まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第3回四国八十八所めぐり~四国のへそを目指す

2016年09月13日 | 四国八十八ヶ所
琴平に到着したのは11時過ぎだが、朝食の時間が早かったのでここで昼食にする。阿波の国が目的地であるが、讃岐の国にいるということで、さぬきうどんを食べるとする。

琴平にもこんぴらさんの参道にうどん屋が何軒かある。ここで考えるのが、途中下車の時間が40分ほどしかないこと。店が混んでたりしていたら時間的に厳しい。そんな中で先ほど車内でスマホで検索したところ、温泉宿の琴参閣の裏手に「こんぴらうどん」の製麺所があり、そこで食べることができるようだ。参道にある店はいわゆる普通の食堂で、定食ものが中心だが、こちらは製麺所併設ということで、最近はやり?のセルフ式。これならささっと食べることができるし、(「こんぴらうどん」がその筋でどのくらいの名店なのかはわからないが)讃岐式の食べ方というのがいい。ということで、昼はそこにする。

駅前のロータリーに「祝十両優勝 天風関」の垂れ幕がある。天風はここ琴平の出身で尾車部屋の巨漢力士。先の名古屋場所で十両優勝を決め、この秋場所が新入幕である。香川といえば小豆島出身の琴勇輝も上位で頑張っている。いずれ香川出身同士が幕内で対戦する日が来るか。

駅前通りを歩いて琴電琴平駅を過ぎ、突き当たりの琴参閣から回り込む。「こんぴらうどん」の製麺所が見え、食堂部分は別にある。シンプルにしょうゆうどん(大)と天ぷらをチョイス。天ぷらがどうしても作り置き感があるのは仕方ないが、麺はちゃんと腰があってよろしい。本場の製麺所でいただくというのも良いかな。本当にうどんを極めているような人(私の会社にもいる)はどう評価するかだが、青春18で途中下車の短い時間で食べるぶんにはよい。駅を出た時は少し焦ったところもあったが、食べ終えて駅に戻ると、一本後の琴平着の列車はまだ来ておらず、次に乗る阿波池田行きの列車がもう停まっていたので、楽に席を取ることができた。

11時54分、琴平着の列車からの乗り換え客を入れても10人ちょっとで発車する。青春18利用が多い感じで、ハイキング姿の人や、自転車持ち込みの人もいる。私も金剛杖を(袋には入れているが)持ち込んでおり、周りから見れば変わったヤツに映っているかもしれない。

列車は四国の中心に向けて高度を上げる。讃岐財田で特急の通過待ちをして、次は坪尻。ここで香川から徳島に入る。

この坪尻、四国で1、2を争う秘境駅である。周囲には人家はおろか、クルマが通れる道もない。駅もわざわざスイッチバックで、特急を待避する信号所としてようやく存在意義があるところである。ただ、最近は「秘境であればあるほど訪れる人が増える」という妙なことになっている。先ほど車内で隣に座っていた客のように、秘境駅を訪れることが旅のジャンルの一つにまでなっている。

トンネルを抜けると、引込線上にある坪尻駅のホームが見える。先の列車で来たのか、ホーム上にはその筋の人の姿が複数見える。まずはそれを横に見て、先の引込線に入る。

ここで向きが替わるため、運転手が後部の運転台に移動する。そして坪尻に入線する。今度はここで下車する人もいる。

ここで運転手がもう一度元の運転台に戻って発車するところだが、「阿波池田方面から特急が通過するために3分停車」とのアナウンスが入る。これを聞いて、私を含めて車内から外の写真を撮っていた人たちが一斉にホームに出る。おかげで、ほんの一瞬だが駅舎の外に出ることもできた。阿波池田方面からの特急が通過すると、ホームに出ていた人たちはそれを合図にぞろぞろと車内に戻る。それでも2~3人はホームに残っていた。

次の箸蔵からは地元の高校生も乗ってくる。ここからロープウェイで上がると、四国別格二十霊場の一つである箸蔵寺に行くことができる。別格二十霊場とは、四国八十八所とは別に、弘法大師が足跡を残した地で構成されていて、両方足すと「108」という煩悩の数と一致することから、合わせて回ることで煩悩を滅するとしてアピールしている。遍路、巡礼をする人の中にはコースに最初から別格二十霊場を入れて回る人もそれなりにいるようだが、今の私は、まずは基本の八十八所を公共交通機関で回ることが目標である。西国の番外や新西国の客番とはまた位置づけが違うようで、別格はまたこの先まで置いておく。

箸蔵から吉野川を挟んで阿波池田の町が見渡せる。ここを下りの大きなカーブで回り込んで町中に入っていく景色(およびその逆)は、私の好きな車窓の一つである。佃で徳島線乗り換えの客が降り、阿波池田に到着。

これから徳島線で鴨島に向かうのなら佃で乗り換えればいいのだが、阿波池田まで来た。次の列車までの時間を使って、駅周辺を歩くことに・・・・。
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