カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

タブーというのは、触れてはいけないのである   お名前はアドルフ?

2020-12-25 | 映画

お名前はアドルフ?/ゼーンケ・ヴォルトマン監督

 もともとはフランスの舞台劇だったらしい。それをドイツで映画化したというのは、つまりお名前がアドルフだったからだろう。
 妻の弟夫婦に子供が生まれることになり、名前をアドルフにしたい、ということで、大混乱になってしまう。ドイツではとても許されない名前であるということなのだろう。日本だと英機でも裕仁でも特に問題になりそうにないが(ただし東条家はひどく迫害を受けたし、皇室の名前を付けるのは、ちょっと一般的ではないが)、ドイツにおいては、そうはいかないということがよく分かる。
 とにかく名前をめぐって、ここまで大混乱になるとは、とても思えない大混乱となる。せっかくの親しい間柄だけの楽しい集まりが、悪夢のような嫌悪感に包まれてしまう。ついには名前だけの問題では済まなくなり、凄まじい秘密が暴かれてしまうのだった。
 はっきり言ってかなり面白い。ちょっとスノッブなところが無いではないが、元が舞台劇ということで、実に科白の妙が巧妙に楽しめる。こんなことを言いあえるくらい親しい過去を、共有して持っている。それが決定的な伏線になっていて、だからこそ、このゲームのようなことが始まってしまったのだろう。結果はとんでもないことにはなるのだが……。
 悪酔いして、家族の間で本音を言い合って険悪なことになってしまうというのは、あんがい起こりうることなのではないか。実はこれを僕も時々やってしまう。家族というのは、相手の考え方の深いところまで知っているもので、それこそ人生の汚点のような、気になる部分も十分に理解している。それが攻撃に転じてしまうと、さらに相手を深いところで傷つけてしまうのだと思う。そういうことを繰り返してもなお、家族は家族である。つまるところ、そういうことなので、このような話が成立できるのであろう。まあ、出来るなら、そういうところにまで、気を付けて付き合うべきだとは思ってますけどね。
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