カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

スッポンは離さない?

2023-04-04 | Science & nature

 子供のころに川で遊んでいてスッポンを見つけたことがある。喜んで捕まえたが、指だか手首だったかを噛まれた。びっくりして振り回したらとれたのでホッとしたのだが、その体験を大人に話すと、それはスッポンじゃないという。スッポンというのはものすごく噛む力が強くて、一度噛んだら指がちぎれるくらい離さないものなのだという。
 しかしながら僕だって川遊びはしているので、ふつうのカメとスッポンの区別くらいつく。そんなに大きな個体では無かったとは思うが、甲羅が無茶苦茶硬いわけでもなく、体のサイズに比べて、異様に首が長く伸びる。目玉も頭の上に寄り気味でついていて、鼻がちょっと突き出ている。噛まれたのにびっくりして放してしまったが、その後もものすごく素早く泳いで逃げてしまって、もう捕まえることができなかった。スッポンは川の忍者ともいわれているわけだが、確かに実に素早い動きなのである。
 それにしてもスッポンに噛まれたのにスッポンではないと認めてくれなかったことは、少年である僕を深く傷つけた。大人は分かってくれないのである。そうやって子供はグレていくわけだが、僕がグレたのは、すっぽんだけの所為では無かったようにも思う。まあしかし、この件では納得いかなかったにせよ、なんとなくスッポンは恐ろしいような印象が、僕には残ったような気がする。
 ところでこの間テレビをみていると、このスッポンを取り上げていた。スッポンは噛む力は確かに強いが、相手がびっくりするくらい噛んで水辺が近かったら、噛むのを止めてさっさと逃げてしまう、と言うではないか! その後ユーチューブのスッポン動画をいくつか見てみると、スッポンに噛まれてもすぐに放してもらえるという実験をしている人もいた。無理に噛ませ続けても、7分くらいが最長だった(それは凄くながいけど)というのだ。
 ほらみたことか! あの頃僕にスッポンでは無いと言い張った大人は誰だったっけ? 友達の近所に住んでいる農家のオヤジだったはずで、僕らがそういう話をしていると、横から首を突っ込んできたのだった。僕は子供だったからそのオヤジがいくつくらいの年齢だったか見当がつかないのだが、当時は周りが田んぼだったところは住宅地になっていて、そこらあたりで作業していた地主のような人だったかもしれない。今となっては姿も見たことが無いので、土地を売った後悠々自適な生活はされたかもしれないが、多分もう生きてはいないだろう。文句を言っていやりたいが、つくづく残念なことであった。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする