まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

神仏霊場巡拝の道~伏見の18酒蔵を呑み干す

2024年04月20日 | 神仏霊場巡拝の道

近畿2府4県プラス三重県に広がる神仏霊場巡拝の道。2022年の大型連休の時に伊勢神宮の外宮・内宮から初めて、さまざまな交通手段やイベントを絡めながら154ヶ所のうち100ヶ所に到達した。当初から行き先にくじ引き、あみだくじという不確定要素を交えながらの札所めぐりで、100ヶ所目となったのは京都でも鳥羽伏見の城南宮だった。伊勢神宮から札所順でめぐると87番に相当する。

竹田駅から近鉄で桃山御陵前に移動し、隣接する京阪の伏見桃山駅の踏切を渡り、伏見大手筋のアーケードに入る。「日本酒のまち伏見」の幕が掲げられる。さまざまな店舗があり、地元の人、観光客も含めて賑わっている。

こちらの商店街といえば・・大阪勤務当時、私の職場では年始、そして半期のはじめ(4月・10月)の恒例行事として、土曜日の早朝から午前中にかけて、寝屋川の成田山大阪別院での安全祈願、そして伏見稲荷大社での商売繁盛祈願がセットで行われ、伏見稲荷大社では奥の院の一ノ峰まで往復するというのがあった。スーツ姿で一ノ峰まで歩いて往復というのも結構ハードなものだ。

午前中いっぱいかけて上記のプログラムをこなし、「直会」と称してやってきたのが伏見桃山。まあつまり、早朝から祈願やら山登りまでしたのだから、伏見の酒で一献やろうというものである。総勢20人ほどの御一行なので、当然ながら店は事前予約である。さすがは伏見で、大手の酒造会社の直営レストランがあり、私は幹事として店の予約やコースの選定、会計処理など行っていた。

まあ、酒どころで昼から飲むのはよいこと。その場で盛り上がるのはよいこと。・・ただ、その後はおっさん連中もグダグラになって、公式には14時までにはお開き、現地解散となったのだが、だいたいは京阪で大阪に戻った後に二次会と称してさらに飲んでいた。人によっては三次会、四次会となり終電で自宅に帰ることができなかったとか、気づいたら駅のホームで寝ていてカバンがなくなっていたとか、数々の武勇伝もあった。

それも伏見の魔力、お稲荷さんの使いの狐か、白河上皇・鳥羽上皇によるものか・・。今となっては懐かしい想い出の一つである。

そういうことも懐かしみつつ、商店街にある「理容プラージュ」で散髪。私の出身地・藤井寺市に本社を持つ数少ない全国展開企業「阪南理美容」。実はこの後で一献の店を予約していたのだが、予定よりも早く伏見に着いたので時間を繰り上げられないかスマホを操ったが変更不可だった。そろそろ散髪のタイミングだったし、さすが「理美容業界年商日本一」だけあってほどよく混んでいたことで待ち時間を過ごすことができた。

オプションでシャンプーもしてもらいさっぱりしたところで向かったのが、商店街の路地にある「伏見酒蔵小路」。伏見の酒、そして京の美味いものを味わってもらおうというところ。町屋風の入口である。

一つの建屋にさまざまなジャンルの店が並ぶ。その中でメインとなるのが酒蔵カウンター。予約していた店というのはこちらである。壁には伏見の酒蔵の看板が並ぶ。

まずは京都の「乾杯条例」にもとづいて、お通し代わりの1杯が出てくる。「乾杯条例」とは、京都の伝統産業である清酒の普及の促進のためのもの。

「伏見酒蔵小路」のメインは、伏見の18の酒蔵のきき酒セット。こちらが6×3の升で出てくる。グラス1杯が20mlで、18杯だとちょうど2合だが、杯がこれだけ並ぶと圧巻である。

店の人の説明だと、この18杯も勝手に並べているのではなく、奥の列から、そして左から右の順に味わってほしいという。奥の列の6杯は冷たい状態で飲むのが美味く、手前に来るに連れて、ぬるくなっても美味く楽しめる銘柄という。酒蔵に優劣をつけるわけではなく、後は飲む側の好き好きだ。

アテには京の漬物3種と枝豆の酒粕味噌和えのセット。そして単品で寄せ豆腐を注文。いずれも清酒に合うところだ。「伏見酒蔵小路」では、席にいながら他の店のメニューを「出前」で注文することができる。割烹や鉄板焼き、ラーメンなどなど。まあでも、ここでじっくりやるのがいいかな。

同じ2合でも、居酒屋で2合徳利や冷酒の300ml瓶だったらあっという間になくなるが、きき酒セットだと様々な味が楽しめ、おのずとじっくり味わうことになる。私は18種類の味を舌で区別するだけの力量はないが、飲み比べで気に入ったものがあれば追加単品で飲むのもよし、また別のセットもあるが、さすがは伏見、値段はそれなりにかかる。

魚ということで、鮎の一夜干し。10cmほどの小鮎が3尾、七輪であぶっていただく。18種類のきき酒も、後に来るほどしっかりした味わいの一杯が続くように感じられ、こうした魚にも合うかなと。

ほどよい時間になったので店に戻り、桃山御陵前に戻る。大手筋商店街近辺には他にも酒場があるようで、日曜の昼下がりの一献というのもよいものだ。そして近鉄で京都に向かうことに・・・。

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