ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

友愛を捨てて、日本に返れ68

2010-03-31 09:25:12 | 時事
●日本の伝統を生かすなら、友愛など不要

 先に書いたように、鳩山氏は、平成17年(2005)の新憲法試案の段階までは、保守的要素を持っていた。憲法に関しては憲法改正を提唱し、明治憲法・昭和憲法を受け継ぐ平成新憲法の試案を公表した。国防に関しては、自衛隊を自衛軍とし、集団的自衛権に関する内閣法制局の広義の解釈を止め、米軍が攻撃されたら反撃するという見解を明らかにしている。天皇に関しては、権威と権力の分離を評価して「天皇制」を「伝統原理」とし「民主原理主義」を是正するものと評価した。また新憲法試案には天皇を元首と明記した。文明に関しては、天皇という称号、日本という国名は、「大陸文明」に対する「文明としての日本」を現すものという認識を示した。外交に関しては、日米安保体制が基軸であることを鮮明にしていた。
 鳩山氏自身、新憲法試案の「天皇制」を「伝統原理」として評価すると書いた箇所で、保守主義の元祖といわれるイギリスのバークに触れている。バークを挙げると言うことは、自分の立場は保守であると自覚していたのだろう。しかし、鳩山氏は、その後、保守的要素を大幅に失った。脱保守化し、リベラルに移行し、さらに左傾化した。
 こうした兆候は、新憲法試案の段階で現れていた。そこで鳩山氏は、無批判に「天皇制」という用語を使っている。「天皇制」は左翼用語であり、コミンテルンによるものである。わが国では、コミンテルン日本支部としての日本共産党が、「32年テーゼ」で初めて使用した。「32年テーゼ」は、日本の共産革命の方針を示したものである。それゆえ、わが国の伝統を心から尊重する者は、「天皇制」という言葉は使わない。私は先達にならって、「皇室制度」と呼ぶ。
 鳩山氏がその名を引くバークは、フランス革命で現れた人民主権の共和主義に反対し、祖先から受け継いだ伝統を尊重し、君主制とデモクラシーの調和を保つべきことを説いた。わが国においては、皇室制度が伝統の核心に存在する。明治維新では、天皇を中心とした国柄を復興するとともに、西洋からデモクラシー、立憲議会政治を摂取し、伝統と近代、日本文化と西洋文化の融合を実現した。こうした伝統を創造的に生かすならば、「友愛」は不必要なのである。
 実は、鳩山氏の新憲法試案には「友愛」が登場しない。氏は「友愛」を政治哲学とすると明言するのだから、「友愛」を理念とする憲法を起草すべきだろう。しかし、「友愛」は、試案の本文にも解説にも一切出てこない。この点からも、私は、鳩山氏の「友愛」は原理的な概念足りえないと判定する。
 「友愛」という理念からは、日本の憲法は導き出せない。また「友愛」に基づく限り、わが国の伝統・文化・国柄を、憲法に表現できない。もし「友愛」を憲法に盛り込むならば、歴史の連続性、先祖と我々のつながりは断絶される。
 私は、そのような「友愛」など捨てよ。日本に返り、日本の伝統的な理念を今日に生かせと主張するものである。

 次回に続く。

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鳩山首相は、壊れてきている

2010-03-30 11:42:00 | 時事
 民主党の支持率が急落している。生方氏の小沢幹事長批判、氏の副幹事長解任、その撤回。北教組の不正献金事件、日教組のあしなが育英会募金の不正流用、子ども手当の外国人への支給、普天間基地移設問題での右往左往、等々。民主党に期待していた国民の多くが幻滅を感じている。産経新聞とFNNの合同世論調査では、支持率が30%台にまで低下した。
 ところが鳩山首相は、支持率低下を示す世論調査に対し、「『お前は首相として頑張れ』というお気持ちを頂いているものだと、むしろそのようにも思って、自らを励ましているところ」と言う。
 ここまで来ると、病気に近い。現実を現実として認識できない。自分の言動の矛盾に気づかない。空想に逃避する。鳩山首相は、壊れてきている、と私は思う。

 こうしたところで、鳩山首相偽装献金事件の初公判が、東京地裁で行われた。元公設第一秘書の勝場被告は、「間違いありません」と起訴内容を認めた。検察側は禁固2年を求刑した。
 勝場被告は、公判で「鳩山さんに将来大きいことができる政治家になってもらいたい。そういう実力があるように見せたかったのですが、それだけのお金が実際には集まっていなかった」と述べた。
 鳩山氏に実力がないとわかっているから、母親から多額の金をもらって、偽装していたわけである。昨年8月30日の衆議院選挙では、民主党は鳩山代表のもとで選挙戦を行い、政権を取った。鳩山氏は、その結果、首相となった。鳩山氏は、自分の実力では集められない多額の金を母親からもらって政治活動をし、母親がかりの見せかけで、国民の票を集めた。有権者の多くはそれに騙された。これは政治詐欺である。
 鳩山氏は東京地裁への上申書で、「やりくりと処理は、すべて勝場と元政策秘書に任せていた。どれくらいの収支なのか、私は全く把握していなかった」「母から何年もの間、年間1億8千万円の寄付を受けていたとの指摘があった。初めて聞く話で、これまで全く知らなかった」との旨を書いている。この書面は、鳩山氏がうそつきか、でなければ無能であることを表している。
 鳩山氏はまた次のように陳述する。「収支報告書の提出に当たっては、何も説明を受けていないし相談や報告もなかった。(勝場被告と元政策秘書の)2人を信頼し全て任せていた。何も報告を受けていないので、何も知るよしがなかった」と。自分の事務所の収支も把握できない人が、日本の国家経営など無理である。潔く退場すべきである。

 鳩山氏は、勝場被告が禁固2年の求刑を受けたことに関し、「私という政治家がいなければ、こういうことは犯さずにすんだ。そういう意味で責任を感じる」と述べた。そう感じるなら自分が罪を受けるべきである。かつて「秘書の罪は政治家の罪」と言って、他の政治家を問責したのは、鳩山氏である。しかし、鳩山氏は、自分の言葉と行動が一致しない。一致させようとも、しない。こういう口先だけの道徳家を、偽善者と言う。
 鳩山氏の心には、「善人コンプレックス」と私が呼ぶところの観念複合体があるようである。自分は人のために善を行い、愛を施す人間だと他人から思われたい。そういう気持ちが極度に強い。だが、善を実行する勇気も信念もない。こういうタイプの人間は一つ大きなウソをつくと、ウソにウソを重ねつつ、それでも自分は善人だと振舞うため、劇的に破綻する。

 鳩山氏は、自身にかかわる献金偽装事件の公判が行われるなか、わが国の首相として安全保障の重大問題である普天間基地の移設問題の対応をしている。鳩山氏は、29日普天間基地移設問題で政府案を一つにまとめる時期について、「今月中でなければならないと法的に決まっているわけではない」と述べた。26日の記者会見までは「3月いっぱいをめどにまとめる」と何度も強調していたのだから、あきれたものである。
 鳩山氏は、これまでも様々な問題で、口を開くたびに言うことがコロコロ変わっている。全く一貫性がない。こういう人間が家長である家、社長である会社は、必ず破滅する。そのうえ、最近の鳩山氏の言うことは、ますます矛盾と変転がひどくなってきている。鳩山首相は、壊れてきている。
 日本の国民は、あまりに低劣な人格の政治家を、国家の最高指導者に選んでしまった。鳩山政権が長く続けば続くほど、日本は破滅に向かう。
 今年の7月参議院選挙は、日本の運命の分かれ目である。あと3ヶ月余。私たちの行動に、長い歴史と美しい文化を持つ日本の運命がかかっている。
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友愛を捨てて、日本に返れ67

2010-03-29 09:33:22 | 時事
●鳩山氏は「和魂洋才」を失い、「友愛」を唱える

 近代日本、戦後日本と鳩山氏の政治的航跡をたどってきたが、それを踏まえて、再び鳩山氏の「友愛」とそこから導き出される政策を批判したい。
 鳩山氏の場合は、自民党内の保守系リベラルだったが、自民党を飛び出して新党さきがけに入り、その後、民主党を作り、反自民の保守系リベラルとなった。そして、さらに脱保守化して左傾化し、左翼との親和性を強くしてきた。左翼色の強いリベラルが、今日の鳩山氏の政治的立場である。
 鳩山由紀夫氏の祖父・一郎は、日本的な保守の政治家だった。孫の由紀夫氏も、当初はその姿勢を受け継いでいた。しかし、定見なき変遷の中で、保守的要素を失った。先に私は「和魂洋才」が保守の源流だと書いた。幕末の「和魂洋才」が大東亜戦争の敗戦までは、日本人に受け継がれていた。戦後の保守は、敗戦前の日本人の大部分が持っていた考え方を継承したものだと書いた。ところが、鳩山氏においては、「和魂洋才」の態度が失われている。平成22年1月29日の施政方針演説で鳩山氏は、この「和魂洋才」という言葉を使った。しかし、言葉だけで、根本的な精神が伴っていない。それどころか、鳩山氏は、日本の「和魂」をヨーロッパ産の「友愛」に変えようとしている。これは鳩山氏が、日本人の守るべき伝統・文化・国柄を、深く理解・体得していないことによると私は思う。
 この点は、鳩山氏が、日本の社会を一個の文明として、すなわち日本文明としてとらえる文明学的な認識を欠くことと関係している。

●「友愛」に同調すれば、魂なき漂流者に

 鳩山氏が「友愛」を再定義した「自立と共生の原理」を文明間の関係に当てはめると、古代の東アジアにおいて、日本社会がシナ文明から「自立」し、一個の文明として発展し、シナ文明と対等の関係を築いてきた。シナ文明に同化していたら、「自立」も「共生」もありえない。シナ文明に同化される危機において、発揮されたのが「和魂」であり、「和魂漢才」の態度が日本文明の「自立」を貫いたのである。そして、この古代における「和魂漢才」が、近代における「和魂洋才」の原型である。
 近代の世界においては、西洋文明の世界的拡大に対し、非西洋諸文明が抵抗・反発して、諸民族が植民地から独立し、民族自決を実現することが、「自立」である。また、西洋文明の挑戦に応戦して植民地化されるのを防ぎ、独立を保ちながら、独自の近代化を進めることが、「自立」である。明治維新を成し遂げたわが国の歩みは、近代化=西洋化ではなく、文明の独自性を保守しながら近代化する「自立」の道だった。
 日本人が「和魂洋才」をもって「自立」の道を進むことができた背景には、日本が一個の文明として高度に熟成した文化を誇っていたことがある。その文化の最も特徴的な要素として、皇室、神道、武士道を挙げることができる。そして、こうした特徴的な要素を持つ独自の文明を発達させてこれたのは、「和魂」をもとにした異文明への対応姿勢によるのである。
 しかし、鳩山氏は、文明学的な認識を欠くため、日本文明の独自性と、古代から近代へと貫く日本文明の「自立」の歴史を理解できていない。そのため、鳩山氏は「和魂漢才」を近代に応用した「和魂洋才」の態度を失い、外国の模倣・追従に陥っている。日本の「和魂」を失って、ヨーロッパ産の「友愛」を移植しようとする。さらにシナ産の「友好親善」に同化しようとする。固有の文明の魂を失うとき、心の空隙に異文明の魂が入りこむのである。
 「和魂洋才」を失った鳩山氏が説く「友愛」に同調することは、日本人が日本人であることを否定し、文化的アイデンティティを失うことである。日本人が日本精神を失い、魂なき漂流者となることである。

 次回に続く。
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外国人住民基本法は日本解放法案

2010-03-28 20:16:32 | 時事
 外国人参政権をめぐる問題では、地方参政権に話が集約されがちだが、地方参政権を実現しようとしている勢力には、もっと極端なところまで法制化しようと動いているグループがある。その中核メンバーの一人が、民主党の円より子参議院議員である。円議員は、国会の法務委員会に「外国人住民基本法の制定に関する請願」を提出し、昨年の平成21年3月4日に受理されている。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/seigan/171/futaku/fu17100650948.htm
 ここに提出されている「外国人住民基本法案」は、真に恐るべき法案である。まさに日本を破壊する爆弾である。
 鳩山首相は、友愛の理念のもと、永住外国人に対し、地方参政権だけではなく、国政への参政権まで与えるべきという意見を公言している。いのちを駆けてでも「日本を開きたい」という衝動に駆られている。もし鳩山首相が「日本を開く」という方針を実行するとすれば、「外国人住民基本法案」まで成立しようとするだろう。

 「外国人住民基本法案」において、「外国人住民」とは、何か。第1条に「外国人住民」とは、在留資格、滞在期限その他在留に伴う条件の如何に関係なく、日本国籍を保持することなく、日本国内に在住する者をいう」と定義される。
 「在留資格、滞在期限その他在留に伴う条件の如何に関係なく」という点が重要である。不法入国者や不法滞在者も、すべて「外国人住民」とする。
 この法案は、こうした「外国人住民」の権利について、次のように第2条①に定める。
「すべて外国人住民は、その国籍、人種、皮膚の色、性、民族的および種族的出身、ならびに門地、宗教その他の地位によるいかなる差別も受けることなしに、日本国憲法、国際人権法、およびこの法律が認める人権と基本的自由を享有する権利を有する」
 ここに言う「外国人住民」には、共産中国から来た者も、北朝鮮から来た者も、国際テロ活動を行っている国から来た者も、すべて含まれる。
 この法案は、国及び地方公共団体に対して、第3条②にて次のような義務を課す。
 「国および地方公共団体は、人種主義、外国人排斥主義、および人種的・民族的憎悪に基づく差別と暴力ならびにその扇動を禁止し抑止しなければならない」
 これは重大な問題である。法案は「人種主義、外国人排斥主義、および人種的・民族的憎悪」というが、「主義」だ「憎悪」だというものは、いかようにも規定できてしまう。外国人のマナー違反を注意したり、反日的な言動に反論したりすることも、外国人の権利の侵害であり差別だとされる可能性がある。日本国民の「言論の自由」が制限され、日本の文化・習慣・公序良俗を守ろうとする言動が差別だ、扇動だと規制されかねない。

 移民は、いったん入国して定住すると、本国に帰国させることが難しくなる。ドイツやオランダはそれで大失敗している。ところが「外国人住民基本法案」は、いとも簡単に外国人が永住資格を取れるようにする。第5条に次のようにある。
 「① 永住資格を有する外国人住民の子孫は、申請により永住資格が付与される。
② 外国人住民の子として日本国内において出生した者は、申請により永住資格が付与される。
③ 日本国籍者または永住資格を有する外国人の配偶者で、3 年以上居住している外国人住民は、申請により永住資格が付与される。
④ 外国人住民で引き続き5 年以上居住している者は、申請により永住資格が付与される」
 外国人住民は、一度永住権を取得すれば、子々孫々まで永住権が与えられる。不法入国であろうと、5年以上に日本に居住すれば、永住資格が得られる。日本人なり永住外国人なりの配偶者であれば、3年以上でよい。しかも第6条③に次のように定める。
 「永住資格を有する外国人住民は、いかなる理由によっても追放されることがない。」
 一度永住資格を取れば、どんな理由でも追放されないというのだから、したい放題となる。
 第7条には、次のようにある。
 「すべて外国人住民は、日本においてその家族構成員と再会し、家庭を形成し維持する権利を有する」
 国外にいる家族をどんどん呼び寄せ、家族も一定期間を経れば簡単に永住資格を得ることができる。子ども手当狙いの入国、移住も激増するだろう。

 ここまでの内容は、日本が外国人を無制限に受け入れ、彼らの人権を保障し、容易に永住資格を与えることで「日本を開き」、外国人が多数流入し、日本人と混住する地域に変えようという内容である。
 「外国人住民基本法」はここで終わらない。この先に最も重要な規定が続く。
 第8条は「基本的自由・市民的権利」と題して、次のように定める。
「すべて外国人住民は、日本国憲法および国際人権法が保障する基本的自由と市民的権利、とくに次の自由と権利を享有する。
(略) i.直接に、または自由に選んだ代表者を通じて政治に参与し、公務に携わる権利。(略)」
 日本国憲法が、政治に参与したり、公務に携わる権利を保証しているのは、日本国民に対してである。日本国民とは、日本国籍を有するものである。日本国籍を有しない外国人住民は、日本国民ではない。ところが、「外国人住民基本法案」は、憲法の規定を無視して、「直接に、または自由に選んだ代表者を通じて政治に参与し、公務に携わる権利」を外国人住民に与えようとする。これは憲法違反である。しかし、もしこの法案が成立すれば、憲法の規定は空文化する。憲法を改正せずに、日本という国家が骨抜きにされる。骨抜きにして、国民の意識を変えた後に、憲法を実態と意識に合わせて改正しようと謀るものだろう。
 第11条は「公務につく権利」と題して、次のように定める。
 「永住資格を有する外国人住民は、日本の公務につく権利を有する」
 「公務」とのみ言っているから、地方公務員のみならず、国家公務員になることも出来るようにする。定住するだけで永住資格を取った外国人住民が、外国籍のまま日本の公務員となり、国家の重要機密や地域住民の個人情報に触れることになる。これは危機管理上、由々しき事態である。
 第20条は「政治的参加」と題して、次のように定める。
 「地方公共団体に引き続き3 年以上住所を有する外国人住民は、地方自治法が住民に保障する直接請求ならびに解散および解職の請求についての権利を有する」
 そして、第21条に「参政権」が出てくる。
 「永住の資格を有し、もしくは引き続き3 年以上住所を有する外国人住民は、当該地方公共団体の議会の議員および長の選挙に参加する権利を有する」
 外国人住民に、地方参政権を与えることをはっきり規定している。「選挙に参加する権利」というから、ここは選挙権だけを言うものと理解される。被選挙権については明示的でないが、第11条に「公務につく権利」を定めている。国会議員や地方議会の議員、知事・市長・区長等も、公務員である。永住外国人には被選挙権をも与えるという意図が込められているだろう。

 「外国人住民基本法案」は、日本を破壊する「日本解放法案」である。同法のもと、日本という国家は、他国との境がなくなり、同時に国家としては、事実上消滅していく。孵化する前に、卵の殻を割ると、中身が出る。日本は、割れた卵のようになって、もとには戻らない。友愛を突き詰めれば、そういう破局に至る。
 破局を避けるにはどうすべきか。友愛を捨てて、日本に返れ。いまそれを実行することである。
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友愛を捨てて、日本に返れ66

2010-03-27 08:49:21 | 時事
●伝統尊重的保守の後退

 平成11年(1999)、自民党は公明党と連立を組むことによって、以後10年政権の座にあり続けた。この間に、従来の自民党の体質は変わらず、国民の自民党離れが進んだ。自民党を支持してきた層でも、自民党に不満が高じた時、「自民党をぶっこわす」と訴える小泉純一郎氏が、平成13年(2001)総裁に指名された。自民党の中にいながら、古い自民党を壊すという小泉氏の立場が、有権者に新鮮さを感じさせた。小泉氏は、聖域なき構造改革を唱え、とりわけ郵政民営化を最重要政策とした。そして平成17年(2005)9月11日の衆議院総選挙を、郵政民営化の是非を問うという形で展開した。
 このとき、自民党は歴史的な大勝をした。この選挙は郵政選挙と呼ばれ、自民党内で郵政民営化に反対した勢力が大きく後退した。その一部は伝統尊重的保守だった。彼らは小泉・竹中による民営化が、まやかしのものであり、日本をアメリカに売り渡す文字通り売国的な政策であることを見抜いていた。小泉首相は、彼らを排除・抑圧した。選挙で公認せず、選挙区に刺客を送るなどして、駆逐しようとした。
 郵政選挙の結果、自民党では伝統尊重的保守が弱小化し、経済優先的保守や保守系リベラルが主流派となった。小泉=竹中政権は従米的・売国的な郵政民営化を推進し、新自由主義、市場原理主義が日本を席巻した。その矛盾・弊害は日増しに増大した。所得の格差拡大、都市と地方の格差拡大、中小企業の倒産、失業の増大、家庭の崩壊、自殺者の増加、凶悪犯罪の増加等、矛盾・弊害が増大した。
 小泉内閣に続く安倍晋三氏は、伝統尊重的保守に分類される政治家である。安倍氏は「戦後体制からの脱却」を掲げ、憲法改正に向けた国民投票法を成立させ、教育基本法を改正するなど、戦後日本の課題に取り組んだ。戦後初めての取り組みだった。しかし、小泉内閣の官房長官だった安倍氏は、真の伝統尊重的保守ではなく、経済政策や郵政民営化は小泉=竹中路線を基本的に継承したため、改革は中途半端なものとなった。安倍氏はその矛盾を抱えた状態で、リベラルや左翼から強い反発を跳ね返せず、任期半ばで辞任した。
 自民党・公明党は、保守系リベラルの福田康夫氏を後継首相とした。福田氏は安倍氏の伝統尊重的な改革を止め、もとに戻そうとした。福田氏は、途中で政権を投げ出し、国民の自民党への信頼はさらに低下した。続いて、安倍氏の盟友・麻生太郎氏が政権を後継した。
 ここで、平成20年(2008)9月、世界経済危機が勃発した。アメリカのサブプライム・ローンの破綻に端を発した金融危機は、大手投資銀行リーマン・ブラザーズが倒産し、自動車会社のビッグ3も経営破綻に至るという大きな展開を見せた。1929年の世界恐慌以来の経済危機は、わが国にも大波となって押し寄せた。大波の直撃を受けた麻生政権は、景気の回復や格差の是正に努めたが、自民党の長年の腐敗・堕落と、小泉=竹中政治による新自由主義・市場原理主義の弊害を払拭することができなかった。国民の生活は脅かされ、政治への不満は強まった。

●民主党の伸長、政権奪取

 ここに自民党に替わる政権の受け皿として、民主党が浮上した。民主党は、平成17年(2005)9月11日の衆院選、いわゆる郵政選挙では大敗し、結党以来の危機に直面した。鳩山氏の新憲法試案は、この年に発表されたものである。混迷する民主党にあって、小沢氏は、小泉自民党に巻き返しを図るため、組織固めと選挙対策に専念した。わが国で最も選挙戦術に長けた政治家である小沢氏の力が、民主党で発揮された。
 19年(07)年7月の参議院選挙では、民主党が大勝した。国会では与党が多数を占める衆議院と、野党が多数を占める参議院という「ねじれ現象」が起こった。国民の自民党と民主党に対する支持は、拮抗するようになった。そして、ついに21年(09)8月30日の衆議院総選挙で、政権交代が実現した。
 自民党にはもう任せておけないと愛想をつかした人々の多くが、別の受け皿として民主党に期待を寄せて投票した。歴史的大敗を喫して下野した自民党は、もはや多数派が対米追従、経済優先、官僚主導、媚中外交、創価学会依存という集団に変貌していた。その中において、17年の郵政選挙で大きく後退した伝統尊重的保守は、21年の衆議院選挙では、さらに大きく後退した。選挙における自民党の勝ち負けに関わらず、真の日本的な保守は、後退を続けている。
 21年9月、民主党は社民党・国民新党と連立を組み、鳩山内閣が成立した。しかし、民主党は、日本を崩壊に導く危険性を持った政党である。その危険性が政権発足後、明らかになってきている。もし民主党政権が長期化すると、わが国は後々回復が困難なほど深刻な打撃を受けるだろう。

 次回に続く。

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中井国家公安委員長、お粗末

2010-03-26 11:58:04 | 時事
 中井洽国家公安委員長のスキャンダルが報じられている。民主党にとっては、新たな打撃となった。
 「週刊新潮」平成22年4月1日号は、「中井洽国家公安委員長が深夜の宿舎に呼び込む傾国の『美人ホステス』」と題した記事を掲載。グラビアには「美人ホステス」とのデート風景が激写されている。
 「新潮」に報じられた問題行動は、国会議員宿舎のカードキーをその女性に渡し、その女性が同宿舎に出入りしている。SPをつけずに、その女性と深夜デートを繰り返す。違法営業である白タクに乗車したという疑惑。防災担当相でありながら、地震発生の緊急連絡時に所在不明で、映画館でデート中、等々。
 なんともお粗末な内容である。

 中井氏は国家公安委員長ではないか。
 国家公安委員会は、内閣府の外局の一つであり、「国の公安に係る警察運営を司り、警察教養、警察通信、情報技術の解析、犯罪鑑識、犯罪統計及び警察装備に関する事項を統轄し、並びに警察行政に関する調整を行うことにより、個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持することを任務とする」(警察法第5条1項)とされる。
 その委員長に当たるのは、国務大臣である。国家公安委員長は、日本の警察行政のトップである。しかも中井氏は、防災担当、拉致問題担当相を兼務している。地震・台風・テロ事件等への対応を統括する日本の危機管理の担当大臣である。
 そうした立場にある中井氏の行動、そしてスキャンダルが発覚した後の発言は、氏の危機管理意識の低さを暴露した。国民の安全と安心を守るべき立場にありながら、あまりにも自覚が足りない。

 中井氏は、報道される銀座のホステスとの関係については、自分は独身だから問題ないと言っている。不倫ではないという主旨だろうが、中井氏は、平成10年に妻が自殺している。妻は、氏の女遊びに耐えながら、選挙区を守り、献身的に義父、つまり中井氏の父親の介護をしていた。その悩みと疲労の果てに、自宅で縊死したものらしい。「週刊文春」平成21年10月1日号が事情を書いている。
http://blog.goo.ne.jp/publicult/e/0548fd32face1d5178467223ef4b3fff
 ところが、その後も中井氏の行状は改まらず、今回のスキャンダルに至った。懲りない御仁である。

 中井氏は、記者会見で、自分の行動には非がないというような受け答えをしている。何が「問題」なのかがわかっていない。そのことが最大の「問題」である。
 まず、国会議員宿舎のカードキーを女性に渡し、その女性が同宿舎に出入りしているという点については、まったく無防備である。そのカードが暴力団に渡ったり、テロリストに利用されるおそれはないか。中井氏は国務大臣であり、氏自身が標的にされる可能性がある。また他の大臣や国会議員が狙われる可能性もある。
 SPをつけずに、女性と深夜デートを繰り返す点についても、同様である。日本の危機管理のトップにある者が、SPとその車を帰して、女性と二人だけで深夜の町を歩き回る。そのうえ、「新潮」に激写されるような路上での行動。尾行に気づかなかったのは「恥ずかしい」と中井氏は言うが、危機管理意識はゼロに等しい。
 もしその女性が外国の諜報機関とつながりがあったら、という問題もある。国家公安委員長は、重要な国家機密に関わる。部外者が議員宿舎に自由に出入りし、書類やデータを見たり、撮影したりできる立場にあることは、日本の国家と国民を危険にさらすことになる。
 白タク乗車疑惑は、中井氏が白ナンバーの車に乗った際、金銭を支払ったらしい。それが事実ならば、大きな問題である。白タクは違法営業であり、警察が取り締まっている。その警察を統括管理しているのが国家公安委員長だから、白タク乗車は国家公安委員長失格である。
 地震発生の緊急連絡時に映画館でデート中という点については、3月14日福島県沖を震源地とする震度5弱の地震が発生。担当官は防災担当相の中井氏に連絡。不慮の事故・災害にいつでも出動して対応できるようにしているのが、防災相の仕事。ところが、中井氏は例によって所在を明らかにせず、映画館でデート中。携帯電話に連絡しても、すぐに動かなかった。

 こうした人物が、警察・防災の担当大臣に居座っているのでは、国民は日々の生活が不安である。民主党は「国民の生活が第一」と唱えている。中井氏は、責任を取って自ら辞職すべきである。自分でけじめをつけられないなら、鳩山首相は氏を解任すべきである。
 中井氏は、新進党設立以来、自由党・民主党と、小沢一郎氏と常に行動をともにしてきた。小沢氏の側近の一人、小沢派の幹部である。中井氏のスキャンダルは、小沢氏への新たな打撃となったに違いない。

 以下は報道のクリップ。

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●読売新聞 平成22年3月25日

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100325-OYT1T00153.htm
国家公安委員長、議員宿舎キーを女性に貸与報道

 国家公安委員長の中井洽(ひろし)衆院議員(67)(三重1区)が東京都内の住居にしている「衆院赤坂議員宿舎」のカードキーを使って、知人の女性が同宿舎に出入りしているなどと、今週発売される「週刊新潮」4月1日号が報じていることがわかった。
 衆院事務局では、議員宿舎のカードキーについて、他人への貸与に関する明確な規定はないと説明しており、「宿舎の利用目的から、常識の範囲で判断してもらうしかない」(広報担当者)としている。
 中井氏は、読売新聞の取材に「カードキーは4枚もらっており、(女性に)渡しただけだ。問題はないと考えている。女性のプライバシーもあり、詳しい説明は控えたい」と話した。
 これに関連し、鳩山首相は24日夜、首相官邸で記者団に対し、「平野官房長官が『この問題は私が調査する』と言っていた。まず平野長官にしっかりと調査を求めたい」と述べた。
(2010年3月25日03時11分 読売新聞)

●産経新聞 平成22年3月26日

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100326/crm1003260715001-n1.htm
中井公安委員長、薄い危機意識 「国民に不安」 
2010.3.26 07:14

会見で、報道陣から「まったく問題ないとの認識のようだが」と聞かれ、「何か問題ならはっきりいってください」と語った中井氏。国家公安委員長と防災担当、拉致問題担当相を兼務する日本の危機管理のトップに、危機意識の薄さを指摘する声もあがった。
 危機管理コンサルタントの田中辰巳さんは「まず『白タクかどうか分からない』との認識が問題。白タクを取り締まる警察を掌管する立場の人物がそういう感覚ではダメだ」と指摘。宿舎のカードキーを女性に渡していた点と合わせ「違法かどうかではなく、民間企業では倫理や社会的責任に照らして自身を律している時代に全く通用しない」と批判し、「危機管理を担当する大臣として『この大臣で大丈夫か』と国民に不安を与えた点を認識すべきだ」と語った。
 横田めぐみさん=拉致当時(13)=の母、早紀江さんは「ご自身でお気づきなら、今後このようなことがないよう注意していただきたいです」。田口八重子さん=同(22)=の兄で拉致被害者の家族会代表の飯塚繁雄さんは「肝心の拉致問題についてきちっとやってもらいたい」と話した。
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友愛を捨てて、日本に返れ65

2010-03-25 10:24:05 | 時事
●鳩山氏の政治家としての経歴

 ここで鳩山由紀夫氏の政治的航跡に話を戻したい。
 平成5年(93)7月の衆議院総選挙で、自民党は単独過半数に達しなかった。55年体制の成立後、自民党は、38年目にして初めて野に下った。ここで誕生したのが、細川護煕氏を首相とする非自民連立政権である。ちなみに私は細川姓だが、細川護煕氏と特に関係はない。
 非自民連立政権は、新生党・新党さきがけ・日本新党・社会党・公明党等の8党の寄り合い所帯だった。鳩山氏は新党さきがけの主要メンバーとして、連立政権に参加した。首相となった細川氏は、日本新党の代表だった。その細川氏を首相に担いで、非自民連立政権を実現したのは、後に鳩山氏と一蓮托生の関係となる小沢一郎氏の力が大きかった。
 小沢氏は平成元年(1989)、47歳にして自民党の幹事長になった。田中角栄・金丸信の秘蔵っ子として、総裁候補にまで挙がった。しかし、金丸失脚後、経世会の跡目争いに敗れて自民党を離党した。この時、反小沢の急先鋒だったのが、野中広務氏である。以後、日本の政治の一面は小沢対野中、「親小沢対反小沢」という構図で展開した。
 新生党を結成した小沢氏は、自民党の崩壊を目指して野党を結集し、非自民連立政権を実現した。反自民であれば社会党とでも公明党とでも組むというのが、小沢氏の手法である。労働組合や宗教団体の組織票を手に入れるためには、自らの政治理念や重要政策を変える。権力の奪取そのものが目的化される。
 細川内閣は平成6年(1994)4月、細川首相が突然辞任したことにより、短命に終わった。後継首相は小沢氏の盟友、新生党の羽田孜氏だったが、社会党が政権を離脱したため、わずか2ヶ月で退陣した。このとき、自民党は政権に復帰するため、首班指名選挙で社会党の村山富市氏に投票した。それにより同年6月、自社さ連立政権が誕生した。55年体制では考えられない出来事だった。
 自民党の最高実力者となっていた野中氏は、小沢氏に対抗して社会党と組むという無節操な術策を取った。そのため、自民党は結党の精神を失った。自民党は権力の座を維持すること自体を目的とする政治集団に堕落した。
 鳩山氏は、自社さ連立政権においては、さきがけの幹事長として政権を支えた。この時は、自民党と組んでいる。その後、平成8年(1996)にさきがけを離党し、弟・邦夫氏等とともに旧民主党を結党した。10年(98)には現・民主党を結成し、翌年代表に就任した。その後、21年(2009)9月にわが国の総理大臣になった。

●鳩山氏と小沢氏の合体

 鳩山氏が自社さ政権の側にあったとき、小沢氏は、平成6年(94)新生党を解党して、新進党を結成した。公明党がこれに合流した。小沢氏は創価学会に接近し、手堅い組織票を獲得した。しかし、新進党は分裂に終わり、小沢氏は10年(98)に自由党を結成した。
 自民党の野中氏は、それまで小沢氏を「悪魔」とまで呼んで批判していた。だが、小渕内閣の官房長官となるや、小沢氏に「ひれ伏してでも」と協力を求め、11年(99)1月、自自連立政権が成立した。7月には公明党が加わり、自自公連立政権となった。その後、自民党は自自連立の際の政策合意を実行しなかった。不満を持った小沢氏は、小渕首相に自民党・自由党の解党を迫った。要望が入れられないと、翌12年(2000)に連立を離脱した。
 自自連立を仕掛けた野中氏の真の狙いは、公明党と組むことにあった。もはや単独では政権を維持できなくなった自民党は、公明党=創価学会への依存を深めた。公明党は自民党の生命維持装置となった。
 自公連立によって、自民党は約10年政権与党として延命した。しかし、私の見るところ、自民党は平成6年(94)、政権復帰のために社会党と組んだ時点で、日本の政治を担う責任政党としての資格を失った。野中氏の害悪は大きい。しかし、その先例は小沢氏の非自民連立にあった。小沢氏は直接間接に日本の政治を捻じ曲げ、権力の奪取と維持を目的とする政治に変質させた。
 こうした小沢氏に鳩山氏が合体したところに、今日の民主党がある。民主党は12年(2000)6月の衆院選、13年(2001)7月の参院選など、国政選挙の度に党勢を拡大させた。ここで当時党代表だった鳩山氏は、小沢氏に接近した。政権交代を実現するために、反自民の野党が結集するのが目的だった。
 小沢氏は、鳩山氏の民主・自由両党合併に向けた協議提案を受け入れた。その後、民主党代表となった菅直人氏が合併を決断し、15年(2003)9月、民主党・自由党は正式に合併した。自由党は解党して、民主党に合流した。党名・代表・執行部等、民主党が主となった。形の上では、吸収合併である。しかし、民主党に入り込んだ小沢氏は、党内で地歩を固め、中心的な存在になっていった。

 次回に続く。
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小沢氏が生方氏解任を撤回

2010-03-24 09:55:36 | 時事
 民主党執行部は、小沢幹事長を公然と批判した生方副幹事長を、解任する方針を決めた。これに対し、生方氏は反発し、街頭やテレビで持論をぶった。国民の多数は、解任を支持できないという反応を示した。そのこともあるのは、最近の産経新聞社・FNNの世論調査では、民主党への支持率は30%に急落した。
 それを見た小沢氏は、自ら生方解任の決定を取り消した。小沢氏がぶれた。小沢批判の生方氏の解任を支持し、生方批判を合唱してきた小沢派の議員たちは立場がない。ボスにはしごを外された格好だ。ボスがぶれるから、ただしたがっているだけの部下たちは、右往左往している。なんとも無様な上体である。
 今回の事件によって、党内における小沢氏の権威は、揺らぐ。独裁者は、自らの地位に不安を覚えると、いったん決めたことを変えたり、矛盾した指示を出したりするもの。小沢氏は傲岸不遜のようで、案外気が小さいと各方面から指摘されている。小沢氏は、精神的に相当追い込まれているはず。元はといえば、自分の金の問題だが、これを自ら説明することができない。説明できないようなことをしているから、説明できないのだろう。
 国民の多数は、小沢氏の逃げを許さない。国民を愚弄し、恫喝とだんまりで、批判をやりすごそうとする小沢氏は、自らの醜態をさらすだけである。民主党内では、副幹事長に戻った生方氏や小沢批判派は、報復を恐れずに行動するようになる。小沢盲従派との亀裂が深まるものと思う。

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●産経新聞 平成22年3月22日

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100322-00000511-san-pol
鳩山内閣支持率30%に急落 危険水域に接近
3月22日12時50分配信 産経新聞

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が20、21両日に実施した合同世論調査で、鳩山内閣の支持率は前回調査(2月6、7両日)より12.3%ポイント減少し、30.5%に急落した。内閣支持率は3割を切ると、政権運営がきわめて不安定となる「危険水域」とされており、鳩山由紀夫首相は正念場を迎えたと言えそうだ。
 不支持率は7.8%ポイント増の53.9%。鳩山政権の支持率3割台と不支持率5割台はいずれも初めて。(略)
 民主党の「政治とカネ」問題に絡み、民主党執行部を批判した生方幸夫副幹事長の解任については「評価しない」が72.3%と、「評価する」(15.0%)を大きく上回った。資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件を受け、小沢一郎氏は幹事長を辞任すべきだとの回答は74.3%と、前回に引き続き7割を超えた。(略)

●産経新聞 平成22年3月24日

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/100324/stt1003240038000-n1.htm
生方氏の解任撤回 小沢氏も支持率低下、世論の批判にたえられず

生方幸夫副幹事長「二、三、お話ししたいことがあるんですが」
 小沢一郎幹事長「副幹事長になるんだから、いつだって話はできる。今日は忙しいから」
 23日午後、国会内の党幹事長室で小沢氏から副幹事長続投を要請された生方氏が、チャンスとばかりに持論を開陳しようとすると、不機嫌そうな表情の小沢氏は受け付けず、すぐ席を立った。この話を聞いた民主党中堅はこうつぶやいた。
 「小沢さんは、本当は副幹事長に戻したくないんだな」
 小沢氏と生方氏の協議はわずか2分程度。溝の深さは容易には埋まらない。
 小沢氏は23日、世論の反発を受けて、生方氏解任の撤回に追い込まれた。「独裁者」のように振る舞ってきた小沢氏の方針転換は小沢執行部の求心力低下の表れだ。また、同日昼までは生方解任論を振りかざしていた党幹部らが、小沢氏の変心を知ると、手のひらを返したように迎合して主張を変えた。今の多くの民主党幹部らの「何でも小沢氏しだい」という姿が改めて浮き彫りになった。
 小沢氏が解任撤回に動いたのは23日朝になってから。小沢氏と22日に電話で話し合った幹部は「昨日はそんなことはなかった」と語る。
 だが、内閣支持率は「ジェットコースター並み」(安住淳衆院議員)に下がりだしている。「北海道教職員組合の幹部が刑事告訴された小林(千代美民主党)衆院議員はおとがめなしで、小沢氏をインタビューで批判しただけの生方氏がクビになるのはバランスを欠く」(与党幹部)との批判が広がれば、支持率低下が進み、鳩山-小沢体制への批判が急拡大しかねなかった。閣内からも「上手な対処の方法がなかったか」(仙谷由人国家戦略担当相)との苦言が出た。
 小沢氏は23日昼過ぎ、衆院本会議を抜け出し、輿石東(こしいし・あずま)参院議員会長、高嶋良充筆頭副幹事長に「オレに任せてくれ」と伝えた後、生方氏を呼び出した。
 これに先立ち、鳩山由紀夫首相も同日午前、小沢氏に電話で解任撤回を打診し、意見が一致していたとされる。解任方針のあまりの評判の悪さや週末のテレビで生方氏が引っ張りだこだったことに、2人は危機感を募らせていたのだ。
 一方、続投撤回を知るまで幹部らは生方批判を展開した。三井弁雄(わきお)国対委員長代理は北教組事件の小林氏を抱える北海道連の会長であるのに、同日午前、小林問題をそっちのけで「オレは生方問題を言いたい」と、生方氏が朝の国対会合にほとんど出てこなかったと、記者団に糾弾する始末だった。
 だが、小沢氏の変心を知った後の党幹部らは、「今回の件は不満だ」(松木謙公国対副委員長)との例外もあったものの、ほとんどが態度を豹変(ひょうへん)させた。全員一致で解任を決めた副幹事長の間からも、滑稽(こっけい)にも「生方さんを慰留しよう」との声が出た。役員会では「閣僚の党(小沢執行部)批判が目に余る」(高嶋氏)との反発も出た。
 解任の急先鋒(せんぽう)だった幹部は「これが大人の解決や!」と小沢氏の判断を絶賛。その上で「もう生方さんは党の外に向かって(批判を)言えない」と、生方氏封じ込めの意図をあらわにした。
 高嶋氏は会見で「雨降って地固まる」と述べたが、生方氏は「雨が降ったらぐしゃぐしゃになる。簡単に固まらない」と、今後も党内外で小沢氏批判を続ける姿勢を示した。
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外国人参政権反対の集会案内

2010-03-23 09:43:01 | 時事
 民主党を中心とする政権は、外国人に地方参政権を付与する法案を、成立させようとしている。この法案は、その危険性が知られるに従い、反対する人が増えている。
 地方議会では、反対決議をする動きが広がっている。都道府県議会で採択された反対決議(慎重要求を含む)は28県になり、賛成決議の16県を上回りまった。一度賛成決議を採択しながら反対に転じた県が、10もある。
 今国会への法案提出は見送られるようだが、法案提出の動きが続くことは確実である。国民に広く外国人参政権付与の危険性を知らしめ、日本が誤った方向に進まないようにしなければ、ならない。
 こうしたなか、外国人参政権付与を阻止するため、4月17日に日本武道館で「永住外国人地方参政権に反対する国民大会」が開催される。以下に案内を掲示する。日本を愛する人々は、来たり集おう。

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外国人地方参政権にNOを!  武道館に1万人を結集しよう

「永住外国人地方参政権に反対する国民大会」

と き 4月17日(土)午後2時から午後3時半(開場12時半予定)
ところ 日本武道館 〒102-8321 東京都千代田区北の丸公園2-3
交 通
 東京メトロ東西線・半蔵門線、都営新宿線
 「九段下」駅下車2番出口 徒歩5分。
参加費 無料、カンパ歓迎
申込み
 先着1万名で締め切る。FAXO3-5157-5657か電話03-3581-4822で、できるだけ事前申込みを。
企画の詳細
 http://k-forum.iza.ne.jp/blog/
主 催 永住外国人地方参政権に反対する国民フォーラム
呼びかけ人
 伊藤憲一(青山学院大学名誉教授)、小田村四郎(元拓殖大学総長)、櫻井よしこ(ジャーナリスト)、佐々淳行(初代内閣安全保障室長)、石平(評論家)、田久保忠衛(杏林大学客員教授)、長尾一紘(中央大学教授)、中西輝政(京都大学教授)、百地章(日本大学教授)、山本卓眞(富士通名誉会長、日本会議副会長)
連絡先 〒100-0014 東京都千代田区永田町2-9-6-501
 電話 03-3581-4822  03-3581-4822 FAX03-5157-5657
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なお、外国人参政権付与問題については、拙稿を参考にしてください。
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion03f.htm
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/d/20091218
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友愛を捨てて、日本に返れ64

2010-03-23 09:17:47 | 時事
●保守とリベラルの違い

 鳩山由紀夫氏は、保守からリベラルに移ったと先に書いたが、リベラルとは「革新」の後裔の一つである。
 保守もそうだが、リベラルもまたややこしい言葉なので、ここで私見を述べたい。まずリベラルから始めると、リベラルとはリベラリズムの略であり、自由主義と訳される。
 17世紀イギリス以来のリベラリズムは、国家権力の介入を排し、個人の自由と権利を守り、拡大していこうという態度を言う。これは言葉の本来の意味での自由主義であり、国権の抑制と自由競争に特徴がある。それに対し、今日の「リベラル」は、19世紀半ばのイギリスに現れた「進歩」という概念がもとにあり、それまでの自由主義を修正したものである。「自由」という価値に対し、「平等」という価値に配慮する立場である。社会改良と弱者救済に特徴があり、私は「修正的自由主義」と呼ぶ。これに対し、もともとのリベラリズムを、私は「古典的自由主義」と呼ぶ。
 エマヌエル・トッドによる人類学的分析を応用すると、イギリスの社会は絶対核家族を主とする。絶対核家族は、親子関係における自由、兄弟関係における不平等を価値とする。こうした家族的価値観を持つ社会に生まれたのが、自由を至上の価値とする古典的自由主義である。修正的自由主義は、古典的自由主義における「自由」の行き過ぎに対し、ある程度の「平等」を加えるものである。どちらも基本的に近代西洋的な個人主義的な人間観に立つ。 
 古典的自由主義は、英米では「保守」の態度でもある。なぜなら、伝統的な家族的価値から現れた思想であり、国権の抑制と自由競争が歴史的に制度化され、伝統となっているからである。
 「保守主義」は、イギリスにおいて、フランス革命の波及への防衛として登場した。エドマンド・バークを元祖とし、イギリスで歴史的に形成された君主制議会政治を保守する立場である。バークの影響により、欧州各国でも、フランス革命の共和主義・急進主義・普遍主義に対抗し、それぞれの伝統と政体を守る政治的態度が、保守主義となった。
 イギリスでは、保守主義は自助努力と自己責任の原則を強調し、機会均等を達成した上で、効率的な市場経済を担保しようとする。この伝統は、古典的自由主義と重なり合う。
 わが国には、こうした伝統はない。わが国における保守は、日西洋社会における保守であり、近代西洋文明に対し、わが国固有の伝統を保守する立場である。私はこれを「伝統尊重的保守」と呼ぶ。これとは別に、わが国には、英米的な古典的自由主義を信条とする者もおり、これを私は「経済優先的保守」と呼ぶ。
 わが国は直系家族の社会である。その伝統的価値を保守するのが、伝統尊重的保守であり、核家族化が進むなかで核家族的な価値を拡大しようとするのが、経済優先的保守である。伝統尊重的保守は日本主義、経済優先的保守は自由主義ということができる。伝統尊重的保守は、戦前世代に多く、民族的・国粋的な意識が強い。経済優先的保守は、戦後世代に多く、アメリカの影響が強い。

●わが国のリベラル及び保守系リベラル

 次に、わが国におけるリベラルについて述べる。もともとイギリス産のリベラルには「進歩」をよしとする価値観があるのだが、わが国のような非西洋文明の社会においては、近代化を同時に西洋化ととらえ、近代化=西洋化を「進歩」と考える態度が、これに加わる。そのため、わが国の伝統・文化・国柄を積極的に守ろうとせず、むしろ先祖代々継承されてきた日本独自のものを否定し、脱日本化をよしとする傾向がある。
 自国の伝統・文化・国柄の否定は、外国の模倣に進みやすい。本来的な日本をあるべき姿と考えるのでなければ、アメリカ、ソ連、中国等の外国をモデルにして、そのモデルのようになることを目指す傾向に陥る。この傾向が進むと嫌日的となり、極端になると、日本人でありながら反日的という倒錯に陥る。
 リベラルの政策は、経済面での修正的自由主義を中核とする。同時に、わが国の場合、社会面では西洋化の一環として個人主義を推進し、教育面では自虐史観、安全保障面では国防の軽視ないし忌避を傾向とする。
 こうした保守とリベラルの間には、その中間的な立場がある。これを私は「保守系リベラル」と言う。保守系リベラルとは、保守とリベラルの中間的な立場である。わが国固有の伝統をある程度尊重し保守するという要素を持ちながら、修正的自由主義という意味での「リベラル」を信条とする政治的態度を言う。
 保守系リベラルは、中間的であるゆえに個人差が大きい。大まかに言うと、文化面では伝統を尊重するが、社会面では個人主義的、教育面では自虐史観的、安保面では自主国防の意思を持たないという傾向がある。リベラルとの違いは、リベラルが伝統より進歩をよしとし、近代化・西洋化を推進するのに対し、保守系リベラルは、伝統をある程度尊重し、日本文化の保存を図ろうとする点にある。保守系リベラルを中道右派とすれば、リベラルは中道左派となる。
 保守系リベラルとリベラルとの違いは、わが国の極めて明確な特徴である皇室と神道に対する認識に現れる。保守は皇室を崇敬し、神道を尊重する感情を持つ。リベラルはこうした感情が薄い。または持っていない。
 政党で見ると、自民党には、伝統尊重的保守、経済優先的保守、保守系リベラルが多い。右翼・左翼という対比で言えば、主に右翼から中道右派までといえよう。一方、今日の民主党には、保守系リベラル、リベラル、左翼が多い。主に中道右派・中道左派から左翼までといえよう。

 次回に続く。

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