まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

天橋立へ

2012年05月07日 | 旅行記E・関西

5日の朝、福知山駅近くのホテルの和室で目覚める。早い時間に起きることができたので、いそいそと支度をして出発。わずか5時間あまりの滞在であったがなかなかいい感じの部屋であった。

Dscn4166朝の福知山駅。南口に回ってみれば駅建物内の餃子の王将や和民といった店が深夜営業をしていることがわかった。同じメニューのものでも店の場所が変われば雰囲気も違っただろうし、これなら大阪を早めの列車で出発して、こちらで一杯やってもよかったかな。

その福知山に泊まった目的というのが「早い時間の宮福線の列車に乗って天橋立に行く」もので、天橋立方面の始発は6時54分。ただ、寝床につく前に「ここまで来たら、もっと早い時間の列車に乗ってもいいのでは」という考えが急に出てきた。時刻表を持ってきていないので携帯サイトで検索をかけると、6時11分に豊岡に向かう列車があり、豊岡から6分の乗り継ぎで宮津線経由で8時42分に天橋立に到着するとある。もちろん大回りになるため宮福線経由からは1時間近く遅くなるが、それでも前泊効果は出るし、久しぶりにローカル線の宮津線に乗ることもできる。ということで、さらに早い時間の出発ということに。

Dscn4169豊岡行きは2両で静かに出発。このあたりの113系はいつの間にかいなくなり、この223系の転換クロスシート車が主力車両。福知山を出た時には一面に雲が広がっているように見えたが、どうやらこれは霧によるもののようで、丹波と但馬の境に来る頃には霧が晴れて青空が広がってきた。この日の天気予報は晴れて暑さも感じられるとのこと。

和田山以降は豊岡の学校へ行く生徒たちの乗車でほぼ満席となり、豊岡に到着。ここで北近畿タンゴ鉄道宮津線に乗り換えとなるが、朝の時間帯は一度JRの改札を出て階段を下り(いつの間にか豊岡も橋上駅舎となっていたのに驚き)、外から乗り換えるように言われる。日中なら改札内の連絡口から行けるようだが、係員は朝8時からの営業という。

Dscn4171ホームの端に鮮やかな水色の気動車が停まっている。実は宮津線にも乗るのなら一日フリー切符を購入しようかとも思ったのだが、車内では販売しておらず、駅の窓口の営業時間内でなければ購入できないとか。結局通常運賃での乗車ということに。まあ、旅先での急な予定変更というのはこういうこともついてくる。

宮津線の旅。単行の気動車が山深い中をトコトコと走る。そろそろ緑が鮮やかに見える時期で青空によく映えているし、田植えの始まる水面に気動車の影が映るのもいい眺めである。丹後半島ということで冬場のカニを想像するが、初夏の景色もいいもので、それを考えれば常夏の島より春夏秋冬の表情の豊かさ、中でも冬の雪を含めれば、日本海側のほうが四季豊かだなと思ったりもする。

Dscn4175冬のカニのシーズンには京阪神でもパンフレットでよく見る木津温泉や網野といったところは過ぎ、かつて加悦鉄道が分かれていた野田川を過ぎる。加悦鉄道の跡地も鉄道公園になっており、かつてドライブで訪れたがまた古い車両たちに会ってみたいものだ。

Dscn4179天橋立に到着。朝方に考えたプランとしては9時前のバスでまず伊根に移動し(何ならさらにその先の経ヶ岬まで行ってもいいかな)、引き返して天橋立見物というのを立てていた。ということで駅前のバス停にて時刻表を確認したのだが、乗るべき時刻のところに何やら印が。これは「宮津高校登校日に運転」とある。うーん、高校の登校日か。ただこれも考えようによっては親切なようで不親切な表示である。登校日ということならまあこの連休は運転しないと考えるのが普通であるが、ならば土曜日はどうなるのか、学校の春休み、夏休みはどうなるのか。休み中でも登校日があれば運転するのか。そのあたりの注意書きがあればいいのだが・・・。

まあ、5月5日は間違いなく「運転なし」と判断したのだが、そしたら次のバスまで時間が空くことに。ならば、天橋立観光を先にするか。確か対岸には観光船で渡れるはずで、それで股のぞきで有名な傘松公園にのぼるか。

ということで、知恵の文殊菩薩をまつる智恩寺の境内を抜けてやってきた観光船乗り場。確か以前には大きな乗合船に乗ったと記憶しているが、知恵の輪の灯籠のところで積極的に客引きをやっているのはモーターボート。対岸への渡しのほかに湾内や伊根方面への周遊もやっているようだ。

Dscn4182モーターボートは客がいてボートが来れば随時乗船ということで、私の時には小ぶりなモーターボートにカップル1組と乗車する。松並木に近い右舷側の席に座ると、「お兄さん、反対側に座ってくれんかね」と。一瞬「?」と思ったが、すぐに「バランスを考えたら、そうなるな」と納得して左舷側に席を移す。

Dscn4191エンジン音が響き、湾内に突入する。内海で波もほとんどないこともあり、揺れもほとんどない。松並木を右手に快走する中で風が心地よい。

Dscn4188こりゃ、バスで遠回りするよりも快適な乗り物かな。もう少し乗っていたかったが5分ほどで対岸の傘松公園下に到着した。思いっきりワープしたような気分である。

朝9時を回った時間であるが傘松公園へのケーブル・リフト乗り場は早くも行列ができていた。リフトに乗車して展望台へ上る。

Dscn4198そして振り返ると、日本三景の天橋立が広がる。天候にも恵まれ、展望台のあちこちで歓声が沸き起こる。先ほど乗ったモーターボートが描く航跡も景色のアクセントになっている。

Dscn4202ここ傘松公園は「股のぞき」が観光ポイントで、「天地が逆になり、松林が天にかかるような情景を楽しめる」という。それがこちらの画像であるが(カメラを反転させて撮影)、どうもその「天にかかる」というのがもう一つわからない。一説には「一瞬だけ股のぞきをしてもダメで、頭に血が上るくらいまでのぞいて、頭がクラクラになったところで初めて橋が天にかかるように見える」とか。それって結構ヤバくないか?

Dscn4209結構女性の観光客も股のぞきで記念撮影をしている。天橋立の股のぞきは名物でも、女性の股をのぞくのは犯罪になるよなと思いながら、再びリフトに乗り、天橋立を後にする。

リフト乗り場の下のバス停から10時過ぎに出るバスに乗って伊根に向かうことにする。観光客の姿は先ほどより増えており、クルマも次々にやってくる。結局バスは15分ほど遅れてやってきた。渋滞はこの天橋立までのようで、この後は内海に沿って快走する。砂浜に打ちつける波、早くも海に足をつからせて遊ぶ子どもたちの姿も見え、「夏」の気配を感じさせる。

天橋立からは30分ほどで伊根湾めぐりの拠点である日出に到着。ここからが、今回の旅の最大の目的地である伊根である・・・・。

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