ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

石平氏の「中国大逆流」2

2009-06-30 09:00:58 | 国際関係
●現代中国の軌跡

 石氏の「中国大逆流」は、中国における毛沢東崇拝の復活を伝えている。私は、その動きに強い懸念を感じる。
 私見を述べると、旧ソ連の共産主義理論では、プロレタリア革命によって、私有制が否定され、社会主義の建設が進められて生産力が発達し、やがて階級も国家もない共産主義の段階に入るとしていた。実際にはまったくうまくいかず、ソ連は崩壊した。これに対し、毛沢東は、社会主義の国家においても、階級闘争は続く。資本主義に走る者との戦いを継続しながら社会主義建設を進めなければならないとした。
 ところが、毛沢東が行ったのは、非現実的な経済政策だったため、中国では破壊と混乱が繰り返された。劉少奇によって一部資本主義的な政策が取り入れられ、ようやく成長の軌道に乗ったが、毛沢東は文化大革命を開始した。これは、資本主義への逆行に反対する階級闘争ではなく、毛沢東が自分の権力を取り戻そうと図った権力闘争だった。
 文化大革命によって、約10年間中国は大混乱が続いた。その後、小平が実権を握り、市場経済を取り入れ、急速な経済成長を続けている。現在の中国は、共産党が指導する統制資本主義の国家となっている。そのため、社会的な矛盾が激化している。

 私は、1990年代以降の中国を観察し、資本主義的な経済発展が社会的矛盾を増大させているのを見て、10年ほど前から毛沢東主義の復活を懸念してきた。
 中国の場合、再度社会主義の道に進もうとするには、革命の英雄・毛沢東という象徴を必要とするだろう。またもし文化大革命後も極左が生き残っていたとすれば、民衆の教化に毛沢東を利用するだろう。また工業の発展によって、都市と農村の格差が拡大すると、不満を持つ農民及び農村出身者は、農民を重視した毛沢東を担ぎ出すだろう。これらが、私の予想の理由である。象徴的な言い方をすれば、「アンゴルモアの大王」がよみがえり、「新しいバビロン」と決戦を行うという黙示録的な展開を私は警戒している。
 石氏によると、現在の中国で、現状にたいする不満が毛沢東時代への回帰の願望を喚起し、狂信的な毛沢東崇拝を生み出しているという。私の予想は不幸にして当たりつつあるようである。

●経済発展の矛盾の解決方法

 社会主義国が国家資本主義的な経済発展をし、そこで矛盾が増大した場合、矛盾の解決には、三つの方法があると私は考える。
 第一は、社会主義を放棄し、自由民主主義による改革を行うという方法である。これが最も望ましいのだが、現在の中国は、この方向に進むには、相当時間がかかるようである。
 第二は、共産党が社会主義的な路線に戻り、社会主義的な改革を行うという方法である。私有財産を国有化したり、市場経済をやめて計画経済に戻すというような改革となる。
 第三は、共産党指導部に替わる集団が、社会主義の第二革命を起こし、権力を奪取して社会主義建設をやり直すという方法である。この方法には、ゼネスト・蜂起型とクーデタ型がある。中国の現状では、暴動が拡大するなかで民衆に呼応したクーデタ型のほうに可能性がある。
 ただし、第二または第三の方法を取って社会主義政策を再度実行したとしても、公有制及び計画経済には本質的な欠陥がある。早晩、再び限界にぶつかることになる。
 私自身は、社会主義すなわち統制資本主義より、自由資本主義がましだと考えている。ただし、経済的自由主義は規制を行わないと、欲望の際限のない追求へと暴走する。その欠陥を補うために、国際的な共同管理と社会貢献事業の拡大によって、資本主義の欠陥を補うのがよい。最大のポイントは、17世紀以来の貨幣経済の仕組み、つまり部分準備金と債務通貨の制度を変えることだと考える。

 ここで石氏の主張に話を戻したい。石氏は、中国で「『毛沢東への先祖返り』としての『革命』」が起こる可能性に触れている。これは、私の言う社会主義の第二革命に相当する。しかし、石氏は、毛沢東主義による第二革命より、別の方向に進む可能性がもっと高いと見ている。それは、中国共産党のファッショ化の可能性である。

 次回に続く。

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石平氏の「中国大逆流」1

2009-06-28 13:11:50 | 国際関係
●天安門事件20年を迎えた中国

 現在、わが国には石平(せき・へい)氏ほど、実際の中国と中国人を知っている中国問題の専門家はいないと思う。というのも石氏は、中国四川省の生まれのシナ人評論家だからである。石氏は、近年、中国や日中関係についての本を多く出している。とりわけ最近出された「中国大逆流 絶望の『天安門20年』と戦慄の未来像」(KKベストセラーズ)は、注目すべき情報と主張が盛られているので、要点を整理し、私見を述べたいと思う。
 文化大革命が開始されたとき、4歳だった石平氏は「毛沢東主席の小戦士」として少年時代を送った。しかし、北京大学哲学部の学生だった時代に、民主主義の思想に触れ、毛沢東崇拝から脱却したという。大学卒業後、四川省で大学の教職についたが、日本への留学を勧められて来日。その翌年、1989年(平成元年)に天安門事件が起こった。民主化を求めて天安門広場に集まった学生・青年に対し、中国共産党は人民解放軍を動かして、虐殺を行った。石氏は日本にいたが、多くの仲間が天安門事件で殺されたという。

 本年は、天安門事件から20年である。数年前に日本に帰化した石氏は、この機会に中国を訪れた。天安門事件の際、最前線で戦った昔の同志たちに会い、中国の民主化運動について聞いた。彼らの大半は、民主化や中国の未来について何も考えていないようだった。むしろ共産党独裁のもとで出来上がった利権構造の中に安住して甘い汁を吸うのが、彼らの生き方となっているという。中国の未来について真剣に考える人たちもいる。しかし、「民主化はすでに彼らの視野から完全に消え去ったようだ。彼らは民主化とは正反対の方向で中国の未来像を描いている」と石氏は言う。その未来像は、毛沢東時代の恐怖政治を体験した石氏にとって、恐ろしいものだという。
 日本に帰国した石氏は、ネットの掲示板に掲示された意見や議論を調べた。そこで氏が見たのは、小平への激しい批判、そして毛沢東崇拝の高揚だった。

●現状への不満から毛沢東崇拝が再燃

 中国共産党機関紙の人民日報社は、「人民網」というサイトを開設している。そのサイトには、「強国論壇」という名物掲示板がある。中国全土の愛国者や政治愛好者、政治や社会問題に関心のあるネット利用者が毎日、この掲示板に集まり、議論を行っている。石氏によると、「強国論壇」は今や、主流メディアに劣らないほどの影響力を持つにいたっている。胡錦濤国家主席は、「強国論壇は私がネットを閲覧する時に必ず入るサイト」と宣言しているという。
 中国は、小平による市場経済の導入により、経済成長を続けている。その一方、貧富の格差が発生し、汚職が蔓延、失業者が増加、暴動が頻発している。こうした社会的な矛盾への不満が、ネット上に多く書き込まれている。そして「中国の現状に対する厳しい批判がやがて小平改革への全面的否定へとつながり、それはまた、現状にたいする不満の裏返しとしての毛沢東時代への回帰の願望を喚起し、狂信的な毛沢東崇拝を生み出すに至った」と石氏は、考察している。
 さらに石氏は「『毛沢東』を旗印に揚げて小平路線に対する『総清算』を行おうとする『革命』の兆しが、まさにこの時代の流れの歴史的帰結として現れてきたのである」と言う。「かつての中国人民を恐怖政治のドン底に陥れたはずの『毛沢東崇拝』は、今やそのままの形で復活し氾濫しはじめている。時代の流れは前進するのではなく、むしろ逆行しているような気がする」と石氏は述べている。
 2008年(平成20年)12月、中国人の学者や弁護士や303人が署名した「08憲章」がネット上で公開された。憲章は、共産党の実質的独裁体制による矛盾を指摘して、全面的な政治改革を求めるものである。自由・人権・平等・平和・民主・憲政の6つのキーワードに凝縮された民主化の基本理念を打ち出し、新しい国づくりを宣言している。これに賛同する署名が広がり、年末には6000名を超えた。しかし、当局は署名運動の封じ込めを行い、署名運動は伸び悩みの状態にある。

 石氏は、このたび中国を訪問し、「民主化運動のリーダー格となるべきこの国のエリート層の大半はすでに堕落し切って、知識人としての良識と使命感を喪失している」と感じたと言う。一方、「一般の民衆はむしろ、毛沢東という過去の偶像にすがり、「毛主席のようなよき指導者」の再来に自らを『解放』する望みをかけているようである」と石氏は感じた。「08憲章」が、「予想できる範囲の近未来において、中国国民の広範な支持を受けて一大政治運動に広がっていくような可能性は極めて少ないのではないか」と石氏は書いている。
 一方、石氏は、ネット以外の実社会の動きも検証し、民衆における毛沢東崇拝は本物のようだという。中国の都市部では、11.5%の家庭で毛沢東の像が祀られている。毛沢東は先祖や仏教の崇拝対象と肩を並べて、「まるで『神様』であるかのように」祀られているという。そして、石氏は「国民の多くが『08憲章』の下に集結して民主化の道を開くというシナリオよりも、『毛沢東への先祖返り』としての『革命』が起きてくる可能性はもっと現実的であろう」と石氏は書いている。
 民主化よりも毛沢東崇拝への逆流が、中国で起こっている。さらに、その逆流は、中国のファッショ化へと進むおそれがある。それが、「中国大逆流」の意味するところである。

 次回に続く。
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現代の眺望と人類の課題132

2009-06-26 10:13:00 | 歴史
●宮内オリックスに「かんぽの宿」を投売り寸前

 「かんぽの宿」は、土地・建物合わせて総額2402億円で作られた。日本郵政は、「かんぽの宿」等の計79箇所の施設を、108億8600万円で、宮内善彦氏がグループの総帥の座にあるオリックス不動産に売却しようとした。郵政公社は03年(15年)の発足時、これらの施設を1726億円で国から引き継いだ。その後、日本郵政が引き継いで入札にかけるまでの5年半の間に、8回も値下げしていた。08年9月の時点では簿価は123億円となっていた。
 しかし、08年(20年)2月に「かんぽの宿」売却のアドバーザーとなったメリルリンチ日本証券は、日本郵政との間で、成功報酬は売却金額の1.4%または6億円かの高いほうの金額とするという契約を結んでいた。428億円以上で売却しないとそれだけの報酬金額にならない。それゆえ、日本郵政とメリルリンチの間では、「かんぽの宿」等の資産価値は428億円程度という共通認識があったことがわかる。

 国会で「かんぽの宿」が問題になった当初、日本郵政は、譲渡は「競争入札」と説明していた。しかし、国会で追及されると、西川社長は競争入札ではなかったと認めた。「かんぽの宿」売却問題が発覚した後、大阪市のある不動産会社は、400億円で購入したいと手を挙げていたが、入札の予備審査の段階で外されたことを明らかにした。
 日本郵政とメリルリンチの間に資産価値は428億円程度という共通認識があったようだが、400億円は、それに近い数字である。それだけの金を出して買いたいという希望者がいるのに、それを外して約4分の1の金額で他に売るのは、普通ではありえない話である。
 入札とは、少しでも高いところに売るものである。しかも、売却するのは、国民の金で作った施設であり、実質的に国の財産である。「出来レース」にしても、ひどすぎる。仮に400億円で落札されるべきものが、109億円で落札されたとすれば、その差額は291億円にもなる。
 
●郵政民営化の見直しで、日本の元気を取り戻そう

 「かんぽの宿」は赤字経営だったが、70施設の平均客室稼働率は7割以上ある。それでいて赤字となっていた原因は、簡保加入者の福利厚生を目的とする公的施設なので、利用料金を低く抑えていたからである。料金を上げるなど、収益性を追及すれば、黒字に転換する可能性はある。そうした物件を、ただただ払い下げのように民間に激安で譲渡するのは、経営感覚が疑われる。
 しかもこの激安譲渡には、特大のおまけがついていた。オリックス不動産に一括譲渡されようとしていたのは、「かんぽの宿」70箇所だけではなかった。売買契約には「かんぽの宿等の各施設に附帯する社宅等の施設及び首都圏社宅9施設を含む」とされていた。そのうち首都圏にある9つの社宅は、大半が駅から徒歩圏内に立地し、土地も広いという。不動産調査会社によると、これら9物件の合計は、約47億円になるという。この金額は、「かんぽの宿」の売却総額の43%になる。支払金の109億円の43%にも当たる。激安の上に、特大のおまけというのは、このことである。

 2009年(平成21年)1月、当時の鳩山邦夫総務相は、オリックス不動産に「かんぽの宿」を一括譲渡することに反対する方針を明らかにした。オリックスの会長でグループのCEOは、宮内義彦氏である。宮内氏は、上記のような法外な利益を、自らが推進した郵政民営化によって手にしようとしていたのである。「現代の政商」という宮内氏のあだ名は、言い得ている。
 政府は「かんぽの宿」の売却を止めた。それは問題を明らかにするためではない。追求が拡大すると、政界・財界に重大な影響が出るのを防ぐためだろう。宮内氏の疑惑が追求されれば、郵政民営化利権が、いっそう暴露される。宮内氏は「ミスター規制緩和」と呼ばれ、「規制改革の司令塔」「小泉改革の旗振り役」だった。小泉元首相と竹中元郵政民営化担当相の責任が追求される。さらに、もっと大きな構図が明らかになるだろう。宮内氏は「ハゲタカ外資の総代理人」でもあるからである。
 本稿に書いてきたような構図、つまり郵政民営化を強要したアメリカと、それに服従した日本。こうした日米関係を生み出した戦後の日米関係。「大東亜経済戦争」における日本の敗北と対米再従属。巨大国際金融資本による旧長銀の買収。利権に預かりながら、日本の売国を進めるわが国の一部所有者・経営者の集団の存在等を確認できるだろう。
 日本の再建のためには、郵政民営化の見直しによって、日本に巣くうガンの病巣を明らかにし、ガンの毒素を排出して、日本の元気を取り戻さなければならない。

 次回に続く。
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現代の眺望と人類の課題131

2009-06-20 09:35:28 | 歴史
●「ミスター規制緩和」「現代の政商」

 宮内義彦氏は、2001年(平成13年)小泉内閣が成立すると、総合規制改革会議の議長となった。04年から07年(16~19年)までは、規制改革・民間開放推進会議の議長を務めた。宮内氏が政府の審議会に参加した1995年(7年)以来、首相は何人も替わった。しかし、宮内氏は10年以上、一貫して規制緩和と民営化を推し進めてきた。人は彼を「ミスター規制緩和」と呼ぶ。

 宮内氏は「規制改革の司令塔」であり、「小泉改革の旗振り役」だった。
 小泉―竹中政権の5年間、「官から民へ」のスローガンのもと、規制緩和や民営化政策が強力に進められた。6000項目以上にのぼる規制緩和が推進された。規制緩和と民営化政策は、自民党による政界・官界・財界の癒着を断ち、日本の旧弊な体質を変える画期的な政策であるかのように、国民の多くには見えただろう。
 しかし、その実態は、先に書いたように、外資の要望によって外資の進出を許し、日本のアメリカへの再従属化をいっそう進めるものだった。またその結果、日本の社会に生じたものは、経済的な格差の拡大、それに伴う自殺や殺傷事件、家庭崩壊等の多発だった。その過程で、規制緩和や民営化政策は、日本の内部に新たな利権を生み出し、一部の企業や投資家を潤した。この利権を最大限に追及した者こそ、宮内だった。

 宮内氏は、政府の審議会のトップとなり、規制の緩和・撤廃を、第三者・有識者の立場から強く、また具体的に要望した。その一方で、規制緩和が実施されると、緩和された分野に投資をして、新会社を立ち上げ、利益を上げていた。たとえばオリックスは、規制緩和でトラック、タクシーの事業用リース(賃貸)車両が解禁されると、リース業界のトップとして恩恵を受けた。また製造業への労働者派遣を解禁した04年(16年)の労働者派遣法改正も、規制改革会議が推進したものだったが、オリックスは人材派遣会社の大株主となって利益を上げた。また、オリックスは、医療分野の規制緩和により、自由診療の高度医療の株式会社参入が認められると、オリックスはその第1号の株式会社の主要株主となって、事業を展開している。
 政府に規制緩和を求める民間人の中心人物が、規制緩和で儲かる事業をして、莫大な収益を得る。規制緩和に関するインサイダー情報をつかみ、その情報を使って儲けを図っていたのである。宮内氏が、現代の「政商」といわれる所以である。政商の生みの親は、小泉元首相だった。小泉政権誕生が、宮内オリックスの急成長のきっかけとなったのである。

 こうした宮内氏の利権追及がついに社会問題化したのが、「かんぽの宿」の問題であると私は思う。宮内氏は、小泉―竹中政権の郵政民営化政策を民間の立場から支持・推進した。そして、民営化された日本郵政が「かんぽの宿」を売却しようとした先が、宮内氏のオリックス不動産である。ブッシュ子に追従した小泉元首相と「外資の手先」と批判された竹中元郵政民営化担当相が生み出した郵政民営化利権に、宮内氏のオリックスが預かったという構図である。
 オリックスというと、日本の企業のように思うが、実態は外国人持ち株比率が50%を超える外資系企業である。宮内氏は、外資系企業に雇われている日本人経営者なのである。

●竹中大臣が叩き売りを可能とする附則を押し込む

 2009年(平成21年)1月、当時の鳩山邦夫総務相は、宮内のオリックス不動産に「かんぽの宿」を一括譲渡することに反対するという方針を明らかにした。鳩山氏は、売却に不正があった場合には「郵政民営化自体に疑問が出てくる」と指摘した。民営化したとはいえ、日本郵政の株式はすべて国が保有している。それゆえ、「かんぽの宿」は、実質的には国の財産である。売却は、国民にオープンな手続きの下で行うべきなのに、入札の詳細が公開されず、「出来レース」と受け取られる状況だった。そこが追求されれば、郵政民営化そのものが問い直されることになる。
 私は、辞任した鳩山大臣が一括譲渡に反対したのは、法と正義によるものとは見ていない。鳩山氏は郵政民営化賛成派である。郵政民営化をよきものとし、民営化を正当化したかったのだろう。だから、鳩山氏は「かんぽの宿」問題が郵政民営化そのものの見直しへと拡大しないように、動いたものと推測する。見直しが拡大すれば、批判は郵政民営化を推進した政治家に及ぶ。さらに自民党の政権基盤を揺り動かす。鳩山氏の行動は、そうならない範囲で行動だったと思う。

 実は04年(16年)9月に閣議決定された「郵政民営化の基本方針」には、「郵便貯金関連施設事業、簡易保険加入者福祉施設事業に係る施設、そのほか関連施設については、分社後のあり方を検討する」としか書いていなかった。その後も、郵政民営化準備室が国会議員ら向けに作った説明資料でも、これらの施設を譲渡・廃止とは書いていなかった。ところが、成立した郵政民営化法案の附則には、日本郵政は郵貯や簡保の施設につき、「譲渡又は廃止等の業務を行うものとする」と明記してあった。
 この附則を押し込んだ者は誰か。担当責任者は、当時の竹中大臣である。竹中氏が、郵政民営化法案に外資への叩き売りが可能となる附則を押し込んだのである。そして、当然、当時の小泉首相はその動きを承知していただろう。

 次回に続く。

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北朝鮮に友愛外交は通じない

2009-06-19 19:22:02 | 時事
 昨18日の産経新聞の朝刊は、民主党の外交政策を特集した「危うい「友愛」外交」の第三回を掲載した。その最後は、次のように締めくくられている。
 「いま必要なのは日米同盟の立て直しである。日本が北のミサイル破壊命令を出した2日後、ゲーツ国防長官は「米国を標的にしない限り、迎撃する計画はない」と述べた。続いて、クリントン国務長官が「日本には領土を守るあらゆる権利がある」と突き放す。
 これらの発言は、日本が軍事的な脅威にさらされても米国は動かぬ場合があるということだ。日本は集団的自衛権を行使できず、米国に向かう北のミサイルを迎撃できないから文句もいえない。
 この日米同盟の破れを放置する麻生政権もひどいが、鳩山、岡田ら民主党幹部もまた有事駐留論の幻想から完全に抜け出していない。かつて、日米安保反対を撤回した「村山富市モデル」に従って、ほどよく変節することを願う。」
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090618/stt0906180805001-n3.htm
 
 ゲーツ国防長官やクリントン国務長官の発言に対し、わが国の政府は反論できない。彼らの発言は、日米安保条約の片務的な条文にのっとったものであり、またわが国は、集団的自衛権の政府解釈によって、アメリカに対し、双務的な防衛行動ができない。
 北朝鮮が本気でわが国にミサイル攻撃をしてきた場合、わが国は危うい。現在でさえ、そうであるが、民主党の友愛外交は、わが国を一層危険な状態にさらすことになる。
 鳩山由紀夫代表の友愛外交論は、観念的理想主義であって、アメリカには通じない。それ以上に、北朝鮮にはまったく通じない。鳩山氏は総理大臣になったら、北朝鮮を訪問し、金正日総書記に「友愛」を説くつもりかもしれないが、軽蔑と嘲笑の的になるだけだろう。
 
 産経の記事と同じ18日、北朝鮮の攻撃対象は日本だと米専門家が下院で証言したというニュースが流れた。
 共同通信の記事によると、証言したのは、米国の朝鮮半島問題研究者、国際政策センターのセリグ・ハリソン。米下院外交委員会の公聴会で、北朝鮮が戦争状態に陥った場合、韓国ではなく日本を攻撃するとの見方を述べたという。
 日本が攻撃対象である理由は、金正日総書記の健康状態が悪化した後、「反日感情が強く国粋主義的で、海外経験のない若手将校らが政権内で立場を強めた」ことだという。ハリソンは、若手将校らは金総書記が平成14年に日本人拉致を認め「謝罪したことに憤慨」しており、「日本と紛争になった場合の北朝鮮の能力を非現実的なほど高く評価し、他の高官らを憂慮させている」と述べた。ハリソン氏は「国連制裁の結果、事態が悪化した場合、北朝鮮は報復として韓国ではなく日本か在日米軍基地を攻撃するだろう」という予測を語ったという。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/090618/kor0906180954000-n1.htm

 北朝鮮のミサイルが日本を攻撃対象にしているのはもともと明らかなことであるが、ハリソン証言で注目すべきは、国連制裁の結果、事態が悪化した場合、報復として日本を攻撃するだろうという予測を述べていること。また、反日感情が強く国粋主義的で、海外経験のない若手将校らが政権内で立場を強めており、彼らは金正日が拉致問題で日本に謝罪したことに憤激していると言っていることである。
 戦前のわが国では、昭和恐慌後の農村の悲惨を背景に青年将校がクーデターを試み、それを利用した軍指導部が政治の実権を握り、わが国の進路を誤らせた。偏狭で独善的なナショナリズムや、感情的な排外主義は、冒険主義的な行動に走りやすい。
 北朝鮮の若手将校が、政府や軍部でどの程度の影響力をもっているのかわからないが、われわれ日本人は、よく警戒・自衛すべきである。

 韓国の中央日報も、ハリソン証言を伝えている。最後にそれをクリップしておく。
 
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●中央日報 平成21年6月18日号

http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=871773&media_id=56
「北朝鮮、紛争発生なら韓国ではなく日本を攻撃」
(中央日報 - 06月18日 16:53)

 米国内の北朝鮮専門家と呼ばれるセリグ・ハリソン国際政策センター(CIP)アジアプログラム局長は、紛争が発生すれば北朝鮮は韓国ではなく日本を攻撃すると予想される、と述べた。
1月に北朝鮮を訪問しているハリソン局長は、17日、米連邦下院外交関係委員会小委員聴聞会に出席し、このように証言した。
 ハリソン局長は「最近国連安全保障理事会で決議した北朝鮮制裁を履行する過程で摩擦が発生し、北朝鮮が攻撃を敢行する場合、その対象は韓国ではなく日本になるだろう」と予想した。
 国連安全保障理事会は最近、北朝鮮を行き来する船に大量破壊兵器、ミサイル、核物質などの積載が疑われる場合、公海上であっても加盟国はこれを停船させて検査することを促している。
 ハリソン局長の予想は、こうした北朝鮮船の検査が実際に履行される場合、摩擦が生じる可能性があり、この過程で北朝鮮がこうした行動をとる可能性があるということだ。
 ハリソン局長はまた「いま北朝鮮では民族主義に染まった若い世代が外部世界との経験なしに指導者の席に就いている。病気で倒れたことのある金正日(キム・ジョンイル)国防委員長は日々、国政運営の役割が減っている」とし、金正雲(キム・ジョンウン)の継承が国政の運営に関与する場合、民族主義に立脚して日本との間で摩擦が生じうると指摘した。
 1月に北朝鮮を訪問し、北朝鮮に対して「核兵器を放棄すれば米国との国交正常化と経済支援を提供する」と提案したハリソン局長は、北朝鮮から「外交関係正常化および経済支援が先に行われれば核兵器を放棄する」という回答を受けて帰国したと、米議会報告書は指摘した。
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コメント

民主党政権は日本を崩壊に導く

2009-06-17 14:53:35 | 時事
 今回の西川郵政社長退任をめぐる問題で、鳩山邦夫総務大臣が辞任するという結末になったことで、麻生首相及び自民党への支持率は低下した。来る衆議院選挙で、民主党政権が実現する可能性は、確実に高まった。
 私は、民主党は、日本を崩壊に導く危険性があると見ている。民主党の政策案は、国家主権やわが国の伝統に関する理解を欠いている。民主党政権が実現した場合、内政では、選択的夫婦別姓の導入、定住外国人への地方参政権の付与、靖国神社に代替する国立戦没者追悼施設の建設、日教組の教育方針の正当化等が進められることになるだろう。これらの政策の実施は、わが国の家庭・学校・社会・国家を混迷に導き、その後、回復が困難なほどの損傷を生じるだろう。
 また、民主党の政策案は、自主防衛のための方針がないまま、国際協力や日米同盟を縮小しようとしている。民主党政権が実現した場合、外交では、海上自衛隊のインド洋給油支援活動の即時停止、日米地位協定の見直し、沖縄海兵隊グアム移転と普天間飛行場移設を柱とする在日米軍再編計画の白紙撤回等が進められることになるだろう。これらの政策の実施は、わが国の安全保障体制を不安定にし、東アジアの勢力バランスを崩すことになるだろう。
 民主党が本年の衆議院選挙で勝利し、さらに来年の参議院選挙でも勝利した場合、上記の政策は、国民の代表である国会議員の多数意思によって、加速的に実現される。それは、わが国の内政・外交を劇的に悪化させ、日本崩壊への道しるべとなるに違いない。

 16日の産経新聞は、内政・外交の両面にわたって、民主党の重大な問題点を指摘する記事を載せていた。それらをクリップしておく。

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●産経新聞 平成21年6月16日号

【正論】国学院大学教授・大原康男 民主党の保守派にも正念場だ
2009.6.16 03:40
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090616/stt0906160341001-n1.htm

≪鳩山代表に求めるべきは≫
 3月2日付の本欄でおおよそ次のようなことを述べたことがある。本年中に必ず行われる衆議院選挙によって民主党を中心とする政権の誕生する可能性が高く、そうなれば、これまで過去に同党が提案してきた選択的夫婦別姓の導入、定住外国人への地方参政権の付与、靖国神社に代替する国立戦没者追悼施設の建設など、総じてわが国の歴史・伝統や主権を損なう左派リベラル色の濃厚な政策が小沢一郎代表の豪腕でもって相次いで実現することが予想され、保守派は「まさに正念場を迎えることになろう」と。
 偶然というか、その翌日に小沢代表の公設秘書が政治資金規正法違反の容疑で逮捕され、その後に行われた新聞各紙による世論調査では民主党の支持率が軒並みダウンし、久しく続いてきた自民党への逆風が弱まって、政権交代に「?」マークが点(つ)きかけた。それも一時のことで、代表退陣を求める強い国民世論を受け、2カ月余たった5月11日に小沢代表が辞任して鳩山由紀夫新代表に交代するや、再び民主党の支持率が自民党のそれより上回るという目まぐるしい動きを見せている。
予想外に素早く発足した鳩山新体制に対し、新たに代表代行に就任した小沢氏の“傀儡(かいらい)”とか“院政”とか批判する声が依然としてくすぶっていることに鳩山代表は苛立(いらだ)っているようだが、そうであればあるほど、これまで「政策よりも政局」を基調音としてきた小沢路線を継続することは許されず、真に政権担当能力があるのか否か、厳しく問われ続けなければなるまい。

≪地方参政権も靖国神社も≫
 その意味で5月27日にようやく実現した党首討論は注目を集めたが、残念ながら議論がすれ違って本格的な論戦にならなかった。17日に2回目があるようだが、国会も大幅な会期延長となったのだから、回数もできるだけ多い方がよい。今回は外交や安全保障、公務員制度改革、消費税導入といった基本国策にとどまらず、私たちが危惧(きぐ)する先記した諸政策についても率直な見解を表明してほしい。鳩山民主党の目指す方向を正しく認識するためにも…。
 たとえば、鳩山代表は外国人への地方参政権付与に当初から積極的な推進派であり、つい最近もインターネットのある動画サイトに出演した時には「日本列島は、日本人だけの所有物ではない」と明言したと報じられている。地方参政権といえども元をたどれば国家の統治権に属するものであり、国の根幹にかかわる重大事をこんな軽い感覚で捉(とら)えることに唖然(あぜん)とするが、先般、韓国国会で海外同胞に対する国政および地方参政権を認める法案が可決されたことをご存じなのだろうか。このままで参政権を付与すれば、在日韓国人は母国と滞在国との二重の投票権を獲得することになるからである。
もう一つ、国立戦没者追悼施設の構想も、平成13年6月に行われた党首討論において、当時民主党代表であった鳩山氏が小泉純一郎首相の靖国神社参拝に反対して千鳥ケ淵戦没者墓苑の拡充を含めた国立墓地の新設を提案したことがきっかけとなっている。さらに、4年半近くたった17年11月に設立された本構想を推進する超党派の議員連盟「国立追悼施設を考える会(会長・山崎拓自民党元副総裁)」に副会長として率先参加している。いずれにおいても鳩山代表が“確信”的な推進論者であることは疑うべくもない。

≪野田議員の態度表明歓迎≫
 もちろん、民主党内にも保守派は健在であり、このような政策が簡単に進められるとは思えない。その有力なリーダーの一人である野田佳彦衆院議員は、月刊『正論』5月号に掲載された「保守の“王道”政治を受け継ぐわが決意」において、きわめて注目すべき見解を明らかにしている。
 すなわち、外国人の地方参政権については「党内には依然として慎重論が根強い」ことをあらためて明らかにし、「靖国神社に代わる新たな施設」も「そこに魂がなければ追悼の施設になりえません」と指摘、いずれに対しても慎重な姿勢を示して、「次期衆院選のマニフェストに盛り込むべきではない」と訴えているからだ。
野田議員の言やよし。しかし、マニフェスト(選挙公約)に載せないだけでは政治の担保として決して十分とは言えない。政権を獲得した後にマニフェストに入っていなかったことがらが新たな政策として実施されたケースは過去に少なからずあるからである。万が一、そういう事態が出来(しゅったい)したならば、民主党の保守派にとっても深刻な「正念場」となるに相違あるまい。
 したがって、もしマニフェストにこだわるのならば、「…をします」というポジティブ・マニフェストだけでなく、「…はしません」というネガティブ・マニフェストも併示すべきではないか。それは自民党においても同様である。それでこそ、選挙の争点がより明確になり、国民の選択に大きく資することができよう。(おおはら やすお)

●産経新聞 平成21年6月16日号

【危うい「友愛」外交】(1)米大物が警告した民主の「反米3点セット」
2009.6.16 15:24
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090616/plc0906161530007-n1.htm

 「民主党が掲げる政策を一度にぶつけたら、米議会や政府は反米とみなすかもしれない。皆さんは注意されたほうがいい」。
 静かな室内に、「反米」という言葉が非常ベルのように響きわたった。昨年12月19日朝、東京都心の帝国ホテルの一室で開かれた民主党幹部と米知日派の国防・安全保障専門家の懇談でのことだ。
 民主党側の出席者は、鳩山由紀夫幹事長(当時、以下同)、菅直人代表代行に岡田克也、前原誠司両副代表を加えた4人。米側は民主党系のジョセフ・ナイ元国防次官補、ジョン・ハムレ米戦略国際問題研究所長(元国防副長官)の大物二人に、ブッシュ前共和党政権で対日政策を担当したマイケル・グリーン前国家安全保障会議アジア上級部長、ジム・ケリー元国務次官補も加わった。

見えない将来像

 鳩山、菅らの顔をみすえるように、「反米警告」の口火を切ったナイは、イエローカードの代わりに三つの具体的問題を挙げた。
 (1)海上自衛隊のインド洋給油支援活動の即時停止(2)日米地位協定の見直し(3)沖縄海兵隊グアム移転と普天間飛行場移設を柱とする在日米軍再編計画の白紙撤回-。
 いずれも、民主党が最新政策集「政策INDEX2008」などを通じて政権公約に掲げてきたものだ。
 「反米とみなされないためには日米協力の全体像(トータル・パッケージ)を描いた上で個別の問題を論じたほうがよい」。出席者によると、ナイはそう強調した。口調は穏やかでも、反米警告に込められた疑問は明白だった。
 それは民主党政権になった場合の日米同盟の将来像がさっぱり見えないということだ。
 菅らは「民主党政権になっても日本の外交安保政策の基軸は、日米関係だ」と説明し、約45分間の懇談は終わった。だが、それから半年たった今も、米側出席者の一人はこう語る。「民主党が日本の政権に就いて本当に大丈夫か」。
 この人はその後も鳩山、岡田らと会うたびに、オバマ政権が重視するアフガニスタン問題などで「日本はどんな貢献ができるのか」と水を向けた。だが、鳩山らの答えは「抽象的発言が多く、具体的に何をするかが見えてこなかった」という。
 同盟の将来が見えないばかりではない。民主党の政策構想には、同盟の土台を根底から崩しかねない危険すら見え隠れする。
 岡田は雑誌「世界」7月号で、「米国の核の傘から半分はみ出す」と語り、(1)米国に核先制不使用を宣言させる(2)非核国への核使用を違法とする合意形成(3)東北アジア非核地帯構想-を日本の主張とするように訴えている。
 日本は国家の安全と存立を保障する究極の抑止力について第二次大戦後、一貫して米国が提供する拡大抑止(核の傘)に依存してきた。これを政治、外交、軍事安全保障面でトータルに包み込んだものが日米安保条約体制(日米同盟)にほかならない。だが、北朝鮮の度重なる核実験によって北朝鮮や中国の核の脅威は確実に高まっている。
 北朝鮮が核・ミサイル実験を繰り返すたびに、クリントン国務長官らが「日本の安全は保障する」と強調するのも、核の傘の信頼を担保するためだ。日韓への核の傘の補強が求められているというのに、逆にその外へ向かうとは一体どういうことなのか。

日米同盟崩壊も

 「拡大抑止そのものが日米安保の軸だ。賛成なら日米安保を認めることになるが、反対なら独自に核武装するか、非武装中立の道しかない」。防衛専門家はこう指摘し、日米安保体制の土台が揺らぐと警告する。インド洋の給油活動を停止し、米軍再編を白紙撤回させ、地位協定も改訂した上に、核の傘から出ていこうとすれば、その先に何があるか。言えるのは日米同盟が確実に崩壊することだ。
 ナイが警告した「反米3点セット」を断行する本物の反米政権が生まれる日が近づいてきている。

都合いい「甘えの構造」

 米側の心配は、鳩山新政権が「村山富市モデル」となるのか、もしくは「盧武鉉モデル」なのかが見極められないことだ。
 社会党委員長だった村山富市は首相就任後の国会で、自衛隊を合憲と認め、日米安保体制を堅持すると表明した。これまでの自衛隊違憲や日米安保反対の立場を一転させ、日米同盟を日本外交の基軸とすることを受け入れた。
 一方、故盧武鉉韓国大統領は就任後、大衆迎合型の反米左派色を徐々に強めた。危機感を抱いた米国は在韓米軍再編などを通じ、米韓同盟挫折という事態にも備えて米軍戦略や部隊配置を微妙にシフトさせた。

見えぬ全体像

 「反米」転換か、強化かが判然としない大きな理由は、民主党の外交・安保政策が「人の数ほど政策がばらばらで、どれが実行されるのかがわからない状態」(プリスタップ米国防大学上級研究員)にあるためだ。
 民主党の外交安保通の一人である前原誠司も、「米国から見て、前原はわかる、長島(昭久)もわかる。岡田も知っている。だが、民主党がわからない」と全体像がみえにくい事情を認める。
 その前原や長島は、米次期国務次官補に指名されたカート・キャンベルら同盟重視の知日派と親しい。彼らの描く同盟像は、鳩山や菅らの唱える日米安保論とは微妙に異なる。核の傘の意味も理解しており、岡田の「非核地帯構想」とは一線を画す。その前原、長島と岡田との違いに加えて、鳩山、菅の政策もまた違ってみえる。
 鳩山はかつて「常駐なき安保」を唱え、在日米軍の大半を日本国外に移駐させて、有事の時だけ来援させる構想を掲げた。菅も沖縄米軍基地の「国外への移転」を主張したことがある。
 外交評論家の岡本行夫はこうした考えに手厳しい。「お前の顔をみたくない、と奥さんを家から追い出して、『病気になったら看病に来い』と命じるようなものです」。そんな「いいとこ取りをしたら、日米間の信頼が失われてしまう」と強く警鐘を鳴らす。
 その一方、鳩山首相が誕生した場合のケーススタディーが民主党内でこう論議されている。
 「公約に従って、第一声はインド洋給油支援を即時停止する。続いて普天間移転を含む米軍再編計画を白紙撤回する」。次の内閣・防衛担当の浅尾慶一郎は5月末のテレビ番組で民主党政権での給油支援対応を問われ、即座に「退きます」と断言した。
 米戦略国際問題研究所のニコラス・セーチェーニ日本部副部長は、鳩山政権が給油支援停止と米軍再編の白紙撤回を表明した場合、「日米は非常に不幸なことになる」と予言する。

日本見限る?

 さらには日米地位協定や思いやり予算の問題もある。岡田は今月12日の記者会見で「戦後体制を引きずった基地の配置だけでなく、日米地位協定見直し、思いやり予算などさまざまな課題が日米間にある」と語った。地位協定や思いやり予算の抜本的見直しは民主党の重要公約の一つだ。
 だが、地位協定や思いやり予算の運用には長い歴史的経緯がある。北大西洋条約機構(NATO)や韓国などの同盟国とのかかわりもあるため、米当局者やマイケル・グリーンらの懸念は深刻だ。
 いくらマニフェストで「真の日米同盟」を訴えても、こうした文脈を考えれば米国側の反応がどうなるかは想像に難くない。ナイが指摘した給油支援、地位協定、米軍再編の「反米3点セット」は、日米同盟に対する民主党の真意を測る核心といっていい。
 米国のシンクタンクから日米関係を見ている辰巳由紀は、日本が民主党政権になった場合に最も心配なことは「米国からの自立を目指すという選択をすることが、何を意味するかを真剣に考えていないのではないか」と指摘する。
 米国には、アジア太平洋を見渡して韓国、豪州、シンガポール、インドなど戦略的に提携を深めている国々が日本以外にもある。米国が日本を見限って他の同盟・協力国との関係強化で代替する可能性は確かに低いものの、だからといって「日米同盟がなくなるはずがない」とタカをくくって考えていたら、日本を見限って米中G2体制が浮上しかねない。
 辰巳の指摘は、米国に対する「甘えの構造」そのものである。民主党の甘えとひとりよがりの安全保障政策によって、同盟が日本側から瓦解する恐れはかつてなく高い。(敬称略)



 友愛を掲げる鳩山由紀夫代表率いる民主党の外交安保政策を検証する。

民主党政策INDEX2008 外交防衛政策の抜粋(2008年10月)

≪新時代の日米同盟の確立≫
・日米両国の対等な相互信頼関係を築き、新時代の日米同盟を確立します。国際社会において、米国と役割を分担しながら、その責任を積極的に果たしていきます。
・日米地位協定の抜本的な改定に着手するとともに、米軍再編にかかる経費負担のあり方、思いやり予算など米軍関連予算の執行について不断の検証を行います。

≪新テロ特措法延長への対応≫
・多国籍軍に対して海上自衛隊が行っている給油活動に関する総括やテロ対策の効果の検証もなく、説明責任を果たさないまま政府が制定を強行した新テロ特措法の延長に反対します。
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郵政問題と政治の現状

2009-06-15 11:03:46 | 時事
 西川氏を切る、または鳩山氏が辞めるーーどちらにしても今の自民党は、痛手を負う。短期的には、選挙への影響です。麻生首相は、党内の結束と有権者の動向、財界の支持等を勘案し、総合判断の上、小泉ー竹中ラインの意思に従うことにしたのでしょう。
 この判断が、来る選挙で吉と出るか凶と出るかは、自民党という一政党の利益に過ぎません。今回の麻生氏の選択によって、郵政民営化を見直す動きは、弱まります。長期的には、軌道修正のされない場合、わが国の国益が損なわれることは確実です。

 私は、民主党・社民党・共産党・公明党等を批判しますが、自民党を政党として支持している者ではありません。政治家は人物を見て判断するというのが、私の基本姿勢です。
 私の見るところ、自民党は、結党以来、六つの段階を経て、変質・劣化してきています。

①独立自尊ではなく対米追従(吉田内閣)
②憲法改正ではなく経済優先(池田内閣)
③政治家主導ではなく官僚主導(池田内閣)
④日中の対等外交ではなく媚中化(鈴木内閣)
⑤自浄再生ではなく公明党と連立(小渕内閣)
⑥主体的でなく従米的な郵政民営化(小泉内閣)

 現在の自民党の主流派は、対米追従、経済優先、官僚主導、媚中外交、創価学会に依存です。そのうえ、郵政選挙で議席を得た議員が多数を占め、実権を握る集団に変貌しています。
 自民党には一部、伝統尊重的保守の政治家がいますが、主流派の強勢の影に隠れ、活躍できなくなっています。

 自民党に愛想をつかした人々は、民主党に期待を寄せています。しかし、民主党は、日本を崩壊に導く危険性を持った政党です。政権を握ると、わが国は後々回復が困難なほどに悪化するでしょう。
 55年体制の終焉後、政治家の集合離散が繰り返されています。いくつもの新党が現れては消え、結局、反自民で寄り集まっているのが、民主党です。民主党の政策は、リベラルをベースに、日教組、部落解放同盟、在日コリアン団体等の主張・要望が混合されたものとなっています。同党には少数ながら伝統尊重的保守の政治家がいますが、よく民主党の党員でいられるものだと思います。反自民で、自分の議席を確保できる場所は、他にないということなのでしょう。
 
 日本の混迷は深いと思います。これは、大衆民主主義が愚民政治に陥っている結果です。
 この危機に、日本を再建し、国家百年の計を掲げ、その実現に尽力する人物が現れるかどうかは、国民の一人一人の意識の向上にかかっていると思います。日本の現状・将来を真剣に考え、積極的に行動する日本人が増えていくことを期待したいと思います。

関連掲示
・「伝統尊重的な保守」という範疇については、拙稿 「日本的な「保守」に日本精神という背骨を」をご参照下さい。
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion13a.htm
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西川続投に小泉ー竹中の圧力

2009-06-14 08:56:02 | 時事
 私は、6月6日の日記に、日本郵政の社長に「ゴールドマン・サックスの代理人」とも呼ばれる西川善文氏を起用したのは、小泉内閣当時の小泉首相と竹中大臣だと書いた。
 「かんぽの宿」の一括譲渡問題をめぐる西川氏の進退問題は、鳩山総務大臣の辞任という結末になった。西川社長再任の陰には、小泉元首相、竹中元大臣の動きがあったようである。読売新聞(平成21年6月13日号)は、次のように伝えている。
 「竹中氏は小泉氏に相談した。小泉氏は2005年、竹中氏を通じて西川氏と知り合い、社長就任を要請した経緯がある。すぐに指名委の委員を「西川続投」で説得して回り、首相や鳩山氏の動きを封じ込めた。」
 関連のニュースをクリップしておく。

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■読売新聞 平成21年6月13日号

●首相、当初は「西川交代」…竹中・小泉コンビが封じ込め
6月13日1時49分配信 読売新聞

 麻生首相は当初、日本郵政の西川善文社長を交代させる意向だった。
 今年2月、首相官邸の執務室。首相は鳩山邦夫総務相と会い、日本郵政の6月の株主総会で西川社長を含む取締役を一新するよう指示した。「ポスト西川」の候補として、NTTの和田紀夫会長、生田正治・元日本郵政公社総裁、西室泰三・東京証券取引所会長らの名を記したリストも手渡し、水面下の調整をゆだねた。
 首相の意を受けた鳩山氏は5月に入り、日本郵政の取締役人事を決める指名委員会の一部委員に「首相は西川氏を代えるつもりだ」と伝え、「西川辞任」に向けた多数派工作を始めた。
 しかし、直後から巻き返しにあう。
 指名委員会は、委員長を務める牛尾治朗・ウシオ電機会長を始め、郵政民営化など、小泉元首相が進めた構造改革に積極的な財界人が名を連ねる。そうした委員を通じて鳩山氏の動きを察知したのは、構造改革の旗振り役だった竹中平蔵・元総務相だった。
 竹中氏は小泉氏に相談した。小泉氏は2005年、竹中氏を通じて西川氏と知り合い、社長就任を要請した経緯がある。すぐに指名委の委員を「西川続投」で説得して回り、首相や鳩山氏の動きを封じ込めた。
 結局、指名委は5月18日、西川氏を続投させる方針を決めた。

最終更新:6月13日1時49分

●強気の西川社長、後ろ盾は「小泉人脈」有力財界人
(読売新聞 - 06月13日 05:44)

http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=866529&media_id=20

 日本郵政の西川善文社長が、取締役選任の認可権を握る鳩山総務相の意に反して続投の姿勢を崩さずにきたのは、財界有力者の支持を取り付けたことが大きい。
 財界には西川氏に批判的な声もあったが、小泉元首相に連なる人脈が動き、そうした声を「封じ込めた」(関係者)との見方がある。
 日本郵政の取締役人事を決める指名委員会には、委員長の牛尾治朗・ウシオ電機会長をはじめ、奥田碩・トヨタ自動車相談役、丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長という有力財界人3人が社外取締役として名を連ねる。
 牛尾、奥田の両氏は、小泉政権下の経済財政諮問会議で民間議員を務め、丹羽氏は安倍、福田の両政権で諮問会議の民間議員だった。いずれも郵政民営化などの「構造改革路線」を支える役目を果たし、小泉元首相と親しい。
 指名委員会は5月18日に西川社長の続投を決めた。実はそれ以前、西川氏の進退問題が浮上した今春に、財界の中枢で後任候補の人選が極秘裏に進んだことがある。
 しかし、リストに挙げられた候補者が相次いで固辞。さらに小泉元首相の人脈が「火消し」に動く一方、西川氏に対しては「自分から辞めると言わないことが、一番大事だ」と支え、後任探しはさたやみになった。
 その後、麻生首相や鳩山氏が後任探しに乗り出す場面もあったが、民間人が財界の後押しもなく「火中の栗を拾う」のは厳しい。「指名委員会が西川氏続投を決めた時点で、勝負はついていたのかもしれない」(財界関係者)。有力な後任を見つけられなかったことも、西川社長の続投やむなしとの判断につながった。
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現代の眺望と人類の課題130

2009-06-13 08:51:58 | 歴史
●日本郵政・西川社長の進退問題

 日本郵政の西川社長の進退問題は、6月12日鳩山邦夫総務大臣が辞任するという結末になった。鳩山氏は、西川氏の責任を問い、社長再任を認可しない意思を明らかにしていた。これに対し、麻生総理大臣は、西川氏の続投を認める方針を表した。自説を変えない鳩山氏は、自ら内閣を去る道を選んだ。
 日本国民の多くは、小泉-竹中政権が画策した郵政民営化を、国民にとって有益なものと思っている。郵政選挙で小泉自民党に投票し、歴史的大勝を実現したのは、有権者大衆である。小泉純一郎氏を継いだ安部晋三、福田康夫、麻生太郎の歴代首相は、郵政民営化に賛成し、民営化路線を継承・推進する立場にある。だからこそ、彼ら総理総裁となり得た。現在の自民党は、郵政民営化=私営化の真の問題点を隠すことによって成立している。特にアメリカ資本の圧力を深く問う動きを封じることでしか、自公連立政権は存続できない。これが、わが国日本の現状である。日本の再建は、郵政民営化を問うこと抜きに、なし得ない。

 事の発端は、2009年(平成21年)1月に浮上した「かんぽの宿」売却問題である。この問題は、郵政民営化を根底から揺るがすマグマを含んでいた。
 「かんぽの宿」とは、簡易保険による保養宿泊施設であり、郵政民営化までは「○○保養センター」が正式名称だった。施設は、全国に70箇所ある。08年(20年)の年末、日本郵政の西川社長は、「かんぽの宿」及び関連施設、計79箇所をオリックス不動産に一括譲渡しようとした。
 これに対し、09年(21年)1月6日鳩山邦夫総務大臣は、一括譲渡に反対の方針を表明した。なぜオリックスなのか、なぜ一括譲渡なのか、なぜ不動産価格が急落しているこの時期なのかと、鳩山氏が日本郵政に問い合わせたところ、納得のいく説明がなかったという。その後、この問題は、西川社長の進退問題へと発展した。しかし、冒頭に書いたように、鳩山大臣のほうが辞任するという結末となった。

●郵政民営化利権に預かろうとした宮内義彦

 「かんぽの宿」の一括譲渡先とされたオリックス不動産の親会社は、リース業最大手のオリックスである。オリックスの会長でグループCEOの座にあるのは、宮内義彦氏である。宮内氏は、政府の規制改革会議の議長を務め、郵政民営化を推進した。鳩山氏は、その宮内氏の企業に「かんぽの宿」を一括譲渡することは、「出来レース」と受け取られる可能性があるとして反対した。宮内氏は、政府の審議会のトップの座にあることで、郵政民営化の推進に深く関与した人物である。
 宮内議長のもと、総合規制改革会議は、公的宿泊施設は廃止するか、民間に譲渡すべきという議論をした。04年(16年)8月の報告書で、公的施設の廃止、民営化を掲げた。それを推進した人間が、民営化の後に自ら入札に名乗り出ていた。宮内氏は「かんぽの宿」の一括譲渡によって郵政民営化=私営化による利権に預かろうとしていたのである。
 ここに、郵政民営化利権の存在が、天下に暴露された。しかし、これを覆い隠し、封じようとする動きが活発に行なわれている。

 宮内義彦氏は1958年(昭和34年)に、米国ワシントン大学に留学し、MBAを取得した。帰国後は、商社のニチメンに就職し、渡米してリース事業や企業買収のノウハウを身につけた。この間に、宮内氏はアメリカの政財界に人脈を作った。
 オリックスの社長となった宮内氏は、1980年以降、不動産融資と米国仕込みの企業買収(M&A)に力を入れた。オリックスはバブル崩壊による影響をあまり受けることなく、パチンコ店やラブホテルを買収し、消費者金融向けの融資を手がけ、韓国系銀行等の顧客を吸収するなどして、業務を拡大した。そして宮内氏は、政府の審議会に入り、規制緩和・規制改革を進める民間の騎手となった。
 宮内氏は、オリックスの社長をしていた1990年代半ばから、政府の諮問機関に参加し、民間人として規制緩和と民営化を推進した。95年(平成7年)村山内閣で行政改革委員会規制緩和小委員会の参与となったのを始めとして、橋本・小渕・森の歴代内閣で規制緩和、規制改革の委員会の委員長を務めた。この時期は、アメリカが日本に対して対日経済戦争を仕掛け、94年(6年)から年次改革要望書を出して「アメリカによる日本改造」を進め、98年(10年)にわが国が「第二の敗戦」にいたった時期と重なる。
 外からの日本への圧力とともに、日本の中でそれに呼応して、外資の参入に道筋をつける動きがあった。その先頭に立っていたのが、宮内氏なのである。

●旧日本債権信用銀行が外資に渡る

 オリックスが世間の注目を受けたのは、日本債券信用銀行の買収の時である。日債銀は、長銀とほぼ同時期である1998年(10年)12月に経営破綻して、一時国有化された。やはり公的資金を3兆2000億円投入した後、2000年(平成12年)に投資グループに売却され、翌年「あおぞら銀行」に改称された。旧長銀の買収の時と同様、ここでも「瑕疵担保条項」がつけられた。宮内氏はこの買収に名乗りを上げた。他に動いたのも日本の投資家だったので、旧長銀のときほど話題にならなかった。しかし、ここでもわが国の国益を損なう重大なことが起こっていた。
 旧日債銀の買収には、宮内氏とともに、ソフトバンクの孫正義会長が乗り出した。02年(14年)におけるあおぞら銀行の株主比率は、ソフトバンクが49%、オリックスが15%だった。ところが、03年(15年)孫氏は、サーベラス・グローバル・インベストメンツに持ち株を売り払った。あおぞら銀行がスタートしてまだ2年もたっていなかった。孫氏は500億円出して1000億円で転売したのだから、大儲けである。最初から外資に転売するつもりで日債銀の株を買ったのだろう。

 サーベラスは、ハゲタカ投資ファンドである。当時の会長は、ダン・クエール。ブッシュ父政権の副大統領だった人物である。サーベラスは、リーマン・ブラザーズ(2008年破産)とタッグを組んで、三井住友銀行に競り勝ち、あおぞら銀行の株式を買占め、62%を保有する筆頭株主になった。このサーベラスの日本法人であるサーベラス・ジャパンの顧問会議の議長が、オリックスの宮内氏なのである。宮内氏は、クエールとともにあおぞら銀行の取締役ともなっている。
 旧長銀の場合は、直接、外資の投資組合に売却されたが、旧日債銀の場合は、いったん日本の投資グループに売却された後、外資に売り渡された。この過程で、宮内氏は、外資が日本の銀行を買収することに協力し、それによって自社の利益を拡大したことが推測される。宮内氏が「ハゲタカ外資の総代理人」(副島隆彦氏)、「外資系企業の利益代理人」(横田一氏)等といわれる所以である。
 なお、サーベラスは現在、クエールが顧問に移り、ジョン・スノーが会長となっている。スノーの前職は、ブッシュ子政権の財務長官だった。経済閣僚のトップが、退任後、ハゲタカ投資ファンドの会長になって、強欲的な買収・転売をしているのである。しかも、その前任者は、アメリカ政府のナンバー・ツー、副大統領だった。こういう国の支配層が、わが国の資産を食い物にしているのである。そして、その分け前に預かっているのが、宮内義彦氏を始めとする私利私欲の権化のような日本人なのである。

 次回に続く。
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「人類史の文明学」を掲示

2009-06-12 12:18:53 | 文明
 私のホームページに「人類史の文明学~トインビー」を掲示しました。導入文を紹介します。

●はじめに

 「冷戦後の世界において、歴史上初めて世界政治が多極化し、多文明化した」と、サミュエル・P・ハンチントンは、『文明の衝突』(1996年、集英社)に書きました。「来るべき時代には、文明の衝突こそが世界平和にとって最大の脅威であり、文明に基づいた国際秩序こそが、世界戦争を防ぐ最も確実な安全装置である」とハンチントンは、同書を結んでいます。
 『文明の衝突』は、21世紀の世界を考えるための基本的な書物となり、同書によって、文明という概念は、国際情勢を分析するには欠かせないものになりました。
 『文明の衝突』が世界各国でベストセラーになる前、文明の研究は、一部の歴史家や人類学者の範疇でした。近代実証史学やマルクス主義史学に比べて、文明史学や比較文明学は劣弱な存在でした。しかし、『文明の衝突』は、文化や歴史の研究においても、文明という概念を連関の中央に進ませました。今日、多くの人々が、過去の歴史を振り返る時、そして現在の世界や将来の地球を考える時に、文明という単位を一つの常識として使っています。
 文明に関する研究が現代人の常識になったのは、20世紀最大の歴史家アーノルド・J・トインビーによるところが大きいです。トインビーの名著『歴史の研究』(社会思想社)は、それまでの様々な文化・社会の学説を、文明学という枠組みの中で編集することを可能にしました。また、同書の刊行以後、文明の比較研究が発達し、詳細化されてきました。そうした営みの蓄積が、ハンチントンの『文明の衝突』には、生かされています。
 私は、学者でも専門家でもありません。自分の関心のあることに、自分流で取り組んでいるだけです。これまで人類や日本の文明について書いた際には、しばしばトインビーに触れてきました。本稿は、トインビーの学説の概要をまとめ、私の理解と意見を述べるものです。

●本文

 ご関心のある方は、次のページへお越し下さい。
http://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/opinion09g.htm

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