まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

大晦日は乗り鉄にて・・・

2011年01月05日 | 旅行記D・東海北陸

Dscn6707 氷見のホテルで迎える大晦日の朝。ホテルの窓の向こうにはわずかだが海も見える。夜明け前は海の上にどんよりした雲が広がるものの東の空は白んでいるなという感じだったが、すぐにしんしんと雪が舞い、暗い感じになった。これが日本海の冬の空かと感心するような、ため息をつくような。

1階の割烹にて朝食。テレビでは鹿児島の大雪の模様を映していた。この年末年始、中国や九州でも大雪を記録しており、おかみさんも「氷見でもこれだけ積もるのはそうないんですけどね」と言っていた。スキーをする人にとってはホクホク顔なんだろうが。

Dscn6708 さて朝の氷見線に乗るべく出発する。ただ氷見の中心部も結構雪が降っており、商店街の人たちも歩道の雪かきに余念がない。また車道では融雪用の水が出ており、水溜りもできている。そんな中、駅までの10分あまりの道のりを歩いたわけだが全身雪まみれになり、バッグにも雪がたまる格好となった。

Dscn6711 駅にたどり着き、やってきた気動車に乗り込んでボックス席におさまった時は朝一番なのにどっと疲れがでたような感じだ。このくらいで音をあげるのならとうてい雪国には住めないなとすら思う・・・。

Dscn6714_2 8時18分発の高岡行きで氷見を後にする。途中も吹雪く感じで前日の夕方とは打って変わった車窓である。当初の計画では雨晴で途中下車して・・・とも思っていたのだが、この天候の下で海岸べりに出るのもアホとしか言いようがない。結局そのまま雪見列車ということで高岡まで乗車する。

Dscn6723 高岡発9時09分の富山行きは前日も乗車した寝台電車改造の「食パン列車」こと419系。前日と違って乗客も少なく、今度はボックス席を独占する。

Dscn6727 この車両も北陸新幹線開業でなくなるのかと思うと、この後乗る機会は何回あるかなと指折り数えてしまう。

Dscn6728 富山到着。大晦日の宿泊地は高山線の杉原駅が下車駅であるが、まだ午前中、時間はある。大晦日ということでハコモノや商店も休業のところが多く、富山で時間をつぶすには余りにも長い。ということで、「青春18」の特徴を生かす形でもう少し乗ることにする。ならば、このまま東へ、糸魚川、直江津あたりまで行こうか。そこで見つけたのが、隣のホームに停車していた直江津行き。国鉄急行型車両で、塗装もオリジナル仕様。よし、これで直江津まで2時間乗車することにしよう。

Dscn6742_2 富山まで来ると雪もほとんど降らなくなり、平野を東へ走るにつれて積雪量も少なくなってきた。同じ富山県でも東と西で微妙に違うのかな。そんなことを思ううちに空も少しずつ明るくなってきた。右手を見ると立山連峰も薄っすらとではあるが見えてきた。これは意外な展開。こういう雪をかぶった立山を見るのも実に久しぶりのことで、今回の旅行、天気がいいんだか悪いんだか、それだけ移り変わりが激しいのかなと思う。

Dscn6744 越中宮崎からは日本海も見える。さすがに波は高いようだが、荒波が打ちつけるとまではいかない。これもたまたま天気のいいタイミングに訪れたからだろうか。イヤホンを耳にあて、だんだん乗客が少なくなるボックス席でぼんやりと車窓を眺める。何をするというということもない時間が過ぎていく。こんな感じで「乗り鉄」をする感触、悪くない。

Dscn6758 新潟県に入ると雪もなくなり、逆に晴れ間すら出てくる。これほどまでに天気が変わりやすいとは。

直江津に到着。鉄道の要衝、一番端のホームに到着する。時間的にここからどこに行こうというのはなく、再び富山に戻ることにする。ならば直江津に何しにきたか。

・・・それは「駅弁調達のため」と言ってもいいだろう。鉄道の要衝として伝統ある直江津は駅弁の美味しいところで、駅前のホテルハイマートとホテルイカヤがそれぞれレベルの高い駅弁を日替わりか週替わりかでホームで立ち売りしていた。ただ聞くところではイカヤのほうが経営合理化のために駅弁から撤退したとかで、現在はハイマートが頑張っているという。

Dscn6767一旦改札を出てエチゴビールやら魚沼の地酒「八海山」の冷酒ビンを買い求め、改札内側の駅弁販売のカウンターをのぞく。と、酒の入ったビニール袋を見た店員が「お兄さん、酒のアテならこれがいいよ」と勧めてくれる。

Dscn6766 それが「磯の漁火」。日本海、新潟の味覚が二段重ねになっており、おかずのほうはイカの丸焼きにサザエの壷焼き、ニシンの昆布巻き、もずく酢、エビ焼きなどの居酒屋メニューが並ぶ。いずれも磯の香り満点で、酒とよく合う。もちろん、日本海の車窓というのも大きな魚である。おむすびはもちろん新潟コシヒカリ。これともう一つ、直江津の駅弁で外せないのが「鱈めし」。さすがにご飯まで食べてしまうといっぱいなので、上のおかずを酒のアテとする。鱈の甘露煮に生のタラコである。いやこれもよろしいもんで・・・。

Dscn6772 直江津を出てから結構長い時間をボックス席での昼食に当てていたが、列車のほうは新潟県内の強風の影響で特急列車に若干の遅れがでていたようである。こういう時に割を食うのが鈍行列車で、私の乗った富山行きも15分ほど遅れたようだが別に気にしない。ただこの大晦日、山陰地方は大雪でダイヤが乱れ、列車の中で年越しを迎える人を出す事態になったそうだが・・・・。

かくして、直江津までの「乗り鉄」を終えて富山着。ここでもまだ時間はあるので少し街中に出ることにする・・・。(続く)

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