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彼は「米国が国連制裁の一部、すなわち民需経済と人民の生活に支障をきたす項目の制裁を解除すれば、・・・

2019-03-01 | 「北朝鮮問題」の解決のために
北朝鮮、深夜に反論会見…
「全面的制裁解除を要求したわけではない」

登録:2019-03-01 08:20 修正:2019-03-01 08:32


リ・ヨンホ外務相、1日午前0時15分にハノイで記者会見 
トランプ大統領の記者会見内容に真っ向から反論 
「米国が寧辺以外にもう一つを要求… 
民生分野の一部制裁解除を要求」 
「我々は核・ロケットの試験発射の永久中止を 
文書の形確約する意向も明らかにした」 
 
チェ副相「寧辺、米専門家の立ち合いのもと永久的廃棄を提案… 
米国は天才一遇の機会を逃したも同然」 
「金委員長、交渉の意欲を失うかもしれないという印象受けた」

          

北朝鮮のリ・ヨンホ外務相が今月1日午前0時15分、宿泊先のベトナム・ハノイのメリアホテルで、深夜記者会見を開き、第2回朝米首脳会談で合意に失敗したことに対するドナルド・トランプ大統領の説明に反論している。左はチェ・ソンヒ外務副相=ハノイ/ノ・ジウォン記者//ハンギョレ新聞社

 「北朝鮮がすべての制裁の解除を要求した」というドナルド・トランプ米大統領の主張に対し、北朝鮮が深夜記者会見を開いて反論した。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長のベトナム訪問に随行している北朝鮮のリ・ヨンホ外務相は1日(現地時間)午前0時15分ごろ、金委員長の宿泊先のハノイ・メリアホテルで記者会見を開き、「我々はすべての制裁を要求したわけではない」と反論した。

 リ外務相は「我々が要求するのは全面的な制裁解除ではなく、一部解除、具体的には国連制裁決議11件のうち2016~2017年に採択された5件、中でも民需経済と人民生活に支障をきたす項目だけを先に解除してほしいというもの」だと述べた。

 同日午後2時15分ごろ、ランプ大統領は宿泊先のJWマリオットホテルで記者会見を開き、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との第2回朝米首脳会談で合意が見送りになった理由として、「北朝鮮がすべての制裁の解除を要求したため」と説明したことに真っ向から反論したのだ。

 リ外務相は「我々は昨年6月、シンガポールで行った第1回朝米首脳会談で、共同認識に基づく信頼構築と段階的解決の原則に従い、今回の会談で現実的な提案を行った」と述べた。

 彼は「米国が国連制裁の一部、すなわち民需経済と人民の生活に支障をきたす項目の制裁を解除すれば、寧辺(ヨンビョン)地区のプルトニウムとウランを含むすべての核物質生産施設を、米国専門家の立ち会いのもと、両国の技術者らによる共同作業で永久かつ完全に廃棄するということだ」と明らかにした。

 リ外務相は「これは朝米両国間の信頼レベルからして、現段階で私たちが踏み出せる最も大きな歩幅の非核化措置」だと強調した。

 また「我々が非核化措置を取っていく上で、より重要な問題は安全保障問題だが、米国がまだ軍事分野の措置を取るのが負担になるとみて、部分的な制裁解除を相応の措置として提示した」と説明した。

 リ外務相は「今回の会談で、我々は米国の懸念を減らすため、核実験と長距離ロケット発射を永久に中止するという確約も文書の形で提供する意向も明らかにした」と述べた。

 同当局者は「信頼構築の段階を経れば、今後非核化過程はさらに早く前進できるだろう」とし、「しかし、会談過程で米国側は寧辺の核施設の廃棄措置のほかにもう一つを追加すべきだと主張した。したがって米国が我々の提案を受け入れる準備ができていないことが明白になった」と主張した。

 リ外務相はまた「現段階で我々が提案した内容よりも良い合意がなされるかどうかについて、この場で明らかにするのは難しい」としたうえで、「このような機会が再び訪れることも、なかなかないかもしれない」と述べた。

 また「我々のこうした原則的な立場には変わりがなく、今後、米国側が交渉を再び提案する場合でも、我々の方針は変わらないだろう」と強調した。

 リ外務相の深夜記者会見は、前日の28日午後、トランプ大統領が記者会見を開いてから10時間後に行われた。金委員長一行は、トランプ大統領の記者会見の内容を分析し、対応方針について話し合ってから、深夜に反論会見を開くことを決めたものと見られる。

 首脳間の交渉内容に対する事実関係をめぐり、両側が単独記者会見と深夜記者会見を通じて攻防を繰り広げたわけだ。対話再開の雰囲気が再び作られるまでは、かなりの時間がかかる見込みだ。

          

今月1日午前0時15分(現地時間)、ハノイのメリアホテルの前で取材陣がリ・ヨンホ外務相の記者会見の取材を待っている=ハノイ/パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮のチェ・ソンヒ外務副相は、リ外務相の会見に続き、記者団との質疑応答で「民需用の制裁決議の部分的決議すら解除するのは難しいという米国側の反応を見て、(金正恩)国務委員長の同志が今後の朝米交渉について少し意欲を失うかもしれないという印象を受けた」と述べた。

 チェ副相は「今回、私が首脳会談を見ながら、国務委員長の同志が米国が進める米国式の計算法について、理解に苦しんでいるような印象を受けた」と語った。

 チェ副相は、北朝鮮が今回の交渉で北朝鮮に提示した案について「寧辺の核団地全体、その中にあるすべてのプルトニウム施設やすべてのウラン施設を含むすべての核施設を、丸ごと米国専門家の立会いのもと、永久かつ不可逆的に廃棄することに対する(提案)」だとし、「歴史的に提案したことのない提案を今回にした」と述べた。

 彼女は「このような提案に対し、米国側が今回受け入れなかったのは、天才一遇の機会を逃したも同然だ」と主張した。
ハノイ/ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

祖父の金日成(キム・イルソン)主席譲りの行動力を見せ、国際舞台で活躍する指導者としてのイメージを示した。

2019-02-27 | 「北朝鮮問題」の解決のために
3日間列車で移動した金委員長、
世界メディアのスポットライトの中ベトナムに到着

登録:2019-02-27 06:50 修正:2019-02-27 07:47

3800キロメートルの長い道のりの末 
ベトナムのドンダン駅に到着 
専用列車を徹底的に隠していた過去と異なり 
外国メディアなど約100人が取材

             
第2回朝米首脳会談に出席するため、中国大陸を縦断する3日間の長旅を終えた北朝鮮の金正恩国務委員長が今月26日午前、ベトナム北部ランソン省のドンダン駅に到着し、歓迎の人波に向かって微笑みながら手を振っている=ドンダン/ロイター聯合ニュース

 26日午前8時13分(現地時間)、中国と国境を接したベトナム北部ランソン省のドンダン駅の錆びたレール上に、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の専用列車が姿を現した。23日午後4時32分に平壌(ピョンヤン)を出発し、中国の丹東~天津~武漢~南寧などを経て、65時間40分をかけ3800キロメートルを走破する長旅の末、北朝鮮の最高指導者としては55年ぶりにベトナムを訪れたのだ。

 列車がゆっくり駅に近づくと、内外信記者約100人で埋め尽くされた駅周辺がざわつき始めた。北朝鮮の最高指導者が中国などを訪問する際は、徹底した保安のため、外信が専用列車を近くで撮影することは不可能だったが、今回は他の国家指導者同様、多くの外信記者が到着する場面をリアルタイムで生々しく報道した。祖父の金日成(キム・イルソン)主席譲りの行動力を見せ、国際舞台で活躍する指導者としてのイメージを示した。

 客車のドアが開き、金委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)労働党宣伝扇動部第1副部長が先に姿を現した。金副部長は、金委員長が列車から降りる前に、キム・チャンソン国務委員会部長とともに、レッドカーペットと周辺状況を確認した後、再び列車に乗り込んだ。金副部長は昨年6月、シンガポールで開かれた朝米首脳会談同様、慌ただしく走り回った。

 金委員長が列車から降りたのは8時22分だった。長旅の疲れからか、やや曇った表情で降り立った彼は、出迎えたベトナム人たちと挨拶を交わし、笑みを浮かべ始めた。ベトナム側からはボー・バン・トゥオン宣伝担当政治局員やマイ・ティエン・ズン官房長官らが出迎えに出た。金委員長はベトナム政府高官らと握手を交わした。「お会いできて嬉しいです」と言っているように見えた。儀仗隊を査閲して駅舎を出た彼は、ベトナム住民らに笑顔を見せながら、手を振った。

 金委員長は8時24分頃、専用車のベンツのプルマン・ガードに乗り込んだ。車を取り囲んだ“防弾警護隊”12人も走り始めた。1日に列車1台が通過する小さな国境村のドンダン駅には、多くの住民が出て金委員長を歓迎した。金委員長は、車の窓を開けて住民らに手を振った。ハノイへ向かう途中、バクニンにあるサムスン電子工場などを訪問する可能性もあるという見通しも示されたが、1番国道で170キロを走り、午前11時頃にハノイのメリアホテルに到着した。

 一方、金委員長を乗せてドンダン駅に到着した専用列車の機関車には、中国鉄道総公社のロゴと共に「DF4D3058」という番号が書かれていた。金委員長の専用列車機関車の番号は「DF11z-0002A」だ。韓国交通研究院のアン・ビョンミン研究員は「北朝鮮の指導者が中国に入る時は、通常中国指導者の列車をけん引する機関車が北朝鮮側にわたり、専用列車と連結した後、国境を越える」と説明した。ベトナムにも、中国の側が提供した機関車が専用列車をけん引したものとみられる。
ハノイ/キム・ジウン記者、イ・ジョンエ記者"(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

私はここ(朝鮮半島)でも、世界がこれまで誰も予想できなかった非核化に向けた北朝鮮の行動が実現する、

2019-02-24 | 「北朝鮮問題」の解決のために
ポンペオ長官
「北朝鮮の非核化、ベルリンの壁の崩壊のように…」

登録:2019-02-23 08:39 修正:2019-02-23 12:24

「ベトナム・ハノイでの第2回朝米首脳会談を通じて 
誰も予想できなかった非核化が実現することを期待している」 
21日のインタビューで“外交的配慮”に欠けた発言 
ベルリンの壁の崩壊から1年後、東ドイツは西ドイツに吸収 

          
マイク・ポムペオ米国務長官が金正恩北朝鮮国務委員と談笑している//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の非核化を「ベルリンの壁」の崩壊に喩えて説明した。北朝鮮の非核化も、誰も予想できなかった壁の崩壊のように、奇跡的に成し遂げられるかもしれないという肯定的な見通しを表した言葉だが、重要な交渉を控え、北朝鮮に配慮する外交的感受性に欠けた発言という批判が高まるものと見られる。

 ポンペオ長官は21日に放送された米「FOXビジネス・ネットワーク」とのインタビューで、北朝鮮の核問題が近いうちに解決されるという期待が薄れているという質問に対し、「私は1989年に若い軍人として東ドイツと国境地帯を巡察していた。誰もベルリンの壁が崩れた時、そのような日が来るとは予想できなかった。私はここ(朝鮮半島)でも、世界がこれまで誰も予想できなかった非核化に向けた北朝鮮の行動が実現する、そのような日を迎えられることを望んでいる。私はこれまで我々がしてきたこと、我々が加えた経済制裁、トランプ大統領らが導いた交渉によって、世界が1989年に目撃したような瞬間を私たち皆が迎えられると期待している」と答えた。東ドイツは1989年11月、ベルリンの壁崩壊の翌年、西ドイツに吸収統一された。ポンペオ長官は米陸軍士官学校を卒業した後、1986年から1991年まで将校として義務服務を終えた。

 ポンペオ長官はさらに、トランプ大統領が「急ぐ必要はない」という言葉で北朝鮮に対する期待値を下げているのではないかという質問に対し、「私は彼が期待値を下げているとは思わない。政権発足当初はミサイルと核実験が行われていた。しかし、この1年以上、そのような種類の実験は行われていない。また、私たちは米国人の遺骨を引き渡してもらっており、米国務省のチームはハノイで(北朝鮮と)交渉中で、また他のチームは平壌(ピョンヤン)から数週間前に戻ってきた。私は27日から28日にかけて行われる両指導者の会談で、真の進展が見られると期待している。金正恩委員長は彼の国を非核化するという昨年6月のシンガポールでの約束を履行する真の進展を成し遂げてほしい」と述べた。
キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

今回の会談で、終戦宣言はもとより、平和体制の構築に関する協議も行なわれることを強く肯定したのだ。

2019-02-16 | 「北朝鮮問題」の解決のために
「制裁緩和」言及し北朝鮮にボールを渡した米国
登録:2019-02-16 07:00 修正:2019-02-16 07:40


ポンペオ長官「金委員長が検証可能な非核化を履行すべき時」 
北朝鮮の非核化レベルによって制裁を緩和する可能性に言及 
 
「両首脳、朝鮮半島の安保・平和メカニズムについて協議する」 
終戦宣言および朝鮮半島平体制が議題に上る見込み 
来週の実務交渉次第で首脳会談の成果変わる可能性も

          
北朝鮮の金正恩国務委員長とドナルド・トランプ米大統領//ハンギョレ新聞社

 マイク・ポンペオ米国務長官が10日後に迫った朝米首脳会談と関連し、“制裁緩和”の可能性に触れ、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の決断を促した。また、今回の首脳会談で朝鮮戦争の終戦宣言など、朝鮮半島における平和体制の構築をめぐる論議も行われる可能性が高いことも認めた。

 ポンペオ長官は14日(現地時間)。ポーランドのワルシャワで行ったCBSとのインタビューで、「我々(米国)が目指しているのは、(対北朝鮮)制裁の緩和と交換して、良い結果を得ること」だとしたうえで、「私は我々にそれができるかについて、非常に楽観的な
 ポンペオ長官は、北朝鮮が「検証可能な非核化」に取り組むべきだと強調した。彼は「金委員長は我々に非核化を繰り返し語ってきたが、我々は『信頼する、しかし検証せよ』と答えてきた」とし、「我々は金委員長がそれを実際進めるかを検証しなければならない」と述べた。さらに「完全な非核化とそれに対する検証の後に制裁を解除するという意味なのか」という質問に対しては、「今後、北朝鮮の非核化措置に向けた努力を始める時だ。今回の首脳会談でそれが示されることを望んでいる」と答え、含みを持たせた。

          
制裁と圧迫//ハンギョレ新聞社

 ポンペオ長官の今回の発言は、「先に非核化を実行しない限り、制裁緩和はない」という強硬な基調を維持してきた米政府の立場が最近、柔軟に変わりつつあることを示している。韓東大学のキム・ジュンヒョン教授はポンペオ長官の同日の発言について、「北朝鮮が積極的に非核化に乗り出すよう促すためには、制裁問題を取り上げるしかないことを、米国も知っている」とし、「北朝鮮の措置によって、米国も北朝鮮に(それに見合う)インセンティブを与えることができると示唆したもの」だと分析した。しかし、朝米対話に詳しいある政府関係者は「朝米は第2回首脳会談で成果を出すという確固たる意志を持っている」とし、「ただし、米国が対北朝鮮制裁を維持すべきという強硬な立場を守ってきただけに、今回の(ポンペオ長官の)発言は北朝鮮にボールを渡したものと言える」と話した。

 ポンペオ長官のこの日の発言が注目を集めているのは、スティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表が先月31日、スタンフォード大学での演説で、「同時的・並行的非核化」という段階的アプローチに言及したからだ。それを受け、北朝鮮が昨年約束した寧辺(ヨンビョン)の核施設の廃棄に加え、ミサイル廃棄や核申告など“プラスアルファ”に当たる措置を提示すれば、米国が金剛山(クムガンサン)観光や開城(ケソン)工業団地の再開のための制裁緩和・免除に乗り出す可能性があるという見通しが相次いだ。

 さらに、北朝鮮が提示する非核化措置のレベルによって、今回の首脳会談で終戦宣言に関する合意も可能になるものと見られる。ポンペオ長官は14日、FOXニュースとのインタビューで、「朝鮮戦争の公式的な終結問題が交渉でどれほど論議されるか」という質問に対し、「我々は非核化だけでなく、朝鮮半島に安保・平和メカニズムを作ることについても話し合った」とし、「両首脳がそれについても話し合う機会を持つと予想している」と述べた。今回の会談で、終戦宣言はもとより、平和体制の構築に関する協議も行なわれることを強く肯定したのだ。

 北朝鮮の非核化措置と米国の相応の措置を組み合わせる作業は、来週行われるビーガン代表とキム・ヒョクチョル北朝鮮国務委員会対米特別代表の実務交渉で本格的に取り上げられることになる。ポンペオ長官は「首脳会談の準備のため、今週末に私のチームがアジアに向かう」と述べた。今後、約10日間という限られた時間の中で、両側がどれだけ意見の隔たりを埋められるかによって、第2回朝米首脳会談の成果物の大きさが決まる見通しだ。
ワシントン/ファン・ジュンボム特派員、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

ビーガン代表はカン長官らとの面会で、「(北朝鮮との)議論は生産的だった」と述べた。

2019-02-11 | 「北朝鮮問題」の解決のために
「朝米会談、うまく進んでいる」
朝米、首脳会談の直前に最終実務交渉

登録:2019-02-11 06:14 修正:2019-02-11 10:37

ビーガン代表、平壌から「議論は生産的…北朝鮮は積極的だった」 
「交渉ではなかった」…非核化と相応の措置めぐる立場の打診 
ビーガン-キム・ヒョクチョル、27~28日のハノイ首脳会談に向けた戦略を調整 
 
大統領府、韓米首脳の電話会談を準備中 
大統領府関係者「韓国政府の立場はスモール・ディールではない」 

             
米国務省のスティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表が今月10日午前、仁川空港から出国している/聯合ニュース

 2回目の朝米首脳会談が、時期(27~28日)に続き開催地もベトナムのハノイに確定し、会談準備が本格化している。今月6~8日に平壌(ピョンヤン)で実務交渉を終えた双方は、首脳会談の直前にハノイで再び会い、非核化と相応の措置に関する最終実務調整を行う予定だ。大統領府は「韓国政府の立場は『スモール・ディール』ではない」とし、朝米による大胆な合意の可能性に期待感を示した。

 ドナルド・トランプ米大統領が9日(以下韓国時間)、ツイッターで「第2回朝米首脳会談は2月27~28日にハノイで開かれる」と発表した直後、米国務省のスティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表は、前日まで3日間にわたり北朝鮮で行われたキム・ヒョクチョル国務委員会対米特別代表ら当局者との協議結果を、韓国政府と政界に説明した。ビーガン代表は、カン・ギョンファ外交部長官やイ・ドフン外交部朝鮮半島平和交渉本部長、チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長、与野党国会議員らと相次いで面会した。イ本部長や日本外務省の金杉憲治アジア大洋州局長と共に、韓米日の北朝鮮核問題の解決に向けた首席代表の昼食会も行った。

 ビーガン代表はカン長官らとの面会で、「(北朝鮮との)議論は生産的だった」と述べた。ナ・ギョンウォン自由韓国党院内代表などに会い、「北朝鮮は以前より積極的だった」と伝えたという。大統領府のキム・ウィギョム報道官は10日、チョン・ウィヨン室長がビーガン代表の訪朝結果について「大きな方向で朝米会談がうまく進んでいる」と評価したと述べた。

 ビーガン代表は今回の訪朝が「交渉ではなかった」と話したという。キム報道官は「何かをやり取りする交渉というよりは、互いに何をやり取りできるのかを具体的かつ率直に話し合う有益な機会だったという」と述べた。核心争点をめぐる立場を詳細に打診する席だったという。

 それだけに、今後の首脳会談までの約2週間以内に、両国が実務交渉でどれだけ実質的な合意を見出すかが、「ハノイ共同声明」の成功のカギとなる。キム報道官は「今後(ビーガン-キム・ヒョクチョル)交渉は、2月17日に始まる週にアジアの第3国で行うことにした」と伝えた。首脳会談の直前、ハノイで最終実務交渉が行われるものとみられる。ビーガン代表は「これから首脳会談まで、北朝鮮とやるべき大変なことが残っている」とし、「双方が真の進展を作れるよう献身的に臨んでいると確信する」と述べた。

 米国は、寧辺の核施設をはじめとする核・ミサイル計画の廃棄と全体的な非核化ロードマップを要求しており、北朝鮮は制裁の緩和を求めているという。米国は相応の措置として、終戦宣言と朝米連絡事務所の開所、人道支援の拡大をまず検討し、非核化完了時に制裁緩和と大規模経済投資支援を準備しているものと見られる。トランプ大統領はハノイで首脳会談を開催することを発表するツイッターで、「北朝鮮は金正恩(キム・ジョンウン)委員長の指導力のもと、経済強国になるだろう」とし、「明るい未来」を重ねて強調した。彼は「驚く人もいるかもしれないが、私は驚かない。なぜなら私は金委員長を知っており、金委員長がどれほどの能力の持ち主なのか十分承知している」とし、「北朝鮮は“経済”という別の種類のロケットになるだろう」と述べた。

 これと関連し、大統領府関係者は「韓国政府の立場はスモール・ディールではない」と述べ、2回目の朝米首脳会談で“一部のやり取り”にとどまらず、北朝鮮の完全な非核化と朝米関係の正常化に向けた合意物が提示されるべきだと強調した。キム報道官は「韓米首脳は近く(第2回朝米首脳会談について)話し合う予定だ」と述べた。大統領府は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領とトランプ大統領の電話会談を準備している。カン・ギョンファ長官とマイク・ポンペオ米国務長官も、多国間会議を契機に近いうちに二国間会談を行う予定だという。

 今月3日から1週間、ソウルと平壌を行き来したビーガン代表は10日午前、仁川国際空港を通じて出国した。彼はワシントンに復帰し、ポンペオ国務長官に訪朝結果を報告すると共に、後続実務交渉を準備する予定だ。
ワシントン/ファン・ジュンボム特派員、ソン・ヨンチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

両者が3日間でかなり意見を近づけたものとみられる。

2019-02-10 | 「北朝鮮問題」の解決のために
「55時間」ビーガン平壌談判…
韓国政府「交渉はうまくいったという」

登録:2019-02-09 09:22 修正:2019-02-09 12:28


2泊3日の訪朝を終え、烏山米軍基地へ 
きょう外交部のカン・ギョンファ長官、イ・ドフン本部長と会い結果説明 
 
米政府関係者としては最長時間の平壌滞在 
「朝米首脳会談開催都市が決まった」との観測も  
細部議論のための追加交渉の可能性  
 
米国務省「第1回会談の合意のさらなる進展を目指す」  
非核化+関係改善・平和体制を再強調

          
2回目の朝米首脳会談の準備のため6日から2泊3日間、平壌でキム・ヒョクチョル国務委員会対米特別代表らと実務交渉をして韓国に戻った米国務省のスティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表が8日午後、宿所のソウル鍾路区のあるホテルから出てどこかに向かっている/聯合ニュース

 米国務省のスティーブン・ビーガン対北朝鮮特別代表が、2泊3日の訪朝を終え8日夕方、ソウルに戻った。これに先立ち、米国務省は7日(現地時間)、ビーガン特別代表が平壌(ピョンヤン)実務交渉で、北朝鮮のキム・ヒョクチョル国務委員会対米特別代表と完全な非核化および朝米関係の転換、朝鮮半島平和構築を話し合っていると明らかにしたが、両者が3日間でかなり意見を近づけたものとみられる。

 ビーガン特別代表一行を乗せた平壌発の米軍輸送機は、西海直航路で同日午後6時半ごろ、京畿道平沢(ピョンテク)の烏山(オサン)米空軍基地に到着した。ビーガン特別代表が到着した6日午前10時頃から8日午後5時30分まで計算すれば、平壌に滞在した時間は55時間以上になる。ドナルド・トランプ政権に入り、公開的な訪朝をした米政府関係者としては最長時間の平壌滞在で、それだけ朝米双方が密度の高い協議を行ったことがうかがえる。

 ビーガン特別代表はすぐにソウルの在韓米国大使館に移動し、平壌実務交渉の結果を本国に報告したと聞いていると、外交筋は伝えた。続いてビーガン代表は9日午前にカン・ギョンファ外交部長官を表敬訪問した後、イ・ドフン外交部朝鮮半島平和交渉本部長に会い、交渉結果を説明する予定だ。また、ビーガン代表に会うために訪韓した日本の金杉憲治外務省アジア大洋州局長とも会うものと予想される。特に大統領府への訪問計画はないという。

 2泊3日の交渉内容について、複数の政府高官はハンギョレに「平壌実務交渉がうまくいったと聞いている」と話した。交渉が順調に進められたと伝えられた点を考慮すれば、双方は2回目の朝米首脳会談の成否を左右する寧辺(ヨンビョン)核施設の廃棄など、北朝鮮の非核化措置に対する米国の相応の措置をめぐり、隔たりをある程度埋めたとみられる。特に、トランプ大統領が双方の交渉チームに非核化について「大胆かつ実質的な対処」を注文した状況であり、両者が2回目の首脳会談後に繰り広げる「行動」対「行動」を集中的に調整したとみられる。

 まず、朝米が東倉里(トンチャンリ)ミサイル・エンジン試験場と豊渓里(プンゲリ)核実験場に対する国際査察団の検証の必要性と関連して、両者の共感が得られ、実行時期と方式を話し合った可能性がある。また、寧辺や寧辺以外のプルトニウムやウラン濃縮施設の廃棄だけでなく、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の廃棄を含む北朝鮮の大量破壊兵器(WMD)計画の廃棄を求める米国が、ひとまず寧辺核施設の廃棄から非核化過程を始めることで合意した可能性もある。これに対する相応の措置としては、米国が終戦宣言および平和協定に向けた具体的な約束と連絡事務所の設置、人道支援の拡大、人的・文化的交流を含む部分的制裁緩和の可能性も示唆しうる。ただ、双方が一気に細部事項まで協議を終えるのは困難であり、追加の実務交渉を進める可能性が高いものと見られる。

 今回の実務交渉で、双方は会談開催都市に対する結論を出したという観測も出ている。前日の7日夕方、平壌から烏山空軍基地に戻ってきた米輸送機に一部の米国側交渉団が搭乗していたことが明らかになり、彼らが決まった場所を中心に実務準備を始めた可能性があるという分析もある。これまで、米国は警護などの理由を挙げてダナンを、北朝鮮はベトナム国賓訪問を考慮しハノイを好んでいるという。

 このような中で、米国務省は昨年6月12日の第1回朝米首脳会談で合意した内容を具体化することが、第2回朝米首脳会談の目標だと再確認した。ロバート・パラディーノ国務省副報道官は定例ブリーフィングで、「(北朝鮮の)完全な非核化、朝米関係の転換、朝鮮半島の恒久的平和メカニズムの構築を含め、トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)委員長がシンガポール初の首脳会談で交わした約束について、さらなる進展を作るためのもの」と明らかにした。パラディーノ副報道官の発言は、最近マイク・ポンペオ国務長官とビーガン特別代表らが北朝鮮の非核化とともに「朝米関係の改善」と「朝鮮半島平和体制」を並列して強調したことを再確認したものだ。

キム・ジウン記者、ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 parkwj@donga.com

米国が北朝鮮に朝鮮半島の平和体制構築と北朝鮮の体制の安全に対する強いメッセージを投じたものと見られる。

2019-02-02 | 「北朝鮮問題」の解決のために
トランプ大統領は朝鮮半島の
70年に及ぶ戦争と敵対を終わらせる準備ができている

登録:2019-02-01 21:22 修正:2019-02-02 08:05


ビーガン特別代表、朝米実務交渉・首脳会談控えメッセージ 
「北に侵攻しない…政権転覆も追求しない」 
新しい朝米関係と朝鮮半島平和体制への意志を再確認 
 
「金正恩、プルトニウム・ウラン施設の廃棄を約束… 
実務交渉でそれに対する相応措置を議論するだろう」 
「最終的非核化のためには、完全な核申告・検証が必要 
非核化の完結なしでは対北朝鮮制裁の解除はない」


スティーブン・ビーガン米国務省対北朝鮮特別代表が31日(現地時間)、スタンフォード大学アジア太平洋研究センターでの講演のために歩いて向かっている//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米大統領には朝鮮半島での70年に及ぶ戦争と敵対を終わらせる準備ができているとスティーブン・ビーガン米国務省対北朝鮮特別代表が31日(現地時間)、明らかにした。2月末に2回目の朝米首脳会談を控え、米国が北朝鮮に朝鮮半島の平和体制構築と北朝鮮の体制の安全に対する強いメッセージを投じたものと見られる。

 朝米対話の実務責任者であるビーガン特別代表はこの日、カリフォルニア州のスタンフォード大学ウォルター・ショレンスティン・アジア太平洋研究センターが主催した講演と問答で「私は、トランプ大統領が前任者が抱いていた仮説の束縛を受けないと断言できる」とし、「トランプ大統領にはこの戦争を終わらせる準備ができている。それは終わった。終結した」と述べた。ビーガン代表は「私たちは北朝鮮を侵攻しないだろうし、北朝鮮の政権の転覆も追求しない」と強調した。彼はこの日、繰り返し「トランプ大統領は朝鮮半島での70年に及ぶ戦争と敵対を最終的に終える意志が確実にある」と話した。

 これは、昨年6月に金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長とトランプ大統領がシンガポール共同声明に込めた「新しい朝米関係樹立」と「朝鮮半島の平和体制構築」の合意を履行する意志を再確認したものだ。北朝鮮は最近、米国との調整で平和体制議論に関心を示してきたとし、米国が来週の実務交渉と今月末の首脳会談を控えて、肯定的信号を発信したものと解釈される。

 ビーガン代表は、金正恩国務委員長が寧辺(ヨンビョン)の核施設を廃棄する意向を明らかにした点を強調し、それに対する相応の措置に関し北朝鮮と議論すると明らかにした。彼は「9月の平壌南北首脳会談とマイク・ポンペオ国務長官の10月の4回目の訪問の時、金正恩国務委員長がプルトニウムとウラン濃縮施設の廃棄および破棄を約束した」と話した。さらに「それに対する相応の措置が正確にどういうことなのかが、私が北朝鮮のカウンターパートと会って議論する主題」だと話した。ビーガン代表は3日にソウルを訪問し、来週初めに北朝鮮のキム・ヒョクチョル対米特別代表と実務交渉を行う予定だ。

 しかし、ビーガン代表は「最終的な非核化」のためには、完全な核申告と検証、除去がなければならないと強調した。また「非核化が完了するまでは対北朝鮮制裁を解除しないだろう」と話した。ただし、非核化が完了すれば北朝鮮に世界の経済投資を引き込む方法を講じる準備ができていると述べた。ビーガン代表は「私たちが核兵器に対して正しいことをするならば、朝鮮半島における恒久的な平和体制がはるかに可能になる」と話した。彼は、北朝鮮との外交的過程で失敗した場合に備える非常対策も持っていると短く付け加えた。
ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

南北は表記統一でなく円滑なコミュニケーションを目標にすべき・・・

2019-01-29 | 「北朝鮮問題」の解決のために
「南北言語、異質化でなく多様性と見るべき」
登録:2019-01-02 22:45 修正:2019-01-03 10:14


チョン・ヒチャン成均館大教授 
ハンギョレ言語研究所の研究発表会で主張 
南北正書法の差について優劣を論じることは無意味 
南北は表記統一でなく円滑なコミュニケーションを目標にすべき


               
チョン・ヒチャン成均館大学国文科教授//ハンギョレ新聞社

 分断の歴史が70年を超え、南北の言語異質化が深刻で統一の障害物になりうるという指摘が多い。これに対して南北言語の異質化ではなく言語多様性の観点で見ようという提案が出てきた。

 チョン・ヒチャン成均館(ソンギュングァン)大学国文科教授は昨年12月27日、ハンギョレ新聞社付設のハンギョレ言語研究所がハンギョレ新聞社3階で開いた「南北交流協力時代の言語の課題」研究発表会の主題発表で「言語共同体において、規範となる言語の他に多様な言語が存在することは自然なことであるように、南北の正書法の差異を多様性の観点で見よう」と主張した。

 チョン教授は韓国標準語正書法と北朝鮮文化語正書法に対して、ハングル表記が見せうる多様性が現われた体系だと説明した。彼は二つの正書法のうち、どれが優れてまた劣等なのかを問い詰めることは無意味なことだと明らかにした。

 チョン教授は「こうした観点で正書法を含む南北の言語に対する認識の拡張が必要だ。南北の言語統一は、表記法の統一が目標ではなく、相互に理解する円滑で自由なコミュニケーションを目標にしなければならない」と提案した。

 例えば「サルチダ(太る)」は南北で意味が同じだが、南とは異なり北では動物にのみ使い、人には「モミナンダ」という表現を主に使うと説明した。これまで南北の言語異質化を克服するための巨視的接近があったとすれば、今後は南北言語間の疎通性強化のための微視的で具体的な接近が必要だということだ。

 チョン教授は、南北が互いに分離されていたため言語の差異が少なくないが、言語自体が遠ざかったのではなく、一つの言語共同体の中に多様な言語が共存することが自然であるように、南北言語共同体が各自の正書法を備えたことも珍しいことではないと主張した。

クォン・ヒョクチョル・ハンギョレ平和研究所長

ドナルド・トランプ米大統領との第2回首脳会談の主要議題やアプローチ方式、目標などと関連した具体的な交渉ガイドラインを提示したもの

2019-01-25 | 「北朝鮮問題」の解決のために
金委員長「トランプ大統領の親書に大いに満足」…
非核化・相応措置において一歩進展?

登録:2019-01-25 06:00 修正:2019-01-25 07:49



金英哲党副委員長の訪米結果報告に「満足感」と指針示す 
トランプ大統領親書を受け取り、「素晴らしい親書、非常に満足」 
キム・ヒョクチョル、パク・チョルが訪米結果報告に陪席 
対米交渉における役割に注目集まる

          
北朝鮮の金正恩国務委員長が労働党中央委員会庁舎で、金英哲副委員長(左から3番目)を団長とする朝米高官級会談代表団からワシントン訪問の結果について報告を受けたと、朝鮮中央通信が24日付で報じた/聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が「日程に上った2回目の朝米首脳会談と関連し、実務的な準備をきちんと進めていくことに対する課業と方向を提示した」と、「朝鮮中央通信」が24日付で報じた。朝鮮中央通信の報道によると、金委員長は23日、金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長を団長とする「第2回朝米高官級会談代表団」と面会し、訪米期間中の「会談情況と活動結果に満足感を示し」、このように述べたという。金委員長が金英哲副委員長の報告を受け、ドナルド・トランプ米大統領との第2回首脳会談の主要議題やアプローチ方式、目標などと関連した具体的な交渉ガイドラインを提示したものと見られる。

 金委員長は、金副委員長から「トランプ大統領が送ってきた素晴らしい親書を受け取り、大きな満足感を示した」と、朝鮮中央通信は報じた。金委員長は「我々はトランプ大統領の肯定的な考え方を信頼し、忍耐と善意の感情をもって待つ」とし、「朝米両国は共に到達すべき目標に向かって、一歩一歩共に前進する」と誓った。“速度戦”や“一括妥結”よりも、共通の目標を設定してから“段階的に”進むことに焦点を合わせたアプローチと言える。

 これに先立ち、昨年5月末の金英哲副委員長の最初の訪米の際は、結果報告の場面や金委員長の反応、追加指示が北朝鮮メディアに公開されなかった。今回は、訪米結果に対する金委員長の判断を、官営メディアを通じて直接外部に伝えた点で、注目に値する変化だ。「素晴らしい親書」や「善意の感情」、「満足」などの言葉が示唆するように、雰囲気が明るい。

 朝鮮中央通信は、2回目の首脳会談のための朝米高官・実務交渉過程で、北朝鮮の交渉団が堅持すべき“絶対的指針”ともいうべき金委員の「課業と方向」の具体的内容は公開しなかった。ただし、金委員長が報告を受けて第2回首脳会談の準備のための「課業と方向」を提示したという報道から、金英哲副委員長の訪米期間中に懸案別の具体的な交渉は行われなかったものと見られる。事情に詳しい消息筋は「金英哲副委員長は米国に交渉しに行ったわけではない」とし、「(非核化追加措置に関連した)“新たな提案”を含む金委員長の一連の構想を、トランプ大統領に直接伝えると共に、トランプ大統領の反応と構想を聞き、“真意”を把握することが目標とみるべき」と指摘した。同消息筋は「『善意の感情を持って待つ』という金委員長のメッセージには、トランプ大統領が明らかにした(制裁問題など相応の措置に関する)肯定的なメッセージが、今後朝米交渉過程で具体化することを望んでいるという意味が込まれたものと見られる」と分析した。

 朝鮮中央通信が公開した報告写真を見ると、金英哲副委員長の後ろにキム・ヒョクチョル元スペイン大使とパク・チョル朝鮮アジア太平洋平和委員会副委員長(推定)が陪席している。統一戦線部のキム・ソンヘ室長と外務省のチェ・ガンイル北アメリカ局副局長は陪席しなかった。キム元大使とパク副委員長が今後米朝関係で重要な役割を果たす実務の幹部として急浮上したわけだ。キム元大使は、マイク・ポンペオ米国務長官が言及したスティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表の「新しいパートナー」と推定される。パク副委員長は昨年6月、第1回朝米首脳会談の際、シンガポールに派遣された北朝鮮代表団の一員であり、昨年7月には3回目の訪朝を機に行われたポンペオ長官と金英哲副委員長の会談にも陪席した。統一戦線部傘下の朝鮮海外同胞援護委員会と、2010~2016年に北朝鮮の国連代表部で「同胞担当参事」を務め、朝米交流に深く関与してきた“米国通”だ。
イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

ポンペオ長官が北朝鮮の核・ミサイル試験の中断を強調し、北朝鮮の核・ミサイルプログラムの拡張能力を減らすことを望むと話した点が注目される。

2019-01-22 | 「北朝鮮問題」の解決のために
ポンペオ長官
「北朝鮮の核・ミサイル拡張能力を減らしたい」

登録:2019-01-21 21:11 修正:2019-01-22 07:28


18日、金英哲との高官級会談直前の放送インタビューで 
「北朝鮮の核・ミサイル試験がなかった…危険要素減らすべき 
北朝鮮のプログラム拡張能力を減少させたい」 
核申告の代わりに“核凍結”で開始する意図かに注目 
 
「北朝鮮が非核化を実行し履行してこそ…長いプロセスであると理解」

          
マイク・ポンペオ米国務長官(右)が18日午前(現地時間)、シンクレア・ブロードキャスト・グループと朝米対話などを主題にインタビューしている=ホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 マイク・ポンペオ米国務長官が「私たちは北朝鮮の核・ミサイル拡張能力を減らすことを望む」と話した。18日(現地時間)、ワシントンで金英哲(キム・ヨンチョル)北朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長との高官級会談の直前、放送インタビューでの発言だ。2月末に予定された2回目の朝米首脳会談と関連して、米国の最優先関心事が何なのかを繰り返し見せる発言として注目される。

 ポンペオ長官は18日午前、シンクレア・ブロードキャスト・グループとのインタビューで「批判者は北朝鮮が1回目の朝米首脳会談の後、まったく非核化しなかったと言う。2回目の朝米首脳会談に対して楽観的でいられる理由はあるか」という質問に「一部の批判者は私たちが(北朝鮮に)多くを与えすぎたと言い、私たちが十分に与えなかったと批評する人々もまた多い」と口を開いた。彼は「(トランプ)大統領が北朝鮮の非核化の約束を勝ち取るために、北朝鮮と途方もない準備を踏んできたこと以上には付け加える話は多くない」として「私たちは今や(北朝鮮の非核化を)実行し履行しなければならない」と述べた。彼は「これは長いプロセスになると一貫して把握してきた」として「それをする間に、私たちは確実に危険要素(risk)を減らさなければならず、そのようにしてきた」と述べた。ポンペオ長官は「(北朝鮮の)核実験は実施されなかったし、ミサイル試験も実施されなかった」として「これはドナルド・トランプ大統領が就任した時、米国を脅かしていたものだった」と話した。

 続けてポンペオ長官は「私たちはその危険要素を減らしたい。北朝鮮の(核・ミサイル)プログラムの拡張能力を減少させたい」と話した。さらに「このような対話は、昨年シンガポールで金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長とトランプ大統領がした約束をすべて履行するうえで重要な要素」だと話した。

 このインタビューは、ポンペオ長官が18日午前10時50分頃、ワシントンのデュポンサークルホテルで金英哲副委員長と90分の高官級会談をする直前になされた。ABC放送はこのインタビューを19日に報道した。

 ポンペオ長官が北朝鮮の核・ミサイル試験の中断を強調し、北朝鮮の核・ミサイルプログラムの拡張能力を減らすことを望むと話した点が注目される。北朝鮮の非核化追加措置と米国の相応の措置をめぐり、両国が19日からスウェーデンで実務交渉に突入した中で、米国が北朝鮮の全体核申告の代わりに「核・ミサイル凍結」を交渉の出発点としようとしたという推測が可能なためだ。北朝鮮が、大陸間弾道ミサイル(ICBM)廃棄や核物質生産を中断すれば、米国が人道支援や朝米連絡事務所の設置、開城(ケソン)工業団地稼動のための一部制裁緩和などの相応措置を差し出すこともありうるという見方が出ている。

 ポンペオ長官は11日、フォックスニュースとのインタビューでも「私たちはどうすれば米国民に対する危険要素を減らせるかについて、多くのアイディアを(朝米)対話で進展させている」として「究極的には米国民の安全が目標」と話した。

 またポンペオ長官は、シンクレア・ブロードキャスト・グループとのインタビューで「5人の元大統領が同じようなことを試みた。今回は違うと信じる理由があるか」という質問に「そうだ。北朝鮮の指導者が米国大統領に会い、目を見ながら『自分がそれをする』と話したことは初めてだ」と話した。
ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

今回の会議は何よりも、ビーガン特別代表が昨年9月に就任して4カ月目にチェ次官と初めて向き合ったことに意味がある。

2019-01-21 | 「北朝鮮問題」の解決のために
ビーガン-チェ・ソンヒ、
スウェーデンで“合宿交渉”…首脳会談の議題めぐる談判開始

登録:2019-01-21 05:57 修正:2019-01-21 07:43

ワシントンでの高官級会談からバトン受け取り  
ストックホルムで3泊4日の実務交渉  
 
北朝鮮、寧辺の核廃棄と制裁の緩和など  
非核化と相応措置をめぐる“駆け引き”を予告 
「今回は探索戦にとどまる」との分析も

          
スウェーデンに到着した北朝鮮のチェ・ソンヒ外務次官が今月18日(現地時間)、スウェーデンのマルゴット・バルストロム外相との会談を終え、スウェーデン外交部を後にしている=ストックホルム/聯合ニュース

 朝米が2回目の首脳会談を2月末に開催することで合意した中、非核化・関係正常化をめぐる朝米の実務協議チームを率いているチェ・ソンヒ北朝鮮外務次官とスティーブン・ビーガン米国務省対北朝鮮特別代表とが19日(現地時間)、スウェーデンで初めて顔を合わせた。先週の朝米高官級会談および金英哲(キム・ヨンチョル)北朝鮮労働党副委員長とドナルド・トランプ米国大統領の面会結果をもとに、双方が2回目の首脳会談の具体的な“内容”を決める交渉の砲門を開いたわけだ。

 今回の会議は何よりも、ビーガン特別代表が昨年9月に就任して4カ月目にチェ次官と初めて向き合ったことに意味がある。これまで北朝鮮は、相応措置の提供に消極的な米国の実務陣の代わりに、トランプ大統領との“直接取引”を求め、実務および高官級交渉を避けてきた。したがって、ビーガン特別代表がスウェーデンに行ったのは、朝米高官級会談などで“次の段階について話し合える”前向きなシグナルがあったことを裏付けるものと見られる。

 さらに、朝米実務交渉代表が19日から22日までの4日間、“合宿協議”を行うとされ、顔合わせ以上の結果が得られるかどうかも注目される。朝米実務交渉が行われているのは、ストックホルムから北西に約50キロメートル離れた「ハクホルムスド・カンファレンス」だという。スウェーデン南東部のメーラレン湖にある施設で、外部から近寄りにくく、主要会議が開かれる場所だ。

 専門家らは、今回の実務接触は事前に緻密に準備されたものではなく、ひとまず朝米が探索戦の性格の協議に重点を置くと見通した。国家安保戦略研究院のチョ・ソンニョル元首席研究委員は「金英哲-ポンペオ会談の内容が十分に検討された段階ではない。(ストックホルム協議が)ほぼ同時に行われるため、今回の実務会談では探索的対話にとどまると予想される」と話した。チェ次官とビーガン代表の実務協議で密度ある成果が上がれば、マイク・ポンペオ国務長官の5度目の訪朝につながる可能性も排除できない。

 チェ・ソンヒ-ビーガンの協議チャンネルが常時運営されれば、2回目の朝米首脳会談の成果を左右するほど比重が高まる可能性もある。第1回首脳会談が(成果よりは)象徴性を重視したという批判を受けているだけに、内実を固めなければならず、議題をめぐる議論は2人が主導的に行わざるを得ないからだ。朝米が2回目の首脳会談の目標をいかに設定したのかは確認されていない。昨年11月、マイク・ペンス米副大統領は2回目の朝米首脳会談の議題として、「核申告・査察・廃棄のロードマップ」を示唆したが、朝米交渉が止まっていたことから、2月末の会談までに朝米がロードマップに合意できるかは不透明だ。その代わり、外交関係者の間では最近、朝米が2回目の首脳会談で、核物質の生産中止・申告と連絡事務所の設置など、初期の交換リストに合意するいわゆる“スモール・ディール”(small deal)を通じた“段階的履行”方式を選ぶという意見が多い。

 今回の“国際会議”には、スウェーデン外務省主催で南北米とスウェーデンが出席するが、韓国からは北朝鮮核問題交渉首席代表のイ・ドフン外交部朝鮮半島平和交渉本部長が加わった。朝米協議だけでなく、南北米の3者協議が実現するかどうかも関心事だ。
キム・ジウン、ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

国防白書は「わが軍は大韓民国の主権、国土、国民、財産を威嚇し侵害する勢力を私たちの敵と見なす」と明記

2019-01-16 | 「北朝鮮問題」の解決のために
韓国国防白書、
「北朝鮮は敵」抜いて「平和構築」入れた

登録:2019-01-15 21:46 修正:2019-01-16 06:43

文在寅政府、初の白書…緊張緩和を反映 
「大韓民国を威嚇し侵害する勢力」と敵を規定 
「南北軍事信頼構築・段階的軍縮」を新設

          
文在寅大統領が昨年12月20日午前、ソウル市龍山区の国防部で開かれた2019国防部業務報告で冒頭発言をしている=資料写真//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)政府が初めて出した国防白書で「北朝鮮政権と北朝鮮軍は私たちの敵」との表現が削除された。南北間軍事的信頼構築および実質的軍備統制推進、段階的軍縮を説明する部分は新たに強調された。国防部は15日、このような内容を盛り込んだ「2018国防白書」を公開した。
국방부가 15일 발간한 ‘2018 국방백서’ 이번 국방백서는 1967년 이후 23번째로 발간됐//한겨레신문사
          
 国防白書は「わが軍は大韓民国の主権、国土、国民、財産を威嚇し侵害する勢力を私たちの敵と見なす」と明記した。朴槿恵(パク・クネ)政府が出した「2016国防白書」で、北朝鮮の核とミサイル脅威に言及し「こうした脅威が続く限り、その実行主体である北朝鮮政権と北朝鮮軍は私たちの敵」と表現した文章は消えた。

 国防白書で北朝鮮を敵と明示しなかったのは、昨年の南北関係進展と軍事的緊張緩和を反映したためと見える。国防白書は「南と北は軍事的対立と和解・協力の関係を繰り返してきたが、2018年3回の南北首脳会談と初の朝米首脳会談が実現し、朝鮮半島の非核化と平和定着のための新しい安保環境を作った」と背景を説明した。

 国防白書は「北朝鮮の大量殺傷兵器は、朝鮮半島の平和と安定に対する脅威」と明示した。北朝鮮の核能力と関連しては「核兵器を作ることができるプルトニウムを50余キロ保有していると推定され、高濃縮ウラニウム(HEU)も相当量保有していると評価される。核兵器の小型化能力も相当な水準に達したと見られる」と分析した。

 今回の国防白書には「南北間の軍事的信頼構築および軍備統制の推進で、平和定着の土台構築」という部分が新たに追加された。国防白書は「北核問題解決と朝鮮半島の恒久的平和定着条件を作るため、南北間の軍事的緊張の緩和と信頼構築措置を推進する」とし「南北間交流協力事業の進展と連係して、安定した軍事的保障措置を推進し、非核化と平和体制構築の進展により実質的な軍備統制方案を模索する」と明らかにした。「朝鮮半島平和体制の構築過程に合わせて、南北間の実質的軍事的信頼構築により段階的に軍縮問題を協議する予定」という内容も入った。
ユ・ガンムン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

8日の朝中首脳会談で両首脳が“非核化交渉プラン”と共に朝鮮半島平和体制構築問題も主要議題として協議したという観測が流れている。

2019-01-15 | 「北朝鮮問題」の解決のために
非核化-平和体制構築、
朝中は“ツートラック戦略”を共有したか

登録:2019-01-14 23:24 修正:2019-01-15 08:29



中国の6カ国協議役割論の再強調に注目 
非核化は朝米、平和体制は4者・6者の可能性

          
北朝鮮の金正恩国務委員と中国の習近平国家主席が9日、北京ホテルで昼食前に歓談している=北京/AFP 聯合ニュース

 4回目の朝中首脳会談以後、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長と習近平・中国国家主席が、朝鮮半島平和体制構築交渉を朝米の非核化-関係正常化交渉とは分離して対応する“ツートラック”戦略を立てたのではないかとの分析が出てきて注目される。

 外交街では、8日の朝中首脳会談で両首脳が“非核化交渉プラン”と共に朝鮮半島平和体制構築問題も主要議題として協議したという観測が流れている。両首脳が「朝鮮半島情勢の管理と非核化交渉過程を共同で研究・操縦していく問題」(朝鮮中央通信10日付)を議論したとか、「(関連国が、朝鮮)半島問題が全面的に解決されるように共に推進することを希望する」(新華社通信10日付)という金委員長の発言にこのような構想が込められているという解説だ。何より金委員長が新年の辞で「停戦協定当事者」と「停戦体制を平和体制に転換するための多国間交渉も積極的に推進」すると明らかにしたためだ。中国は、1953年7・27停戦協定の署名当事国だ。

 習主席は会談で「(中国は、朝鮮)半島の平和と安定、半島の非核化および地域の長期的安定実現のために積極的で建設的な役割をしたい」(新華社通信)として、1~3回目の朝中首脳会談に比べて中国の役割を具体的かつ積極的な語調で描写した。これと関連して、最近中国が「6カ国協議の役割論」を再び強調している点も目を引く。中国外交部の孔鉉佑副部長兼朝鮮半島事務特別代表は昨年12月1日、あるフォーラムで「6カ国協議は当事国間の交流を促進し、相互関係の改善に有効な枠組みを提供した。私たちは今後もこれをちゃんと利用することを希望する」と明らかにしたことがある。さらに朝中首脳会談が開かれた8日、中国外交部の陸慷報道官も「(6カ国協議は)朝鮮半島問題の解決プロセスを追求し、依然として今日まで最も積極的な成果を勝ち取ったプロセス」7として「中国は今後も関連当事国と同じ道でこのプロセスを推進することに共同で努力するだろう」と話した。

 ク・ガブ北韓大学院大教授は「(朝中首脳が)非核化の定義に対する合意とともに、非核化は朝米交渉で、平和体制は6カ国または4カ国交渉のツートラックとすることに一定の合意をした可能性がある」と分析した。ゲイリー・セイモア元ホワイトハウス国家安保会議大量殺傷兵器調整官も、北朝鮮が近い将来朝鮮半島の平和体制構築のための多国間交渉を提案するだろうとし、朝米間の非核化対話が始まれば二つの交渉が連結され、同時進行されると展望したと「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)放送が11日伝えた。ただし、まだ朝中首脳が共有した「非核化交渉プラン」をはじめとする「中国の役割論」の実体が公開されていないため、4回目の朝中首脳会談の議論結果が朝鮮半島非核化プロセスにどんな影響を及ぼすかは、さらに今後を見守らなければならないものと見られる。
キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

中国が米国産商品とサービスをより多く購入することと、中国市場に対する(米国企業の)接近を拡大する問題では、意見の隔たりを埋めることができた」と報じた。

2019-01-10 | 「北朝鮮問題」の解決のために
金委員長の訪中と
同時に行われた米中貿易交渉「順調だった」

登録:2019-01-10 06:11 修正:2019-01-10 08:02

7~9日の米中貿易交渉、金委員長の第4回訪中と重なる 
異例の同時進行に…「朝中が助け合っている」との分析 
米農務次官「我々にとっては良かった」と満足感示す

          
北朝鮮の金正恩国務委員と李雪主夫人が今月7日、第4回訪中のために平壌を出発している/朝鮮中央通信 聯合ニュース

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の訪中期間と重なり、北京で第一歩を踏み出した米中貿易交渉が順調なスタートを切った。朝米中が絡み合う協議と交渉が、引き続き好循環を示すかに注目が集まっている。

 北京で会った米中次官級代表団は、7日から1泊2日に予定されていた日程を1日延長し、9日まで交渉を続けた。交渉団の一員であるテッド・ミッキニー農務省貿易・海外農業担当次官は帰国前に記者団に「(交渉が)順調だった。我々にとっては良いものだった」と述べた。彼は内容については説明しなかったが、日程を延長したことから、交渉が一応友好的な雰囲気で始まったものと見られる。これに先立ち、ウォールストリート・ジャーナル紙は「中国が米国産商品とサービスをより多く購入することと、中国市場に対する(米国企業の)接近を拡大する問題では、意見の隔たりを埋めることができた」と報じた。

 ミッキニー次官の発言と米マスコミの報道を総合すると、米国は市場開放の拡大と関連し、中国からある程度満足のいく答えを聞いたものと見られる。しかし、中国の攻撃的な産業政策の「中国製造2025」や知識財産権保護をめぐる隔たりは依然として大きいとものと分析されている。米中両国は“休戦終了日”の3月1日前までに、確実な妥結に向けて追加交渉を行う方針だ。今回の交渉初日には、次官級会議場に劉鶴副首相が登場し、中国側の積極的態度をうかがわせた。

 米国と中国は、貿易交渉と朝鮮半島問題は別だという立場を示している。中国政府の公式立場は、今回金委員長の訪中と米朝貿易交渉が重なったのは“偶然”ということだ。中国外交部の陸慷報道官は8日、「我々の重大な外交日程は非常に多い。一部の外交日程は重なる場合もあり、特別なことではない」と述べた。

 しかし、二つを引き離すのは難しいというのが大方の意見だ。米国は、中国を通じて北朝鮮の譲歩を引き出そうとしており、中国も北朝鮮をテコに米中対立の緩和を目指しているからだ。香港の「明報」は「北朝鮮の核は米国が中国から支援を受けなければならない数少ない議題の一つであるだけに、金委員長の中国訪問は(米国と貿易交渉を行う)中国を支援したもの」だと指摘した。ウォールストリート・ジャーナル紙も「(金委員長の訪中は)習近平主席にテコを提供するだろう」と分析した。
北京/キム・ウェヒョン特派員、キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/877727.html
韓国語原文入力:2019-01-09 21:24
訳H.J
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2019-01-04 | 「北朝鮮問題」の解決のために

韓米作業部会


「開城工業団地の再稼働」の協議へ?

登録:2019-01-04 05:48 修正:2019-01-04 07:36


金委員長の新年の辞で「条件・見返り求めず再開」 
新年初の大統領府国家安全保障会議で議論 
参加企業ら、訪朝の可能性に注目…政府「省庁協議を経て決定」


北朝鮮の金正恩国務委員長が労働党中央委員会庁舎で新年の辞を発表したと、「朝鮮中央通信」が1日に報じた//ハンギョレ新聞社

 3日、新年初めて開かれた大統領府国家安全保障会議(NSC)常任委員会で、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長が新年の辞で提案した「前提条件や見返りのない」開城(ケソン)工業団地と金剛山(クムガンサン)観光の再開に関する事案が話し合われたという。来週中に開かれる今年初の韓米作業部会で、開城工団問題について韓米が本格的な協議を始めるかどうかに注目が集まっている。

 まず、開城工団参加企業が持続的に要求してきた施設点検のための訪朝が実現するかどうかが関心事だ。政府当局者は同日、記者団に「法の手続きに従い、訪朝承認条件が整えば、関係省庁の協議を経て承認するかどうかを決める」と明らかにした。統一部のペク・テヒョン報道官は前日、「開城工団参加企業関係者の訪朝自体が制裁に触れるとは考えていない」と明らかにした。

 開城工業参加企業の関係者ら150人は、2016年の突然の工団閉鎖の後、北朝鮮に残された工場施設などを点検するため、昨年10月末から11月初めにかけて訪朝する予定だったが、米国との事前協議が十分に行われず、実現しなかった。

 新年初の韓米作業部会の会議はテレビ会議の形で来週中に開かれる予定だが、この場で開城工団問題が協議される可能性があると見られている。まずは、企業関係者らの訪朝問題をめぐる意見交換が行われる可能性が高い。

 開城工団企業協会などの関係者は、政府が早期に北側と会って北側の正確な意向を確認し、協議を始めることを求めた。開城工業地区支援財団のキム・ジンヒャン理事長は「『見返りを求めない』というのは、開城工団の運営で北朝鮮が特段の特恵的措置を取ることもあり得るという意味でもある」とし、「それが何なのか、会って確かめるべきだ」と強調した。キム理事長は、北朝鮮が賃金をドルでもらわない形の提案をする可能性もあると見通した。開城工業団地企業協会のシン・ハニョン会長は「(北朝鮮が)没収した資産をすべて返すという意味だと思う」と話した。ある開城工団関係者は「北朝鮮が開城工団の閉鎖による損害賠償、つまりこれまで運営できなかった分の損害を清算するか、賃金引き上げなどを強く要求しない可能性を示唆したものと見られる」と話した。

 開城工団関係者らは、政府が開城工団と関連し、米国に制裁問題の解決を説得すべきだと指摘している。10年間開城工団法務チーム長を務めたキム・グァンギル弁護士(法務法人地平)は「現在、開城工団の稼動再開は対北制裁のため実現していないが、北朝鮮を開放に導く政策を共に進めない限り、核問題の解決は難しい」としたうえで、「開城工団のこうした効果を広報し、前向きな措置を米国に要求する必要がある」と強調した。
ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)