まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第13回中国観音霊場めぐり~本山支線に乗る

2020年08月04日 | 中国観音霊場

7月25日、最終日である。この日は宇部新川から小野田線の本山支線に立ち寄った後、山陽線で長府の功山寺に向かい、下関市街を回る。大阪までの戻りは新下関17時55分発の「こだま866号」を予約している。これも、こだま利用の割引プランである。

宇部新川駅に向かう。青春18きっぷに日付印を入れてもらい、ホームに行く。停まっていたのはクモハ123系。元々は荷物用電車を改造したもので、阪和線や宇野線を走った後、現在宇部線、小野田線用となっている。この列車が6時40分発の長門本山行きである。本山支線の朝2往復のうち1便目である。

発車時、この列車に乗っていたのは私を含めて5人。いずれもその筋の客のようだ。この列車に間に合おうとすると、宇部発6時22分の宇部線経由新山口行きに乗るか、宇部新川近辺に宿泊することになる。他には、小野田発6時42分に乗れば途中の雀田で本山支線に乗り換えることもできる。

1両のロングシートに5人が思い思いの場所に座り、発車する。前日、長門本山駅や本山岬まで行き来するためにクルマで走った高架道路を見上げて、宇部線との分岐駅である居能から小野田線に入り、厚東川を渡る。前日渡った道路橋が下流部に見える。

本山支線を分岐する雀田に到着。ホームが片方だけちょこっと開いた扇形になっていて、直進するのは長門本山方面、カーブしているのが小野田方面である。元々、雀田~長門本山間が前身の宇部電気鉄道として開業し、戦前の国有化後は宇部西線として営業していた。小野田線の小野田港~雀田間が開業したのは戦後になってからのことで、そうした歴史がホームの造りに出ているのかなと思う。

小野田方面からの列車を待つために数分停車するので、一度外に出る。山口東京理科大学の最寄り駅という案内もある。同大学と地元の青年会議所が近年タイアップして、駅周辺の整備事業に取り組んだとある。駅舎の屋根も、同大学のスクールカラーであるオレンジ色に塗りかえられている。

本来であれば長門本山行きは6時59分発で、その前に小野田から6時37分着の宇部新川行きが来て乗り換えとなるはずだが、時間になっても来ない。小野田線は前日から大雨の影響で徐行運転をしていたそうで、どうやらその影響がまだ続いているようだ。結局長門本山行きのほうが接続を待たずに発車。方向幕もいつの間にか「長門本山-雀田」に変わっている。この車両、これから長門本山まで行き、折り返して雀田まで走る。時刻表からの推測では、雀田からもう一度長門本山まで行き、折り返しは宇部新川まで走ることになる。これで朝の2往復はおしまいで、次に雀田から長門本山まで行くのは夕方になってからである。

ガタゴトと走り、途中の浜河内に停車。ここで一人が下車する。次の便と合わせて本山支線のそれぞれの駅を回ろうという様子だ。

製油所のタワーをちらりと見て、雑木林の中を抜けて7時05分、終点の長門本山着。駅そのものは前日も訪ねているが、やはり列車で訪ねたほうが気分が出る。ちょうどやってきた私を含めて4人が、折り返しの数分の間で周りの撮影を行う。そして、近所の方らしいお父さんが子どもを自転車の後ろに乗せて電車を見ている。朝の日課なのかもしれない。

駅のすぐ前では、太陽光パネルの向こうに周防灘が見える。前日の本山岬では雨に降られて遠くが見えなかったが、この日は対岸の九州、門司あたりの景色が見えた。

折り返しの列車は7時11分発。やってきた人のうち一人が次の便で戻ると見えて駅にそのまま残り、私を含めて3人が雀田に向けて折り返す。

雀田に到着。ここから7時18分発の小野田行きで小野田から山陽線方面に向かう。宇部新川から105系が2両でやってきたので乗り込む。小野田港、南小野田のあたりも工場群が並ぶところである。地元の人も駅ごとに少しずつ乗ってくる。

7時33分、小野田に到着。時刻表を見る中では次の山陽線の列車まで30分ほどあると思っていたが、ホームのすぐ前にちょうど1本前の下関行きがやって来た。小野田で待つこともないかとポイと飛び乗る。こちらも105系のロングシートだが、まあ、空いているし足も伸ばせるからいいか。次の厚狭で8分停車。

あと数駅で終点の下関だが、この辺りは駅間が意外と長く、また山がちなところを走る。その中で、雨粒が窓に落ちるのが見える。この日の山口県の予報は「曇り」だったと思うが、やはり天気が変わりやすいのだろう。なるようにしかならないと、この後の天候は運に任せることにする。

新下関に到着。ここで下車する。この日の夕方はここから新幹線に乗るので、それならば大きなバッグをコインロッカーに預けようというところだ。そしてこの後で第19番の功山寺に向かうのだが、功山寺のある城下町長府へは新下関駅からもサンデン交通の路線バスが出ている。時刻表を調べると次は8時32分発というのがあり、15分ほどで城下町長府にアクセスできる。

実は新下関で下車するのは初めてである。コインロッカーやバス乗り場は新幹線口にあるというが、在来線ホームからそこまでの通路が長い。新幹線ホームの端から端へ歩く気分で、途中には動く歩道まである。その向こうにようやく駅窓口、土産物店などがあり、小ぶりではあるが新幹線駅としての体裁は揃っている。

バッグをコインロッカーに預け、時間が少しあるので再び朝食ということでうどんのスタンドへ。ご当地メニューとして「ふく天うどん」を注文。九州らしい淡泊な色のダシ、細うどんに、ふく天、かまぼこが加わる。これでお腹も落ち着いた。

そしてバスに乗車。下関らしく、シートにはフクやら関門橋やらのイラストがあしらわれている。しばらくは山がちなところを走り、急に海岸近くに出る。神戸製鋼所の長府製造所の前を通り、城下町長府のバス停の到着。功山寺もバス停から徒歩圏内で、城下町見物と札所めぐりの両方を織り交ぜてこの先歩いて行くことにする。

・・・とここで、雨が落ちて来た。梅雨の終盤の時季だが仕方がない。傘をさして歩くことに・・・。

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