ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

キリスト教245~セム系一神教の内部からの改革に期待する

2019-08-31 09:33:41 | 心と宗教
●セム系一神教の内部からの改革に期待する

 文明の中核には、宗教がある。世界の主要な文明は、宗教を精神的な中核としてきた。それゆえ、今日の世界における諸国家・諸民族の対立・抗争の考察は、文明と宗教の関係という視点からも見ていく必要がある。また実際、対立・抗争には文明と宗教が関わっている。
 ハンチントンは、冷戦終結後の世界の主要文明を7または8と数えた。教義の項目に書いたように、私は、彼の説を受けつつ、世界の主要文明を一神教文明群と多神教文明群の二つに分けている。それは、世界の主な宗教を、一神教と多神教に分けることに基づく。ここで文明群に関して一神教というのは、セム系唯一神教を指す。セム系唯一神教を文明の中核とする文明のグループが、一神教文明群である。一方、人類に広く見られる多神教を文明の中核とする多神教文明群である。
 セム系唯一神教では、神が無から宇宙を創造したとし、人間はその超越神によって創造されたものとする。その神を信じる者は、世界的大洪水で生存したノアの長子セムの系統に立ち、神と契約したアブラハムの子孫と考えられている。宗教的には、ユダヤ教、キリスト教、イスラーム教である。これらの文明における超越神は、唯一男性神とされる観念的な存在であり、神との契約が宗教の核心にある。地理学的・環境学的には、砂漠に現れた宗教という特徴を持つ。砂漠的な自然が人間心理に影響したものと考えられる。
 こうしたセム系唯一神教を文明の中核とする諸文明が、一神教文明群である。西洋文明、東方正教文明、イスラーム文明、ラテン・アメリカ文明の四つが、そのうちの主要文明である。私は、この文明群に属する周辺文明の一つとして、ユダヤ文明を挙げる。また、一神教文明は、ユダヤ=キリスト教諸文明とイスラーム文明に分けることもできる。
 人類の多数は、人間の起源についてセム系唯一神教とは違う見方をする。またセムを祖先とは考えない。その意味では非セム系である。セム系一神教以外の大多数の宗教は、多神教である。多神教では、自然が神または原理であり、人間は自然からその一部として生まれたと考える。宗教的には、アニミズム、シャーマニズム、ヒンドゥー教、シナの儒教・道教、日本の神道等である。仏教の一部(大乗仏教、密教)もこれに含めることができる。地理学的・環境学的には、森林に現れた宗教という特徴を持つ。森林的な自然が人間心理に影響したものと考えられる。
 こうした多神教を中核とする諸文明が、多神教文明群である。日本文明、シナ文明、インド文明に新興のアフリカ文明の四つつが、そのうちの主要文明である。いわゆる東洋文明はこれらのうち、インド文明、シナ文明、日本文明及びそれらの周辺文明を総称するものである。
 今日の世界の不安定の要因の一つに、一神教文明群の中での対立・抗争がある。イスラエルの建国後、ユダヤ文明の担い手であるイスラエルと、イスラーム文明の担い手であるアラブ諸国は数次にわたって戦争を行ってきた。西洋文明の担い手であるアメリカとイスラーム文明の国々は、湾岸戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争等で戦ってきた。東方正教文明の担い手だった旧ソ連は、イスラーム文明の担い手であるアフガニスタンとアフガン戦争で戦った。今日はイスラーム文明の国々に根拠地を持つ過激派集団が、ユダヤ文明・西洋文明・東方正教文明等の諸国でテロリズムを繰り広げている。その掃討のために、国家とテロ集団の間で新たな形態の戦争が行われている。これらは、一神教文明群におけるユダヤ=キリスト教諸文明とイスラーム文明の対立・抗争である。その対立は、ともに自らをセム及びアブラハムの子孫と信じる者同士の骨肉の争いである。
 今後、西洋文明、東方正教文明、ユダヤ文明等のユダヤ=キリスト教諸文明とイスラーム文明の対立・抗争が、さらに深刻化していくか、それとも協調・融和へと向かっていくか。このことは、人類全体の将来を左右するほどに重大な問題である。
 特に中東では、争いが互いの憎悪を膨らませ、報復が報復を招いて、抜き差しならない状態となっている。イスラエル=パレスチナ紛争を焦点として、ユダヤ教・キリスト教・イスラーム教のセム系唯一神教の内部争いによって、中東の一部は修羅場のような状態になっている。中東に平和と安定をもたらすことができないと、世界平和は実現しない。平和を維持するための国際的な機構や制度を整備・強化していっても、中東で対立・抗争が続いているならば、そこでの宗教戦争・民族戦争に世界全体が巻き込まれる可能性がある。最悪の場合は、一神教文明群における対立・抗争から核兵器を使用した第3次世界大戦が勃発するおそれがある。
 いかに中東で平和を実現するか。中東に平和を実現できるかどうかは、なにより宗教間の問題である。キリスト教は、世界で最も多くの信者数を持つ。これまでの歴史の延長線で考えれば、21世紀の半ばを過ぎる2070年ごろまでは、その状態が続くと予想される。キリスト教には、ユダヤ教とイスラーム教の争い、ユダヤ人・アラブ人・イラン人・クルド人等の民族間の争い等を収めて地域の平和を実現するために、果たすべき重要な役割がある。中東の平和は、キリスト教にとっても不可欠の目標だろう。イスラエルが支配しているエルサレムは、ユダヤ教の聖地であり、イスラーム教にとっても重要な場所だが、キリスト教にとっても、保ち続けなければならない聖地である。その聖地のある中東に恒久平和を実現することは、キリスト教自体にとっても安寧をもたらすことである。だが、キリスト教は神の愛と隣人愛を説く宗教でありながら、これまで平和を実現する役割をよく果たし得ていない。むしろ争いを生み出す要因となっている側面が大きい。
 2017年12月、トランプ大統領はエルサレムをイスラエルの首都と認定し、大使館をテルアビブからエルサレムに移転すると発表した。これに対し、パレスチナ側やアラブ諸国から激しい反発が起こった。事態を重視した国連は緊急総会を開き、アメリカのエルサレム首都認定を無効とする決議案を賛成多数で採択した。だが、アメリカは首都認定を取り消そうとしない。
 トランプ大統領の背後には、イスラエルと結びついたユダヤ・ロビー及び彼の支持基盤であるキリスト教右派がある。トランプは、特にキリスト教右派の支持を固めるために、今回の発表を行ったと見られる。トランプ政権において、アメリカ=イスラエル連合は一段と関係を強化している。その強化をもたらしたのは、ユダヤ・ロビー及びそれと結びついたアメリカ国内のキリスト教右派である。これに対し、キリスト教の内部から排他的な信徒を共存調和的な考えに向かわせる働きかけが増大することが期待される。

 次回に続く。

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 細川一彦著『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1

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韓国のエゴイズムが自国経済を破壊する~田村秀男氏

2019-08-30 09:43:42 | 国際関係
 韓国企業の戦略物資横流しが明らかになり、わが国政府は安全保障上の観点から、7月4日、韓国への半導体材料の輸出管理の強化を開始した。
 韓国政府は、これをいわゆる徴用工問題に対する報復だと主張したが、全く次元が違う問題を混同している。また、韓国における自称元徴用工の判決は、事実を無視した誤った判断であり、韓国政府がこの判決を許容したことは大きな間違いである。このいわゆる徴用工問題ついて、本ブログでは、2018年11月8日に「韓国の自称『徴用工』判決に断固たる対応を」を掲示した。
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/f5663c9f07db629a83bd6778cc768a7b 
 また、2019年1月5日には、「文政権の本質と韓国保守派の主張」を掲示し、櫻井よしこ氏の論稿を紹介するなどした。
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/ab41f1d8aece1ec6a91ffe9a03ea8e6c
 その後、韓国企業の戦略物資横流しの問題が表面化したので、この問題については、7月29日に拙稿「韓国企業の戦略物資横流しの背後に韓国政府か」に書いた。
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/048b93354aea4938f2dc6920fbc6ddb0
 8月に入り、わが国が韓国をホワイト国から除外する措置を取り、韓国も同じ措置で応じた。さらに、韓国は8月22日に軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を発表した。歴史認識や貿易の問題から、安全保障の問題へとさらに事態は悪化した。この事態は、韓国経済に大きなマイナスをもたらすあろう。

 反骨のエコノミスト、田村秀男氏は、SankeiBizの令和元年7月19日付に、日本の対韓貿易政策はこれまで、韓国を甘やかせ、韓国側はそれをよいことに勝手し放題だったが、日本との国際信義を無視し、日本の甘さにつけ込んだ韓国のエゴイズムが自国の経済を破壊することになっている、と書いている。
 田村氏の記事の要点を書くと、「日本の対韓国輸出管理強化(禁輸ではない)半導体関連材料3品目は年間3.4億ドル(約360億円)程度で、対日輸入総額の1%にも及ばない。ところが、そんな「ミニ品目」の制限が韓国経済全体を根底から揺るがす破壊力を秘めている」
 「韓国はハイテクのモノ(単一)経済である。サムスン・グループを筆頭とする韓国の10大財閥の合計売上高は韓国GDPの7割を優に超える。株式市場はハイテク銘柄が中心で、サムスン株が引っ張る。ハイテクの要、半導体産業の動揺は韓国経済全体の危機へと波及する」。
 「韓国上場株式市場での外国人投資家保有比率は約5割を占める」「外国人投資家が韓国株を売って外貨に換え、邦銀を中心とする外銀が融資を引き上げると、4000億ドルに満たない外貨準備では対応できそうにない」。
 「3品目の衝撃が金融に及ぶことを文政権も恐れている。最悪の場合、日本の金融機関は借り換えを拒んだり、新規融資の提供をやめたりする可能性があるという」
 これが、冒頭に書いた、日本の対韓貿易政策はこれまで、韓国を甘やかせ、韓国側はそれをよいことに勝手し放題だったが、日本との国際信義を無視し、日本の甘さにつけ込んだ韓国のエゴイズムが自国の経済を破壊することになっているということの大意である。
 以下は、田村氏の記事の全文。

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https://www.sankeibiz.jp/business/news/190719/bsm1907190500001-n1.htm
SankeiBiz
【ビジネスアイコラム】日本の甘さにつけ込んだエゴイズム、韓国経済を破壊する真の理由

 日本の対韓国輸出管理強化(禁輸ではない)半導体関連材料3品目は年間3.4億ドル(約360億円)程度で、対日輸入総額の1%にも及ばない。ところが、そんな「ミニ品目」の制限が韓国経済全体を根底から揺るがす破壊力を秘めている。日本の対韓貿易政策はこれまで、韓国を甘やかせ、韓国側はそれをよいことに勝手し放題だった。
 韓国は以前から日本製の家電、自動車、半導体の輸入を制限し、国内メーカーを育成してきた。それでも、国産技術では間に合わない部品や材料に限って日本からの輸入に頼ってきた。法外な報酬などの厚遇を餌に日本の技術者を週末だけこっそり一本釣りして韓国に呼び寄せ、ハイテクを窃取するケースも20~30年前は続出していた。日本の政界はと言えば、日韓の特殊な関係を考慮すると称して、韓国側にとって都合のよい対日取引を政治的に容認してきた。
 サムスン・グループの創業者、李秉●(イ・ビョンチョル、●=吉を2つヨコに並べる)氏は毎年末、年始にはソウルを離れ、箱根の別荘に閉じ籠もり、スタッフが収集してきた日本の電子機器の技術や需要動向に関する山のような資料と格闘し、分析し、新年の経営戦略を決断した。
 韓国経済成功の秘密は同国企業の奮闘ばかりにあるわけではもちろんない。輸出競争力の鍵は通貨ウォン安である。韓国は1997、98年、アジア通貨危機に見舞われた。ウォンが暴落し、外貨準備は底を突き、国際通貨基金(IMF)管理下に置かれた。ところが、輸出の回復は目覚ましく、韓国経済は急速に立ち直った。ウォン安の威力は2008年9月のリーマン・ショック後の輸出でも同様だ。そして、18年は最大の輸出先で国内総生産(GDP)に占める比率が1割を占める中国経済の減速に遭遇している。中国需要は米中貿易戦争でさらに下押し圧力を受けている。ところが、輸出は下降局面に入っても、短期間で再上昇する。ウォン安が後押しするのだ。それでも厳然として立ちはだかるのが冒頭に挙げた日本の対韓輸出管理の強化である。
 韓国はハイテクのモノ(単一)経済である。サムスン・グループを筆頭とする韓国の10大財閥の合計売上高は韓国GDPの7割を優に超える。株式市場はハイテク銘柄が中心で、サムスン株が引っ張る。ハイテクの要、半導体産業の動揺は韓国経済全体の危機へと波及する。
韓国上場株式市場での外国人投資家保有比率は約5割を占める。外国人投資の大半は株式など資産運用目的の証券投資を意味するポートフォリオ投資である。ポートフォリオ投資は逃げ足が速い。その額は今年3月末時点で4700億ドル近い。さらに、もっと逃げられやすい短期の借り入れ700億ドル弱など対外短期債務が約1300億ドルに上る。外国人投資家が韓国株を売って外貨に換え、邦銀を中心とする外銀が融資を引き上げると、4000億ドルに満たない外貨準備では対応できそうにない。
 非常事態では主要国との通貨スワップ協定によるドル資金の確保が頼みの綱になるが、慰安婦像問題などがたたり、日本とは通貨スワップ協定が延長されないままだ。残るは、韓国が中国と結んでいるスワップ協定だが、人民元とウォンの交換が主で、ドルは対象外だ。北京に従順な文在寅(ムン・ジェイン)政権が頼み込んでも、習近平政権が外貨を韓国に融通するゆとりは皆無だろう。
 3品目の衝撃が金融に及ぶことを文政権も恐れている。最悪の場合、日本の金融機関は借り換えを拒んだり、新規融資の提供をやめたりする可能性があるという。邦銀は韓国企業向けに約300億ドル貸しているが、最近は当然のように及び腰になっている。文大統領は「日本が韓国の経済成長を妨げたことに等しい」と例によって一方的に日本を責めるのだが、真因は日本との国際信義を無視し、日本の甘さにつけ込んできた韓国のエゴイズムにあるはずだ。(産経新聞特別記者 田村秀男)
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キリスト教244~人類最大の危機:核戦争と地球環境破壊

2019-08-29 09:39:19 | 心と宗教
●人類最大の危機~核戦争と地球環境破壊

 近代西洋文明は、人類に飛躍的な進歩をもたらした。だが、その半面で多くの弊害をもたらした。弊害の最たるものは、人類を絶滅しかねない核兵器の開発であり、また文明の土台を危うくする地球環境の破壊である。これらの地球規模の諸問題の発生と深刻化に深く関係しているのが、キリスト教である。
 現代の人類は、今日の危機をもたらした原因を究明し、文明のあり方を根底的に改めるべき時に来ている。核兵器・地球環境破壊等の問題は、まぎれもなく、人間の心が生み出したものである。物欲や金銭欲、支配欲や権力欲等が、こうした危機の原因になっている。そして、より深く危機の根底を見すえるならば、現代の根本問題は、近代科学の急速な発達によって、欧米人を始めとする人類が人知を過信し、傲慢不遜になっている事実にあることが浮かび上がってくる。近代から現代にかけて、人間は知恵ばかり発達して、道徳的にはほとんど進歩していない。いやむしろ後退しているとすら言える。この点を反省し、自己過信の愚を改めなければならない。
 人類存亡の危機の時代にあって、人類を善導すべきものが宗教であるが、既成の宗教は、キリスト教をはじめ、ユダヤ教にせよ、イスラーム教、ヒンドゥー教、仏教その他の宗教にせよ、みな科学が未発達だった時代に生まれた宗教である。これらの前近代に生まれた宗教は、旧来の価値観を絶対化し、それと異なるものを否定したり、排除したりする傾向がある。今後もその態度を取り続けるならば、宗教間の対立・抗争をはじめとして、それと深く絡み合っている民族間・国家間・集団間の対立・闘争はどこまでもやむことがないだろう。果ては、共倒れによる滅亡が待っている。
 既成の宗教が生まれた時代に人類が使っていた武器は、剣と槍と弓だった。しかし、その後、人類は核兵器を開発し、とてつもない破壊力を手にした。核兵器による第3次世界大戦という最悪の事態に至れば、人類のほとんどは死滅し、地球上の生物の7割までも死滅する恐れがある。そのような核の時代において、既成宗教は、かつての剣・槍・弓の時代に生じた観念にとらわれていてはいけない。そして共倒れによる絶滅ではなく、共存共栄の道を求めなければならない。
 キリスト教には、世界最大の宗教として、危機的な状況を打開し、人類を平和と繁栄へと向かわせる役割が期待されるところだろう。だが、キリスト教は、その期待に応えられていない。それどころか、今日の世界の対立・抗争を助長・激化させてさえいるのが、これまでのキリスト教である。
 人類は、20世紀に2度の世界大戦を行った。2度とも大戦の舞台となったヨーロッパで戦いを繰り広げたのは、キリスト教国であり、またはキリスト教が支配的だった国である。キリスト教徒は、その戦争の中で新たな科学兵器を開発し、殺戮と破壊の規模を拡大し、遂に核兵器を開発・使用するに至った。
 第2次世界大戦後は、年々核兵器が威力を増し、多くの国に拡散し、人類は自滅の瀬戸際に迫った。キリスト教国のアメリカに対抗して核兵器を開発し、これと対峙したのは、ソ連だった。ソ連は、キリスト教への批判の中から現れた無神論的共産主義に基づく国家だった。共産主義は極度の合理主義の思想であり、宗教に対して否定的で、これを厳しく規制する。米ソ二大超大国の対立は、キリスト教対反キリスト教という一面を持っていた。
 米ソの冷戦期は、恐怖の均衡が続いた。ソ連が崩壊に至ったことによって、当面の核戦争は避けられた。その後、米国が唯一の超大国となり、一時は「パクス・アメリカーナ」が実現した。しかし、21世紀に入ると、米国の衰退が目立ち始め、一極支配から多極分散の傾向が強まっている。その中で共産中国が急速に強大化し、米国と世界的な規模で覇権を争っている。今後、米中の対立・抗争が激化すれば、世界は再び熱戦すなわち世界戦争へと向かう可能性を孕んでいる。共産中国は、宗教に厳しい規制をかけ、チベットでは仏教、新疆ウィグルではイスラーム教を迫害し、また本国ではキリスト教への弾圧を強めている。
 世界戦争と核開発の原因の一端は、キリスト教にある。キリスト教には、そのことへの真摯な反省と自己改革を通じて、人類の最悪の危機を回避するための貢献が期待される。また、キリスト教に限らず、それ以外の宗教にも、危機回避のための努力が求められている。 

 次回に続く。

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キリスト教243~イスラーム教が世界最大の宗教へ

2019-08-27 13:05:16 | 心と宗教
●イスラーム教が世界最大の宗教へ
 
 米調査機関のピュー・リサーチ・センターは、2015年4月、世界の宗教別人口について、現在はキリスト教徒が最大勢力だが、21世紀末にはイスラーム教徒が最大勢力になるとの予測を発表した。同センターは、世界人口をキリスト教、イスラーム教、ヒンドゥー教、仏教、ユダヤ教、伝統宗教、その他宗教、無信仰の8つに分類し、地域別などに人口動態を調査して、2010年から50年まで40年間の変動予測を作成した。2010年のキリスト教徒は約21億7千万人、イスラーム教徒は約16億人で、それぞれ世界人口の31・4%と23・2%を占めた。イスラーム教徒が住む地域の出生率が高いことなどから、2050年になるとイスラーム教徒は27億6千万人(29・7%)となり、キリスト教徒の29億2千万人(31・4%)に人数と比率で急接近する。2070年にはイスラーム教徒とキリスト教徒がほぼ同数になり、2100年にはイスラーム教徒が最大勢力になる、と同センターは予測している。
 こうした長期的動向が予想される中で、キリスト教徒とイスラーム教徒が最も多く接触し、最も熱く摩擦を起こしているのが、ヨーロッパである。2009年(平成21年)8月、英紙『デイリー・テレグラフ』は、EU内のイスラーム人口が2050年までに現在の4倍にまで拡大するという調査結果を伝えた。それによると、EU27カ国の人口全体に占めるイスラーム系住民は前年には約5%だったが、現在の移民増加と出産率低下が持続する場合、2050年ごろにはイスラーム人口がEU人口全体の5分の1に相当する20%まで増える。イギリス、スペイン、オランダの3ヵ国では、「イスラーム化」が顕著で、近いうちにイスラーム人口が半数を超えてしまうという。文明学的に見れば、この変化は、ヨーロッパ文明がユーロ=イスラーム文明に変貌するものとなる。宗教的に言い換えれば、西方キリスト教の文化圏で、キリスト教が後退し、イスラーム教が流入・伸長し、二つの世界宗教が混在・対立する社会への変化である。
 21世紀後半、地球規模でキリスト教とイスラーム教の信者数が歴史上初めて伯仲し、さらにイスラーム教徒の数が上回っていくという展開になった場合、これらの宗教の間で教義・慣習の対立または融合がどのようになるかは、世界全体にとって重要な問題である。イスラーム的価値観と非イスラーム的価値観の間の相互理解と、それを通じての人々の自由と権利の保障、特に女性の自由と権利の保障が、より大きな課題となるだろう。
 現在、米欧ではキリスト教からイスラーム教への改宗者より、イスラーム教からキリスト教への改宗者の方が多いと見られる。その理由としては、米国の黒人におけるように、白人・支配者の宗教だったキリスト教に反発を覚えて改宗するという民族的な理由が、まず考えられる。また、それ以上に重要なこととして、教義上の理由があるだろう。イスラーム教はキリスト教の教義を批判して、独自の教義を形成した。キリスト教の教義を一部否定したところに、イスラーム教の神や預言者の概念が成立している。イスラーム教からキリスト教への改宗においては、イエスを人間(預言者の一人)から神と信じることへと信条を変えねばならない。また絶対唯一神から神・子・聖霊の三位一体の神の信仰へと信条を変えねばならない。これは論理的な思考では困難であり、非合理的な心の変化を要する。これに比べて、キリスト教からイスラーム教への改宗は、イエスを神から人間へ、神を三位一体の神から絶対唯一神へと置き換えるものゆえ、より合理的である。イエスを神と信じきれない者がイエスを人間とし、三位一体を信じきれない者が絶対唯一神を神と仰ぐ方が容易だろう。
 世界的にキリスト教とイスラーム教が数において百分率で1.7ポイント差になるとされる2050年において、ヨーロッパではムスリムが地域の総人口の20%になっており、イギリス、オランダ、スペインでは過半数を占めていると予想される。世界各地に広がった西方キリスト教の諸教派は、発祥地ないし本拠地がヨーロッパ諸国にある。カトリックはヴァチカン、ルター派はドイツ、改革派はスイス、聖公会・長老派・会衆派・組合派・バプテスト・メソディスト・クェーカー・ユニテリアン等はイギリスに、それぞれ発祥地ないし本拠地を持つ。そうした西方キリスト教の本家本元の文化圏が、イスラーム化ないし二大宗教の混在地帯と化していくと予想されるわけである。
 このような中で、キリスト教は終末的完成を成し遂げ得るのか、それとも発展的解消に至るのか。私は、キリスト教には終末的完成に至る力はなく、既成の世界宗教が混在する中で、より高次の新たな宗教の中へ、ともに発展的に解消していくと予想する。

 次回に続く。

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「香港の自由を中華共産主義から守れ」をアップ

2019-08-26 09:46:00 | 国際関係
 8月21日から26日にかけて、ブログに連載した香港情勢に関する拙稿をまとめて、マイサイトに掲示しました。通してお読みになりたい方は、下記へどうぞ。

■香港の自由を中華共産主義から守れ
http://khosokawa.sakura.ne.jp/
 NEWの案内から
または
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion12.htm
 目次からB44へ
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香港の自由を中華共産主義から守れ4

2019-08-26 09:30:46 | 心と宗教
●中国政府の出方と国際的影響

 中国共産党には、習政権指導部と長老らが集まる「北戴河(ほくたいが)会議」という重要会議がある。今月開かれたこの会議では、香港問題の対応が話し合われ、人民武装警察部隊を香港との境界に展開したと見られる。それによって、強大な圧力をかけたにもかかわらず、習政権は、12日の大規模抗議活動を抑えることができなかった。また、国際社会に対して、「第2の天安門事件」への懸念をより一層高めることになった。
 トランプ大統領は18日、香港情勢について「人道的に解決されることを望む」と述べ、香港情勢が平和的に収束すれば「貿易合意に向けた好材料となる」と指摘し、「習主席は人道的解決を実現させる能力があると確信している」と述べた。その一方、中国政府が抗議活動を武力で鎮圧し、「天安門事件が再現される事態」となれば、中国と貿易協議で合意するのは「一層困難になる」と警告した。 
 今年は、中国で年間最大の催しとして、10月1日に、中華人民共和国建国70周年の行事が予定されている。香港の民主派らは、この日に合わせて、最大規模の抗議活動を実行する構えと伝えられる。、また、抗議活動が再び過激化する可能性もある。中国共産党政府は、建国70周年のイベントを通じて、中国が共産党のもとでいかに発展したかを内外にアピールしようとしているところであり、香港の反香港政府・反中央政府の活動によってこの目論見を打ち破られたら、習主席及び共産党指導部の権威や威信が損なわれる。それゆえ、武力によって弾圧しようとする恐れがある。
 香港基本法は、14条に、香港に駐留する人民解放軍の出動について「治安維持のため香港政府は中央政府に要請できる」と定めているという。また、18条に、中国の全国人民代表大会の常務委員会が「香港で制御不能の動乱が発生した」と判断した場合は、中国本土の法律を施行するよう命令できると定めているという。この常務委員会が22日から26日まで北京で開催予定とのことであり、香港問題について何らかの判断・決定が下される可能性がある。
 習近平主席は、強いジレンマに陥っているだろう。香港の民衆運動に寛容な態度を示せば、香港だけでなく本土でも反習政権の運動が拡大する。数年間常時、各地で暴動が起こっているらしいから、政権が不安定になり、終身独裁の夢が揺らぐ。逆に、武装警察ないし人民解放軍を動かして武力で鎮圧すれば、米国をはじめ国際社会から厳しい非難を受ける。米国との貿易戦争で一層、経済的に追い込まれ、共産党指導層の反対派が勢いを増す。このジレンマの中で、現代シナの皇帝・習近平がどういう判断と命令をするかが注目される。
 香港における民衆運動とこれに対する共産党政権の対応は、台湾の総統選にも大きな影響をもたらしている。中国共産党は台湾にも「一国二制度」の受け入れを迫っており、台湾では「今日の香港は明日の台湾」という危機感が深まって、総統選での蔡英文氏へ支持が増えていると伝えられる。民衆運動の継続と、これに対する人民解放軍の動きは、台湾の総統選にさらに大きな影響を与えるだろう。
 私は、シナの人民を共産主義の支配から解放するには、民主化が必須であると考える。その民主化の拠点が香港である。共産中国は、巨大な岩である。この巨岩は、ただ押すだけでは、びくともしない。だが、テコの原理を応用するならば、小さな力で大きなものが動く。香港という小さな石が支点となるとき、巨大な岩が揺らぎ出し、ごろりと動くだろう。逆に、この小さな石を巨大な岩が膨大な重量で完全に抑え込んでしまったら、シナの民主化はさらに遠のくだろう。

●日本政府は態度を明らかにせよ

 米国のトランプ大統領や政府高官、連邦議会の有力議員等が、中国共産党政府にけん制や警告を繰り返し発しているのに対し、安倍首相をはじめわが国の政府は、態度を明らかにしていない。有力国会議員も積極的に発言していない。だが、日本にとっては、現在のシナ文化圏の情勢は、「今日の香港は明日の台湾」にとどまらず、「将来の沖縄」「将来の北海道」そして、「将来の日本」となりかねない動向である。日本人は、中国共産党からいかにして自由と独立・主権を守るかということについて、香港及び台湾に照らして真剣に考えなければならない。とりわけ政府及び国政に預かる政治家は、香港問題について態度を明らかにし、積極的に発言すべきである。(了)

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 細川一彦著『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
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************************************ ●中国政府の出方と国際的影響

 中国共産党には、習政権指導部と長老らが集まる「北戴河(ほくたいが)会議」という重要会議がある。今月開かれたこの会議では、香港問題の対応が話し合われ、人民武装警察部隊を香港との境界に展開したと見られる。それによって、強大な圧力をかけたにもかかわらず、習政権は、12日の大規模抗議活動を抑えることができなかった。また、国際社会に対して、「第2の天安門事件」への懸念をより一層高めることになった。
 トランプ大統領は18日、香港情勢について「人道的に解決されることを望む」と述べ、香港情勢が平和的に収束すれば「貿易合意に向けた好材料となる」と指摘し、「習主席は人道的解決を実現させる能力があると確信している」と述べた。その一方、中国政府が抗議活動を武力で鎮圧し、「天安門事件が再現される事態」となれば、中国と貿易協議で合意するのは「一層困難になる」と警告した。 
 今年は、中国で年間最大の催しとして、10月1日に、中華人民共和国建国70周年の行事が予定されている。香港の民主派らは、この日に合わせて、最大規模の抗議活動を実行する構えと伝えられる。、また、抗議活動が再び過激化する可能性もある。中国共産党政府は、建国70周年のイベントを通じて、中国が共産党のもとでいかに発展したかを内外にアピールしようとしているところであり、香港の反香港政府・反中央政府の活動によってこの目論見を打ち破られたら、習主席及び共産党指導部の権威や威信が損なわれる。それゆえ、武力によって弾圧しようとする恐れがある。
 香港基本法は、14条に、香港に駐留する人民解放軍の出動について「治安維持のため香港政府は中央政府に要請できる」と定めているという。また、18条に、中国の全国人民代表大会の常務委員会が「香港で制御不能の動乱が発生した」と判断した場合は、中国本土の法律を施行するよう命令できると定めているという。この常務委員会が22日から26日まで北京で開催予定とのことであり、香港問題について何らかの判断・決定が下される可能性がある。
 習近平主席は、強いジレンマに陥っているだろう。香港の民衆運動に寛容な態度を示せば、香港だけでなく本土でも反習政権の運動が拡大する。数年間常時、各地で暴動が起こっているらしいから、政権が不安定になり、終身独裁の夢が揺らぐ。逆に、武装警察ないし人民解放軍を動かして武力で鎮圧すれば、米国をはじめ国際社会から厳しい非難を受ける。米国との貿易戦争で一層、経済的に追い込まれ、共産党指導層の反対派が勢いを増す。このジレンマの中で、現代シナの皇帝・習近平がどういう判断と命令をするかが注目される。
 香港における民衆運動とこれに対する共産党政権の対応は、台湾の総統選にも大きな影響をもたらしている。中国共産党は台湾にも「一国二制度」の受け入れを迫っており、台湾では「今日の香港は明日の台湾」という危機感が深まって、総統選での蔡英文氏へ支持が増えていると伝えられる。民衆運動の継続と、これに対する人民解放軍の動きは、台湾の総統選にさらに大きな影響を与えるだろう。
 私は、シナの人民を共産主義の支配から解放するには、民主化が必須であると考える。その民主化の拠点が香港である。共産中国は、巨大な岩である。この巨岩は、ただ押すだけでは、びくともしない。だが、テコの原理を応用するならば、小さな力で大きなものが動く。香港という小さな石が支点となるとき、巨大な岩が揺らぎ出し、ごろりと動くだろう。逆に、この小さな石を巨大な岩が膨大な重量で完全に抑え込んでしまったら、シナの民主化はさらに遠のくだろう。

●日本政府は態度を明らかにせよ

 米国のトランプ大統領や政府高官、連邦議会の有力議員等が、中国共産党政府にけん制や警告を繰り返し発しているのに対し、安倍首相をはじめわが国の政府は、態度を明らかにしていない。有力国会議員も積極的に発言していない。だが、日本にとっては、現在のシナ文化圏の情勢は、「今日の香港は明日の台湾」にとどまらず、「将来の沖縄」「将来の北海道」そして、「将来の日本」となりかねない動向である。日本人は、中国共産党からいかにして自由と独立・主権を守るかということについて、香港及び台湾に照らして真剣に考えなければならない。とりわけ政府及び国政に預かる政治家は、香港問題について態度を明らかにし、積極的に発言すべきである。(了)

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 細川一彦著『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
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キリスト教242~フランスの移民問題とキリスト教

2019-08-25 09:43:23 | 心と宗教
●フランスの移民問題とキリスト教

 2017年4~5月のフランス大統領選挙は、世界的な関心を集めた。前年6月イギリスが国民投票でEUを離脱を決めたので、フランスはどうなるかが注目されたのである。
 英国のEU離脱を「ブレグジット(Brexit)」という。これに対し、フランスのEU離脱を「フレグジット(Frexit)」という。英国は、EUでは外様である。だが、フランスは、ドイツと並ぶEU二本柱の一つである。独仏の連携が、ヨーロッパにおける広域共同体を生み出し、EUへと発展させてきた。また、英国と違って、フランスはユーロ使用国である。それゆえ、フレグジットは、ブレグジット以上に、EUに強力な打撃を与えるに違いない。フランスが離脱すれば、その他の欧州各国でも、反EU、脱ユーロの勢力が増進し、次々に離脱が進むと予想される。EUは単なる規模の縮小にとどまらず、ドイツを中心とした再編を余儀なくされ、解体の道を進むかもしれない。こうしたことが予想される中で、2017年のフランス大統領選挙は行われた。
 今日、フランスは、欧州諸国の中でもイスラーム教徒の絶対数が多いことで知られる。比率も、人口の8%ほどを占める。私は、どこの国でも移民の数があまり多くなると、移民政策が機能しなくなって移民問題は深刻化すると考える。その境界値は人口の5%と考える。フランスの人口比率は、その境界値を超えてしまっている。
 2015年(平成27年)11月13日パリで同時多発テロ事件が起こり、130人が死亡し、約350名が負傷した。フランスでは第2次世界大戦後、最悪のテロ事件となった。
 戦後、フランス政府は、移民として流入するマグレブ人イスラーム教徒に対して、フランス社会への統合を重視してきた。だが、統合はうまくいかず、フランスの移民の多くは今日、貧困にさらされている。失業者が多く、若者は50%以上が失業している。彼らの多くは、差別や就職難等について、強い不満を持っている。そうした者たちの中から、イスラーム教過激派の思想の影響を受ける者が現れている。ISILなどが流し続ける「自国内でのテロ」の呼び掛けに触発される者もいる。こうした「ホームグロウン(自国育ち)」と呼ばれるテロリストの増加が、パリ同時多発テロ事件によって浮かび上がった。
 第2次世界大戦後、戦後フランスの政治を担ってきた主要政党は、共和党と社会党である。ともに非宗教的な政党である。両党の違いは、自由主義と社会主義の違いである。だが、どちらもEUを支持しており、EU支持勢力の中の右派と左派の違いでしかない。両党ともグローバリズム的なリージョナリズムに拠っている。仏共和党は、1990年代からイギリスやアメリカの新自由主義の影響を強く受けて、新自由主義が主流となっている。仏社会党は、社会主義ではあるが、穏健な民主社会主義である。これらの政党は、政治思想の違いはあるが、脱国家・脱国民の方向性を共有している。ヨーロッパにおいて、グローバリズム的なリージョナリズムに対抗する思想は、反グローバリズムかつ反リージョナリズムのナショナリズムである。この立場に立つのが、国民戦線(FN)である。
 FNは、ユダヤ人排外主義・反移民とネイションの強化を主張するジャン=マリー・ルペン党首に率いられて、1980年代に勢力を拡張した。「極右」と呼ばれるが、ファシズムではなく、リベラル・ナショナリズムの政党である。娘のマリーヌが2代目党首になると、排外主義のトーンを下げ、社会保障重視政策を掲げて支持者を拡大してきた。
 マリーヌ・ルペンは、2015年11月、パリで同時多発テロが起きた後、「イスラーム主義はフランスの価値観に合わない」と移民受け入れの適正化を主張し、EUが進める自由貿易を批判して、社会党の基盤である労働者層に支持を広げてきた。2016年6月、英国のEU離脱が決まると、ルペンはこれを歓迎し、「フランスにはEU離脱のための理由が、英国以上にある。その理由はフランスはユーロ圏に属し、シェンゲン協定に加盟しているからだ」と語った。シェンゲン協定は、ヨーロッパの国家間において国境検査なしで国境を越えることを許可する協定である。域内の移動の自由を保障する取り決めである。
 2016年11月に米大統領選挙でトランプが勝利した時、マリーヌ・ルペンは、「イギリスがEU離脱を決めたのに続いて、トランプが勝利した。我々はトランプが差し出した手を握って進まねばならない」と述べた。
 彼女の父ジャン=マリーは、2002年の大統領選で社会党候補を破って決選投票に進んだ。だが、社会党はFN政権を阻止するため、保守系のシラク大統領(当時)を支持し、シラクが約8割の得票率で圧勝した。娘マリーヌにとっては、親子二代の大統領への挑戦となっている。経済改革に失敗した共和・社会の二大政党及び既成政治家に対する批判がかつてなく強まるなか、マリーヌは2017年の大統領選挙に立候補した。
 彼女は、大統領に当選したら、「EU離脱の是非を問う国民投票を実施する」と公約した。「離脱により、わが国はドイツや欧州官僚から主権を取り戻す」と主張している。FN副党首のフロリアン・フィリッポも、「我々が政権の座に就いたら、まず6カ月以内にユーロの使用を取りやめ、フランを再導入する」と断言した。
 仏大統領選は2回投票制で、最初の投票で過半数を得票した候補がいない場合、上位2人が決選投票に進む仕組みである。第1回投票では中道系独立候補の新星エマニュエル・マクロンが1位となり、ルペンは僅差の2位だった。マクロンは、ロスチャイルド系の銀行の副頭取だった俊英であり、背後にはロスチャイルド家と欧米の支配階層、巨大国際金融資本家がいる。マクロンとルペン、二人の一騎打ちとなった決選投票では、保守・中道・リベラルの票がマクロンに集まり、フランス史上最も若い39歳の大統領が誕生した。得票はマクロン66.1%、ルペン33.9%の大差だった。この結果、グローバリズム的リージョナリズムが継続され、フランスはEUとユーロの参加国の地位を維持した。
 大統領選挙に続いて、2017年6月には国民議会選挙が行われた。国民議会は下院に当たる。ここでは、マクロン大統領が設立した中道新党「共和国前進!」が単独過半数を獲得した。協力政党の「民主運動」と合わせて350議席、定数577議席の6割超を占めた。仏政界を長年けん引してきた共和党・社会党の2大政党は大きく議席を減らし、政治地図が大きく塗り替わった。一方、国民戦線は、大統領選挙とは打って変わって、勢いを失い、僅か8議席しか獲得できなかった。これが一時的な後退なのか、決定的な退潮なのかは、まだ予測できない。
 フランスには、キリスト教の名を冠した政党はない。かつてキリスト教民主主義に近い旧フランス民主連合があったが、2007年に分裂した。同党からキリスト教民主主義者の大半は離脱し、残りの支持者の多くは「民主運動」に移ったと見られる。「民主運動」は、マクロン政権で政権与党となっている。それゆえ、移民を規制したり、キリスト教に基づく伝統文化を積極的に守ろうとするような、有力なキリスト教系の政治集団は、フランスには存在しない。

 次回に続く。

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香港の自由を中華共産主義から守れ3

2019-08-24 09:33:10 | 国際関係
●威嚇にひるまない香港市民

 中国共産党政府から武力による威嚇を受ける中で、8月11日、改正案の撤回を求める若者らが香港各地で抗議活動を行い、繁華街の幹線道路などを占拠した。警官隊が強制排除のため催涙弾を発射し、複数人を拘束し、負傷者も出た。さらに、12日には、香港国際空港内で大規模デモが行われ、香港の航空当局は同日発着するすべての便を欠航とした。この活動に対して、中国共産党政府が武力による鎮圧を行うかどうか、注目された。
 トランプ米大統領は、中国政府が武力行使の動きを見せていることについてツイッターでけん制し、また「香港は非常に厳しい状況だ」「自由のため、中国を含む全ての関係者にとって事態がうまく決着することを望む」などと語った。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、「米国の人々は、天安門で中国の人民が自由と民主主義を求めて声を上げ、1989年に(武力で)鎮圧されたことを覚えている」「香港でも同様の記憶を新たに生み出すのは大きな間違いだ」と述べて、中国側に警告した。これに対し、中国政府は香港問題は内政問題だとして、米国に内政干渉をするなと反論し、中国の官製メディアは米国などがデモの「黒幕」だと非難し、米国の外交官がデモの指導者を教唆しているとして批判した。 
 トランプ大統領は14日にも、中国が香港との境界に人民武装警察部隊を集結させているとの情報を受けて、ツイッターで「習近平国家主席が香港問題を早急かつ人道的に解決しようと思えば、そうできると信じて疑わない」と述べ、デモの強制鎮圧を避けるよう促した。同日、国務省報道官は、すべての当事者に「暴力の自制」を要請しつつ、中国政府に対し、香港返還をめぐる中英共同宣言でうたわれた、香港の「高度な自治」や「言論・平和的集会の自由」を順守するよう要求する声明を出した。また、米国が黒幕だという中国側の主張を否定した。下院外交委員会のエンゲル委員長(民主党)とマッコール筆頭理事(共和党)は、デモを武力で鎮圧すれば国際的非難と迅速な制裁行為が待っていると警告し、「天安門のような過ちを起こしてはならない」という声明を出した。
 こうして香港問題が米中関係の新たな火種になっているなかで、再び大規模な抗議活動が香港で行われた。香港空港での大規模デモに対しては、空港利用者に大きな迷惑をかけたことで、一般市民や国際社会から批判の声が上がった。デモの主催者である民主派団体「民間人権陣線」は、このことについて謝罪し、戦術を転換した。そこで穏健な戦術のもとで行われたのが、18日の抗議集会とデモ行進である。
 抗議集会は、香港島中心部のビクトリア公園で行われ、改正案撤回など政府に「五大要求」を突き付けた。「五大要求」とは、条例改正案の完全撤回、「暴動」認定の撤回、デモ参加者の釈放、当局による暴力の調査、普通選挙実現の5項目である。
 警察当局はデモ行進を許可しなかったが、集会参加者は市中心部の幹線道路を広い範囲にわたって行進した。主催者発表によると、集会とデモの参加者は合計約170万人(警察発表12万8千人)に上った。この日で11週目の抗議活動となったが、6月16日の約200万人(主催者発表)に次ぐ規模となった。
 この抗議集会とデモ行進は、中国共産党政府の武力による威嚇に怯まない香港市民が多数参加したものである。参加者は、若者や学生から一般市民、公務員等に広がっており、中高生グループは9月の新学期から授業ストライキを計画し、一部教師も支持を表明しているという。今後、五大要求に対し、香港政府側から満足すべき回答が得られなければ、抗議活動が長期化するだろう。

 次回に続く。

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香港の自由を中華共産主義から守れ2

2019-08-23 09:37:40 | 移民
●武力で威嚇する中国共産党政府

 7月に入ると、人民解放軍が続々と香港入りしようとしているという情報が伝えられた。香港は「一国二制度」とは言え、あくまで中国共産党の支配下にある。警察で抑えきれなければ、軍隊を投入して、武力で鎮圧するのが、権力の論理である。人民解放軍には香港駐留部隊があり、旅団規模の人員(6千人)が香港に配備され、中央軍事委員会が指揮権を持っている。現在の民衆運動の程度であれば、仮に軍を動かすとしても、香港部隊で十分だろう。だが、大陸の人民解放軍が続々と香港入りし、香港には置いていない戦車も投入する模様と報じられた。
 ところで、「逃亡犯条例」改正案への反対運動には、習近平主席のスキャンダルが関係している。中国では、習近平主席の女性関係を暴露した本が禁書に指定された。その本がいよいよ米国で出版される。本のタイトルは『習近平と彼の愛人たち』で、ロサンゼルスに拠点を置くウエスト・ポイント出版社が出版する。最初は中国語版で発行され、売れ行きを見て英語版も出版される予定だという。習近平主席の女性関係が赤裸々に綴られているという。毛沢東に比べれば、だいぶスケールは落ちるが、世界に衝撃を与えるスキャンダルであることは、違いない。
本書について、NEWSポストセブンの7月13日付の記事は、次のように伝えている。
 「この本は当初、香港で中国関係の禁書を扱う銅羅湾書店から出版、販売される予定だったが、2015年10~12月の間に、同書店の社長や書店主ら幹部5人が中国当局によって極秘裏に中国大陸内に拉致されたことで販売が不可能となっていた。しかし、出版社側は本の版権を米国の出版社に譲渡したことで、ロサンゼルスで出版されることになったという」。
「香港では現在、逃亡犯引き渡し条例の改正案が市民らの激しい反対で事実上の廃案に追い込まれているが、本書が関係しているからだ。200万人以上の市民が改正案の反対デモに参加するきっかけとなったのは、同書をめぐって、2015年に出版社の幹部らが中国当局によって非合法的に身柄を拉致されて、中国大陸内で取り調べを受けていた事実が広く市民に知られているためだ」と。
 習近平主席は、その一身に権力を集中し、いまや中国の独裁者となっている。個人崇拝が進み、一部には神格化する動きが起こっている。そうした独裁者にとって、本書が暴露するようなスキャンダルは、徹底的に排除したいのだろう。
 7月31日、中国人民解放軍の香港駐留部隊は、出動を示唆する動画を公開した。共同通信の記事は、「デモ隊の制圧をイメージしたような場面もあり、香港から中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対するデモを威嚇する狙いがありそうだ」「群衆が軍に連行されるような場面もあり、香港の若者らの反発を招きそうだ」と伝えた。
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019080101000641.html?ref=rank
 中国共産党指導部は、人民解放軍の圧倒的な戦力を誇示することで、一切の抵抗を封殺しようということではないか。軍隊が、民衆に発砲せずに銃器や戦車による威嚇だけで抑えるか、天安門事件のように民衆を徹底的に殺戮するか。後者の展開になれば、多大な犠牲者が出ることになり、国際社会から強い批判が上がるのは当然である。とりわけ米中貿易戦争が展開されている中ゆえ、米国が中国に厳しい制裁を行うだろう。それは、経済的に追い込まれている習近平政権にとっては、足元が揺らぐほどの影響をもたらすだろう。
 その後の報道では、中国共産党政府は、香港に隣接する広東省深圳に、人民武装警察部隊を配置しており、装甲車やトラックが多数集結している。この部隊は、人民解放軍ではない。報道される映像に、戦車は見えない。だが、人民武装警察部隊は実質的には軍隊であり、国内軍・治安軍というべきものであって、その配備は強大な威嚇である。

 次回に続く。

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キリスト教241~オーストリアとイタリアの動向

2019-08-22 12:20:09 | 心と宗教
●オーストリアとイタリアの動向

 英国が国民投票でEU離脱を決め、米国の大統領選でトランプが勝利した後、2016年12月4日、オーストリアとイタリアで重要な出来事があった。オーストリアでは、大統領選挙のやり直し決選投票が行われた、リベラル・ナショナリズムの政党の候補者が、親EU・移民受け入れの候補者に敗れたものの、大接戦を演じた。同じ日、イタリアでは憲法改正に関する国民投票が行われた。その結果、EU追従的な憲法改正案が否決され、首相が辞任を表明することになった。
 オーストリアは2015年に、シリア等からドイツなどに向かう難民・移民の主要な経由国となったことで、国民に反移民感情が強まった。そうした状況で、2016年4月に大統領選挙が行われた。この投票では、反移民・難民を掲げ、EUにも批判的な自由党の候補ノルベルト・ホーファーが、首位に立った。ホーファーは、国民議会(下院)第3議長でもあった。連立与党の社会民主党、国民党の候補は惨敗した。
 5月に決選投票が行われ、ホーファーと、難民らへの寛容姿勢やEUとの関係重視を訴える緑の党前党首、アレクサンダー・ファン・デア・ベレンの一騎打ちとなった。ホーファーがリベラリズムの右派でナショナリズムに拠って立つのに対して、ファン・デア・ベレンはリベラリズムの左派であり、左翼的なインターナショリズムと協調的である。結果は、ベレンが薄氷の勝利を収めた。だが、不正開票で憲法裁判所が再実施を命じた。
 そこで12月4日に大統領選のやり直し決選投票が行われたのである。この選挙は、米国大統領選挙でトランプが勝利した後に、ヨーロッパで初めて行われる重要な選挙だった。選挙期間中、各種世論調査では、両者の支持率は「誤差の範囲の差」とされるほどの大接戦状態だった。ファン・デア・ベレンは米大統領選でのトランプ勝利を「欧州への警鐘」として、「反極右」の結集を呼びかけた。一方、ホーファーは「有権者から離反したエリートは落選する」と強調し、自身も既存政治勢力と一線を画し、追い風にしようと目論んだ。移民・難民流入規制の強化を訴えるとともに、EUは個々の国家を過剰に管理しようとしていると批判して、EUからの離脱を問う国民投票を呼びかけた。
 やり直し選挙は、再びファン・デア・ベレンがホーファーに勝ち、決着がついた。ファン・デア・ベレンの得票率が53.3%、敗れたホーファーは46.7%と、6.6%の差がついた。敗れたもののホーファーの支持者の多くは、若者である。その中には、多文化主義に反対するアイデンティティ回復運動の参加者がいる。この運動は、西欧諸国で若者に広がりつつある運動である。ホーファーは、選挙の敗北を認めつつも、次の選挙を目指して戦っていく姿勢を打ち出している。ファン・デア・ベレンは72歳だが、ホーファーは45歳である。将来、ホーファーが大統領になる可能性は十分ある。
 2017年10月の総選挙では、中道右派の国民党が第1党となり、「反移民」を主張する党首クルツが、31歳で世界最年少の首相となった。クルツは、「反イスラーム化」を強調して第2党となった自由党と連立を組んだ。これによって、オーストリアは、反移民・反イスラーム化の方向へ、舵を切った。
 イタリアでは、2016年12月のオーストリアの大統領選挙のやり直し決選投票と同日に、憲法改正の是非を問う国民投票が行われた。結果は、反対が約6割で、賛成を大きく上回った。改正案を否決されたマッテオ・レンツィ首相は辞任を表明した。
 賛否が問われた憲法改正案は、イタリア経済の一層のグローバル化を推進するための構造改革を進めやすくするために、議会制度に手をつけようとするものだった。政権側は下院と同等である上院権限の縮小を図ろうとした。イタリアのEUへの追従をさらに進めようとするものである。レンツィ首相が国民投票の結果に進退をかけると発言したことで、事実上の信任投票となった。既存政治を批判する新興の政治組織「五つ星運動」など主要野党は、憲法改正は「首相の権限強化につながる」として反対運動を展開した。レンツィの与党、中道左派の民主党は、停滞する経済に不満を持つ国民の支持を集められなかった。グローバリズムによる「古い改革派」とレンツィ首相が退くことになった。後継のパオロ・ジェンティローニ内閣は、首相の所属する民主党とキリスト教民主主義の政党連合「アレア・ポポラーレ」の連立政権であり、前政権の方針を継承している。
 イタリアは、ドイツ、フランスに次ぐユーロ圏第3位の経済規模を持つ。そのイタリアの銀行の不良債権は約3600億ユーロ(約44兆円)と、ユーロ圏全体の約3分の1を占める。国民投票の結果、巨額の不良債権を抱える銀行の経営再建に影響が出ている。イタリアは国内総生産(GDP)比約130%という、ユーロ圏でギリシャに次ぐ規模の債務を抱えており、財政への警戒感が増している。もしイタリアが金融危機に陥れば、2015年のギリシャの債務危機に続いて、再びユーロ圏が揺さぶられるだろう。
 なお、「五つ星運動」は、著名コメディアン、ベッペ・グリッロが2009年に立ち上げた市民参加型の政治運動体で、既存政党を批判して台頭してきた。汚職撲滅、インターネットによる直接民主主義等を主張し、EUに批判的で、ユーロとともに離脱の是非を問う国民投票の実施を目指している。同党は、2013年の総選挙で躍進した。現在、下院の最大野党で、上院では第2野党となっている。2016年6月の地方選挙ではローマ、トリノの両市長を制し、勢いを増した。2017年6月の地方選挙では大敗を喫したものの、全国的な世論調査では支持率トップを争った。そして、2018年3月の総選挙では、ネットを駆使して第1党に躍り出て、反移民・反ユーロを掲げる「同盟」(旧「北部同盟」)と連立政権を発足させた。同党が今後も政権を維持し続ければ、イギリスに次いでイタリアもEU離脱に動くかもしれない。
 オーストリアもイタリアも、上記の政治的な動きは、直接キリスト教の政党によるものではない。だが、これらのキリスト教国の国民の選択は、そのままその国におけるキリスト教の将来を左右することになる。

 次回に続く。

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