絶望するな、と誰かが言った。

2015-08-17 20:45:41 | Weblog

ここんとこ何ヶ月もずっと、気になって持ち歩いてた文庫本、

太宰の「津軽」を

福山から帰りの電車の中でやっと読了した。

この本は正垣祐樹から借りてるもので、

ショウさん、持ち歩きすぎて本がボロボロになっちまった、ごめんよ。

しかし「津軽」ラストの暖かさ、前向きさ加減は衝撃的で、

電車の中なのに俺はナミダ一粒、こぼしてしまった。

太宰の、幼少期の乳母である「たけ」さんとの再会、そのための東北旅行。

全然違うんだが大昔(二十代の頃)に「ライ麦畑でつかまえて(野崎訳)」を初めて読んだときに、

後半の、「フィービー」との関わり(特にメリー・ゴーラウンドのあたり)しか

印象に残らなかったことを思い出した。

俺にとっての「ライ麦畑」は「フィービー」のための小説だった。

太宰の「津軽」は、「たけ」さんのための小説・・・というか紀行文であろう。


去年、LOVERSのNASさんから

「人間太宰治」というとても強烈な本(友人の目から見た太宰の生涯・・・みたいな重い内容)を頂いて、

その中で、作者の山岸外史が(太宰の死後)、

「津軽」を読んで泣きながら大絶賛する箇所が妙に心に残って、

どうしても読みたくなった。

それで実際、「津軽」を読んでみて・・・・・(山岸氏の)気持ちが少しは、わかったような気がする。


今回の福山への旅(「盆の帰郷」とも言う)は・・・また妙に、

軽かったが、重かった。

いつもいつも旅は「生」と「死」と向き合わざるを得ない。

そんな旅の終わりに

今回は太宰の「津軽」があった。


何となく感慨深い。

単純かもしれないが・・・・・・・・・・・・・

絶望せず、

前向きに生きようではないか、と思うのだ。




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