1月9日の昼、氷点下の旭川駅に降り立つ。
昨年の10月に「川のある駅」ということで新しい駅舎が完成した旭川駅。それを記念して「旭川駅に名前を刻むプロジェクト」が実施され、私もJR全線の乗りつぶし(当時)をこの駅で達成したということもあり、自らの記念としてこのプロジェクトに応募し、その「登録証」が送られてきた。
私が当てられたのは8000番台。ホームから東改札口へ向かう階段があるが、内壁には北海道産のタモ材が使われている。外は一面の寒々しい雪景色であるが、木の温もりを感じさせるつくり。そのコンコースの中に、プロジェクトに参加した1万人の名前が刻まれている。
しかしこうやって見ると感慨深いものがある。何か一つの区切りというのか、いい記念というのか。北海道に地縁、血縁があるわけではないが(かつては同じ旅行サークルに所属していた人もいるが現在は連絡取っていない)、そういう土地に名前が残るというのも不思議なものである。
案内によれば旭川市内からの応募が77%、道内が16.6%、道外が6.4%で、九州・沖縄地方からの応募もあったそうだ。それぞれの思いや記念があってのことだろうが、それだけ、さまざまな人が行き交う「駅」というものに人を引きつけるものがあるのだろう。私もここに名前を刻んでもらうことで、遠い駅ではあるがここで乗り降りする地元の人、観光客の人たちとも何かつながっているような感じがする。
今回の旅の大きな目的だったこのプレートとの対面を果たし、ほっとした感じがして改札口を出る。新駅舎は完成したが、元のホームはまだ解体整理工事中で仮通路が続く。新しい駅前広場の完成はまだ少し先のようだ。ということで、旧駅舎の三角型の看板、それに木彫りのアイヌの人形は健在である。できれば、この二つのアイテムは新駅舎にも残してほしいと思うのだが、どうだろうか。