みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

夜桜

2009-04-14 17:32:58 | 芸術

Dscn0485_sh01 愛車で10分程のySさん宅へ、お招きを受けて伺った。淑やかなySさんの御点前のお抹茶を、出来上がったばかりの茶庭を眺めつつ庭師のjOさんと一緒に戴いた。

jOさんは当庵の茶庭も造って下さった方だ。会社を定年退職後に一級造園技能士の資格試験に挑戦し、見事合格されて第2の仕事に情熱を燃やされている。

ySさんのお棗(薄茶器)を拝見した。全体が黒漆で真っ黒に見える。手に取って少し角度を変えながら見ていると、不意に桜花の模様が透けるように浮かび上がった。少庵(利休の跡継ぎ)好みの「夜桜」という銘が付いている。

昨今のライトアップなどとは無縁の、本当の夜桜だ。真の闇の中でこそ、桜の色香も濃く想われる。