まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第12番「岩間寺」~西国三十三所めぐり3巡目・17(初めてシャトルバスにてお参り)

2020年07月17日 | 西国三十三所

このブログでも、コロナ禍によりダメージを受けた観光業界の支援を目的としたGoToキャンペーンについて触れたのだが、7月22日からの適用に向けて動き出したところで都市圏を中心に新たな感染確認者が増加するということになった。そのため、このタイミングで実施することに対する反発の声が高まり、政府は「東京発着」を対象外とすることにした。

この定義もよくわからないのだが、さらに17日には、高齢者と若者の団体旅行も対象外とすることになったという。何を以て高齢者と若者の団体旅行と定義するのか、そもそも、そういう仕切りに意味があるのかと、さすがの私も思う。こうなると逆に、GoToキャンペーンの適用を受けられる条件というのは何やねん、結局意味がないのではないかと思う。では、高齢者も若者も参加するであろう一般の団体旅行はどうなるのか、高齢者や若者ばかりの中に私のような40歳代のおっさんが混じるようなツアーは対象となるのか否か・・・。

GoToキャンペーンの主旨は私も賛同するところなのだが、ここまで来ると果たして誰のため、何のためにやるのかという話である。一般企業なら間違いなく延期もしくは中止とする案件である。私自身、出かけることそのものは中止する気はないし、自粛警察と称する連中の言いがかりには一切応じることもないが、こういう中途半端な制度ならば別に利用する必要もないだろう。そもそもキャンペーンのターゲットが旅行会社の救済や、団体客、パッケージツアー客たちであり、青春18きっぷとか新幹線の格安プランとか、予約サイトにてホテルを押さえるというスタイルの旅行者への恩恵などわずかなものだから。

・・・タイトルは、岩間寺に行く話だった。例によって話が脱線してしまう。

西国三十三所の第12番の岩間寺。これまでの2巡で訪ねているが、3巡目の順番がここまでなかった。過去の1巡目は純粋に大津市内の札所を回る、そして2巡目は新西国三十三所の一つである立木山寺の参詣とセットで回っている。いずれも、京阪バスの中千町バス停から1時間近くかけて坂道を歩いて上ったのだが、特に1巡目の時には春先の雪の中を歩いたこともあり、個人的には難所のイメージがついている。それで2巡目以降、すっかり足が遠のいていたのだが、気がかりなのは「西国三十三所開創1300年」の記念事業との絡み。これまでの先達用納経軸を見返すと、第12番の岩間寺と第13番の石山寺だけが、開創1300年の記念印が押されていない。この記念事業もいずれは終わることで、周りには同時進行中の西国四十九薬師めぐりの札所もないため、どこかで機会を作らなければならない。

アクセスに難があるということだが・・・岩間寺に行くのに最も楽な方法となると、毎月17日の縁日にJR・京阪の石山駅から運行される無料のシャトルバスである。毎月17日と決まっているのだから事前にカレンダーで予定を立てれば済むことだが、なかなかこの17日と、土日の配置と、私の予定がぴったり合うことはなかった。そこをこの7月17日、平日ではあるが有給休暇を充てて何とか行ってみることにした。

このシャトルバスもコロナ禍にともなう緊急事態宣言の影響で2ヶ月ほど運転を取りやめていたが、6月からは運行を再開している。ただし、岩間寺のホームページによると、乗車は20名までという案内が出ている。バスは午前中に40~50分ごとに出ているが、通常であればシャトルバスは立ち客も出るほど混雑するそうで、それが20名までとなると乗れない可能性も出てくる。まあ、起点の石山駅は何もない駅というわけでもないので、乗れなければ次の便まで時間をつぶすかというくらいの気持ちで、朝のラッシュが続くJR大阪からの新快速に乗車する。

石山に到着。天気予報では大津は「曇り」と出ていたが、大津市内の石山に降り立つとしっかり雨が降っている。今年も各地で豪雨災害が発生していることに比べると「しとしとした梅雨らしい雨」だが、なかなかすっきりした天候にお目にかからない。梅雨が明けたら一気に猛暑日が続くというのはわかっているが・・。

改札を出るとまず目に入るのは、石山寺の本尊の如意輪観音の特別開帳の案内。石山寺は駅名にもなるくらいの観光スポットなので、下車客への案内としては当然である。このタイミングで石山に来たのはこの特別開帳があるためで、岩間寺からの帰りには石山寺に立ち寄る予定である。

南口に出ると、岩間寺へのシャトルバスを案内する立て看板がある。毎月のことなのでしっかりした造りである。それに従って進み、通常は京阪バスの折り返しスペースとして使われているであろう一角に入る。これから乗るのは9時20分発の便。

乗車前に係の人が、おでこに体温計をかざしての検温を実施する。特に問題なく車内に入る。発車時刻が近かったこともあり、結構乗車している。目で数えると20名前後といったところ。定員の20名というのは、2人掛けの席も1人ずつ着席する状態で満席になった数ということだろう。もっとも、中にはご夫婦や女性同士の複数客もいるから、20名というのも厳格なものではなく、一つの目安のようだ。

定刻になって出発。雨の中を進んでいく。東レの工場の横を通り、名神高速道路を跨ぎ、過去に訪ねて見覚えのある中千町から山道に入る。こんな道を歩いたんだなと、以前のことを思い出す。途中から人家もなくなり、急なカーブが続く。周囲の山も深くなってきた。過去に歩いただけに、シャトルバスは楽だなというのを改めて感じる。毎月17日だけと言わず、土日に数本ずつでもいいから運転してほしいのだがどうだろうか。運行する京阪バスとしてはこれは路線バスではなく、岩間寺による貸切輸送という位置づけのようだが・・。

石山駅から20分あまりで岩間寺の駐車場に着く。折り返し便は10時10分発で、これから30分弱。寺の大きさからしてお参りだけなら十分だが、ちょっと慌ただしいかもしれない。また、一緒に下車した人たちで納経所が混雑すれば厳しいかもしれない。まあ、間に合えば乗るし、間に合わなければその後の11時00分発に乗ろうかという心持ちで先に進む。中には時間を惜しんで早歩きの人もいる。

駐車場の小屋で入山料を納めて境内に進む。山門がない代わりに仁王像がお出迎えで、先に進む。

私の気持ちとしては10時10分発に乗りたいなというのが勝っているが、とりあえず一連の動きをする。中には手を合わせるのもそこそこに、とりあえずご朱印をいただこうと焦る様子の人もいる。かくいう私も観音経は早口で読んでいたのではないかと思う。

縁日ということで内陣にも入れるようになっていて、撮影不可のため画像はないが、山間の古刹の様子を見ることができる。

納経所も窓口3ヶ所で対応しており、ここで時間を食うことはなかった。あまり慌ただしいのもどうかと思ったが、ちょうど駐車場に戻ればバスが発車するというタイミングである。こうなると、雨の中で次のバスまで50分待つよりは、バスに乗ってとりあえず石山寺まで行ったほうがよさそうだ。そこまで行けば後の時間は柔軟に調整できる。

折り返しの便に乗ると、先ほどから少し人数が減っていたようだ。残りの人は最初から次のバス狙いなのだろう。下り坂ということでバスのスピードもスムーズである。

石山駅~岩間寺までは乗降の扱いがなかったが、岩間寺~石山駅までは途中のいくつかのバス停で降車のみ取り扱う。そのため、石山寺山門前にも停車。第12番から第13番に続けて参詣する人への便宜も図っている。実際、乗客の半数がここで下車した。逆にここから乗ろうとする客に対しては「降車専用です」と断っていた。路線バスの臨時便ではなく、あくまで、岩間寺による貸切運行の扱いだから・・。

雨が降り続く中だが、せっかくの機会で石山寺にも参詣することに・・・。

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