カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

UFOの塩

2007-09-10 | ことば
 散歩していると、以前から知っている人のお宅がここだったのか、と発見することがある。その人と微妙にイメージが違って面白い。家も人なり、ということか。いや、違うと思ったのだから、家と人は別物、であった。
 今回お宅の前で出会ったその方は、意外にご近所だったのだな、と僕は思ったのだが、「ずいぶん遠くまで歩くんですね」と言われる。特に返事をしなかったのだが、あとで反芻して考えると、僕の自宅を遠いと思ったわけであるから、恐らく勘違いしているのではないだろうか。JC関係で知り合った人なので、本町あたりに僕が住んでいると思っていたのではないか。それとも単純に違う人と思っていたのか。名刺を交換したのなら、職場と勘違いしたか。それならもっと驚いていいはずだ。いや、そういえば年賀状が来ているようだ。この方は筆書きされていたと記憶するので、住所を知っているはずではないのだろうか。距離的に歩いて10分程度のご近所なのだが、この程度はどのくらい遠いのだろうか。一度歩いておられるのを拝見したことがあるので、歩く距離感覚はわかっていると思うのだが、なんだか遠いというイメージがつかめない。まあ、単なる「張り切ってますね」という社交辞令なのかもしれない。こういう出会い頭の挨拶は、もう少し単純なものにして欲しいと思う。僕のような性格の人間には、謎かけのような言葉はいつまでも引っかかる。

 珍しく一人の朝だったので家に帰っても気合が入らない。野菜ジュースと豆乳を飲んで、新聞を読んで、というようなことは特に変わらないけれど、どこに行くでもないし、また散歩でもするかなあ、などと考える。外気はどんどん上昇していて、その上にさっきシャワーを浴びたばかりだ。すべてが面倒になってごろごろと本を読んだ。テレビをつけると松坂が満塁ホームランを打たれたばかりだった。みんな調子が悪いような気分になった。

 昼ごろにみんな帰ってきて一緒に買物に行く。とたんに気分はウキウキしだした。
 子供が「焼そばUFOの塩」を食べたいというので探す。いくら探してもないのでおかしいな、と思っていたら、「シーフード」を指しているということだった。ソースでなくて塩味なので、「塩」というらしい。僕はこのような細かい違いに騙されたと思うほうだ。今度からは「塩味のシーフード」なり正確に説明して欲しい。既に理解したので、まあ、「塩」でも良くなったのだけど…。
 そういえばこの「UFO」だって「ユーフォー」と発音するのは気に食わない。ピンクレディ世代なので、「ユーフォー」という歌は否定しないが(ここのあたりは自己矛盾)、はっきりUFOと表記しているものを「ユーフォー」と言ってはいけないと思う。JCはジェイシーだし、IMFはアイエムエフだ。WHOだって英語読みだって可能だが、ちゃんとダブリューエッチオーである。簡単に例外を作ってはいけないじゃないか。
 よしんばどうしてもまどろっこしいというならば、せめてごちゃ混ぜ読みはやめて欲しい。ローマ字読みなら「ウフォ」じゃないか。まあ、それもかなり間抜けだが…。
 実は昔村上春樹のエッセイを読んでいて、彼がおかしいと指摘していたので、僕もそれに習っておかしいと思うようになってしまった。彼は罪な作家だと思う。
ついでに今回買物に来たここのスーパーは「アボガド」と表記するのである。見るたびに書き直したくなって仕方がない。イチゴはイヂゴではないし、ミカンはミガンじゃない。東北の人なら仕方がないが、表記なのだから発音と関係がない。
 この店だけではないが、どうして間違った方が堂々と普及してしまうのであろう。僕自身は「アボカド」普及委員会を設立して啓蒙してまわりたいと(あんまり本気じゃないが)思っているぐらいだ。控えめな性格なので店に抗議の電話を入れる勇気はないけれど、誰か早く気づいてくれ、と心の中で願っているのである。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする