ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
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皇位継承6~女系天皇の意味を知らずに賛成の人が多い

2021-10-19 08:52:13 | 皇室
●女系天皇の意味を知らずに賛成の人が多い

 平成18年(2006年)9月の悠仁親王殿下のお誕生前、わが国は皇位継承に関して深刻な問題に直面していた。当時、皇太子殿下だった今上天皇陛下には女子しかなく、また皇太子妃殿下(現皇后陛下)には年齢的に男子が誕生される可能性がほとんど残されていなかった。また秋篠宮文仁親王殿下にも女子しかなかった。
 平成16年(2004年)12月、小泉純一郎首相の私的諮問機関として、「皇室典範に関する有識者会議」が設立され、皇室典範改正の答申がされた。内容は、女性天皇を容認する、第一子(長子)優先とする、女性宮家を設立するというものだった。その内容は重大な問題を孕んでいたが、18年(2006年)1月に始まる通常国会で、皇室典範の改正が行われようとしていた。具体的には、愛子様を天皇にという動きだった。この動きは、2月に秋篠宮妃殿下のご懐妊が発表され、9月に悠仁親王殿下がお誕生されたことによって止まった。
 小泉政権時代の国民の多くは、女性天皇と女系天皇の違いを知らずに、愛子天皇を待望していた。現在もなおその違いをよく理解せずに女性天皇・女系天皇に賛成したり、容認したりしている国民が多いようである。
 平成31年(2019年)4月30日、天皇陛下(現上皇陛下)が譲位され、翌5月1日皇太子殿下が新天皇に即位されて、令和の御代に移った。
 その年、5月中旬から7月初めにかけて、5月、文春オンラインは皇位継承に関するアンケートを行った。インターネットを使った調査で、回答総数は1,156票だった。
 設問は次のようなものである。

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 新天皇の即位に伴い、皇位継承資格者は3人となりました。現行の皇室典範は父方の系統を辿る「男系男子」による継承を定めていますが、このままでは皇族減少の問題を解決できないと言われています。政府も今年、具体的検討に入るとしていますが、貴方はどんな方策が適切だと考えますか。次の選択肢からひとつを選び、理由をお答え下さい。

A:「女系天皇」を認めるべきだ
B:「女性天皇」を認めるべきだ
C:「女性宮家」を認めるべきだ
D:「旧宮家の皇籍復帰」を認めるべきだ
E:その他                              」
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 これらの5つの選択肢から一つを選ばせる設問である。
 結果は、Aの「『女系天皇』を認めるべき」が23.4%、Bの「『女性天皇』を認めるべき」が38.5%。これらを足すと、6割以上が男系男子以外の継承を容認すると回答した。
 また「『女性宮家』を認めるべき」を選択したのは4.5%。男系男子による継承を支持する「『旧宮家の皇籍復帰』を認めるべき」は21.1%だった。
 同年9月、NHKは皇位継承に関する世論調査を行った。同月28日から2日間、全国の18歳以上の男女に対し、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかけるRDDという方法で行い、2,790人のうち、55%にあたる1,539人から回答を得たものとのことである。主な質問と回答の概要を示す。番号は、ほそかわが編集上振ったものである。

質問1 安定的な皇位継承のため皇室制度を改める必要はあるか?
 ある54%、ない31%、わからない・無回答15%
質問2 女性が天皇になるのを認めることに賛成か?
 賛成74%、反対12%、わからない・無回答14%
質問3 「女系」天皇の意味を知っているか?
 知らない52%(あまり知らない37%、全く知らない15%)、知っている41%(よく知っている6%、ある程度知っている35%)、わからない・無回答6%
質問4 「女系」天皇を認めることに賛成か?
 賛成71%、反対13%、わからない・無回答16%

 女性天皇に賛成が74%で、反対の12%を大きく上回っている。また、女系天皇に賛成が71%で、反対の13%をこれも大きく上回っている。女系天皇については、意味を知らないという回答が52%ゆえ、意味を知らずに賛成している人が相当数いるようである。
 これら文春オンラインとNHKの世論調査は、令和元年(2019年)に行われたもので、今(2021年)から2年ほど前のものである。この間、秋篠宮眞子内親王殿下と小室圭氏のご結婚問題が国民の注目を集めることになった。私はこのご結婚問題について、令和2年(2020年)11月から12月にかけて、次の拙稿を書いた。

拙稿「秋篠宮眞子内親王殿下の破滅的なご結婚に反対する」
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion05d.htm
拙稿「眞子様のご結婚強行は皇室への信頼を損なう」
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion05e.htm

 小室圭氏の母親・佳代氏の元婚約者との間の金銭トラブル、圭氏の父親・祖父・祖母三人の連続自殺、三人を死に追いやった佳代氏の言動、圭氏の学費・生活費等での借金、同級生の人生を狂わせたイジメ疑惑等が国民に広く知られることになり、ご結婚に疑問を持ったり、反対したりする人が増えて来た。
 特に大きな節目になったのは、本年(令和3年)4月8日に小室圭氏が自身の母親と元婚約者との間の金銭トラブルに関し、その経緯を説明する28ページに及ぶ文書を公表したことである。文春オンラインは、5月6日アンケートの結果を発表した。総回答数は1,370だった。小室文書の内容に対し、「納得した」と回答した人はわずか6.7%で、8割以上が「納得できない」を選択した。また、ご結婚については、72%が「反対」を選択し、「賛成」は11.2%だった。同社が行ったアンケートでは、反対が過去最高、賛成が過去最少だった。
 私は、眞子様と小室圭氏のご結婚に反対する国民が増えるとともに、眞子様のご結婚を想定した女性宮家の創設や女系天皇の容認には危険性があること気づいた人が増えているだろうと想像する。だが、それでもなお相当厳しい状況にあると思う。

 次回に続く。

************* 著書のご案内 ****************

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