ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

たかり次官と、おねだり妻

2007-11-30 12:38:24 | 時事
 守屋前防衛事務次官は、妻の幸子氏も逮捕された。妻まで収賄罪の容疑で立件されるのは異例だが、夫婦で山田洋行の宮崎元専務に、たかりとおねだりをしていた実態が明らかになってきている。そのうえ、妻は「私を重役にすれば、もっと仕事を受けられるようになるわよ」と言っていた。政府高官である夫に便宜供与を教唆し、それによって自分の私欲を満たすという構図が見えてくる。
 官僚自身の汚職事件は多いが、政府高官で、妻のほうが主導的に贈賄を求めるというのは、あまりに程度がひどい。恥というものを知らない。公務員の場合、家族も公私混同を避けなければならない。家族もまた国民の税金で養われているのである。夫は妻を抑え、妻は夫を諌める。そういう姿勢が求められる。官僚教育は、家庭教育にまで踏み込まなければならない。東アジアの政治道徳であった儒教は、そういう思想だった。

 現代社会は、法に触れさえしなければ、何をやっても良い。法を犯しても、ばれなければ良い。罪を問われても、ウソをついて自分に都合よく主張すればよい、という風潮が蔓延している。しかし、因果応報というように、善因善果、悪因悪果、その行いに応じて必ず結果が自分にかえってくる。これは仏教の教えのようであるが、社会の法則であり、道徳の基本となるものである。
 私は戦後日本が宗教教育、道徳教育を学校から排除してきた結果が、守屋武昌・幸子夫婦のような強欲醜悪な人間を生み出しているように思う。そして、この夫婦の背後には、さらに強欲醜悪な人間たちがつらなっていることだろう。司直がその背後にまで、法の手を伸ばせるかどうか。そこまで踏み込まないと、全容は解明されないだろう。

関連掲示
・拙稿「官僚の腐敗が国防を揺るがす」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/2653b37a58dc960da1dca9e1cab0a153


 以下は報道のクリップ。

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●産経新聞 平成19年11月28日号

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071128/crm0711281614031-n1.htm
異例「妻も収賄」 高級クラブ、ブランド品…常軌逸した「おねだり妻」
2007.11.28 16:14

 高級クラブでつけ回し、ブランド品のプレゼント…。前防衛事務次官、守屋武昌容疑者(63)の妻、幸子容疑者(56)が「身分なき共犯」として、夫とともに収賄容疑で逮捕された。妻が収賄罪の共犯として立件されるのは異例だが、山田洋行元専務、宮崎元伸容疑者(69)への“おねだり”は常軌を逸していた。「防衛省の天皇」と呼ばれた夫を尻に敷きながら、求め続けた接待漬け。「逆・夫唱婦随」のたかりぶりは刑事責任を問われることになった。
 幸子容疑者はノンキャリア職員として防衛省に入り、守屋容疑者と知り合って結婚した。
 守屋容疑者の中学・高校の先輩は「幸子さんは武昌と正反対に運動神経がよくて、とても明るい。武昌は幸子さんに引っ張られたんじゃないか。普通は妻が夫の行動をいさめるもんだけど、いっしょにやってたらスキャンダルになるよな」と話した。
 12年前からゴルフを始め、11年前から宮崎容疑者から過剰なゴルフ接待を受けていた守屋容疑者。もともとは幸子容疑者がゴルフ好きで、その腕前はハンデキャップでシングルクラスだったという。
 守屋容疑者をゴルフに誘ったのも幸子容疑者。上達の遅い守屋容疑者がいらだつと、「坊や、カッカしないの!」と子供扱いする場面も。守屋容疑者が官房長に就任し、偽名でゴルフをするようになると、幸子容疑者は旧姓と明るい子という意味を合わせた「松本明子」と名乗っていた。
守屋容疑者が公務で多忙なときは幸子容疑者だけが宮崎容疑者とゴルフをすることも多く、「宮崎容疑者は幸子容疑者のお守り役だった。幸子容疑者をまるで守屋容疑者本人のように接待していた」(山田洋行関係者)。
 幸子容疑者への接待はゴルフにとどまらない。すし、中華、フレンチ、イタリアン…。幸子容疑者が「きょうはふぐを食べに行きましょう」と宮崎容疑者に率先してたかることもあった。また、高級クラブに友人7、8人を連れてカラオケに興じ、請求書を山田洋行に送るようクラブオーナーに指示。公然とつけ回しをしていた。
 さらに、贈り物のおねだりも。たとえば、宮崎容疑者がフランス出張する際は、フランス製の化粧品やアクセサリーの名前を挙げ、「ほしいのよねえ」と冗談交じりに語りかけ、実際にプレゼントしてもらったという。
 防衛省内には課長級以上の夫人が集まる親睦団体「美鳩会」があるが、幸子容疑者は守屋容疑者の出世に合わせ発言力が増し、守屋容疑者が次官時代は「女帝」として権勢をふるっていた。
 山田洋行関係者は「幸子容疑者は夫に輪をかけて宮崎容疑者にたかっていた。守屋容疑者は恐妻家だったので、何も言えなかったのだろう」と指摘している。

●毎日新聞 平成19年11月29日号

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20071129k0000m040140000c.html
防衛汚職:守屋幸子容疑者「宮ちゃん、私を重役にすれば」
 収賄の共謀容疑で28日に逮捕された前防衛事務次官、守屋武昌容疑者(63)の妻幸子容疑者(56)が、贈賄側の防衛専門商社「山田洋行」元専務、宮崎元伸容疑者(69)に「私を重役にすればもっと仕事を受注できる」と持ち掛けていたことが、関係者の話で分かった。度重なる接待で、宮崎元専務を「宮ちゃん」と呼ぶほど懇意になっていたという。東京地検特捜部もこの事実を把握しており、幸子容疑者がわいろ性を持った接待の趣旨を十分に理解していたとみて、追及する方針。
 関係者によると、幸子容疑者は守屋前次官よりもゴルフに熱心で、スコアもシングル級といい、宮崎元専務によるゴルフ接待の大半に同行していた。前次官不在でも、ゴルフ接待を受けることさえあった。このため、元専務とは極めて懇意に。ゴルフや飲食接待の席などで「宮ちゃんも、私を山田洋行の重役にすれば、希望通りに防衛庁(当時)の仕事を受けられるようになるわよ」などと言っていたという。
 次女(26)が米ニューヨーク州の語学学校に留学する際、米国滞在中の元専務に世話を頼んだのも幸子容疑者だった。「娘を留学に出すので宮ちゃん、何とか面倒見てくれない?」。転居や入学手続き、さらに「激励会」までしてもらった。元専務はステーキハウスで、1人数十ドルの代金を支払ったとされる。
 幸子容疑者は元防衛庁職員。防衛幹部職員の妻らで作る婦人会の親しいメンバーと東京・赤坂の高級クラブやレストランでカラオケや飲食を楽しみ「山田(洋行)につけておいて」と店員に伝え、宮崎元専務に飲食代を肩代わりさせていた。「奥さんが夫に接待を受けないよう止めなければいけないのに、逆に後押ししていた」。クラブのママは周辺にこう話した。
 収賄罪は公務員に適用される「身分犯」だが、特捜部は、夫の職務を熟知する幸子容疑者が「装備品受注で便宜を受けたい」という宮崎元専務の意図を十分に知りながら、ゴルフ接待などさまざまな利益提供を積極的に受けていたと判断。守屋前次官と共謀した「身分なき共犯」に問えるとして、異例の逮捕に踏み切った。
 特捜部は、宮崎元専務による幸子容疑者への接待は、実質的には守屋前次官に対する利益提供だったとみており、ゴルフ旅行接待で元専務が負担した幸子容疑者分の費用もわいろに算入した。
 96年に収賄容疑で逮捕された岡光序治元厚生事務次官=実刑確定=の事件でも、妻が贈賄業者にマンション改修費を出させ、大理石風呂やシステムキッチンも設置した。このケースでは「おねだり妻」などと問題視されたが、刑事責任は問われなかった。特捜部は、幸子容疑者については、夫とともに長年にわたって継続的に利益提供を受けており、より悪質と判断したとみられる。
(毎日新聞 2007年11月29日 2時30分)
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ブッシュがゴアと会談

2007-11-28 07:23:28 | 地球環境
 ブッシュ大統領が、地球温暖化問題の取り組みでノーベル平和賞を受賞したゴアと会談した。
 平成12年(2000)の選挙でゴアがブッシュに敗れたことにより、アメリカの温暖化問題への取り組みは大きく後退した。その一方、ブッシュは9・11以後、アフガン=イラク戦争をはじめ、世界情勢を難しいものにした。野に下ったゴアは、ブッシュ政権の環境軽視の政策を厳しく批判し、政権交代を訴えてきた。
 今年に入り、ブッシュは地球温暖化に配慮する政策に転換し、来年の洞爺湖サミットでは、京都議定書以後の枠組み作りをわが国とともに進める意志を表している。
 こうした中で、ブッシュ大統領がゴアをホワイトハウスに招き、意見交換したことは、注目される。会談の内容は公表されていないため、何が話し合われたか、現時点ではわからない。

 アメリカのみならず、ヨーロッパ等でも、ゴアが大統領選挙に出馬することを期待する声は少なくない。ゴア自身は、政界への復帰の意思はないようだが、地球温暖化をストップするために最大の役割を果たしうるのは、アメリカ大統領であることを、彼ほどよく知っている人間はいないだろう。政治家の年齢としてはまだまだ若いゴアが、再び大統領への道に足を向ける日が来るかもしれない。いずれにしても、来年のアメリカ大統領選挙で、地球環境問題が焦点のひとつになるだろうから、ゴアの言動は関心を呼ぶ。

 次期アメリカ大統領の地位に最も近い位置にいるのは、ヒラリー・クリントンという見方が強かった。しかし、オバマが急速に追い上げている。最近の米ゾグビー社の世論調査は、ヒラリーは共和党候補に完敗という予想を出した。オバマやエドワーズなら共和党候補に勝てるが、ヒラリーだと負けるという。ヒラリー人気にかげりが出てきたようだ。この調査結果には、当然ゴアは入っていない。
 ゴアの存在を最も意識しているのは、おそらくヒラリーだろう。ヒラリーは、ゴアの出馬は自身に大きな不利となることを理解しているだろう。私はヒラリーがゴアを副大統領候補にするという選択肢もあるだろうと思っているが、これは喜ばしい選択ではない。ヒラリーの親中反日的な考え方と、極度にリベラルな思想が、日本・アジア・世界に大きなマイナスを生むと私は懸念しているからである。日本とともに、世界平和と地球環境の両方に貢献しうる指導者が、アメリカに出現することを期待したい。
 以下は、報道のクリップ。

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http://www.jiji.co.jp/jc/c?g=int_date1&k=2007112700377
●時事通信社 平成19年11月27日発

温暖化対策で意見交換=ノーベル賞のゴア氏招く-米大統領 (時事通信社 - 11月27日 13:10)

 【ワシントン26日時事】ブッシュ米大統領は26日、地球温暖化問題の啓発活動が評価されてノーベル平和賞の受賞が決まったゴア前副大統領をホワイトハウスに招き、温暖化対策をめぐり意見交換した。2000年の大統領選挙で激しく争った両氏がひざを突き合わせて話し合ったのは今回が初めて。
 ゴア氏は副大統領在任中、地球温暖化防止のための京都議定書の策定に尽力したが、同氏を破って誕生したブッシュ政権は同議定書を脱退。ただ、ブッシュ大統領もこのところ温暖化対策に重い腰を上げており、対立関係にあったゴア氏と意見交換の場を設けた。
 ゴア氏は会談後、大統領執務室で行われた約40分間の会談のすべてが温暖化対策の議論だったと記者団に説明。「とても実のある話し合いができた」と語った。ホワイトハウスは「あくまで私的な懇談」として、内容は公表していない。 

●日刊ゲンダイのサイト 平成19年10月15日掲載

http://gendai.net/?m=view&g=wadai&c=050&no=18018
【話題の焦点】
2007年10月15日 掲載
国際世論はヒラリーでなくゴアに期待
この時期にノーベル平和賞受賞の意味

 地球温暖化問題への取り組みが評価されノーベル平和賞の受賞が決定したゴア前副大統領(59)。で、やっぱりというか、来年の大統領選出馬への期待が内外で高まってきた。さっそく米国内ではゴアに出馬を求める「ドラフト・ゴア(ゴアを担ぎ出そう)」という“勝手連”がニューヨーク・タイムズ紙に広告を掲載。動きが広がっている。
 ゴア自身は「出馬する意思も計画もない」と否定するが、「アメリカ国内では“ゴア待望論”が根強いし、また、国外でもヨーロッパを中心とする国際世論がゴア大統領を望んでいる」と言うのは国際ジャーナリストの角間隆氏。
「ノーベル平和賞の選考は政治的な背景が大きい。国連やヨーロッパ諸国は“戦争屋”ブッシュに愛想を尽かしていて、ゴアの受賞にはイラク戦争やアフガン戦争で疲弊しきった国際世論の動向が見て取れます」
 ゴアは2000年の大統領選では得票数ではブッシュを上回るも、アメリカ特有の「選挙人制度」によって惜敗。その後「再選は現職が圧倒的有利」ということで、再挑戦をあきらめて政界を引退。アップルコンピュータの取締役やケーブルテレビの社長、「グーグル」のアドバイザーなどをしながら、ライフワークの地球温暖化問題に没頭。ドキュメンタリー映画「不都合な真実」が世界中で大ヒットした。
「民主党は現段階の世論調査ではヒラリー議員がオバマ議員を大きく引き離して優勢ですが、ヒラリーは有色人種に人気がなく、口で言うことと腹の中身が違うことが見透かされている。今、ゴアがノーベル賞を引っさげて出馬表明すれば一気にヒラリーを逆転し、次期大統領の座に就くことになるでしょう」(角間氏)
 かなりの出遅れになるが、ゴアが出馬するかどうかは民主党内の世論次第。ゴアのノーベル賞受賞を一番脅威に感じているのはヒラリーなのである。

●時事通信社 平成19年11月27日発

http://www.jiji.co.jp/jc/c?g=int_30&k=2007112700703
ヒラリー氏、共和党候補に完敗=大統領選「大本命」の見立て危うく-米調査 (時事通信社 - 11月27日 17:01)

 【ワシントン27日時事】米ゾグビー社が27日までに発表した世論調査結果によると、次期大統領選の民主党有力候補ヒラリー・クリントン上院議員が、ジュリアーニ前ニューヨーク市長ら共和党の主要5候補との「1対1」の仮想対決で完敗した。今夏以降、上げ潮だったクリントン氏の人気に陰りが出てきたことをうかがわせる結果で、「大本命」との見立ては危うくなってきた。
 調査は21~26日、インターネットを通じて約9200人を対象に実施された。
 クリントン氏と共和党各候補との対決別に支持率を見ると、ジュリアーニ氏とロムニー前マサチューセッツ州知事は43%対40%でそれぞれクリントン氏をリード。最近支持率が急伸しているハカビー前アーカンソー州知事は44%対39%と5ポイントの差を付けた。マケイン上院議員とトンプソン元上院議員も4ポイント差でクリントン氏を上回った。
 これに対し、クリントン氏の最大のライバル、民主党のオバマ上院議員は、共和党5氏に5~7ポイント差を付けて完勝。民主党で支持率3位のエドワーズ元上院議員はマケイン氏との対決では42%で同率だったが、その他4氏よりも1~3ポイント高かった。民主党内の争いでは劣勢にある男性2氏のほうが、本選挙で強さを発揮する可能性を秘めていることが示された形だ。
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関連掲示
・拙稿「地球温暖化~『不都合な真実』を知ったら」
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion09d.htm
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官僚の腐敗が国防を揺るがす

2007-11-27 09:00:22 | 時事
 テロ特措法をめぐる論議は、わが国の防衛・外交の根本にかかわる問題である。7月の参議院選挙で自民党が惨敗し、参議院で民主党が第1党になった。その結果、テロ特措法の延長はできない情勢となり、与党は、内容を限定した新法を成立することで、国際社会における責任を果たそうとしている。
 ところが、この時期に防衛省の事務方トップの収賄疑惑が持ち上がった。守屋武昌前防衛事務次官が、山田洋行から接待・供応を受け、防衛装備品の購入に便宜を図った疑いである。背後で歴代の防衛庁長官が関わっていた可能性があり、大規模な汚職事件に発展しそうな雲行きである。
 これにより、わが国の信用・威信をかけたテロ特措法新法の問題は、国内の権力構造の腐敗や、政権の攻守における政党間の駆け引きと絡み合って、ますます混迷の度を深めている。

 わが国は、官僚天国といわれる。官僚が政治家を動かし、国益よりも、官僚の省益や私益が優先されるような逆立ち状態となっている。外務省、社会保険庁等、いくつもの官僚機構が問題になってきたが、今回の防衛事務次官の収賄疑惑は、従来以上に問題が深刻である。その理由は、防衛省という国家安全保障を担う省庁における事件であること。そして、テロ特措法の存立に関わる状況で発覚したこと。与野党の政権交代が現実的な可能性となっている政局で問題化したこと、である。
 官僚は、本来国家公共のために献身する立場である。だからこそ、優秀な人材を集め、その地位を保障するため、高い俸給を支払っている。官僚こそ、国務に尽くす公共心、国民道徳をもっとも身に着けなければならない立場である。
 官僚希望者を教育する大学での教育プログラム、採用試験の内容、省庁での教育カリキュラム等を抜本的に改めなければならないと思う。そのためにも、教育の改革が急務である。安倍政権のときに発足した教育再生会議が教育改革に関する緊急提言を出したが、福田政権に変わると方針があいまいになり、取り組みの勢いが衰えている。提言には盛り込まれてなかったが、私は官僚を育成する教育の改革を是非内容に入れるべきだと考えている。それこそ、文部科学省だけでなく、外務省、財務省等がたばになって抵抗するところだろうが、政治家・有識者は、省益・私益に懲り固まっている官僚の横暴を押さえ込んで、官僚教育の改革を断行しなければならないと思う。
 そういうところまで、突っ込んでやらないと、今回の守屋前防衛事務次官の問題や、社保庁等の問題は改善に向かわないと思う。

 以下は報道のクリップ。

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<守屋前次官>週内にも事情聴取 東京地検特捜部
(毎日新聞 - 11月27日 02:42)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=348551&media_id=2

 守屋武昌前防衛事務次官(63)の収賄疑惑で、東京地検特捜部は、週内にも守屋氏本人から事情聴取する方針を固めた模様だ。防衛専門商社「山田洋行」元役員室長、今治(いまじ)友成容疑者(57)=有印私文書偽造・同行使容疑で逮捕=が、守屋氏に対する今年4月のゴルフ接待について、わいろ性をほのめかす供述を始めたことも、関係者の話で判明した。特捜部は26日、他地検からの応援を得て捜査態勢を拡充し、贈収賄容疑での立件に向け詰めの捜査を進めている。

 関係者によると、守屋氏と妻は4月30日、千葉県内のゴルフ場で、山田洋行元専務の宮崎元伸容疑者(69)=業務上横領容疑などで逮捕=と今治容疑者から接待を受けた。今治容疑者は特捜部の調べに「防衛装備品の受注で、有利な取り計らいを受けたいという意図がなかったわけではない」という趣旨の供述をし、わいろ性を示唆しているという。

 宮崎元専務は昨年、山田洋行を退社して同業の「日本ミライズ」を設立し、今治容疑者もミライズに移った。次期輸送機(CX)エンジン製造元の米ゼネラル・エレクトリック(GE)は今年4月、代理店を7月末に山田洋行からミライズに変更すると防衛省に通知。ゴルフ接待があった当時、ミライズにとっては、CXエンジンを円滑に受注できるかどうかが重大な関心事だった。

 この通知を受け、省内では今春以降、CXエンジン発注の協議が始まったが、守屋氏は当初からミライズとの随意契約を主張するなど、元専務側に有利な発言を繰り返した。製造元と直接契約する案を検討する省内の動きに対し、強く反対したことも判明している。

 特捜部は4月のゴルフ接待に注目し、この前後に、現金授受や具体的な依頼がなかったか調べている。守屋氏についても、防衛装備品の納入で便宜を図った疑いが強いとして事情を聴く必要があると判断したとみられる。
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9・11に関するまとめ

2007-11-26 10:03:45 | 国際関係
 9・11について書いたものをまとめ、私のサイトに掲載しました。二つの連載を一本化するにあたり、加筆修正を行いました。
 読んでみたい方がおられましたら、以下へどうぞ。

「9・11~欺かれた世界と、日本の活路」
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion12g.htm

 左のブックマークからもジャンプできます。

 なお、目次は以下のようになっています。

第1章 9・11は謎が多すぎる
第2章 疑問だらけの同時多発テロ事件
(1)ワールド・トレード・センター崩壊は爆破による解体か
(2)ペンタゴンに激突したのは、757ではありえない
(3)ペンシルバニアの飛行機は撃墜されたのでは
(4)四機に共通する疑問がある
(5)犯人は本当にテロリストなのか
第3章 アメリカ政府中枢の関与を示す事実がある
(1)アメリカ国民の相当数が政府の公式発表を疑っている
(2)政府は調査委員会の調査を妨害した
(3)アメリカ政府中枢は、事件を前もって知っていた
(4)チェイニーはペンタゴンを攻撃させ、ペンシルバニアでは撃墜を命じた
(5)「21世紀の真珠湾」が待望されていた
(6)FBIは捜査官の捜査を妨害した
(7)CIAとISI、そしてオサマとの濃厚な関係
第4章 関与したとすれば、目的は何か
(1)石油・天然ガスの確保
(2)アメリカ=イスラエル連合の安全保障を強化
(3)戦争による特需の創出
(4)ドル基軸通貨体制の維持
(5)麻薬利権の取り戻し
(6)宇宙空間の軍事化による地球支配
第5章 9・11以後、世界は変わった
第6章 文明の衝突における日本文明の役割
第7章 平和と環境を守る国・日本の活路
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海自の皆さん、お疲れ様!

2007-11-24 08:52:25 | 時事
 インド洋での給油支援活動を終えた海上自衛隊の補給艦「ときわ」が帰国した。これで、約6年に及ぶ海自の派遣活動は終了した。激務を全うした自衛隊員の皆さんに感謝の言葉を捧げたい。
 今年3月14日都内のホテルで、麻生太郎氏(当時外相)の講演を聴いた。その時、麻生氏は大意次のように述べた。自衛隊員への賛辞として、再度掲載する。(講演の全体は、3月19日からの日記に掲載)

 「アフガニスタン紛争で、日本の自衛隊が、インド洋で外国の艦船にオイルを補給している。イギリス、フランス、オランダ等の船に給油している。それで日本は非常に感謝されている。
 補給中は、ニ船が並行して走る。その時が一番狙われやすい。アラビア海の波は荒い。日本の給油船は艦船に近づいてきて、パッと補給して、パッと離れる。ガソリンスタンドで、給油口にホースを入れるが、それと同じことを、荒れた海の上でする。日本人はパッと入れて、パッと終わらせる。「ゴッド・ハンド」と言われている。それもゲーム感覚でやっているらしい。
 自衛隊員に聞くと、アラビア海の任務は楽だという。日本の海峡は、潮流が早くて変化が早い。そこをいつも通っているから、アラビア海の航海は楽だというのだ。それに海外赴任手当てがついて貯金もたまると言って、とても明るい。
 サマーワで、日本の自衛隊は、脱走兵、無銭飲食、婦女暴行が一つもない。他国では考えられないことだ。イギリス・アメリカは、日本は下士官ばかりを集めたのだろうと思って調べたが、そうではなかった。任務中に20歳の誕生日を迎えた人が、50人以上もいたのだ。20歳なら下士官ではありえない。はたちのアンちゃんが、日本のブランドを上げている。若い自衛官が、日本のイメージを作っているのだ。」

 以下は報道のクリップ。

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●産経新聞 平成19年11月24日号

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/071124/plc0711240253000-n1.htm
【主張】補給艦帰国 海自の労苦ねぎらいたい
2007.11.24 02:53

 インド洋での給油支援活動から撤収した海上自衛隊の補給艦「ときわ」が帰国した。ともに活動した護衛艦「きりさめ」は22日、佐世保に帰港しており、約6年に及んだ海自の派遣活動は終了した。
 帰国行事で、石破茂防衛相が「正確に完璧(かんぺき)に補給を実施する海自の世界有数の能力は、テロとの戦いに従事する各国から高い信頼を得た」と述べたように、海自の労苦をねぎらいたい。
 海自はこれまで、給油支援に対し、延べ59隻の艦艇と約1万1000人の隊員を派遣し、米、英、パキスタンなど11カ国の艦船に計794回、約48万7000キロリットルの燃料を提供した。
 洋上給油は、補給艦が相手艦と同速力で並走し、ホースを渡して数時間かけて行う。焼け付く太陽の下、甲板上はセ氏70度にのぼる。手元が少しでも狂えば、事故を招きかねなかった。隊員の錬度と忍耐力、そして使命感に改めて感謝と敬意を表明したい。
 問題は、こうした能力を持つ日本が、テロ特別措置法の期限が11月1日に切れたことに伴い、テロと戦う国際共同行動の輪から脱落したことだ。
 防衛省はテロに関する情報を収集するため、これまでバーレーンの多国籍軍司令部などに約20人の連絡官を派遣していたが、海自撤収に伴い、連絡官を一部引き揚げざるを得なかった。この結果、インド洋だけでなく、中東関係の情報を入手できないという深刻な事態に陥っているという。
 原油の9割を中東に依存する日本にとって、シーレーンの確保がおぼつかなくなることは悪夢である。3年前に日本郵船の超大型タンカー「高鈴」がペルシャ湾でテロ攻撃を受け、間一髪で撃沈をまぬがれたことがある。テロを寸前で阻止した多国籍軍は3人が死亡したが、これからは一体、だれが日本船への海上テロを排除してくれるというのだろうか。
 帰国行事で自民党の伊吹文明幹事長は「党派を超えて心ある国会議員が帰国を歓迎するために来た」とあいさつした。自民、公明両党議員に交じり、新テロ対策特措法案に反対している民主党議員の姿もあった。海自の給油支援が国益にかなっているとの判断があったためだろう。国際社会は支援の再開を待っている。内向きな政争で足を引っ張り合うことは愚劣である。
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新テロ特措法案をめぐる論議

2007-11-22 13:10:11 | 時事
 11月1日にテロ特措法が失効して3週間が過ぎた。国会では、与党による新テロ特措法案が13日、衆議院本会議で可決し、参議院に送られた。参議院では、ようやく28日に審議入りする予定となった。与党の新法案は、憲法改正や集団的自衛権の解釈変更の議論を避け、インド洋での海上補給の延長にしぼった内容。民主党の対案は、「海上よりも陸上で」「民生支援」を特徴とするが、果たして党内の意見を集約して、独自の法案として提出できるかどうか定かでない。

 私は、テロ特措法のもとで行ってきた海上補給は、集団的自衛権の行使と見るのが、国際社会の常識だと思っている。アメリカは、アフガン=イラク戦争を自衛権の行使として行い、NATOはイラク戦争で初めて集団的自衛権の行使として参戦している。だから、わが国の海上自衛隊がそうした国々の艦船に補給する活動が、集団的自衛権の行使に当たらないというのは、詭弁である。また、海上自衛隊による補給活動は。集団的自衛権は国際法上保有するが、憲法上行使できないという政府解釈と矛盾すると私は考える。
 憲法第9条や集団的自衛権へと議論を深めずに、新法だ対案だと争っている自公、民主はどちらも、本当に国家根幹の問題に本気で取り組んでいるとは思えない。また、わが国の国会議員は、アフガン=イラク戦争の起点となった9・11について、依然として国会の場において真相解明を行おうとしていない。9・11以後の世界をどうとらえ、わが国は、どうあるべきかという議論を開始すべきである。
 以下は報道のクリップ。

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◆与党による新テロ特措法案の骨子

●読売新聞 平成19年11月12日号より

 新テロ特措法案は11月1日に失効したテロ特措法に代わるもので、〈1〉海自の活動内容を海上阻止活動を行う米英などの艦船への給油・給水活動に限定する〈2〉活動地域はペルシャ湾を含むインド洋とする〈3〉活動期限を1年に短縮する――ことなどを盛り込んでいる。

◆与党の戦術

●読売新聞 平成19年11月12日号より

 与党は、新テロ対策特措法案が参院で否決された場合、ただちに衆院本会議を開き、3分の2以上の賛成多数で法案を再可決し、成立させることを辞さない構えだ。その場合、民主党が参院に首相問責決議案を提出する可能性があり、与野党攻防は激化する見通しだ。

◆民主党の戦術

●読売新聞 平成19年11月12日号より

 民主党の小沢代表ら同党幹部は12日の国会役員会で、新テロ特措法案に先立ち、同党提出のイラク復興支援特別措置法廃止法案を参院で審議する方針を確認した。

◆国会での展開

●産経新聞 平成19年11月13日号より

 インド洋での海上自衛隊の補給活動を再開するための新テロ対策特別措置法案は13日午後の衆院本会議で自民、公明両党の賛成多数で可決し、衆院を通過、参院に送付された。与野党の勢力が逆転している参院では、民主党が自ら提出したイラク復興支援特別措置法廃止法案の審議を優先するよう主張しており、新テロ法案の早期成立を目指す政府・与党にとり審議入りの日程を含め調整の難航は必至だ。
 
●読売新聞 平成19年11月21日号より

 13日の衆院通過から15日ぶりに参院で審議入りする格好だ。
 国会会期末の12月15日までの成立は困難で、政府・与党は衆院で再可決することも想定し、1月中旬まで会期を再延長する公算が大きくなった。(略)
 参院外交防衛委員会での法案審議は29日にも始まる見通しだ。
一方、与野党は21日の同委理事懇談会で、民主党提出のイラク復興支援特別措置法廃止法案について22日に趣旨説明を行い、27日に採決することで合意した。

◆民主党の対案

●産経新聞 平成19年11月19日号より

 政府提出の新テロ対策特別措置法案への対案として注目されている民主党の「国際テロ防止・根絶とアフガニスタン復興支援等に関する特別措置法案」骨子は、自衛隊のアフガン本土派遣を明記、懸案の武器使用基準で前進とも言える内容が見られる。ただ、派遣の条件は厳しく「本当に自衛隊を出す気があるのかわからない」(防衛省筋)との疑問も残る。国会対策上の理由などから、民主党は法案の国会提出には慎重で、独自法案をひっさげて政府・与党に論戦を挑む気はなさそうだ。 (榊原智)

≪武器基準は前進≫
 「海上よりも陸上で」「民生支援」が民主党の対案のキャッチフレーズだ。政府の新テロ対策特措法案が、インド洋での海上自衛隊の補給活動再開を目指すのに対し、民主党はアフガン本土での民生支援を重視する。その一環として、人道復興支援やインフラ整備に陸上自衛隊部隊の派遣も想定している。
 注目されるのは、自衛隊の武器使用基準の改善だ。イラク派遣の陸自にも適用された現行基準は、自衛官の武器使用について、「自己または自己の管理下にある者の生命、身体を守る」ことに限られている。
 民主党の対案は、それに加えて「アフガン復興支援活動の実施への抵抗を抑止するためやむを得ない必要」があれば武器使用を認めた。国連の武器使用基準のひとつである「任務の妨害排除」に沿った内容とされる。
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9・11の真相を求めて15

2007-11-21 08:57:53 | 国際関係
 最終回。

●9・11に重要な立場にいた者たちが、「新しい真珠湾攻撃」を利用?

 宇宙軍に多大な関心を抱いていたのは、ラムズフェルドだけではない。他の主要な提唱者には、ラルフ・E・エバーハート将軍とリチャード・マイヤーズ将軍がいる。エバーハート将軍は、宇宙軍の現在の司令官である。9・11の時は、NOARDの司令官として航空管制を担当していた。リチャード・マイヤーズ将軍は、統合参謀本部の議長である。『2020年のビジョン』の作成責任者をした。9・11の時は議長代理だった。前職は宇宙軍の司令官だった。だった。グリフィンは、「アメリカ宇宙軍の推進運動に最も力を入れているとされているこの三人の男たちは、9・11の“警戒態勢解除”命令――もしそういうものがあったとするならばーーの発信と監視に最も直接的に関与できる立場にあった三人でもあるのだ」と書いている。
 ラムズフェルド=エバーハート=マイヤーズらは、宇宙空間の軍事化による地球支配を構想していた。その構想を実現するには、「新しい真珠湾攻撃」のような事件が必要である。9・11は、そういう状況で偶発的に起こった事件だったのか、それとも政府や軍の中枢が何らかの関与をして起こした事件だったのか。真相は、まだ明らかでない。しかし、9・11をきっかけとして、アメリカは軍事費を増大し、宇宙軍を中心とする戦略の転換、軍の世界的な配置転換(トランスフォーメーション)を断行した。そのトランスフォーメーションを指揮したのが、ラムズフェルド国防長官だったのである。

●在日米軍の配置転換も地球規模の戦略転換の一環

 ブッシュ政権下でアメリカが推進しているトランスフォーメーションとは、世界各地に展開している米軍を本土に戻し、必要なときに機動的に出動するという体制に転換するもの。アメリカが駐日米軍を減らし、グアム基地に移転しているのは、この一環である。アメリカは石油のある中東を重視し、中国の脅威を認識しつつも、具体的な行動を取る余裕が無くなっている。中東・ユーラシアの石油・資源を押さえることに力をできるだけ集中する。そのように陸海空の軍事力の配置を転換する。この時の最重要点が宇宙空間の支配である。宇宙空間の早急な支配を求める理由の一つは、中国の台頭だろう。中国は猛烈な軍拡をし、早晩宇宙空間に進出するだろう。アメリカは、中国がそのレベルに到達する前に、圧倒的な軍事的優位を確立してしまおうということだろう。
 軍事衛星による情報システム、敵国の衛星やミサイルへのレーザー攻撃等を早急に進め、宇宙空間を支配し、陸海空の軍事力を最も有効に使う軍事技術体系を構築する。これには、ものすごく費用がかかる。それは平和時には、議会で民主的に決めようとしても無理である。「新しい真珠湾攻撃」による世論の変化が、その実現を可能にしたのである。(了)


追記

 先に書いた拙稿「9・11~欺かれた世界」と今回の連載「9・11の真相を求めて」を一本化して、サイトに挙げる予定です。
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9・11の真相を求めて14

2007-11-20 06:20:54 | 国際関係
●9・11による軍事費の増額が戦略転換を可能にした

 『2020年のビジョン』が公表した構想は、三つの部門からなる。
 第一部門は、「ミサイル防衛の盾」を構築することである。敵国が発射したミサイルを空中で打ち落とすというものである。わが国が導入しているミサイル防衛システム(MDシステム)がこれである。
 第二部門は、宇宙空間に監視テクノロジーを配置することである。これは、地球上のいかなる場所でもあらゆる相手を正確に同定し、照準を合わせられることを目標としている。この部門は、すでにかなり実現しつつあるらしい。
 第三部門は、宇宙にレーザー砲を含め実際の兵器を配置することである。このプログラムが、通称「スターウォーズ」と呼ばれている。人工衛星にレーザー兵器を配置すれば、アメリカはいかなる国が打ち上げた軍事衛星でも破壊できるだろう。他国が宇宙空間を利用することを一切認めないという意思の表れである。アメリカの宇宙軍は、それによって全面的かつ恒久的に地球支配を維持できるだろう、と『2020年のビジョン』は目論んでいる。

 ブッシュ政権が9・11の翌年、平成14年(2002)に公表した『国家安全保障戦略』は、PNACによる『アメリカ国防の再建』の提言をほとんど取り入れている。さらに加えて、「われわれの最良の防衛は攻撃である」と言っている。ブッシュ大統領は、テロリストが大量破壊兵器を保有ないし使用する可能性のあるときは、国家間の場合と違って通常の抑止力は働かない。先制攻撃で相手の攻撃を抑えるしかない。こういう論理で積極的な先制攻撃戦略を打ち出した。
 この新しい戦略による先制攻撃の最も重要な新しい構成要素こそ、アメリカの陸海空軍を本格的な宇宙軍で補完することによって可能になる「全領域の支配」なのである。
 宇宙の軍事化は、国防予算の大幅な増額を要する。それを可能にしたものこそ、9・11の攻撃だったのである。

●ラムズフェルドは「宇宙の真珠湾攻撃」を想定

 平成13年(2001)1月、ラムズフェルドは、「米国の国家安全保障からみた宇宙の管理と組織を評価する委員会」、通称ラムズフェルド委員会の議長として報告書を出した。彼が国防長官になる少し前のことである。この報告書は、ABM(ICBM迎撃用ミサイル)制限条約の破棄を提唱した。それと同時に、陸海空すべての軍事力と情報機関の宇宙軍への従属を含む根本的な変革を提案した。
 報告書には次のような一節がある。「歴史には、外からの予期せぬ出来事が、抵抗する官僚機構に対応措置を取ることを強制するまで、警告の徴候が無視され、変革に対する抵抗が続く事例がたくさんある。問題は、アメリカが宇宙での無防備状態を減らすために責任をもって十分迅速に行動するほど、賢明かどうかということである。さもなければ、過去におけるように、わが国と国民を無力にするような攻撃、“宇宙の真珠湾攻撃”のような出来事によってのみ、国民を奮起させ、アメリカ政府に行動を取らせることができるだろう」と。
 9・11は、飛行物体によるWTCとペンタゴンへの攻撃によって、アメリカ国民にこの宇宙空間が無防備なのだという感覚を引き起こした。そして、国防長官という要職に就くことに成功したラムズフェルドは、国民の不安を自分の目指す目的に利用できる立場に立っていた。

 次回に続く。

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9・11の真相を求めて13

2007-11-19 06:38:50 | 国際関係
●宇宙軍を発展させた地球の管理体制

 9・11の攻撃は、ラムズフェルド、エバーハート将軍、マイヤーズ将軍らが主導する宇宙軍の予算の大幅増額を可能にした。グリフィンは「彼らにとってミサイル防衛システムへの新しい支持は、9・11から生じた最も重要な利益であったかもしれない」と述べている。

 かつて1980年代、レーガン政権において、戦略防衛構想(SDI)と呼ばれる構想があった。当時全盛期にあった旧ソ連の軍拡に対抗するための画期的な計画だった。この計画は、莫大な費用がかかること、当時の技術では非現実的な点があること、政権が替わったこと等の理由で中止された。しかし、計画は廃案となったのではなく、軍事機関において、発展的に検討されてきた。

 PNACによる『アメリカ防衛の再建』は、「軍事革命」を提唱した。その目玉が、宇宙の軍事化と、それによる宇宙支配計画だった。宇宙とここで言うのは、大気圏外の空間を意味する。
 『アメリカ防衛の再建』は、主要なテーマの一つに、ミサイル防衛のための軍事費の大幅な増加の必要性を挙げている。そして、次のような注目すべき見解を明らかにしている。「本来は弱いはずの“ならずもの国家”による攻撃にさらされるときには、従来の軍事力で対応することはずっと複雑で制限の多いものになるだろう。効果的なミサイル防衛システムを構築することが、アメリカの優位性を維持するための必要条件である」と。
 つまりミサイル防衛システムは、単なる抑止力ではなく、他国がアメリカの攻撃を抑止するのを阻止することによって、「アメリカの優位性を維持するための必要条件」と位置づけている。

 宇宙の軍事化に重点を置いた「軍事革命」については、『2020年のビジョン』と呼ばれる文書が、よりはっきりとその目的を述べている。
 文書は冒頭で、次のように言う。「アメリカの宇宙軍は、米国の利益と投下資本を守るために、軍事作戦による宇宙支配をするものである」と。この目的を達成する方法は、「全領域の支配」つまり「地球規模の戦闘空間の支配」である。「全領域の支配」とは、陸海空だけでなく、大気圏外の宇宙空間をも支配することである。つまり宇宙の軍事化による地球規模の支配を通じて、米国の利益と投下資本を守ることが、この軍事革命計画の目的である。

 次回に続く。

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9・11の真相を求めて12

2007-11-17 10:32:06 | 国際関係
●アフガン=イラク戦争は、早くから計画されていた

 『アメリカ防衛の再建』は、イラクに対する戦争が、アフガニスタンに対する戦争と同様、9・11より前に、アメリカ政府高官によって計画されていたことを裏付ける。
 イラク戦争は、サダム・フセインを排除し、イラクを民主化することを真の目的とするものだったのか。『アメリカ防衛の再建』は、次のように述べている。
 「アメリカは何十年もの間、ペルシャ湾岸地域の安全保障にもっと恒久的な役割を果すことを求めてきた。未解決のイラクとの紛争は、当面の正当性を提供するものであるが、サダム・フセイン体制の問題は湾岸におけるアメリカの確固とした軍事的プレゼンス(存在)の必要性に比べればとるに足らないものである。」
 ブッシュ政権の中枢メンバーは、9・11の1年前に、PNACの出版物で、サダム・フセイン政権を転覆する目的を公言していたのである。彼らの主な関心事は、「湾岸におけるアメリカの確固とした軍事的プレゼンスを獲得すること」であって、フセイン体制の打倒は、そのために当面の口実を提供したにすぎないのである。

 『アメリカ防衛の再建』の様々な構想は、中東・ユーラシアにおける石油・資源の確保という目的と結びついて、ブッシュ政権の9・11以後の世界政策に、主要なテーマを提供したと考えられる。この文書は、米軍の望ましい再編が「新しい真珠湾攻撃のような何か破局的で世論を刺激する触媒的な出来事がない限り、長い時間を要するだろう」と記している。そして、この文書の著者たちは、文書刊行後、間もなくブッシュ政権の高官に就任し、彼らの構想を実現する好機を得た。それが、9・11だったのである。
 平成15年(2003)9月、『ガーディアン』紙に、イギリスの元環境大臣マイケル・ミーチャーは、「9・11はPNACの計画を実行に移すうえで、きわめて都合のいい口実を提供した」と書いた。この記事は、大きな反響を巻き起こした。実際、9・11の攻撃は、アメリカの軍事費の増大を要求するのに格好の機会となった。
 ブッシュ政権の中枢メンバーは、政権に入る前から「新しい真珠湾攻撃」を願望していた。そして、ブッシュ大統領自身によって「21世紀の真珠湾」と呼ばれたこの事件は、予測可能な多くの利益をもたらした。そのことが、政府高官の共犯の動機と想定できるだろう。

 ところで、アメリカでは、9・11を真珠湾攻撃にたとえる表現が多く使われている。このたとえは、注意を要する。真珠湾攻撃の場合、ルーズベルト大統領は、日本軍の攻撃を事前に知っていて、ハワイを攻撃させ、それをきっかけに国民を報復戦争に駆り立てた。この場合、アメリカを攻撃したのは、国外の勢力である。これは、9・11で言えば、黙認利用説にあたる。
 ただし、真珠湾攻撃は、日本という国家がアメリカを攻撃したものであり、国家による宣戦布告を伴う。9・11は、テロリストによる自爆テロとされており、国家間の戦いとは違う。わが国の兵士による特攻とも違う戦時国際法無視のテロ攻撃である。

 これに対し、9・11に政府の関与を推測する利用加担説、政府共犯説、自作自演説は、政府が外国勢力によるものと見せかけて、自国民や在米の外国人を無差別攻撃し、それに対して報復を呼びかけ、自国民や他国民を戦争に引き込んだ可能性を提示する。もしそれが事実であれば、9・11は歴史上、類例のない巨大な権力犯罪となるだろう。

 次回に続く。

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