俺の言い分を信じてもらえるなら。
それは全部、俺の中の魂の黒い方がしでかした事だったんだ。
白い方がその間、何をしていたのかっていうと、
・・例によって寝てたんだ、
それでなけりゃ寝ぼけてたかのどっちかさ。
黒い方は黒い方で小心者のくせに
どうしたって突っ走っちまって止めようにも止まらない時がある。
坂道を転がっていく薄汚れた雪球みたいなものさ
いやもっと、思い詰めてる分タチが悪いとも言えるな。
・・・・・で、どこまで話したっけ?
まだ何も話していなかったか?
そうだよ、俺は悪魔に魂を売るつもりである晩に、
十字路に出掛けたんだ。
他に売るものなんかなかったからさ。
そんなことにつきもののすったもんだがあって、
細かいところは端折るけどな、つまるところ
俺は白黒パンダみたいな魂を抱えて
暮らしていく羽目になったって訳さ。
最初のパンダが白かったのか黒かったのかなんてもう、
俺にはわからない。何だろう?
そんな善悪とかじゃないんだ、ただ白か黒か、ってだけで。
そうそう、それで、その黒い方がしでかした事だったな。
今でも覚えてるんだが、最後に飲んだ夜にあいつは
「友達に戻れそうだな」って言った。
それで終わりだ、
もうこれ以上、話すことはないよ。