私は初等中等教育をもって普通教育とし、これが同時に義務教育であると整理し直すとよいと思っている。初等中等教育の上に、高等教育がある。その中に専門教育及び職業教育がある。高等学校における普通科は、教養科と名称を変更する。
高等教育について、教改委は、以下のような条文を提示案している。
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●教改委案
第十一条(高等教育)
一 高等教育は、高度で専門的な知識を備えた人材の育成を図るとともに、真理の探究を通じて、新たな知見を生み出し、学術の進展や我が国及び国際社会の発展に貢献することを期して行われなければならない。
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この条文案は、「知識」「知見」「学術の進展」という言葉が並んでおり、高等教育が知識を中心の教育であるかのような規定になっている。内容が偏っており、加筆・修正が必要だと思う。
まず「高度で専門的な知識を備えた人材」とあるが、これは単に知識だけでなく、「知識と技術」と改めたい。また、ここに「勤労と責任を重んじ、自主的な精神にみち」と補いたい。これは、現行法第一条にある文言である。高等学校まで進学する者が大多数となっている今日、高等教育は一部のためのものではなくなっている。高等教育まで受けた日本人は、国民として、また社会人として一層の自覚を持って、勤労や社会参加をすることが要請される。
次に、「真理の探究を通じて、新たな知見を生み出し、」とあるが、「知見」は個人が見て知って得た知識である。「知見を得て、」ならわかるが、「知見を生み出し、」は無理がある。「生み出す」に重点を置くなら、「新たな価値を生み出し、」だろう。高校・専門学校なら「知見を得て」、大学・大学院なら「価値を生み出し」だろう。条文の前半に「知識を備えた」とあるので、前者では重複する。後者に修正したい。
条文の後半は「貢献」する主体が、人材なのか高等教育なのかが、あいまいである。この点は、高等教育全般というより、大学の役割にかかってくる。そちらに移したいと思う。
駅弁大学などといって増え続けた我が国の大学の数は、他の先進国に比べ、異常なほど多くなっている。それほどまでに教育が盛んに行なわれていながら、成果はどうか。
教育の成果は、その教育が生み出した人材をもって判断するのみである。現代日本の教育の成果は、20歳を迎えた青年の姿を見れば分かる。基礎学力の身についていない学生が増え、また国民としての自覚が弱く、社会常識も欠く成人が増えている。膨大な時間と費用とエネルギーをかけながら、青年たちの可能性を引き出せていない。
こうした結果を見据えて、我が国の教育内容・教育制度の全般を見直すことが急務になっていると思う。その見直しをはじめるには、教育基本法をしっかり改正し、根本的な理念・方針を打ち立てることだと思う。大学についても、こういう問題意識に基づいて、条文を新設したい。
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◆ほそかわ案
(高等教育)
第十一条 高等教育は、高度で専門的な知識と技術を備え、勤労と責任を重んじ、自主的な精神にみちた人材の育成を図ることを目的とする。
2 大学は最高学府として、真理の探究を通じて、新たな価値を生み出し、学術の進展や我が国及び国際社会の発展に貢献する人材を養成するための教育及び研究の機関とする。
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高等教育のうち、職業教育についても、教改委は、新設を提案している。
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●教改委案
第十四条(職業教育)
一 国及び地方公共団体は、国民が個性と能力に応じ、職業に関する知識と技能を身につけることを期し、職業教育の振興に努めるものとする。
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私は、この案に異論ない。同文なので、これを私案第十ニ条とし、掲載は省略する。
次に、自公・教改委とも、私立学校に関する条項の新設を提案している。自公案は、内容不明である。教改委案は、以下の通り。
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●教改委案
第十ニ条(私学振興)
一 国及び地方公共団体は、公教育の一翼を担う私立学校の重要性にかんがみ、その振興に努めるものとする。
ニ 私立学校の建学の精神及びその多様性と自主性は尊重されなければならない。
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私学を振興する主体は、民間である。行政は「振興に努める」のでなく、振興を支援する程度でよいと思う。その文言のみ修正したい。
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◆ほそかわ案
(私学振興)
第十三条 国及び地方公共団体は、公教育の一翼を担う私立学校の重要性にかんがみ、その振興を支援するものとする。
2 私立学校の建学の精神及びその多様性と自主性は尊重されなければならない。
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高等教育について、教改委は、以下のような条文を提示案している。
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●教改委案
第十一条(高等教育)
一 高等教育は、高度で専門的な知識を備えた人材の育成を図るとともに、真理の探究を通じて、新たな知見を生み出し、学術の進展や我が国及び国際社会の発展に貢献することを期して行われなければならない。
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この条文案は、「知識」「知見」「学術の進展」という言葉が並んでおり、高等教育が知識を中心の教育であるかのような規定になっている。内容が偏っており、加筆・修正が必要だと思う。
まず「高度で専門的な知識を備えた人材」とあるが、これは単に知識だけでなく、「知識と技術」と改めたい。また、ここに「勤労と責任を重んじ、自主的な精神にみち」と補いたい。これは、現行法第一条にある文言である。高等学校まで進学する者が大多数となっている今日、高等教育は一部のためのものではなくなっている。高等教育まで受けた日本人は、国民として、また社会人として一層の自覚を持って、勤労や社会参加をすることが要請される。
次に、「真理の探究を通じて、新たな知見を生み出し、」とあるが、「知見」は個人が見て知って得た知識である。「知見を得て、」ならわかるが、「知見を生み出し、」は無理がある。「生み出す」に重点を置くなら、「新たな価値を生み出し、」だろう。高校・専門学校なら「知見を得て」、大学・大学院なら「価値を生み出し」だろう。条文の前半に「知識を備えた」とあるので、前者では重複する。後者に修正したい。
条文の後半は「貢献」する主体が、人材なのか高等教育なのかが、あいまいである。この点は、高等教育全般というより、大学の役割にかかってくる。そちらに移したいと思う。
駅弁大学などといって増え続けた我が国の大学の数は、他の先進国に比べ、異常なほど多くなっている。それほどまでに教育が盛んに行なわれていながら、成果はどうか。
教育の成果は、その教育が生み出した人材をもって判断するのみである。現代日本の教育の成果は、20歳を迎えた青年の姿を見れば分かる。基礎学力の身についていない学生が増え、また国民としての自覚が弱く、社会常識も欠く成人が増えている。膨大な時間と費用とエネルギーをかけながら、青年たちの可能性を引き出せていない。
こうした結果を見据えて、我が国の教育内容・教育制度の全般を見直すことが急務になっていると思う。その見直しをはじめるには、教育基本法をしっかり改正し、根本的な理念・方針を打ち立てることだと思う。大学についても、こういう問題意識に基づいて、条文を新設したい。
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◆ほそかわ案
(高等教育)
第十一条 高等教育は、高度で専門的な知識と技術を備え、勤労と責任を重んじ、自主的な精神にみちた人材の育成を図ることを目的とする。
2 大学は最高学府として、真理の探究を通じて、新たな価値を生み出し、学術の進展や我が国及び国際社会の発展に貢献する人材を養成するための教育及び研究の機関とする。
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高等教育のうち、職業教育についても、教改委は、新設を提案している。
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●教改委案
第十四条(職業教育)
一 国及び地方公共団体は、国民が個性と能力に応じ、職業に関する知識と技能を身につけることを期し、職業教育の振興に努めるものとする。
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私は、この案に異論ない。同文なので、これを私案第十ニ条とし、掲載は省略する。
次に、自公・教改委とも、私立学校に関する条項の新設を提案している。自公案は、内容不明である。教改委案は、以下の通り。
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●教改委案
第十ニ条(私学振興)
一 国及び地方公共団体は、公教育の一翼を担う私立学校の重要性にかんがみ、その振興に努めるものとする。
ニ 私立学校の建学の精神及びその多様性と自主性は尊重されなければならない。
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私学を振興する主体は、民間である。行政は「振興に努める」のでなく、振興を支援する程度でよいと思う。その文言のみ修正したい。
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◆ほそかわ案
(私学振興)
第十三条 国及び地方公共団体は、公教育の一翼を担う私立学校の重要性にかんがみ、その振興を支援するものとする。
2 私立学校の建学の精神及びその多様性と自主性は尊重されなければならない。
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