まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

京都47番「毘沙門堂」~神仏霊場巡拝の道・104(八方睨みの龍、動く襖絵)

2024年06月25日 | 神仏霊場巡拝の道

神仏霊場巡拝の道、京セラドーム大阪での野球観戦との組み合わせで広島から日帰りでまず京都に向かう。当初、6月22日と23日のどちらに行くか迷ったが、22日の午前中だとまだ雨は降らない、しかし23日は西日本で広く雨の予報ということで、22日の朝から出かけることにした。

そして、バファローズとライオンズの両日の試合はどうだったか。選択した22日はバファローズ先発の齋藤を序盤に攻略したライオンズが4対2で勝利し、連敗を止めた。そして23日はバファローズ先発のカスティーヨが好投、私の勤務先企業出身の古田島がデビューから22試合連続無失点というNPB記録に並び、4対1でバファローズが勝利。23日の試合は広島の自宅にて外が大雨の中テレビ桟敷での観戦だったが、こういう巡り合わせなら23日、京都で雨に濡れての参拝の後、ドームで現地観戦したほうがよかったかな、私のツキもないな・・というのが感想である。

25日からはホークスとの3連戦、古田島の日本新記録達成なるか楽しみ・・・。

さて話はタイトルにもある京都・山科の毘沙門堂。前回、興福寺の後でのくじ引き・あみだくじで出た山科の札所である。神仏霊場巡拝の道、前回の奈良の前は京都の伏見地区を訪ねており、山科だけ残った形だが、まさかそこが出るとは。地図を見ると山科駅から北へ一本道の緩やかな上りのようだ。

今回は毘沙門堂だけ訪ねればよく、毘沙門堂には失礼だが、あみだくじで次はどこに展開するかのほうに興味がある。

22日、広島6時45分発の「のぞみ78号」で出発する。一気に京都まで行き、在来線で山科に到着。雨雲レーダーを見てもこの日の関西は何とか天気が持ちそうだ。

JRの山科を出て、京阪京津線の線路脇に出る。毘沙門堂のほか、山科聖天、山科両別院の看板、石柱。さらに「祝『令和』 天智天皇中臣の里・山科」の立て看板がある。令和が新元号になったことを受け、日本最初の元号とされる「大化」にちなんだ天智天皇、中臣(藤原)鎌足を崇敬しようということか。令和改元当時に建てられたのだろうが、こういう看板には気づかなかった。宗教法人・天智教、教祖・中臣不比等・・・。東京都知事選挙の候補者にいてそうな名前ですなあ。

それはさておき、JRの線路下をくぐって緩やかな上り坂を行く。琵琶湖疎水の一部である山科疎水も渡る。その橋に「国鉄」山科駅とあるのが時代を感じる。

毘沙門堂「門跡」に到着。毘沙門天王の幟が並ぶ石段を上がる。拝観料と、先に朱印帳を預ける。拝観ルートとして、まず正面の本堂、その奥の霊殿、そして宸殿と庭園・晩翠園を回るとある。

毘沙門堂が開かれたのは平城京よりも前、文武天皇の勅願によるという。当初は後の出雲路沿いに建てられたことから出雲寺と呼ばれていた。出雲寺は後に衰退と再興を繰り返し、現在の山科の地に復興したのは江戸時代になってからである。復興に関わったのは南光坊天海。あの明智光秀と同一人物という説もある僧侶である。

本堂に上がる。江戸時代の建築のためか、寺の本堂というより神社の拝殿を思わせる。こちらに安置されている本尊毘沙門天は伝教大師最澄の作と伝えられる。まずはこちらでお勤めとする。

毘沙門堂は後に後西天皇の皇子である公弁法親王が入ったことから門跡寺院となったが、父の後西天皇の死後、御所の一部を移築したのがこの先の勅使門、霊殿、宸殿である。その霊殿の天井から見下ろすのが「八方睨みの龍」。江戸時代の狩野派の作品で、堂内のどの場所から見ても龍と目が合い、睨まれているように見える造りである。これまでいくつかの寺院で龍が描かれた天井図を目にしたが、やはり龍はこのポジションなのだろう。

続く宸殿はいくつかの間に分かれており、それぞれ襖絵が広がる。こちらは「動く襖絵」との呼び名があるそうだ。かといって、襖そのものや、襖絵の人物じたいが勝手に動き出すホラーものではなく、一歩ずつ歩いて襖絵を観る角度によって人物の表情が変わったり、縦長の机が横長に見えたり、要は目の錯覚によるものである。現代なら何ということないトリックアートだろうが、それを今から300年以上前の襖絵で表現したのはさすが狩野派である。屋内は撮影禁止だし、こういうのは現物を目にしなければ実感がわかないので訪ねることをお勧めする。

奥は晩翠園の庭園。ここで折り返し。

勅使門や宸殿を改めて外から。

受付で預けていた朱印帳を受け取る。今回の神仏霊場めぐりは毘沙門堂のみで、近くに他の札所がないことから、ここであみだくじとして局面の展開を図ることにする。

予備のくじ引きで出たのは・・

・叡福寺(大阪16番)

・金剛輪寺(滋賀3番)

・大念仏寺(大阪5番)

・道成寺(和歌山6番)

・当麻寺(奈良19番)

・藤白神社(和歌山7番)

京都の選択肢がなく、滋賀、大阪(奈良)、和歌山と振られた形である。

そしてあみだくじ、運命のお時間の結果は・・・アプリで6枠に振られた金剛輪寺。冒頭に書いた「次の展開」は滋賀・湖東となった、当初は「金剛輪寺か」という反応だったが、よくよく見ると湖東地区の公共交通機関では難関のエリアである。金剛輪寺の南北にも神仏霊場の札所がいくつかあり、次回はリアルにクルマで回ることになるだろう。レンタカーを利用するのか、いつぞやのように広島から軽自動車で山陽道、名神高速を長躯して滋賀まで遠征するか・・・。

さてこの後、山科駅前に立て看板があった山科聖天に行くことにする。こちらは毘沙門堂の塔頭寺院で、歓喜天を本尊として、比叡山の無動堂から勧請されたという不動明王も祀られている。

山科といえばこれまで乗り換えで醍醐寺をはじめとした洛南地区の寺社めぐりで利用したが、駅の北側にある毘沙門堂や山科聖天というのは今回の札所めぐりで初めて知ったスポットである。決して観光地ではないが、こうした力強い面々が地元の人たちのよりどころというのは決して観光ガイドに載らない京都の奥深さで、恐れ入るばかりである。

山科駅に戻る。この後、京セラドーム大阪に向かうなら新快速・快速に乗るのがよいが、思ったより時間もできたので、変化球の意味で京阪京津線のホームに向かう。

山科から地下に潜り、三条で下車。大阪までそのまま京阪で向かうとして、ならば「プレミアムカー」一択。

この日は京橋で下車。ちょうど昼時・・・ということで京橋駅近くの立ち飲みスタンドで一献として、景気をつけて京セラドームに向かう。

そして、バファローズとライオンズの両日の試合はどうだったか。選択した22日はバファローズ先発の齋藤を序盤に攻略したライオンズが4対2で勝利し、連敗を止め・・・(以下、無限ループ)

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