まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

神仏霊場巡拝の道~奈良国立博物館で「空海」展を鑑賞

2024年05月09日 | 神仏霊場巡拝の道

今回の連休は法事が目的で大阪に帰省したのだが、それに合わせて5月3日は野球観戦、そして4日は神仏霊場巡拝の道めぐりとした。前回のあみだくじで出たのが奈良3番・興福寺。周囲には奈良1番・東大寺、奈良2番・春日大社、そして奈良30番・元興福寺があり、これらを回るというのは奈良観光の王道である。それも、5月の連休の真っただ中に行こうというのだから混雑覚悟、気持ちはお上りさんである。

その中でも行こうというのは4月13日~6月9日の間に奈良国立博物館で開催されている「空海」展。弘法大師空海の生誕1250年記念の特別展で、密教のルーツとマンダラ世界というのがテーマである。神仏霊場めぐり、そして法事は高野山真言宗の寺で営むということで、空海の世界に触れるのもいいだろう。父が存命であれば絶対に見物に行っていたはずだ。今回、まずは奈良国立博物館を訪ねよう。

藤井寺の実家から大阪阿部野橋~鶴橋経由で近鉄に乗り、近鉄奈良に到着。やはり国内外の観光客でごった返している。

地上に出て奈良公園方面に向かう。天気も良く暑いくらいだ。ここまで大勢の人が集まる奈良というのも久しぶりで、奈良公園の鹿も鹿せんべいや観光客の食べ物目当てにそこかしこあふれている。もっとも最近、鹿を見ると「ジビエ」という単語が頭に浮かぶ。いや別に、奈良公園の鹿を焼肉にしていただこうなどというおは恐れ多くて思わないのだが・・。

そして奈良国立博物館に到着。入口の外には当日券(2000円)を求める列ができている。私も、博物館に来ると決めていたのだから事前にプレイガイドで予約し、コンビニで発券すればよかったのだが、結局そのまま来てしまった。

20分ほど並び、いよいよ入館である。

数多くの展示があるが、これらはもちろん撮影禁止のため文章のみでの紹介。また、各展示室もごった返していてじっくり鑑賞するのは無理。ただ腰を据えるなら丸一日楽しめる特別展であった。

この展示でテーマとされているのが曼荼羅。金剛界・胎蔵界という密教の二つの思想、これを文章で表すのが難しいため、絵画や仏像として配置して視覚的にわかりやすくしたものだが、その説明書きを目にしても私のようなものにはわかったようなわからないような世界である。

第1室の真ん中には京都・安祥寺の五智如来像が配置されているが、この展示室も大日如来を中心とした曼荼羅を意識した並びだとある。

密教はインドからシルクロードを経て中国に伝わり、そして空海により日本にもたらされたのだが、ここにもう一つ、海のシルクロードを経由して中国に入った流れがあるという。それが唐の恵果により融合され、それが空海に受け継がれた。今回の特別展で目を引いたのが、インドネシアのジャワ島東部のガンジュク地区から出土した数十体の青銅製の小型の仏像群。19世紀頃の作とされ、小型ながら精巧に造られており、ミニチュアとして一体部屋に置いてみたいという気にもなった。

その後は空海の入唐~帰国、そして神護寺(高雄山寺)、東寺、高野山金剛峯寺などに伝わる数々の文化財が並ぶ。この日のためにオールスターが集まったようなものである。

展示室の一角では、NHKの8K画像のPRコーナーもある。この特別展はNHKも主催者に名を連ねており、モニターでは神護寺の両界曼荼羅や東寺の仏像群などの細部まで鮮やかに映し出す「BS8K」のPRが行われていた。博物館に展示された実物よりもはっきりきれいに見えるというアピール・・。

人が多くて近くでじっくり鑑賞できないのは仕方なく、空海と密教の雰囲気を楽しめただけでもよしとする。展示品の詳細はNHKBS8K・・ではなく、図録(3000円)を購入してじっくり見ることにする。

さて、奈良国立博物館には「なら仏像館」もある。こちらは明治時代、奈良で最初の本格的西洋建築だる。かつてはこちらが奈良国立博物館の本館だった。

こちらでは奈良時代~鎌倉時代を中心とした数々の仏像が常時展示されている。何十体に一体、紹介文で「OK」印のある仏像は撮影可とあるが、撮影可と撮影不可の線引きはどこにあるのかなと思う。

特別公開として、ホール部分に建つのは吉野・金峯山寺の金剛力士像。現在修復中の仁王門から搬出され、現在は奈良に長期滞在中といったところ。その間を利用して金剛力士像そのものも修復が施され、写真撮影もOKとして来館者のカメラ、スマホに収まっている。彼らにすれば、仁王門の狭いスペースから解放され、あの巨大な蔵王権現がにらみを利かす吉野の山奥から奈良の街中に出て、しばしの憩い、鬼の居ぬ間に洗濯・・?

結局奈良国立博物館だけで午前中は終了。札所めぐりはこれからである。ここまで来れば東大寺のほうが近く、東大寺~春日大社~元興寺を経て、目的地の興福寺は最後になる。例によって昼食抜きで回ることになりそうだ・・・。

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