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安藤忠雄著「安藤忠雄」

2009年02月06日 16時08分36秒 | つれづれなるままに
数年前からこの人がみょうに気になってた。有名な建築家なのに大学は出てないらしい。建築家なのに文化的、哲学的、思想的な意見を発表してる。
昨年表題の本が出版されたのを知って、この休み中に読んでみたいと思い、図書館から借りて読んだ。
自分の建築に対する考え方とそうなった過程を自叙伝的にまとめた本だった。「そうなんだよな」「そういうことか」といろんな刺激を受けた。
2,3印象に残ってる彼の主張を紹介する。

・子供用の施設を設計するにあたり、「作り手がなにも意図しない空間が必要」と主張。それは子供が自由に発想し、使う、遊びを工夫する空間が必要と考えるから。そして今は安全をまず考えた空間に子供を押し込めてると主張。
・利益優先の商業的ビルの乱立に目をやり、スクラップ・アンド・ビルドを否定し、人が将来に残したいと考えるようになる設計を目指す。
・そのために建築家はその土地の文化を学び、それを尊重した設計を行なうべきと唱える。
・建築物はそこで人が活動してはじめて機能する。人への関心がまず重要。

などなど現代の産業社会に通じる痛烈な批判が心地よい。
納得できる一冊だった。

でも幾何学的線で埋め尽くされた都会の風景を「いやだ」と思う僕には、なぜコンクリート打ちっぱなしの直線や計算された曲線を森の中にまで持ち込むのか この点だけは納得できなかった。
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4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (道の駅)
2009-02-07 08:05:47
 人によって評価が大きく分かれる方です。
 瀬戸内海の直島に行くとベネッセ関係で「作品」が幾つかあります。また最近開通した東京の地下鉄副都心線の渋谷駅などもそうです。
 私もあまりそれほど好きになれない方です。
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そういうところはあるかも ()
2009-02-07 11:52:33
道の駅君 こんにちは。先日の同期会は20名ほどの参加で楽しい会でしたよ。
評価が分かれる人だというのはわかります。自己主張の強い人は多くのみかたと多くの敵をつくるのが常ですから。
製作者を離れた作品がどう評価されるかも賛否両論でしょう。青山ヒルズと渋谷駅は一度見てみたいと思ってます。
ただ彼の思想には共感してます。
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おじさんでした (しげこ)
2009-02-10 09:33:05
お久しぶりです。
私も先日偶然この方の講演会を聞く機会があり、その人柄の温かさにふれた気がしました。
会場に入りきれずあふれた人への気遣い…あの位の「先生」になるとなかなかできない事かな…と思います。
「関西弁のおじさん」で、あっけらかんとして私にも楽しめる内容でした!
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エネルギーもらえました? ()
2009-02-10 11:28:06
しげこさん こんにちは。
しげこさんだけではどなただか解らんのですが、会社時代の後輩の彼女だなとかってに決めてます。
安藤さんの講演もあるんですか。一度生で聞いてみたいですね。
エネルギーもらえたようですか。僕ならギンギンになりそうな気がします。
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