穴居

2009-11-18 09:40:08 | Weblog

特に誰にも会いたくなかったので

俺は

穴ぐらみたいな部屋で

夢をむさぼるように眠った。


アンノンとした人生なんて君に言わせれば

退屈極まりない・・ってところなのだろうが

あいにくと俺は、 どんなことであろうが

退屈したことがない。


居心地なんて、悪いよりはいい方がいいに決まってるし、

「こんなことでいいのか?」

って思いながら生きるのは嫌なのだ。


俺が求めていたものは、

「絶対的な何か」だったのかも知れない・・・と思う。

ご存知のように、「絶対」は ないのだが、


”どんと”が「夢の中」で言ったように

「欲しいものはいつでも遠い雲の上」で、


でもその輝きはぶ厚い雲を通して

この地表にも確かに、届いている。

もちろん、ほんのわずかではあるけれど。


そんな薄明かりに照らされた この「生」という

形而上的な荒野。


その広大な凍りついた原野を我々は

「自己」という小さなヴィークルに乗って

流されていく・・・いや、流れていく。



穴居生活は暖かくて素敵だ。

でもそれだって


荒野の中であることに変わりはないのだけれど。


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