180人規模で創設される。

 陸上自衛隊は海上自衛隊や航空自衛隊とは違い、全国に散在した部隊を統合的に運営する組織が1954年の創立以来なかった。防衛相が5つの方面隊を個別的に指揮し、防衛相が個別方面隊のレベルを超えて指揮するためには合同参謀議長にあたる統合幕僚長の補佐を受け、各方面隊と協議する複雑な過程を経なければならなかった。

 陸上総隊の創設は2004・2010年の防衛大綱の改定の際にも検討されたが、実現しなかった。政府を意のままに左右するほど暴走し、満州事変、日中戦争、太平洋戦争の開戦を導いた日本陸軍の過去のためだ。旧日本軍は主要軍事事項は天皇に権限があるので、政府は関与できないと主張した。1932年、海軍将校と陸軍士官候補生らが首相官邸に乱入し、犬養毅首相を殺害した5・15事件が起こり、1936年には陸軍将校らが大蔵相などを殺害して首相の殺害を試みた2・26事件があった。

 だが、政府が北朝鮮の核・ミサイルの脅威と中国の海洋進出への警戒を強調し、陸上自衛隊の念願が叶うことになった。陸上自衛隊は27日、日本版海兵隊と呼ばれる水陸機動団も発足させる。長崎県相浦駐屯地で2100人規模で発足する。自衛隊はこれまで上陸作戦が目的である海兵隊を保有していなかったが、最近の中国の海洋進出の脅威を名分に島しょ防衛が必要だとし、水陸機動団の創設を推進した。
東京/チョ・ギウォン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

少数ではあるが、着実に、「観念的な報道」でなく真実を伝えようと努力する記者もいる。

2018-03-05 | 世界情勢を知ろう
観念的な報道


マスコミが伝えることを聞いて、行っても出会ってもないのに、朝鮮学校とそこに通う生徒のイメージを勝手に作る。かつての朝鮮学校差別は直接的だった。今の差別は観念的だ――。日本の大学教授が、日本市民が朝鮮学校を正しく知ることを目的にしたイベントの場で聴衆にこう語りかけた

春夏秋冬

▼「観念的」とは、具体的事実に基づかずに頭の中で組み立てられただけで現実に即していないさまを言う。マスコミの報道だけで知ったような気になっていると、悪質なマスコミによる情報操作について教授は指弾した。そして今の状況を乗り越えるためにもまずは朝鮮学校と出会ってほしいと熱く訴えた

▼人と人は会って話せばイメージが変わる。イベント参加者の多くがこのことを実感していた。ある男性は「事前に知っていたいろんな情報と、実際に来て感じることが違った」と指摘。一方、授業参観などを通じて在日朝鮮人の日本での生活ぶりについてもっと知りたいと思ったという女性は結婚事情など具体的なことも教えてほしい述べていた

▼この日の収穫はまた、日朝市民が自ら求めて出会う交流の光景を、日本の良心的なメディアがしっかり見て、メモして、撮影していたことだ。少数ではあるが、着実に、「観念的な報道」でなく真実を伝えようと努力する記者もいる。市民同士の情が行き来し明るい希望が見えていることに、イベント関係者は確かな手ごたえを感じていた。(東)

フォーラム出席する主要メディアのリーダーを招き、「朝鮮半島情勢と平昌冬季五輪」をテーマに懇談会も行う。

2018-01-22 | 世界情勢を知ろう
韓国外相 ダボス会議に出席へ=朝鮮半島情勢を説明

2018/01/21 16:37


【ソウル聯合ニュース】韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が24~25日、スイス東部のダボスで開かれる世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)に出席する。外交部が21日発表した。

                
                 康京和長官(資料写真)=(聯合ニュース)

 康長官は今回のフォーラムで、朝鮮半島情勢に関する韓国政府の立場を説明する。25日に「韓国平昌の夕べ」を開催し、世界各国の高官や企業人に対し平昌冬季五輪・パラリンピックをPRする。また、フォーラム出席する主要メディアのリーダーを招き、「朝鮮半島情勢と平昌冬季五輪」をテーマに懇談会も行う。

 外交部は「康長官のフォーラム出席は朝鮮半島情勢に対する国際社会の理解を高めるとともに、平昌冬季五輪を全世界にPRする契機になる」と期待を示した。

csi@yna.co.kr

今回の条約は、多数の国が少数の核保有国にたいし“あなたたちに地球を滅ぼす権利はない”という宣言なのです。

2017-12-04 | 世界情勢を知ろう
2017焦点・論点
核兵器禁止条約の意義と日本の役割
明治学院大学国際平和研究所所長・国際学部教授 高原孝生さん
旧来の国際政治構造への挑戦 ヒバクシャの訴え継承に責任



 平和研究の立場から核兵器禁止条約の国際的・歴史的意義と唯一の戦争被爆国・日本の役割はなにか。明治学院大学国際平和研究所の高原孝生所長・国際学部教授に聞きました。(聞き手・阿部活士)

               
(写真)たかはら・たかお 1954年生まれ。東大法学部卒。97年に明治学院大国際学部教授、同大平和研究所所長は2014年から。

 核兵器禁止条約はいろんな意味で画期的なものです。なにより、核兵器をもたない諸国がそれを禁ずるきまりをつくったこと自体、旧来の国際政治構造へのチャレンジです。

 ほんらい軍縮とは、武装解除を強者が弱者に強要するものなのです。そこで強者は“お互いのためになる”というロジック(論法)を建前にします。しかし、この条約は、弱者のほうが強者の建前を逆手にとって“みんなのためになる”からと、強者を武装解除しようというものです。

 現代戦争のリアリティーは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩まされる帰還米兵が示すように、全員が敗者になる、ということです。人類共滅をもたらしうる核戦争は端的にそうでしょう。最近の研究によれば、核兵器を使った地域戦争が起きれば、地球全体が「核の冬」となり何億人もが死ぬといいます。今回の条約は、多数の国が少数の核保有国にたいし“あなたたちに地球を滅ぼす権利はない”という宣言なのです。

 それはまた、非人道的な兵器による武力行使を許さないという、従来の国際人道法にのっとった要求でもあります。化学兵器も生物兵器も禁止条約が成立して久しいのに、もっとも残虐な核兵器についてそれがなかったという異常な状態に、ようやく終止符が打たれそうです。

                
(写真)核兵器禁止条約の採択が決まった瞬間に立ち上がって拍手する各国政府代表ら=7月7日、ニューヨーク(池田晋撮影)

                
(写真)核兵器禁止条約の国連会議会場で日本の席に置かれた、「あなたがここにいてくれたら」と書かれた折り鶴=3月28日、ニューヨーク(遠藤誠二撮影)
「悪魔的な代物」完全な廃絶必要

 ―平和学の立場から核兵器禁止条約をどうみていますか。前文には「平和・軍縮教育」の大切さもうたっていますが…。

 私の大学には、「広島・長崎講座」もあり、授業のなかでさっそく取り上げています。条約の前文には、なぜ核兵器を禁止しないといけないか、さまざまな角度から述べられていて、ゆっくり読んでいく価値があります。

 核兵器は、およそ兵器とも呼ぶべきでないような悪魔的な代物です。その「いかなる使用も」「壊滅的な人道上の帰結」をもたらすと条約は述べ、それが使われないようにするためには「完全な廃絶」が必要だと明言します。

 ただ存在するだけで核事故や偶発核戦争の危険があること、そしてすべての国の安全が脅かされているので、使われないようにする責任がすべての国にあることが強調されています。さらに、「核兵器の生産、維持及び近代化の計画のために経済的及び人的資源を浪費している」との指摘があります。いま世界が直面する温暖化、飢餓・貧困にとりくむために、なによりも軍事費を減らし、そうした対策へと転用することが求められているという大きな文脈の中に、核兵器の禁止があるのです。

 また条約は随所で国際連合憲章に言及しています。戦争をなくし人権を実現するという“国連の原点”へと、国際社会が立ち戻ろうとする流れの表れとしてもとらえうるでしょう。この条約は核兵器の残虐性を追及し、禁止することにとどまらず、戦争を過去のものにしていくことにつながっていきます。

 ―日本政府などは、さかんに“核の傘”論を言いたてますが。

 その言葉づかい自体、もうやめるべきです。核武装の実態を覆い隠してしまうからです。まず戦争は人が起こすもので、けっして雨のような自然現象ではありません。そして“核の傘”をさしかけるとは、常に核攻撃の準備をしていることなのです。相手ののど元に“核のヤリ”をつきつけて脅しているのです。核兵器は本質的に攻撃的な兵器です。

 北朝鮮の核武装が脅威なのも、まさにそのせいです。他方、アメリカはいつでも北朝鮮を核攻撃できる態勢をとっています。核の脅しに核で対抗するという今の危険な事態をみれば、メディアが枕ことばのように“核の傘で守られた日本”などと述べるのがいかに見当外れかがわかります。

 そんな手詰まり状況から脱するためにも今回の条約は有用ではないでしょうか。たとえばアメリカが核攻撃をしないと言葉と行動で示すとともに、北朝鮮、韓国、日本が条約に同時加盟して、この地域に非核兵器地帯をつくる、という構想はありうると思います。
被爆国に対する期待裏切る行為

 ―安倍政権は、この条約への参加を拒否しています。

 いまの日本外交の最大の問題は米政権に完全に寄りそっていることです。アメリカ国内は格差拡大、人種分断、銃社会の惨劇でガタガタなのに、トランプ大統領は軍拡路線をひた走るというのです。いったいいつまでそれは持続可能なのでしょうか。世界の向かうべき方向と逆行する政権に伴走していては、日本外交が傷つきます。また被爆国に対する世界の期待をも裏切ることになるのです。

 ことしの国連総会第1委員会に日本政府が提出した決議案は、禁止条約にまったく触れませんでした。これは条約を推進、採択した諸国にたいして敵対的な立場を明らかにしたということです。それでいて非核国と保有国の「橋渡し役になる」という政府の言い分は、誠実な言葉に聞こえません。かろうじて被爆者の方たちの示す人間的な尊厳によって、核軍縮外交における日本の存在感が保たれているといえるでしょう。

 逆にいうと、私たち日本の平和研究者や市民社会にとっての課題も見えてきます。核戦争を絶対にゆるさないという被爆者の訴えを受け継いでいくという責任です。文字通り言葉に尽くせぬほどの被害と苦しみをあえて人前で語り記すのは、もう二度と原爆が、どの国の人に対しても使われることがないようにと願ってのこと。条約に記されたヒバクシャの文字が表しているのはその心なのだと、次の世代、世界の人に、しっかりと伝えていかなくてはなりません。

「緊張を緩和し、平和・安定につながる状況を生むための自制と対話の再開」を呼びかけました。

2017-11-17 | 世界情勢を知ろう
北朝鮮問題 非核化へ対話再開を
ASEAN首脳会議 議長声明を発表


 【マニラ=井上歩】東南アジア諸国連合(ASEAN)は16日、マニラで13日に開催した首脳会議の議長声明を発表し、北朝鮮問題に関して「朝鮮半島の平和的な非核化」を求める立場を改めて表明。関係国に対話の再開を呼びかけました。

 議長声明は、核実験を含む北朝鮮の「挑発的で威嚇的な行動」に深刻な懸念を表明。広い地域の平和と安定を深刻に脅かしていると指摘し、北朝鮮に国連安保理決議の履行を強く求めました。

 声明はそのうえで、「緊張を緩和し、平和・安定につながる状況を生むための自制と対話の再開」を呼びかけました。

 南シナ海問題では、「ASEANと中国の関係改善」を指摘。南シナ海行動規範(COC)の枠組み採択とCOCの交渉開始宣言を評価し、突発的な事故の危険や緊張を低下させるホットラインなどの協力措置の進展に期待を示しました。

 議長声明は同時に、南シナ海の平和、安全保障や「ルールに基づく秩序」を維持・促進する重要性を確認。国際法に従った平和的解決と、いかなる国も軍事的拡張や情勢の複雑化をしないことが重要だと強調しました。

 同日発表されたASEAN中国首脳会議(13日開催)の議長声明は、ASEAN諸国と中国が「COC条文の実質交渉」の正式な開始を宣言したと明記。声明によると、合同作業部会と高官会合でCOCの起草作業を行うことが決まりました。作業部会は来年早期にベトナムで開かれます。

批准国の数は約170カ国にのぼります。米国の離脱に追随する国もなく、孤立するトランプ政権の立場も問われます。

2017-11-09 | 世界情勢を知ろう
COP23の議論
温暖化対策の実効性を高めよ



 ドイツのボンで国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)が、17日までの日程で始まりました。地球温暖化対策の新しい国際的枠組み「パリ協定」の発効から1年―。2020年に開始する同協定の実効性を高めるためのルールづくりの促進や、各国の温室効果ガスの削減目標を引き上げる仕組みの議論が焦点です。世界各地で気候変動による被害が相次ぐもとで、温暖化の進行を抑えるために参加国が役割を果たすことが求められます。
「迅速な行動」が課題

 COP23が開幕した6日、国連の世界気象機関(WMO)は、今年の世界の平均気温が観測史上3番目に高くなる見通しだと発表しました。命を奪う可能性がある熱波にさらされる人の数は2000年以降、1億2500万人増加したことも明らかにし、警鐘をならしました。

 会議では海面上昇による海岸浸食や塩害の被害を受けてきた南太平洋の島国フィジーが初めて議長国を務めます。同国のバイニマラマ首相は開会あいさつで「世界は、破壊的なハリケーンや火災、干ばつ、氷の溶解、農業を見舞う変化といった、食料安全保障を脅かす極端な気候変動の渦中にある」「世界に訴えたいのはパリで定めた方向性を維持することだ」と力説しました。温暖化に歯止めをかける「迅速な行動」は切迫した課題です。

 パリ協定は2020年以降の温暖化対策の国際条約で、平均気温の上昇を工業化前(1850年ごろ)に比べて、2度より十分に低く抑え、1・5度に抑えることをめざす目標を掲げました。今世紀後半の早い段階で温室効果ガスの排出量を「実質ゼロ」にする―森林や海などの吸収分を上回る温室効果ガスを排出しない―ことを決めるなど「歴史的合意」と評価されています。

 「先進国」だけでなく途上国を含むすべての国が削減目標をもって取り組む合意をしたこともパリ協定の特徴です。批准国の数は約170カ国にのぼります。

 今回の会議の任務は協定にもとづいて各国の主張を集め議論しながら、18年にルールの文書を策定する作業を進めることです。過去の工業化で温室効果ガスの排出を続けてきた日本など先進国が歴史的責任を踏まえ指導性を発揮し、すべての国が取り組みを強化できる仕組みを作る必要があります。

 6月にトランプ米政権がパリ協定脱退を表明しましたが、規約上脱退が可能になるのは2020年です。離脱表明に対抗し米国内の州政府、都市、大学、企業などがパリ協定の約束を守る意思を表明しています。米国の離脱に追随する国もなく、孤立するトランプ政権の立場も問われます。
削減目標の引き上げを

 日本の後ろ向きの姿勢は問題です。安倍晋三政権の温室効果ガスの削減目標は、30年までに「13年比26%減」です。これは国際的な基準である1990年比に直すと18%減にすぎません。抜本的な引き上げが求められます。

 パリ協定に逆行する石炭火力発電所の建設ラッシュを中止することは急務です。原発と石炭火力発電を「重要なベースロード電源」と位置づけた14年の基本計画の撤回など、エネルギー政策の根本的な転換にふみきるべきです。

中露は上層部が緊密な意思疎通を保ち、様々な制度・メカニズムが連携して両国のスムーズな交流を支えている。

2017-11-01 | 世界情勢を知ろう
中露は新型の国際関係の模範
人民網日本語版 2017年10月31日14:10

ロシアのメドベージェフ首相が31日から中国を公式訪問し、第22回中露首相定期会談に臨む。(文:蘇暁暉・中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

ロシアは中国の発展を注視し、両国関係を重視している。プーチン大統領は第19回党大会に祝電を送った。10月26日に習近平国家主席と電話会談した際、プーチン大統領は両国関係を高く評価。中露関係は現代の世界の大国のむつまじい共存の模範といえるとの考えを示した。

国と国がいかに付き合うかは、中露の課題であるだけでなく、それ以上に世界にとって解決する必要のある難題だ。第19回党大会報告は「相互尊重、公平・正義、協力・ウィンウィンの新型の国際関係の構築を推し進める」との答えを示した。中露関係はすでに新型の国際関係の「モデルルーム」となっている。

相互尊重は両国が調和ある共存を実現するうえでの基礎だ。中露は共同声明など重要文書で、「中露善隣友好協力条約」を順守し、互いに主権・安全・領土の一体性など核心的利益を守る相手国の努力を支持し、相手国が自国の国情に合った発展の道を歩むことを支持し、相手国の発展・振興を支持し、相手国が自主的内政方針を推し進めることを支持すると表明してきた。中露は上層部が緊密な意思疎通を保ち、様々な制度・メカニズムが連携して両国のスムーズな交流を支えている。

公平・正義は両国の包括的協力において当然の義だ。中露は共に第2次世界大戦の戦勝国、国連安保理常任理事国、主要新興市場国であり、国際・地域問題で一層緊密かつ効果的に協力し、地域及び世界の平和・安定・繁栄・発展を促進する責任と義務と必要がある。朝鮮核問題など地域の紛争問題への対処においては、中露は軍事的手段をとるべきではないと強調するとともに、混乱に乗じて利益を得ようとする国に対して警告し、情勢の暴走を効果的に防いでいる。

協力・ウィンウィンは両国関係発展の永続的原動力だ。双方は各々の強みを発揮し、互恵・相互理解の原則に基づき、発展戦略の連携及び「一帯一路」建設とユラーシア経済連合の連携をめぐり各分野の実務協力を深めている。両国はまた、人的・文化的交流及び協力をたゆまず推し進め、民意の通じ合いと文化的融合を世々代々の友好の基礎としている。

第19回党大会報告は「中国は積極的にグローバル・パートナーシップを発展させ、各国との利益の合流点を拡大し、大国の調整と協力を推進し、全体的に安定し、均衡的に発展する大国関係の骨組を構築し、『親・誠・恵・容』の理念及び『近隣国と親しくし、近隣国をパートナーとする』周辺外交方針に従い周辺国との関係を深め、正しい義利観と真実・真誠の理念を堅持して発展途上国との団結・協力を強化する」と指摘した。中露の良好な相互作用は、中国の特色ある大国外交設計の合理性と実行可能性を証明し、中国の「コミュニティ」建設の素晴らしい将来性を示すとともに、新型の国際関係構築の模範も示した。(編集NA)

「人民網日本語版」2017年10月31日

在留資格をみると、市民権取得者(外国籍)が全体の64.0%、永住者が14.1%を占める。

2017-10-28 | 世界情勢を知ろう
海外に暮らす韓国出身者 743万人に増加=日本は82万人

【ソウル聯合ニュース】韓国外交部がこのほどまとめた「2017在外同胞現況」によると、海外に暮らす韓国出身者(一部その子孫)は2016年12月31日時点で743万664人と2年前に比べ3.4%増加した。

 外交部は1972年から2年ごとに、在外公館の報告を取りまとめ関連統計を発表している。海外に暮らす韓国出身者は2009年と13年を除き増加し続けている。

 居住先は179カ国・地域に及ぶ。北東アジアが336万6656人と最も多く、北米が273万3194人、欧州が63万730人、南アジア・オセアニアが55万7739人、中南米が10万6784人など。国・地域別では、中国(254万8030人)、米国(249万2252人)、日本(81万8626人)、カナダ(24万942人)、ウズベキスタン(18万1077人)、オーストラリア(18万44人)、ロシア(16万9680人)の順に多い。

 在留資格をみると、市民権取得者(外国籍)が全体の64.0%、永住者が14.1%を占める。

聯合ニュース

核の非人道性に対する認識を大きく後退させたことで、他の決議案への投票でも日本の核廃絶に対する姿勢が改めて問われそうです。

2017-10-22 | 世界情勢を知ろう
日本政府決議案に反発 共同提案国が減少
核兵器使用容認ともとれる修正 国連総会第1委
核保有国を代弁



 【ワシントン=池田晋】国連本部で開催中の国連総会第1委員会(軍縮・国際安全保障)で20日までに、今年提出されている核軍縮関連決議案の全体像がほぼ判明しました。日本政府提出の核廃絶決議案は、核兵器使用が容認されうると読める修正が施されるなど、内容が大幅に後退。核兵器禁止条約を推進する国が今年は共同提案国から外れ、世界の大勢に背く日本の孤立ぶりが浮き彫りになっています。
               

               (写真)軍縮・国際安全保障について議論する国連総会第1委員会=11日、ニューヨークの国連本部(池田晋撮影)

 決議案は1994年以来、日本が毎年提出しているもの。最終的な共同提案国の数はさらに増えるとみられるものの、提出時点で比べると昨年の64カ国から今年は45カ国(12日時点)に減っています。

 昨年まで同時点で共同提案国に名を連ねていたオーストリア、コスタリカ、スウェーデン、スイスなど、禁止条約の推進国は外れています。

 一方、米英がすでに提案国に加わっており、日本が主張する核保有国と非保有国の「橋渡し」というより、保有国を代弁する決議案としての性格が強まっています。

 決議案では、禁止条約前文でもうたわれた核兵器の非人道性に対する世界の到達点である「あらゆる核兵器使用の破滅的な人道的結果」との記述から、「あらゆる」との文言を削除。人道上容認されうる核使用があることを含意する意図的な修正が加えられています。

 決議案で核の非人道性に対する認識を大きく後退させたことで、他の決議案への投票でも日本の核廃絶に対する姿勢が改めて問われそうです。昨年まで賛成票を投じてきた「核兵器の人道的結果」と題する決議案でも態度を後退させれば、唯一の戦争被爆国として積み上げてきた国際的な信頼性を失うことにもなりかねません。

 他の決議案では、オーストリアが主導する今年の「核兵器廃絶の多国間交渉の前進」決議案などがあり、同案は、禁止条約の採択を歓迎するとともに、極力早く署名・批准するよう全加盟国に要請する内容です。また、インドネシア提出の決議案は、来年5月14~16日にニューヨークで核軍縮の国連ハイレベル会合を開催することを提案しています。

「交渉する間、核実験や合同演習を双方がそれぞれ中断することができるだろう」と述べた。

2017-10-20 | 世界情勢を知ろう
元米国務次官補「北朝鮮と前提条件なしの対話を」

2017/10/19 20:32


【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の核問題をめぐり、1994年に締結された「米朝枠組み合意」の交渉で米国側首席代表を務めたロバート・ガルーチ元米国務次官補は19日、ソウル市内のホテルで聯合ニュースのインタビューに応じ、北朝鮮との対話について「北朝鮮と韓米政府の高官が前提条件なしに会って交渉しなければならない」との考えを示した。また「交渉する間、核実験や合同演習を双方がそれぞれ中断することができるだろう」と述べた。

               
               インタビューを受けるガルーチ元米国務次官補=19日、ソウル(聯合ニュース)

 対北朝鮮制裁については、「それ自体を目的にするのではなく、北朝鮮を対話の場に引き出すための道具にしなければならない」と指摘し、「交渉に真実性があるのか北朝鮮が理解するためにも交渉は必要だ」と強調した。 

 韓国と米国が国際社会において北朝鮮を外交的に孤立させる政策を推進していることについて、「その政策により、われわれが願う結果がもたらされるとは思わない」とし、「北朝鮮政権に痛みを与えることはできても、ゲームを終わらせることはできないだろう」との考えを示した。

 トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を「ロケットマン」と呼んで非難するなど、米朝間で非難の応酬が激しくなっていることについては、「互いに言葉で威嚇して『ロケットマン』などと呼ぶ行為は状況にとって役に立たない。緊張を減らすことはできない」とし、「挑発する言葉にさらに挑発する言葉で応じるのは止める必要がある」と強調した。 

 ガルーチ氏は昨年10月にもマレーシアで北朝鮮外務省の韓成烈(ハン・ソンリョル)外務次官らと接触している。

yugiri@yna.co.kr

「被爆国日本が条約に参加しないというのは世界に不信感を与えることになる」

2017-09-14 | 世界情勢を知ろう
核兵器禁止条約 不参加は世界に不信感
被団協など11団体 署名拒む政府ただす



 核兵器禁止条約の署名式が20日、ニューヨークの国連で始まるのに先立ち、13日、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)、核兵器廃絶をめざすヒロシマの会の代表をはじめ11団体の11人が外務省を訪れ、日本政府に対し、核兵器禁止条約への署名・批准を求めました。日本の核軍縮・不拡散政策について意見交換を行い、日本政府の姿勢をただしました。

 要請後、参院議員会館で行われた会見で、日本被団協の田中熙巳(てるみ)代表委員は、「日本政府は署名も批准もしないといっているので、その理由を聞きたかったが、これまでの考えを繰り返し述べただけだった」と語りました。

 ヒロシマの会の森瀧春子共同代表は、「被爆国日本が条約に参加しないというのは世界に不信感を与えることになる」と批判しました。

 日本政府への要請内容は▽核兵器禁止条約に署名・批准すること▽署名・批准しない方針なら、その理由を明確に説明すること▽いかなる条件が整えば署名・批准できるのか▽核兵器国と非核兵器国との「橋渡し」を自任するのなら、政府として締約国会議に参加して、核兵器国の参加を呼びかけるべきではないか―などです。

 外務省から岡本三成外務大臣政務官、川崎方啓外務省軍縮不拡散・科学部審議官らが出席しました。

今回発見された資料は当時彼が欧州で植民支配された韓国の実状を知らせるためにどのような活動を繰り広げたかをよく示している。

2017-07-25 | 世界情勢を知ろう
ハングル学者、李克魯氏のドイツ語「独立運動出版物」を発見

登録 : 2017.07.24 22:07 修正 : 2017.07.25 07:56


ドイツ留学時代に出した宣言文とパンフレット 
植民支配・独立運動の現実を欧州に紹介

 
原本入手した収集家がハンギョレに情報提供
収集家チ・ボラム氏が保有する李克魯関連資料原本。左から『日本帝国主義に対抗した韓国の独立闘争』(1927年)『韓国の独立運動と日本の侵略戦争』(1924年)1923年在独韓国人大会で配布された『韓国に対する日本の暴圧統治』宣言文=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社
 ハングル学者で独立運動家でもあった李克魯(イ・グンノ)氏(1893~1978)が、ドイツ留学時代の1920年代に日本帝国主義の蛮行を糾弾し、これに対抗した韓国民族の独立運動を国際社会に知らせるために書いた声明書と出版物の原本が発見された。

 ハンギョレは最近、李克魯氏がドイツ・ベルリンに留学した時期の1923年「在独韓国人大会」で作成・配布した宣言文である『韓国に対する日本の暴圧統治』、1924年に出版した『韓国の独立運動と日本の侵略戦争』(以下『侵略戦争』)、1927年に出版した『日本帝国主義に対抗した韓国の独立闘争』(以下『独立闘争』)の原本を確認した。この資料の存在と内容はすでに知られていたが、原本の発見は今回が初めてだ。この資料は収集家のチ・ボラム氏(32)がドイツの古書店で3~4年にかけて順次入手したもので、ハンギョレは今月11日にパク・ヨンギュ高麗大学韓国史研究所研究教授とともにチ氏に会い、原本であることを確認した。

 李克魯氏は、日帝強制占領期間に独立運動家として活躍したが、解放後の越北行跡のためにこれまでまともに照明を浴びることはなかった。彼は1922~29年にドイツのベルリン大学で政治経済学を学んだが、今回発見された資料は当時彼が欧州で植民支配された韓国の実状を知らせるためにどのような活動を繰り広げたかをよく示している。

 1923年9月、日本で関東大震災を契機に韓国人の大量虐殺が起き、これに怒った在独韓国人は「在独韓国人大会」を開き、日帝の蛮行を糾弾した。この行事を主導した李克魯氏は、宣言文をドイツ語、英語、漢文で作成し配布した。今回公開された原本はドイツ語で作成されたものであり、裏表紙に「Kolu Li」という李克魯氏の署名がはっきり記されている。宣言文は日帝の朝鮮半島植民化過程と大量虐殺の惨状を明らかにして「私たちの苦しい闘争を助け支持するすべての人々に告げる」と訴えている。

 『侵略戦争』と『独立闘争』は、李克魯氏がそれぞれ1924年2月と1927年5月にドイツ語で自費出版し、欧州の各図書館に配布した30ページ余りの薄いパンフレットだ。日本帝国主義が韓国民族を支配している犯罪を告発し、これに対抗した大韓民国臨時政府活動、義烈団の闘争など韓国民族の独立運動を紹介しようとする共通の目的と内容を持っている。これらの資料は、李克魯氏が欧州社会で“ペン”を通した独立運動に孤軍奮闘し、朝鮮半島の現実を綿密に把握していたという事実を物語る。例えば、1927年5月に出版したパンフレットには、天皇暗殺を計画した朴烈(パク・ヨル)が裁判で無期懲役を宣告されたニュース、羅錫疇(ナ・ソクジュ)が東洋拓殖株式会社に爆弾を投げたニュースなど、1926年に起きた“最新”事件が含まれている。

 パク・ヨンギュ研究教授は「李克魯氏がドイツに遺した資料は、日帝強制支配下の韓国の現実を欧州の知識人たちに最初に紹介したという点で意味が大きい。原本が残っていて、これを直接確認できたことは本当に幸い」と評価した。

チェ・ウォンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

文大統領: “入口”に何を置くかがカギとなる!  韓米首脳会談が最初の関門になる見通し ・・・   

2017-06-26 | 世界情勢を知ろう
[ニュース分析]
韓米首脳会談で北朝鮮の核凍結に向けた「交渉の扉」が開かれるためには

登録 : 2017.06.26 03:55 修正 : 2017.06.26 06:59


文大統領が発表した北朝鮮の核問題に対する2段階解決策 
“入口”に何を置くかがカギとなる 
韓米首脳会談が最初の関門になる見通し  
 
北朝鮮による追加挑発の中断が最小条件  
専門家「韓米合同演習の縮小」との意見も  
トニー・ナムグン博士「朝米、南北など 
2+2会談を再開することも方法」

                 
今月29日に韓米首脳会談を行う予定の文在寅大統領と米国のドナルド・トランプ大統領//ハンギョレ新聞社
 29日、ドナルド・トランプ米大統領との首脳会談を控えて、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が最近、米国のメディアとのインタビューで相次いで核問題の解決と南北関係の改善基調を明らかにしたことで、これを解決する最初の関門である韓米首脳会談の協議内容に注目が集まっている。

 大統領府が今月14日に発表した韓米首脳会談の議題の中には、「北朝鮮核問題の根源的な解決に向けた共同方策」と「朝鮮半島の平和を実現」が共に含まれている。また、先月の韓米当局者たちは、北朝鮮の核問題と関連して共通点を確認したとして、「北朝鮮の核4原則」(核の完全な廃棄が究極的目標▽制裁と対話を含む全ての手段を動員▽正しい環境が実現すれば、北朝鮮と対話も可能▽このような目標を達成するための断固として実用的な韓米間の共同方策の模索)を明らかにした。文大統領は、このような大きな枠組みから一歩踏み込んで、解決策を具体化したわけだ。

 文大統領が提示した北朝鮮の核問題に対する2段階の解決策(北朝鮮の核・ミサイル活動の凍結→北朝鮮の核廃棄)の第1段階である「凍結」は、1994年第1次北朝鮮核危機当時、米朝が劇的に妥結した「ジュネーブ基本合意」に遡る。当時両国は、米国が軽水炉および代替エネルギーを提供する代わりに、北朝鮮が黒鉛減速炉及び関連施設を凍結し、究極的に解体することで合意した。このような「凍結」合意は2007年の2・13合意と2012年の2・29合意にも明記された。

 問題は、北朝鮮の核凍結という第1段階の会談に向けて“入口”として何を設けるのかだ。一部では、開城(ケソン)工業団地と金剛山(クムガンサン)観光の再開などを対話の再開に向けた“入口”として示しているが、文大統領は「北朝鮮の核・ミサイル開発の凍結が先」だと明らかにしている。文大統領はまた、「前提条件のない対話を語ったことはない」と線を引いた。

 これまで文大統領が言及した「対話の条件」は「北朝鮮の核・ミサイルの追加挑発の中断」とみられる。しかし、「追加挑発」というのが、核または大陸間弾道ミサイル(ICBM)など「戦略挑発」を意味するのか、それとも北朝鮮の日常的な軍事訓練の一環でもある短距離ミサイル発射なども「挑発」に含まれているのかは、明確でないという指摘もある。

 対話の再開に向けた“入口”に「韓米合同軍事演習の縮小」を置かなければならないという意見もある。匿名希望のある北朝鮮専門家は「8月に行われる予定の(韓米連合訓練の)乙支(ウルチ)フリーダムガーディアンと関連し、7月に(韓米当局が縮小などの)可視的な措置を取るのが、対話に先立って『7月危機』を防止する道」だと助言した。北朝鮮は韓米首脳会談が開かれる6月末までは雰囲気を探索するだろうが、7月に入ってからは強力な“挑発”を敢行する可能性があるというのが、専門家らの共通した見解だ。

 米国の代表的な北朝鮮専門家のトニー・ナムグン元大学バークレー大学東アジア研究所副所長は、最近ハンギョレとのインタビューで「米朝、南北がそれぞれ会談を開き、2(米朝)+2(南北)会談を再開することも(北朝鮮の核問題を解決する)方法」だと提案した。これに先立ち、李明博(イ・ミョンバク)政権時代の2012年、韓国と北朝鮮、米国は相次いで会談を開き、核活動に対する猶予(モラトリアム)と朝鮮半島停戦協定を認めた2・29合意を導き出した。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)