まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

「WEST EXPRESS銀河」紀南コースでの新宮宿泊

2021年09月08日 | 西国三十三所

8月28日、日中のレンタカー利用を終えて、新宮ユーアイホテルに投宿。大浴場はないのでユニットバスでシャワーを浴びてまずは汗を落とす。さてこれからどう過ごすか。

このホテルは単なるビジネスホテルではなく結婚式場や宴会場も備えたシティホテルで、館内にはレストランや居酒屋もあるのだが土日祝日は定休とのこと。だからというわけではないが、夕食は外に求めることになる。

かなり以前に新宮に泊まった時は、駅近くの店で一献やったように思う。今回どこかないかなと思いスマホで検索してみる。その中で、近くの1軒の居酒屋が目に留まる。ただこういう状況で営業しているかどうか。この時点で和歌山県は緊急事態宣言、まん延防止措置等重点措置の対象ではなく、飲食店への休業・時短要請は出ていない。また新宮市もお盆期間中は飲食店への休業要請は出ていたようだが、現在はそれも解除されている。一人静かに一献傾ける分にはいいだろう。

まあ、仮に休業だったり混雑しているようならばホテル近くのコンビニで済ますか・・というつもりでやって来たのが「居酒屋Manaya」。画像は店を出た後のものだが、ちょうどいい具合に赤ちょうちんが出ている。特に問題もなく中に通された。

室内はパーテーションをあちこちにめぐらせて柔軟に部屋の広さを変えることができる構造である。カウンターにはとりあえず1席だけ椅子が置かれていた。

紙に書かれたおすすめメニューのあちこちに目が行く。価格帯は大衆酒場よりはちょっと高めだが、チェーン居酒屋並みというところ。メニューの種類も多い。

造りの盛り合わせは2人前からとなっているが1人前でもOKというので注文し、そこに「太地港から」とあるイルカの造りも追加する。

一緒に盛り付けられたのがこちら。右半分の魚のほうにはマグロの赤身、中トロも入っている。そして左半分がイルカ。昼に道の駅でいただいたよりは身が厚く切られている。魚はわさび醤油、イルカはしょうが醤油でいただく。イルカは居酒屋で注文する馬刺しのように最初は冷凍のシャリシャリ感が残るが、時間が経つと完全に解凍され生の旨味を楽しむことができた。ちょっと脂身も含まれるところで味も深い。

昼食と夕食でイルカをいただいたことが今回の旅の食事面で一番のインパクトとなった。もっとも、毎日のおかずがイルカとなるとちょっとしんどそうだが・・。

他にも牛肉のたたきや自家製厚揚げなどいただく。

また、注文はしなかったがメニューを見ると熊野地鶏やうなぎ料理も数々あり、それに交じってワニの塩焼きというのもある。ワニ・・・広島県北でいうところのサメではなく、クロコダイルのほうのワニである。熊野川でワニが獲れるわけではなくどっかから輸入したものだと思うが、えらいものが出てくる。もっとも、過去のグルメサイトの書き込みでは、スズメの串焼きもあれば、サソリの唐揚げもメニューにあったとか・・。

時間もよくなったか、他の客も数組やって来て、店の中も賑やかになる。通路を挟んだ小上がりから、地元の人らしい客たちの会話もよく聞こえてくる。この辺りは、いつもの土曜日の夜とさほど変わらない光景に見える。その中で高校野球の話題も出ており、この日(28日)行われた準決勝の結果、翌29日の決勝は「智弁和歌山対智弁学園」に決まった。和歌山県勢が決勝に進んだこと、そして決勝が「兄弟校対戦」になったことで話が盛り上がっている。

甲子園での「兄弟校対戦」は過去に何度かあったが、「東海大相模対東海大甲府」とか「日大山形対日大三」のように、東海大、日大といういくつもの付属高校があるところの対戦だった。ただ、この「智弁対決」は、兄弟校が2校だけという学園の中のことなので、余計に注目される(決勝戦は9対2で智弁和歌山が勝利)。

締めのメニューも釜飯、さんま寿司などいろいろあるが、選択したのは「爆弾おにぎり」。釜飯や寿司は大仰で、手軽におにぎりでもということで。もちろん、このおにぎりがどんな形状かはわかっている。

ただ、形状は予想通りだったが、出てきたものは想像を超えていた。おにぎりの先に線香花火がついて運ばれてきたのである(店の人も笑いながら持ってきた)。こんなの初めて、それこそ「爆弾」の洒落である。さすがに花火は途中で消えたが、下手に煙が出て火災報知器でも作動したらそちらのほうがえらいことになる。

他にもさまざまな定番料理から変わった料理までさまざまある。この「Manaya」、これから「WEST EXPRESS銀河」の紀南コースに当選、お宿は新宮という方、夕食はこの店でどうだろうか。温泉宿のような豪華料理とはまた違った楽しみで・・。

満足して19時半頃には店を出た。さすがにこの時間では日は暮れていたが、外が余計に暗く感じた。店の周りは繁華街というわけでないこともあるが、そもそも街灯の数が少ないのである。

前夜は夜行列車での移動、その後に運転ということもありさすがに疲れた。この夜は早めに就寝とする・・。

さて翌朝、この日は新宮8時32分発の「くろしお16号」にて大阪に戻る。ちょうど部屋の窓からかすかに熊野灘を見ることができ、5時半頃には遠くの水平線からの日の出が見えた。これには思わずうなってしまう。

7時に朝食ということで、1階のレストランに向かう。前日の「WEST EXPRESS銀河」でお見かけした方も何人かいる。新宮まで乗りとおして、宿はリーズナブルにという同じ考えのようだ。通常はバイキング形式のところ、コロナ禍のために定食形式である。ただその中でもさまざまなおかずがあり、朝からしっかりいただく。

この日は復路だが、単なる復路にはしないつもりである。まずは新宮から大阪市内まで「くろしお」で4時間。実は「くろしお」で乗り通すのはこの歳にして初めてのことで、道中が楽しみである・・・。

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