30日の夜は氷見の中心部にあるホテル「信貴館」に宿泊。ビジネスホテルのシングルルームであるが、実質はご家族で経営されている民宿のようなアットホームな雰囲気である。
夕食は1階の割烹にて。包丁を握るのはここのご主人。フロントで受付してくれたおかみさんはホール係もこなす。他に宿泊客らしい姿は見えなかったが、地元の人たちの忘年会場にもなっているようで座敷や宴会場に向かう人も。
さてこの日の宿泊プランが「おすすめ氷見づくし膳と天然氷見ブリしゃぶ」の2食つき。まずはブリや白エビの刺身、バイ貝の煮付、ズワイガニの酢の物。これに大振りなアジの塩焼きがつく。普段の夕食ならこれだけでも十分な量である。
そこにメインで出されるのがこのブリしゃぶ。この時期が旬のブリ、ご主人によれば12キロのモノが手に入ったとのことで、通常が8~10キロというから大物である。これを5ミリほどに切り、鍋でしゃぶっとやる。初体験の味だがほどよく脂が乗っており、一方でツルッと口に入ってくる。
今回の料理で注文したのが氷見の地酒「氷の舞(ひのまい)」。ツルッとした飲み口で、脂の乗ったブリの味を軟らかくしてくれる感じである。
氷見づくし膳はこれで終わらず、ブリしゃぶを食べ終えたその後のコンロに乗せられたのは、氷見牛の陶板焼き。もうこれは堪りません。
締めには氷見コシヒカリのご飯と腰のある氷見うどん。いや、これだけいただければ十分満足である。一流の温泉旅館ではもっとしゃれた料理が出るのだろうが、ここ信貴館は盛り付けや器ではなく、実の味で勝負しているなという感じがした。今回の目的地、宿泊地を氷見にしてよかった。
さて食後、少し外に出る。ホテルにも近い湊川周辺の街路樹にはイルミネーションがあり、厳しい冬の氷見の夜を暖かく照らしてくれる。
イルミネーションといえば神戸ルミナリエや大阪・中之島の大掛かりなものが有名で人も集まるが、こういう小ぢんまりとした、町の人の手作り感あふれるものもなかなか素敵な感じだ。他に誰もおらず独り占めである。
ここで再び駅方面に向かう。ホテルに来るまでに、駅前ロータリー横にスーパー銭湯「有磯の湯」というのを見つけており、入浴とする。天然温泉ではなく光明石を使った人工温泉ではあるが、こちらも地元の人たちが日常的に使う銭湯らしく賑わっていた。入浴料480円だが、露店風呂もサウナも休憩スペースもあり、これは鉄道旅行者にもお勧めである。
身も心も温まったところでホテルに戻る。今夜はぐっすりと眠れそうである・・・。(続く)