ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

憲法改正~公金等の用途制限

2005-12-31 09:46:05 | 憲法
 財政の予備費については、昭和憲法の規定のままでよいと思う。

――――――――――――――――――――――――――――――
●ほそかわ案

(予備費)
第百二十五条 予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。
2 すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を経なければならない。
――――――――――――――――――――――――――――――

 次に皇室財産については、昭和憲法の定めでよいと思う。ただし、第八十八条の「予算」は「予算案」と修正する。

――――――――――――――――――――――――――――――
●ほそかわ案

(皇室財産)
第百二十六条 すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算案に計上して、国会の議決を経なければならない。
――――――――――――――――――――――――――――――

 公の財産の用途制限については、検討すべき点がある。昭和憲法は、第八十九条に次のように定めていた。

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●昭和憲法

第八十九条 公金その他の公の財産は、宗教上の組織もしくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。
――――――――――――――――――――――――――――――

 これは、第二十条の信教の自由に関する条項と合わせて、「政教分離」を規定した条項と言われる。同条3項の「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」と、第八十九条は、「政府(State)と宗教団体(Church)の分離」を示すものであって、国民国家(Nation)と宗教(Religion)の分離を定めたものではない。厳格分離説ではなく、限定分離説で解釈すべき条項であった。
 この観点に立ち、私案では第三十二条にて次のように提案している。

――――――――――――――――――――――――――――――
●ほそかわ案

(信教の自由)
第三十二条 信教の自由は、公共の利益に反しない限り、これを保障する。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式または行事に参加することを強制されない。
3 政府及び公共団体は、特定の宗教または宗派を布教、宣伝、援助または促進するような宗教的活動をしてはならない。ただし、冠婚葬祭、慰霊、建築及びこれに類する社会的儀礼の範囲内にある場合を除く。
4 政府及び公共団体は、特定の宗教または宗派を弾圧してはならない。
5 政府及び公共団体は、特定の宗教または宗派の布教、宣伝、援助または促進になるような教育をしてはならない。ただし、宗教・宗派の違いを超えた宗教的情操を養う教育を妨げるものではない。
6 いかなる宗教団体も、政府から特権を受け、または政治上の権力を行使して、その特定の宗教または宗派の信仰を、国民に強制してはならない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 私は、このような案であるので、公の財産の用途制限については、これと整合するように定めたいと思う。
 次に、昭和憲法第八十九条は、宗教上の組織・団体についての規定と、慈善・教育・博愛の事業についての規定が、一緒に書かれているので、これらを分けて整理した方がよいと思う。また、「公の支配」に属する、属しないという表現は、不適当である。英文では「not under the control of public authority」となっている。「支配」は、「control」の誤訳である。これは、「監督」という用語を使うべきだろう。
 以下に、私案を示す。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●ほそかわ案

(公の財産の用途制限)
第百二十七条 公金その他の公の財産は、社会的儀礼の範囲内にある場合を除き、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のために支出し、またはその利用に供してはならない。
2 公金その他の公の財産は、国若しくは公共団体の監督が及ばない慈善、教育若しくは博愛の事業に対して支出し、またはその利用に供してはならない。
――――――――――――――――――――――――――――――
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皇位継承問題~竹田氏は語る

2005-12-29 10:25:33 | 皇室
 明年1月に始まる通常国会で、皇室典範の改正が行われようとしている。 

 日本の皇室について「万世一系」ということがいわれる。「万世一系」とは、皇位が男系で継承されてきたことを意味する。一度も途切れることなく男系継承を続けてきたから、「一系」と言えるのである。このような王朝は、世界のどこにもない。

 もしここで皇位の男系継承をやめたならば、わが国の2千年にわたる伝統は、そこで断ち切れる。女性天皇から皇位が女系で継承されたとき、万世一系の皇室は、別の家系に移る。つまり夫君の家の系統に移行する。
 これまで皇室には、姓というものがなかった。皇族は姓を持っておられない。最も元の家柄には、他の家と区別するための標識が必要なかったからだろう。歴史上、蘇我天皇、藤原天皇、平天皇、足利天皇等は避けられてきた。しかし、この現代において、もし女系継承の天皇が生まれたら、その天皇は佐藤天皇、鈴木天皇、田中天皇になってしまう。また、それをきっかけに皇室自体が衰退または廃絶にいたる恐れがある。
 民族の中心を失った日本人は、一層、日本精神を失ってしまうだろう。民族の団結力が弱まれば、他民族の文化や移民がどっと流入してくるだろう。堤防が決壊すれば、どっと水が流れ込むのと同じ道理である。

 わが国は、皇統の危機と民族の衰亡という、歴史上かつてない国難に直面しているのである。まずその事態を理解するために、皇位継承の歴史を学び、日本の伝統について真剣に考える必要がある。
 昨今、この問題について、保守・良識的な立場から八木秀次氏、中川八洋氏、笠原英彦氏らが書を著し、また「正論」「諸君」「WILL」「VOICE」「文芸春秋」などの良質の雑誌が多くの論文や対談を載せている。

 こうしたなか、旧皇族の末裔である竹田恒泰(つねやす)氏が『語られなかった皇族たちの物語~若き末裔が初めて明かす「皇室が2000年続いた理由」』(小学館)を発刊した。
 いよいよ国会で皇室典範の改正に手が掛けられようとしている今、旧皇族筋の人が世に問うた本である。
 いまや本書を読まずして、皇位継承問題を語ることはできないと言っても過言ではないほど、重要な一石を本書は投じている。
 わが国に過去3回あった皇統断絶の危機をどのように乗り切ってきたか、昭和戦前期から敗戦直後に皇族はどのような行動・活躍をしたか。本書ほど、詳しく具体的に書いている本を、私は読んだことがない。一個の歴史書と見ても、一級の本だと思う。
 そして、危機にある日本において、日本人としての覚悟をこれほどの真剣さと責任感をもって世に訴えているものは、他にほとんどない。それは、元皇族の末裔だからこそである。日本の伝統の重みを最も強く感じる立場にあるからだろう。

 
■月刊「正論」(産経新聞社)の2月号に、竹田氏のインタビューが載りました。
 氏の主張の要点が、わかりやすく語られています。抜粋によって、ご紹介します。

インタビュー「旧皇族の直孫が女系天皇問題を語る」

(途中から)

●二千年の伝統を守りたいのです●

――平成18年、いよいよ皇室典範改正の国会審議が始まります。小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」報告をどうご覧になりましたか。

 竹田 女性天皇は歴史的にも先例があり、今の状況から考えても許されると思いますが、女系天皇に関しては二千年以上一度も先例がないわけです。もし女系天皇を認めるというのであれば、それなりの衆議を尽くした上でならともかく、わずか三十時間の短い時間で、この二千年の伝統を打ち破ってしまうのは果たしていいものだろうかという危機感というか、警戒感を抱いています。
女性天皇を立てたら、断絶の危機が乗り越えられるかというと、そうではありません。
 いままで八方十代の女性天皇がありましたが、断絶の危機にあって女性が天皇になった例は一度もないんです。むしろ後継候補が多くて、争いを回避するために女性が天皇になりました。もしくは皇子が幼かったり、誕生間近だったりして、あくまでも中継ぎを大前提とした上で女性天皇が立っているわけです。
 あくまでも男系継承を守るための女性天皇であれば歴史的にも先例のあることですが、その先の女系天皇となりますと、これは二千年の歴史に先例が一つもないのです。
 皇族方のご意思がいかがなものか、よく話題になりますが、必ずしも一致していないのではないでしょうか。私が思いますのは、百二十五代にわたって二千年間ずっと積み上げてきた慣習があるわけで、それを最重視すべきではないかなということを感じています。

――万世一系、つまり男系で二千年間天皇を戴いてきた意義というものを広く国民に伝えるには。

 竹田 それはもう明解です。二千年間続いた伝統である、それだけです。いろいろな理由はありますが、もはや、二千年続いてきたということなんです。(中略)
さまざまな理由は本の中に書きました。しかしもはや理由よりも、二千年続いたという厳然たる事実です。(中略)
 日本の皇室には二千年間に一例も女系天皇が即位した例はないということなのです。百二十五代、父方の血筋で結ばれてきた天皇が連綿と続いてきたのです。
 やはり私たちは歴史を大切にしなくてはいけません。日本が世界に誇れるものは歴史であり、文化です。経済力でも軍事力でもなく文化なんですよね。先人たちが本気で守って来たものを守らなければいけません。
 現状に臨機応変に対応しながらもやはり歴史には敬意を表し、大切にする姿勢を持たなければ、次の世代が歴史なんかどうでもいいという政治を常に行うようになる可能性もあるわけです。一事が万事で、これはもう皇室だけの問題ではありません。歴史を軽んじるようなことになるのを恐れています。

――こうしたお話しをご自身がきちっと認識したのはいつ、どんなきっかけですか。

 竹田 (前略)私は政治家でもないですし、政策を考える立場ではないので、具体的にどうすべきであるということは申し上げられません。けれども、本当に国民の認識が十分でないうちに皇室典範が変わって二千年の歴史を崩してしまってもいいものなのか。「もう一度立ち止まって先人たちが苦労して繋いできた歴史、先例を総点検しよう。それからでも遅くないのではないでしょうか」と伝えたいんです。
 具体的な方法については、これは私が論ずべきではありません。ただ寛仁親王殿下がエッセーでおっしゃっています。エッセーを拝見したとき、私も皇統史を研究してきた立場から全く違和感のない、歴史を踏まえた明哲なご意見だなというふうに感服しました。いくつかあるなかで最善の方法は、政治の専門家に議論していただければと思っています。
 そのとき、先例があります。先人たちが衆議を尽くして、あまりに鮮やかに最善の方策を採ってきたと感じますので、そこに答えがあると思います。(後略)

●皇室と日本の末長い弥栄を願って●

――(前略)皇籍復帰することが安定に繋がるという議論があります。そうしますと、自由な世界を知った上での復帰となりますが、抵抗などありませんか。

 竹田 そうしたことについては、私から申し上げることではないと考えています。(中略)
確かに、自由を知ってから全く違う世界へ行くのは大変な決意と覚悟が必要です。けれども、皇統断絶の危機で傍系から即位するというのは六百年、七百年に一度の大事業です。その事の大きさは、個人の喜びとか希望とか夢とか、そんなものは比較にならないほど重大なお役割です。
 だからもう、個人の自由が制限されて良いのかどうかと考えている、その時点でいけないと思います。そこまでいきますと、個人をもう超越しています。どんな不自由があって、逆にどんな喜びがあるかと考えること自体がおかしいことだと思います。このように考えたらとても皇族になることはできません。(後略)

――今日に至るまでご家族さまは何とおっしゃっていましたか。

 竹田 祖父が亡くなったとき私は高校生でしたが、存命なら私と同じことを言うと思います。旧皇族は何も言わない。だから出版目的は、読者に「本当にいいの、もう一度考えよう」。そして旧皇族に対して「知らんぷりでいいのか」というメッセージなんです。(後略)

(抜粋による引用終わり)
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憲法改正~予算不成立の処理

2005-12-28 17:27:59 | 憲法
 予算の条項の続きを書く。予算案が年度内に成立しなかった場合について定めておく必要があると思う。自民党案は、以下のように提示している。

――――――――――――――――――――――――――――――
●自民党案

(予算)
第八十六条 (略)
2 当該会計年度開始前に前項の議決がなかったときは、内閣は、法律の定めるところにより、同項の議決を経るまでの間、必要な支出をすることができる。
3 前項の規定による支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。 
――――――――――――――――――――――――――――――

 基本的にこれでよいと思う。これに非常事態における内閣の責任支出を定めておきたい。

――――――――――――――――――――――――――――――
●ほそかわ案

(予算不成立の場合の処理)
第百二十三条 当該会計年度開始前に前項の議決がなかったときは、内閣は、法律の定めるところにより、同項の議決を経るまでの間、必要な支出をすることができる。
2 前項の規定による支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。 
3 第十九条に定める非常事態宣言が発せられたとき、国会召集の不能または余裕のない場合は、内閣の責任支出を認め、事後に国会の承認を求めるものとする。
――――――――――――――――――――――――――――――

 次に、継続費については、新設が提案されている。

――――――――――――――――――――――――――――――
●自民党案

(継続費)
第八十六条の二 数年度にわたる事業であって、特に必要があるものについては、法律の定めるところにより、あらかじめ国会の議決を経て、数年度にわたる支出をすることができる。

●愛知案

第百八条【継続費】
内閣は、特別に複数年にわたって継続して国費を支出する必要のあるときは、継続費として国会の議決を得なければならない。

●JC案

(予算案、継続費)
第八十八条 (略)
② 特別に継続支出の必要があるときは、年限を定め、継続費として国会の議決を得なければならない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 私は、ここでも主語を明確にする必要があると思う。先ほどの条項と共に、私案を示す。

――――――――――――――――――――――――――――――
●ほそかわ案

(継続費)
第百二十四条 内閣は、特別に複数年にわたって継続して国費を支出する必要のあるときは、年限を定め、継続費として国会の議決を経なければならない。
――――――――――――――――――――――――――――――
コメント

憲法改正~財政の透明性

2005-12-27 09:57:06 | 憲法
租税法律主義について、昭和憲法は、以下のように定めていた。

――――――――――――――――――――――――――――――
●昭和憲法

第八十四条 あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。
――――――――――――――――――――――――――――――

 法令というものは、誰が誰に何をどうするということを具体的に定め、権利義務関係を明確にしなければならないものだろう。ところが、上記の条文には主語がない。また、「法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」という表現は、日本語として練れていない。そこで、次のようにしたいと思う。

――――――――――――――――――――――――――――――
●ほそかわ案

(租税法律主義)
第百二十条 国の行政府及び立法府は、租税を新たに課し、または現行の租税を変更する際は、法律、または法律の定める条件によらなければならない。
――――――――――――――――――――――――――――――

 国費の支出及び国の債務負担について、昭和憲法は以下のように定めていた。

――――――――――――――――――――――――――――――
●昭和憲法

第八十五条 国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 これも主語がない文章であるので、改めたい。

――――――――――――――――――――――――――――――
●ほそかわ案

(国費の支出及び国の債務負担)
第百二十一条 内閣は、国費を支出し、又は債務を負担する際には、国会の議決に基づくことを必要とする。
――――――――――――――――――――――――――――――

 次は予算についてである。ここは重要な条項である。昭和憲法は以下のように定めるのみであった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●昭和憲法

第八十六条 内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 私は、ここで財政の透明性を実現するための具体的な規定として、以下のように盛り込みたいと思う。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ほそかわ案

(予算、公会計)
第百二十二条 内閣は、毎会計年度の予算案を作成し、国会に提出して、その審議を受け、議決を経なければならない。
2 内閣は予算作成に際し、前年度決算を前提にその審議を経なければならない。
3 公会計は複式簿記とする。一般会計と特別会計は連結する。
4 内閣は、国会において議員が提出した法律案が可決されたときは、その法律の執行に必要な費用を補正予算案、または次の会計年度の予算案に計上しなければならない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 第2項は、予算・決算の本来あるべき関係を明記するものである。
 第3項については、国民が財政の実態を把握するには、複式簿記の導入が必要である。日本の公会計は江戸時代の大福帳のような単式簿記のままである。そのため、日本全体でいくらの資産と負債があるか全く分からない。それを放置したまま、郵政民営化だ、年金だ、増税だ、小さい政府だと言っているのは、おかしい。
 複式簿記に変更して、ストックとフローの増減を連動させ、一般会計と特別会計・特殊法人会計・認可法人会計を連結させる。それが第3項である。こうしなければ、財政の透明性が得られない。
 私は、憲法の条文から財政の透明性を打ち出さないと、国富に寄生して私利私欲をほしいままにする悪質な政治家や官僚の行動を止めることができないと思う。
 第4項は、愛知和男氏の提案に基づく。ほぼそのまま採用した。前条において主語をはっきりさせるための修正を行ったが、全体に財政の章では、内閣と国会、行政府と立法府の関係を明示すべきと思う。

 次に、予算案が年度内に成立しなかった場合について定めておく必要があると思う。自民党案は、以下のように提示している。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●自民党案

(予算)
第八十六条 (略)
2 当該会計年度開始前に前項の議決がなかったときは、内閣は、法律の定めるところにより、同項の議決を経るまでの間、必要な支出をすることができる。
3 前項の規定による支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 基本的にこれでよいと思う。これに非常事態における内閣の責任支出を定めておきたい。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ほそかわ案

(予算不成立の場合の処理)
第百二十三条 当該会計年度開始前に前項の議決がなかったときは、内閣は、法律の定めるところにより、同項の議決を経るまでの間、必要な支出をすることができる。
2 前項の規定による支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。 
3 第十九条に定める非常事態宣言が発せられたとき、国会召集の不能または余裕のない場合は、内閣の責任支出を認め、事後に国会の承認を求めるものとする。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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憲法改正~財政の基本原則

2005-12-26 06:43:22 | 憲法
 第8章財政に入る。まずこの章の主な課題を述べたい

1.最大の課題は、財政の透明性の実現である。
 財政条項を強化するため、財政の透明性を実現することを憲法に規定する。
 具体的には、内閣は毎会計年度の予算作成に際し、前年度決算を前提にその審議を経なければならないこと、公会計を複式簿記にすること、一般会計と特別会計を連結とすることを明記したい。
2.予算不成立の場合の処置として、内閣の責任支出を認め、事後に国会の承認を得るものとする。
3.複数年度にまたがる継続費についての規定を定める。
4.公金その他公の財産の支出に関しては、社会的儀礼の範囲内は認めるものとする。
5.決算は国会に、提出するだけでなく、承認を得なければならないと明記する。
6.非常事態において、国会召集の不能または余裕のない場合、内閣の責任支出を認め、事後に国会の承認を求めるものとする。

 昭和憲法の財政の基本原則に関する規定は、以下のとおりであった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●昭和憲法

第八十三条 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 この条文の主語は何か。国の財政を処理する権限を持つ主体は何か。行政府であり、内閣だろう。それを明記したい。また、財政の処理を権限として規定する必要はないと思う。他の権限に関して、同じようにしていないからである。
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ほそかわ案

(財政の基本原則)
第百十九条 国の財政は、国会の議決に基いて、内閣がこれを処理する。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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憲法改正~規則制定権・公開

2005-12-25 11:30:14 | 憲法
 昭和憲法は、最高裁判所の規則制定権を定めていた。憲法裁判所を新設する場合、こちらにも共通する条文を定める必要がある。読売案では、以下のようになっている。

――――――――――――――――――――――――――――――
●読売案

第九三条(憲法裁判所及び最高裁判所の規則制定権)
① 憲法裁判所及び最高裁判所は、訴訟に関する手続き、弁護士、裁判所の内部規律および司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。
② 検察官は、前項に規定する規則に従わなければならない。
③ 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。
――――――――――――――――――――――――――――――

 これでよいと思う。
 次に、裁判官の独立と身分保障について、読売案ではここの位置に、一つにまとめて定めている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●読売案

第九四条(裁判官の独立、身分保障)
① すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される。
② すべて裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行うことはできない。
――――――――――――――――――――――――――――――

 この条の第1項・第2項は、これでよいと思う。ここに第3項として、報酬のことを定めたい。条文は後でまとめて示す。
 次は、裁判の公開についてである。読売案では、以下のようになっている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●読売案

第九五条(裁判の公開)
① 裁判の対審および判決は、公開法廷でこれを行う。
② 裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序、善良の風俗又は当事者の私生活の利益を害するおそれがあると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行うことができる。ただし、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第五章で保障する国民の権利が問題となっている事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。
――――――――――――――――――――――――――――――

 読売案は、昭和憲法に定める非公開の理由に、「当事者の私生活の利益」を加えている。私は、国家の安全保障のためという理由を第一に置くべきだと思う。
 以上のところまでの私案を以下に記す。

――――――――――――――――――――――――――――――
●ほそかわ案

(憲法裁判所及び最高裁判所の規則制定権)
第百十六条 憲法裁判所及び最高裁判所は、訴訟に関する手続き、弁護士、裁判所の内部規律および司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。
2 検察官は、前項に規定する規則に従わなければならない。
3 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。

(裁判官の独立、身分保障)
第百十七条 すべて裁判官は、その良心に従い独立してその職権を行い、この憲法及び法律にのみ拘束される。
2 すべて裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行うことはできない。
3 すべて裁判官はひとしく、法律の定めるところにより、国庫から相当額の報酬を受ける。この給与は、前項に定める裁判官の独立と身分保障に基づき、個別の裁判官について減額することができない。

(裁判の公開)
第百十八条 裁判の対審および判決は、公開の法廷でこれを行う。
2 裁判所が、次に掲げる理由により、裁判の公開が適当でないと、裁判官の全員一致で決定した場合は、対審を公開せずに行うことができる。
 一 国家の安全保障を脅かすおそれのあるとき。
 二 公共の秩序を害するおそれのあるとき。
 三 善良の風俗を害するおそれのあるとき。
 四 当事者の私生活上の利益を害するおそれのあるとき。
―――――――――――――――――――――――――――――ー
コメント

憲法改正~下級裁・国民審査

2005-12-24 09:42:51 | 憲法
 下級裁判所については、これまでの規定に従って、私案を示す。

―――――――――――――――――――――――――――――――
●ほそかわ案

(下級裁判所の裁判官)
第百十四条 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を十年とし、再任を妨げない。ただし、法律の定める年齢に達した時には退官する。
――――――――――――――――――――――――――――――

 次に、裁判官の国民審査を、ここで定めたい。憲法裁判所の裁判官及び最高裁判所の裁判官については国民審査が必要と考えることは、既に書いた。
 まず昭和憲法が、最高裁判所の国民審査について定めていた条文を見てみよう。

――――――――――――――――――――――――――――――
●昭和憲法

第七十九条 (略)
2 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
3 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。
4 審査に関する事項は、法律でこれを定める。
(以下略)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 私案では、この条項を憲法裁の裁判官についても同時に定めるものとする。国民審査における罷免を、「投票者の多数」としていたのは、憲法の規定とは思えないほど、雑であった。これは、有効投票の過半数としたい。また、国民が各裁判官について可否を判断できるように、情報提供を義務付ける。以下が私案である。

――――――――――――――――――――――――――――――
●ほそかわ案

(裁判官の国民審査)
第百十五条 憲法裁判所の裁判官及び最高裁判所の裁判官は、国民審査を受ける。
2 これらの裁判官は、任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際、また再任の場合は再任後初めて行われる同選挙の際に、国民審査に付されるものとし、その後も同様とする。
3 前項の場合において、有効投票の過半数が裁判官の罷免を求めるときは、その裁判官は、罷免される。
4 裁判官の国民審査において、当該裁判所は、各裁判官が重要な訴訟事件に行った判決について、国民に情報を提供し、国民の判断に供しなければならない。
5 国民審査に関する事項は、法律でこれを定める。
――――――――――――――――――――――――――――――
コメント

憲法改正~最高裁判所

2005-12-23 08:56:26 | 憲法
 最高裁判所の管轄は、憲法裁判所の管轄以外となる。

――――――――――――――――――――――――――――――
●ほそかわ案

(上告裁判所としての最高裁判所)
第百十二条 最高裁判所は、憲法裁判所の管轄以外の事項につき、裁判を行う終審裁判所とする。
――――――――――――――――――――――――――――――

 次に、最高裁判所の裁判官について、読売案は以下のように定めている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●読売案

第九一条(最高裁判所の裁判官、任期、定年、報酬)
① 最高裁判所は、その長たる裁判官および法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
② 最高裁判所の裁判官は、任期を五年とし、再任されることができる。
③ 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
④ 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。
――――――――――――――――――――――――――――――

 第1項については、私案の憲法裁判所の条文と同様の修正を行いたい。第2項の任期については、昭和憲法では不定であった。読売案では、5年としている。私見としては、憲法裁判所の裁判官との関係で、年限は定めたほうがよいと思う。というのは、最高裁判所の裁判官のうちから、憲法裁判所の裁判官を指名することのできるようにしておいた方がよいと考えるからである。第3項・第4項及び国民審査については、憲法裁判所の条項のところに書いた。ここでは説明を省く。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●ほそかわ案

(最高裁判所の裁判官)
第百十三条 最高裁判所は、その長たる裁判官および法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成する。
2 最高裁判所の長たる裁判官は、内閣が指名する。長たる裁判官以外の裁判官は、参議院の指名に基づいて内閣が任命する。
3 最高裁判所の裁判官は、任期を五年とし、再任を妨げない。ただし、法律の定める年齢に達した時は退官する。
――――――――――――――――――――――――――――――
コメント

憲法改正~憲法裁の裁判官

2005-12-22 10:09:19 | 憲法
 憲法裁判所の裁判官について、読売案は以下のようである。

――――――――――――――――――――――――――――――
●読売案

第八九条 (憲法裁判所の裁判官、任期、報酬)
① 憲法裁判所は、その長たる裁判官及び八人のその他の裁判官で構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、参議院の指名に基づいて内閣が任命する。
② 憲法裁判所の裁判官は、任期を八年とし、再任されない。
③ 憲法裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
④ 憲法裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、減額することができない。
――――――――――――――――――――――――――――――

 私案では、憲法裁判所の長たる裁判官は、内閣が指名し、天皇が任命する。そのことをここでも明記しておきたい。次に、長たる裁判官以外の裁判官を、参議院が指名するというのは、参議院の独自性を発揮するのに、よい発想だと思う。
 第2項の任期を8年と年限を定めるのは、よいことだと思うが、再任はかまわないと私は思う。
 第3項は、独立した項目にするほどのことではない。但し書きとして、2項に含めることができる。

 報酬については、後日、裁判官の独立と身分保障のところに記す。
 憲法裁判官については、兼職の禁止を定めておいた方が良いと思う。
 国民審査について、昭和憲法は、最高裁判所の裁判官について国民審査を設けていた。これが形骸化しており、廃止すべきだという意見がある。しかし、それはやり方がよくないためであって、国民の選挙で選ぶことのできない司法公務員について、国民が審査するという制度は、維持すべきである。
 私は、憲法裁判所と最高裁判所については、裁判官の国民審査を定めるという考えである。国民審査については、国民が判断できるように、各裁判官が重要な訴訟事件について、どのような判決をしているか、国民に情報を提供させるようにするとよいと思う。そのことは、最高裁判所の裁判官の国民審査と合わせて、独立した条項に定めたい。

 以上に基づく私案を以下に示す。

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●ほそかわ案

(憲法裁判所の裁判官)
第百十一条 憲法裁判所は、その長たる裁判官及び八人のその他の裁判官で構成する。
2 憲法裁判所の長たる裁判官は、内閣が指名する。長たる裁判官以外の裁判官は、参議院の指名に基づいて内閣が任命する。
3 憲法裁判所の裁判官は、任期を八年とし、再任を妨げない。ただし、法律の定める年齢に達した時は退官する。
4 憲法裁判所の裁判官は、国会議員、国務大臣、司法裁判所の裁判官、その他の公務員職を兼ねることはできない。
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コメント

憲法改正~憲法裁判所

2005-12-21 14:08:19 | 憲法
 読売案では、憲法裁判所の条文を置いた上で、その後に最高裁判所・下級裁判所及びこれらに共通する条項を置いている。これは、よい整理の仕方だと思う。
 そこで、その整理に沿って憲法裁判所について見ていく。

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●読売案

第八六条(憲法裁判所の違憲立法審査権)
 憲法裁判所は、一切の条約、法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する唯一の裁判所である。
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 私は基本的にこの規定に賛成である。憲法裁判所に対し、最高裁判所は、憲法裁判所の管轄以外を扱うものと規定できる。次に、憲法裁判所の権限について、読売案は以下のように定めている。

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●読売案

第八七条(憲法裁判所の権限)
 憲法裁判所は、次の事項を管轄する。
 一 条約、法律、命令、規則又は処分について、内閣又はそれぞれの在籍議員の三分の一以上の衆議院議員若しくは参議院議員の申し立てがあった場合に、法律の定めるところにより、憲法に適合するかしないかを審判すること。
 二 具体的訴訟事件で、最高裁判所又は下級裁判所が求める事項について、法律の定めるところにより、憲法に適合するかしないかを審判すること。
 三 具体的訴訟事件の当事者が最高裁判所の憲法判断に異議がある場合に、法律の定めるところにより、その異議の申し立てについて、審判すること。
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 二号については、行政裁判所を加えたい。
 次に、憲法裁判所の判決の効力については、以下のとおりである。

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●読売案

第八八条(憲法裁判所の判決の効力)
 憲法裁判所が、条約、法律、命令、規則又は処分について、憲法に適合しないと決定した場合には、その決定は、法律で定める場合を除き、それ以降、あらゆる国及び地方公共団体の機関を拘束する。
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 効力については、発効の期日を定めておいたほうがよいと思う。これは愛知和男氏の案による。
 以上のところまでの私案を示す。

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●ほそかわ案

(憲法裁判所の違憲立法審査権)
第百八条 憲法裁判所は、一切の条約、法律、命令、規則または処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する唯一の裁判所である。

(憲法裁判所の権限)
第百九条 憲法裁判所は、次の事項を管轄する。
 一 条約、法律、命令、規則又は処分について、内閣またはそれぞれの在籍議員の三分の一以上の衆議院議員若しくは参議院議員の申し立てがあった場合に、法律の定めるところにより、憲法に適合するかしないかを審判すること。
 二 具体的訴訟事件で、最高裁判所若しくは下級裁判所または行政裁判所が求める事項について、法律の定めるところにより、憲法に適合するかしないかを審判すること。
 三 具体的訴訟事件の当事者が最高裁判所の憲法判断に異議がある場合に、法律の定めるところにより、その異議の申し立てについて、審判すること。

(憲法裁判所の判決の効力)
第百十条 憲法裁判所が、条約、法律、命令、規則または処分について、憲法に適合しないと決定した場合には、その決定は、法律で定める場合を除き、それ以降、あらゆる国及び地方公共団体の機関を拘束する。
2 憲法裁判所の判決は、法律の定める場合を除き、その判決の公布の翌日から効力を生ずる。
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